歌姫と仮面の狂想曲   作:白紙の可能性

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第35話 0000/開戦

 2課の休憩所に、弦十郎と彼に惚気話を披露している響がいた。

 

 

 基礎的な身体能力と技術を確保した響の以降の修行を七実は弦十郎に依頼していた。それ以降、ここで修行の日々を過ごしていた。

 

 

「それがですね、師匠、彼が私にこのネックレスを買ってくれたんですよ~」

 

 

「あ、あぁ、それは良かったじゃないか……(その話はもう3回目なのだが……)」

 

 

 先程まで、修行を行っていたのだが、現時点では、弦十郎の手に余る現状に陥っていた。

 

 

 やはり、恋をし、成就させた少女の熱量にさ然しもの人類最強に近い男であっても押し負けてしまう状況であった。

 

 

 ハイヒールの足音が聞こえてくる。二人の鼻腔にコーヒーの独特な香りが届く。

 

 

「また、その話をしているの……」

 

 

 友里あおいは二人にコーヒを持ってきたを手渡した。

 

 

 あおい自身も弦十郎と共にコーヒーを口に運ぶも、口の中が甘く感じてしまっていた。

 

 

 頬を完全に緩ませている彼女の表情に大人二人は苦笑いを浮かべるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先程、2課から呼び出されて、何か、会議のようなものにソウマ、アスカ、響、奏は参加させられた。

 

 

 彼らは食堂に揃って、今回の会議の内容について話し合っていた。

 

 

「デュランダルか……なんでこんな面倒事が起きてるのかなぁ」

 

 

「あぁ? 、そんなのノイズを使って攻めてきている敵の目的がデュランダルだからだろうが」

 

 

「でも、それに合わせて響を目的にしている側面とどうにも一致しないんだよね」

 

 

「どう言うことだ?」

 

 

「それは簡単だよ。敵の目的が、まず1つ完全聖遺物、デュランダルと融合症例である響の確保っていう2つの側面への共通点が聖遺物っていうだけで、それ以外がなぁ」

 

 

「?」

 

 

 3人の会話についていけずに目が点になる響を傍目に3人の会話が加速する。

 

 

「というか、なんでデュランダルの移送の指示なんて出したんだろう?」

 

 

「ここより安全なところに保管するためじゃないの?」

 

 

「ねぇ響、大事なものを閉まっているとして、それを別の場所に移すことをこんな大規模でやったら移動させることがリスクにならない?」

 

 

「お前は、今回、敵は確実に攻めて来ると考えているんだな」

 

 

 アスカの発言に奏は飲んでいた飲み物を喉に詰まらせ咳き込む。

 

 

「なんで確実に攻めてくるって断言できるんだよ」

 

 

「それは簡単だよ。響と聖遺物の2つも手にできる。もしくは片方が手にできる。これを逃すほど敵は馬鹿じゃないよ。きっとね」

 

 

「でも、それは……」

 

 

「それは情報が筒抜けと待っている場合だ。つまり、敵の手が政府側にいる可能性ということだ」

 

 

 アスカが詰まっていた奏の言葉に追従する。

 

 

 情報が敵の手に有ることを確実というようなソウマの答えに納得がいっていない奏は飲み物を一気に飲み干す。

 

 

「でも、ソウマ。どうしてその確信があるの?」

 

 

「あの夜に響を確実に目的として敵が行動していたこと、また、響の聖遺物の融合に関することを知っていた。つまり、極秘情報のさらにその研究中の情報に関することを知っていることは明確に敵に流れている証拠になるからね」

 

 

「……」

 

 

 ソウマの語った響に関する最新の情報が漏れている事実が奏を閉口させるには十分すぎるほどの内容であった。

 

 

 4人の中で空気が完全に凍りついた。

 

 

 これからの起こるであろう襲撃に4人は嫌な想像をしてしまうものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 輸送中の了子の車の中で、響はサイドミラーから、護衛についてくるソウマへと視線を向けていた。

 

 

「あらぁ、お熱いわねぇ~彼と付き合ってるんでしょ。まさか、未来の魔王さまの恋人なんて、未来の王妃様。いいわねぇ」

 

 

「良くねぇよ! 魔王はアスカの家族や仲間を殺した奴なんだろうが!」

 

 

 了子のからかいの言葉に後部座席にいる奏が噛みつく。奏の言葉に響は顔を俯かせる。

 

 

「でも、まだ決まってないでしょ。そうなるっていうのは。アスカくんだって、信じているでしょう」

 

 

「……」

 

 

「それに、私もわかるのよ、本当に身を焦がす恋っていうものを」

 

 

「了子さんも誰か好きな人がいるんですか?」

 

 

「えぇ、でも、ずっと会えていないの」

 

 

「……そうなんですか」

 

 

 響は聞いてはいけないことを聞いてしまったと思い、視線を彼女から反らした。

 

 

 突如、爆発音が聞こえる。それは、響と奏にとって、2課の中に裏切りものがいることについて確信となった瞬間であった。

 

 

「飛ばすわよぉ!」

 

 

 了子の声に合わせて車が加速する。爆発音に合わせて回りに起きる被害が大きくなっていくなか、それを振りきるように加速していく。

 

 

 すると、目の前にノイズの一段が現れる。自分達の進路を塞ぐように統制のとられた講堂に後部座席にいた奏はギアを纏った。

 

 

「了子さん! 目の前の集団は私が倒す。だから、その隙に行ってくれ! 響!」

 

 

「は、はい!」

 

 

「頼んだぞ!」

 

 

「え……」

 

 

「え、ちょっと待ちなさい!? 今、走行中で──」

 

 

 制止を聞かず、奏はドアを開けて外に飛び出す。彼女は槍を使い、減速し、無事に着地する。

 

 

 彼女は槍に力を込めて、エネルギーで形成された槍をノイズに向かって投射する。

 

 

【STARDUST∞FOTON】

 

 

 敵を穿ち、道が作られる。そこに了子の車がすかさず入り込みノイズの集団を抜けきった。

 

 

 残ったノイズは了子の車を追うことなく奏へと迫ってくる。

 

 

「やっぱりこいつらは私を押し止める陽動か」

 

 

 槍を構え直し、迎撃の体制をとると、ピンクと黄色の光弾が横をすり抜け、ノイズを撃ち抜く。

 

 

 すると、ソウマとアスカはバイクに乗り、バイクにエネルギーを纏わせ、迫りくるノイズをすべて轢き倒していった。

 

 

「大丈夫か!」

 

 

「アスカ……、ここは任せて行け! 恐らくあの女が響のところに向かってる」

 

 

「そうもいってられないかな?」

 

 

 ソウマの言葉通り、ノイズが大量に現れ、自分達を囲んでいたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 響は車に揺られながら、後ろに視線を向けて、胸元で拳を握っていた。

 

 

(任せるか……よし)

 

 

 横の了子の表情に目を向ける。必死の表情でこの状況を振り切ろうとしており、それを見た響の目に決意の光が灯る。

 

 

 街中を走り抜けていくが、追手の追撃は止まらない。

 

 

 弦十郎の指示で薬品工場に差しかかるタイミングでノイズがマンホールから攻撃を行ってくる。

 

 

 しかし、護衛車両の爆発に伴う破片に車は足を取られて横転する。

 

 

「く、くぅ……了子さん、大丈夫ですか!」

 

 

「えぇ」

 

 

 デュランダルの入ったケースを持ち出そうとするが、あまりの重さに口から文句が漏れる

 

 

「了子さん。これ、重いです」

 

 

「じゃぁこれを置いて私たちは逃げちゃいましょうか」

 

 

「そんなわけにいかないじゃないですか!」

 

 

 二人の口論しながら走るが、ノイズによる攻撃で先程まで乗っていた車が爆発し、響は吹き飛ばされる。

 

 

 そんな響にノイズが迫ってくる。しかし

 

 

「仕方ないわねぇ!」

 

 

 響が目線をノイズに向けるとノイズを不思議な力で押し止める桜井了子の姿が目に飛び込んできたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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