あとがきに一応オリジナル疑似ライダーの設定を載せておりますので興味がありましたら是非ご覧になってください。
迫る炎が視界を覆いつくそうとする。
「ッ!!」
変身しようと、二つのウォッチを装填し変身しようとするが、間に合いそうにない。
「……」
諦めに近い感情が二人を支配する。
『ゲイツ・ギワギワシュート』
光の矢が、炎に向かって飛んでいき、炎の球を相殺する。
「まさか……」
振り返るとそこにはアスカの変身したシャドウゲイツがそこにいた。
「どうやら、間に合ったようだな」
「アスカ!!」
救援が来た事実と、相手への有効打を持つ仲間の姿に喜びの感情が湧き上がる。
「アスカ……一旦体制を立て直そう。このまま一緒に戦っても、連携が完全に取れない」
「あぁ、ある程度は、アーリに聞いてはいるが、詳細はお前に聞けと言っていてな」
「え、アーリが協力しているの!?」
「どういうことだ? 協力することがおかしいみたいな──ッ!?」
二人の会話を打ち切るように、アナザーエグゼイド光弾を打ち出す。
「変身!」
【アーマータイム! プリーズ! ウィザード!】
『ディフェンド! プリーズ!』
直接ウィザードアーマーに変身し、炎の防御魔法陣で攻撃を無力化する。
「ほう、それが新しい力か?」
「うん、結構使い勝手がいいんだよね。まぁとりあえず、一時撤退」
『ライト! プリーズ!』
防御を解き、強い閃光が3人を搔き消す。
「ッ! ……まったく、このライダーオタクは……こんな対策手段を持っているとは……どこまで……ハァ」
目くらましから、目を守るように、つぶっている間に既にそこには3人の姿はいなかった。
呆れた七実は、付近に隠れたであろう、二人の捜索のために、その場を離れたのであった。
白い世界の中、アーリは、自分の作業用の机から、現世の戦闘をモニターしていた。
「ふーん、正直、ここまで、今回の我らが魔王がここまで強いとは思ってなかったなぁ、今回のシャドウジオウの力の獲得と参戦時期をずらしたっていうのに、これも全並行世界の融合の影響かな……でも、アスカの途中参戦は、やっぱり君の仕業だよね」
彼は、後ろから近づくコツン、コツンという音を鳴らす相手に、振り向かずに話しかける。
「……どうしてこのような計画を実施するのですか、アーリッ」
彼は振り向くと、そこには怒りの形相をしたイデアがいた。
椅子を回し、イデアと相対する。
「それは、ディケイドの継承のためさ。君もよく知っているだろう? 彼は気難しい。それに、誰かの想定道理に動くことを嫌う俺様気質。であれば、継承せざるを得ない状況を俺が作り出す。つまり、我らが魔王には大事な相手が自分の弱さのせいで死にかける状況を意図的に作出するということさ……」
「……それは、クリスを危険に晒すということでよろしいでしょうか」
「うん、その通りだよ」
「そうですか。では──」
イデアはその場を去ろうと後ろを振り返った途端に、周りの世界が電脳空間のような現実離れした空間へと変質していた。
「おっと、ごめんね。君に助けに行かれると困るんだよ。それにこれは君も想定してたでしょ。俺を留め置けば、こちらからの追加の行動を防げる。やはり君は、実に私の分霊として十分に相応しいだけの行動をとってくれるね。でも……」
『ゼロス・ドライバー!!』
彼の腰部にドライバーが空中から生成され巻き付く。
その光景にイデアは驚愕の表情を浮かべる。
「なぜ、貴方がそのドライバーを!?」
なんてことはないように、アーリは笑う。
「なんでって、そんなの簡単だよ。このドライバーは俺が作ったシャドウジオウの実験機として作ったんだよ」
「実験機……ですか」
イデアも笑みを浮かべるがその表情は張り付き、冷汗が流れゆくものであった。
「そ、いきなり、第3世代型のシステムを構築するのは俺でも不安でね。だから、2.5世代用のドライバーを作ることにしたんだよ。勿論君と我らが魔王の戦闘データを基にね」
「……」
「君も使わなくていいのかい? 正直、君の権限だけで勝てるほど、こいつは弱くないよ」
無言になったイデアに肩を竦めるアーリは、イデアに準備をするように勧める。
「いいでしょう。これも私の仕事です!」
『ゼロス・ドライバ―!!』
腰にドライバーを装着する。装着すると、彼の左目が脱色し、黒から赤へと変色する。
「うん、面白くなってきたよ。君の現状の戦力把握もかねて、君の策に乗っかるとしようかな?」
二人は揃って、ドライバー左側にある認証部分に手を添える。
『accept……zenith standby!!』
『accept……Idea standby!!』
二人のドライバーが待機状態となり、二人のドライバーは待機音を奏でだす。軽快さと荘厳さをもつメロディーが空間を支配する。
「「……変身ッ!」」
『『startup!!』』
揃って、ドライバーの右側を押し込むと、ドライバーが起動し、中央のシャッターが展開し、エネルギーがあふれ出し、神経のような光の回路が二人の体を走り抜ける。
『Enforce the punishment!! zenith!』
『Contain the Disaster!! idea!』
『『 complete……』』
荒れ狂う風と共に、二人を装甲が包み込む。2体の飛蝗の異形へと姿を変える。
イデアは白と銀の装甲を纏い。赤いマフラーを身に着け、瞳が赤く光る。
アーリの変身するゼニスは、イデアとよく似てはいるものの、白と黒と銀の3色の装甲であるが、各部がより洗練された流線型となり、異なる形状の機構が備わっているのが見て取れる。一目でイデアの後発機であることは明白であった。
「さて、始めようか? イデア」
「えぇ……ッ」
二人のドライバーからエネルギーがあふれ出し、無風の空間に風が吹き荒れる。イデアのマフラーがはためくと、彼は全力で懐に潜り込もうと各部機構を起動し、時空を歪めた上で加速する。目にも止まらない速度で接敵する。しかし、イデアの視界には赤い閃光が残像のみが残り、強い衝撃と共に空中を舞う。
一撃だけではなく、何度も、何度も、空中で攻撃を受ける。
「舐めるなぁ!」
各部機構のエネルギーを開放し、ドライバーの出力を引き上げ、放出し、自分を攻撃する赤い閃光を吹き飛ばす。地面を転がるが、気合を入れなおし、立ち上がる。
しかし、自分のエネルギーの開放であり、その影響が自分の中にある生体回路が焼けるような感覚に襲われ、膝をつく。
「うん、やっぱり、性能については問題ないね。欲をいえばもう少しだけ……いや、これ以上は自滅の可能性があるかな?」
冷静に総評をするように、分析結果を述べながら立ち上がる。背部の首の付け根の位置から赤いエネルギーが物理的に見えるように放出され、マフラーのように揺らめく。
「クッ……」
ゆったりと歩いてくるアーリに、イデアは仮面の下で悪態をつくが、音に出さないように不敵に笑う。
「? ……ッ!?」
アーリは急速に近づいてくるエネルギーの反応から、その場から全速で距離を取る。
爆音とともに、煙を巻き上げる。彼は薄れていく煙に目を凝らすと、そこには両手に武器を持ち立っているイデアの姿があった。
「へぇ……」
その両手には完全聖遺物としての姿をもつガングニールとランス状のガングニールが握られていた。
そして、空中に様々な武器や大量の自立型兵装、天使を模した機械人形のようなものまでもがが生み出される。
「……それを出すってことは本気中の本気かぁ。うん、よし、もう少し出力を上げて遊んであげるよ」
アーリは、そういうと、自身の背部に、大きな武器庫のような多数のエネルギー状の光学武器等を形成する。
今この場で、悪と石工達の神がぶつかり合うのであった。
・疑似ライダーイデア
体重:89.5kg
身長:200cm
パンチ力:78t
キック力:271.5t
ジャンプ力:201m
走力:0.4秒(100m)
能力:時空制御等
疑似ライダーシステム第2世代であり、第1世代よりも、出力や各能力の制御機能等の技術的向上を行うコンセプトで設計されている。第1世代とほぼ同等の総合戦闘能力を保有しており、特定の相手を想定して設計されている対厄災用システムとして作られた。
欠点として、かなりの負担を使用者に与えるため、人間の肉体で耐えることが不可能という点から、使用を前提とした神として、アーリがイデアを創造し、専用の調整が施されている。そのため、完全にイデア以外のシステムの使用は不可能に近いものとなっている。
・疑似ライダーゼニス
体重:90.5kg
身長:200cm
パンチ力:89t
キック力:304.5t
ジャンプ力:220m
走力:0.3秒(100m)
能力:時空制御等
疑似ライダーシステム第2.5世代であり、第3世代のシャドウジオウの数あるプロトタイプの一つとして設計されている。シャドウジオウが出力を各封印をもって、制御するという機構であるが、ゼニスは制御した上で減衰させずにより高い戦闘能力の発揮を実現している。こちらも、人間に扱えるものではなく、イデア以上の負担を持つため、ハイエンド機ではあるものの、試験機としての側面がかなり強いものとなっている。
アーリは一番高い性能であるという点と、仮想敵や外界からの敵との戦闘を考慮するため、戦闘データを即時対応させて対応能力を高めるといった機能を持つ点から、特殊な実戦用の調整を行い、専用装備として使用している。
・ゼロス・ドライバ―
この世界で初めて誕生したドライバーであり、世界と直接接続し、世界の防衛システムのである疑似ライダーシステムの展開とそれに付随し、無限にエネルギーの供給と様々な補助を受けることができる。
世界にアクセスする際には認証を突破する必要があるため、世界へのアクセス権をもつものに使用が限られる。
初期型の仕様では、負担が大きいが、人間であっても使用が可能である。しかし、仕様上の悪影響が継続的に発生する欠点がある。
アーリが使用する最終調整型は、負担等が初期型以上に肉体的負担が大きいが、各機能が大幅な向上を果たしており、継続的な悪影響は最小限のものとなっている。外見は同一であるものの、内部はかなり異なる。