歌姫と仮面の狂想曲   作:白紙の可能性

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第64話 XXXX/空からの急襲

 2機のタイムマジーンが勢いよく空を飛んでいく。

 

 

 先ほどの徒歩を上回る以上の速度で、2人揃って空を飛んでいく。

 

 

 気が付けば、目の前には、とてつもない長大な壁に囲まれている建造物が目に入ってきた。

 

 

『ソウマ、聞こえるか』

 

 

 目の前のモニターにアスカが写されていた。

 

 

「あぁ、聞こえている」

 

 

『あれがキングダムといっても、通称だがな』

 

 

「え、そうなの?」

 

 

『一応、あの城壁を含めた都市防衛システムのことをキングダムと呼称している』

 

 

「じゃぁ、本当の名前は?」

 

 

『人類保護機関といったはずだ……確か、SONGとかいう組織が母体になっていたはずだ』

 

 

「SONG?」

 

 

『それは、私のほうで説明するよ。SONGが母体になっているというよりも、色々あって吸収合併されたんだよ。その時のトップだった君が現在の組織体系に改造したっていわけ』

 

 

「その色々が気になるんだけど?」

 

 

『それはこれからの未来の君に聞くといい。答えてくれるはずだ』

 

 

「ふーん、ところでここからどこに止まるの?」

 

 

『あらら、どうだろうね。とりあえず、正門に向かおうか、座標はこちらで表示させる』

 

 

「確認したよ。行こうか」

 

 

 2機は正門の位置に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 荘厳とした雰囲気が漂う部屋の中、一つの椅子に座る豪壮な服装の老人の男性がそこにいた。

 

 

 椅子は、まさしく、玉座と呼べるような装飾が施されているものであった。

 

 

 老人の前に、ひとつのウィンドウが出現する。

 

 

「侵入者か、懲りない連中だ……なにッ、タイムマジーンだと……」

 

 

 老人は玉座から驚愕のあまり立ち上がる。

 

 

「まさか……」

 

 

 老人は、その映像の審議を確かめるために、正門に向かうために、速足で進んでいくのであった。

 

 

「……アスカ」

 

 

 その声は、どこかに期待しているような声であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 正門を目の前にすると、機体内部から避難警報が鳴り響いていた。

 

 

「ねぇ……俺たち狙われてない?」

 

 

『狙われてるな……』

 

 

「『……』」

 

 

 2人は無言になると、焦り、冷汗を流す。

 

 

「どうしよっか……ねぇ」

 

 

『本当にどうするか……』

 

 

 二人の言葉に呼応するように、こちらに向けて、ドローン型の光学兵器による攻撃が飛んできた。

 

 

「『あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”』」

 

 

 目の前を覆いつくす怒涛の攻撃に絶叫を上げながら、攻撃をよけながら、正門に向かって突撃していく。

 

 

「「「きゃぁぁぁ」」」

 

 

 ソウマの荒い運転に二人は、悲鳴を上げる。

 

 

「そ、ソウマ、もう少し、何とかならない?」

 

 

 そんな未来の非難と、視界の端に入る手で口を押えている響とクリスが目に入る。

 

 

「ごめん余裕がないッ! 舌を噛むから、静かにしててッ、アスカ、一気に行くよ」

 

 

『なッ!?』

 

 

 ソウマはギアをフルスロットにすると、レーザーの網を一気に潜り抜けていく。

 

 

『仕方がないかッ』

 

 

 アスカもそれを応じて勢いよくギアを最速入れる。

 

 

 2機は、ミサイルを斉射する。

 

 

 防衛兵器は、飛んでくるミサイルを撃墜するために、攻撃が分散する。

 

 

 その間隙を縫うようにソウマとアスカが飛んでいく。

 

 

『「ウォォォォォッ!!」』

 

 

 爆音と共に、正門に直撃した。

 

 

 白煙が正門を覆った。防衛兵器が待機する。

 

 

 煙が晴れるとそこには、2機のタイムマジーンが人型形態で着陸していた。

 

 

「何とか成功かな……ここからはどうしようもないなぁ」

 

 

 ソウマの声は気が抜けていた。

 

 

『いや、ここまでくれば大丈夫だよ。降りようか。我が魔王』

 

 

「……わかった」

 

 

 何かの策があるのだろうと思い、ソウマは、タイムマジーンから降りようとする。

 

 

「ソウマッだめ」

 

 

 響が腕をつかんで引き留める。

 

 

「……大丈夫だよ。多分ね」

 

 

 気が付くと、未来がもう片方の腕をつかんでいた。クリスは掴みこそしないが不安そうな目で見ていた。

 

 

「未来まで、大丈夫だよ。ほんとに……」

 

 

 優しく、二人の手を引きはがし、降りていく。

 

 

 目の前に警戒態勢のドローンが多数浮かんでいる。

 

 

 カシャンという音が後ろから鳴る。

 

 

「ッ!?」

 

 

 振り向くとそこには金色のロボットが複数体並んでいた。

 

 

 彼らはソウマを認識すると、驚いたようにその場に跪いた。

 

 

「え……」

 

 

 視界の端にいたドローン型の防衛兵器が飛び去りもとの配置に戻っていていた。

 

 

「ッ!?」

 

 

 その事実に気が付き振り向くとそこには周辺を警戒していたドローンは既になくなっていた。

 

 

「ソウマ様、いつ外に出られたのでしょうか?」

 

 

「あぁ……それは、その……」

 

 

 歯切れが悪い、その様に質問をしてきた金色のロボットは警戒を強める。

 

 

「俺は、過去からきた榊ソウマです。未来の俺に合わせてください」

 

 

「過去から?」

 

 

 ソウマの回答に手にもつ槍をソウマの前に向ける。

 

 

「証拠はあるでしょうか」

 

 

「これでいいかな?」

 

 

 自身のもつシャドウジオウライドウォッチを見せる。

 

 

 そうするとソウマに向かって、槍を突き刺す。

 

 

「──ッ!?」

 

 

 攻撃をギリギリ躱すようにすり抜け懐に入り込み、金色のロボットに体当たりを当て、距離を取る。

 

 

 そのまま、ベルトを取り出し、変身をする。

 

 

「変身!!」

 

 

【シャドウタイム!! 仮面ライダージオウ・シャドウ!!】

 

 

「いきなり、とはどうかしたんですか?」

 

 

 武器を構え、警戒し、首を捻るポーズをとる。

 

 

「それは一体何でしょうか。そのライドウォッチについては登録がありません」

 

 

「なるほど、じゃぁ、これならどうでかな?」

 

 

 クウガライドウォッチを見せる。そうすると、金色のロボットは武器を下げる。

 

 

「確かにクウガライドウォッチの確認が取れました。申し訳ありませんでした。ただいま、ソウマ様へ確認を取ります」

 

 

「良い、既にここにいる」

 

 

 声に意識を向けると、灰色のオーロラを背に、豪華な服装の老人が立っていた。

 

 

「ソウマ様!?」

 

 

 その声に金色のロボットは総員傅く。

 

 

「あんたが、未来の俺……」

 

 

「あぁ、そうだ。私よ」

 

 

 堂々としており、その姿の老人に対してソウマは警戒心を向ける。

 

 

「ほう、どうした。そんなに私が恐ろしいか?」

 

 

「当然でしょ」

 

 

 アスカが、タイムマジーンから降りてくる。

 

 

「聞きたいことがある」

 

 

 アスカの登場に、対して少しだけ、穏やかな視線を向ける。

 

 

 しかし、アスカからは怒りを漂わせる。

 

 

「なるほど、一応、今一つを聞いておこう」

 

 

 彼の言葉に、未来のソウマは、表情をそのまま、肩の力を抜いていた。

 

 

「なぜ、俺の仲間を殺したんだッ」

 

 

 怒気をより一層露わにする。

 

 

 本来であれば、今聞くべきではない。だが、それでも聞かねばならなかった。それが、彼の仲間への示せる誠意であった。

 

 

 その様に溜息を吐く。未来のソウマは彼の誠意に答える。

 

 

「簡単だ、そもそも、仕掛けてきたのは向こうであって、こちらの秩序を乱そうとしているからだ」

 

 

「あぁ、あぁ、そうか……それに罪悪感はあるか?」

 

 

 深く、深く、アスカは息を吐く。

 

 

 未来のソウマは目を伏せる。そして、無表情のまま、答える。

 

 

「あぁ、少しならば……な。だが、それで私の行動を止めるほどのことではない」

 

 

「そうか……そうか、今のところはそうゆうことにしておく……」

 

 

 ソウマは、変身を解き、二人の邂逅を見つめる。

 

 

 しこりが残るような門答であったが、それに彼は安堵していた。

 

 

「では、行こうか」

 

 

 その言葉を皮切りにタイムマジーンに控えていた響たちが降りてくる。

 

 

 そして、降りてきた響、未来に対して今まで、無表情であった未来のソウマの表情が安堵の色に染まった柔らかい笑顔を浮かべた。

 

 

「アンタも、そんな顔するんだな」

 

 

「あぁ、私も人だ。もう会えないと思った人と会えるのはうれしいものだ」

 

 

「素直だな」

 

 

「歳を取るとな……」

 

 

 ソウマの言葉に未来のソウマは視線を下に向ける。

 

 

「……」

 

 

 無言のままに未来のソウマは閉じている正門に向かって歩いて行った。

 

 

「行こう」

 

 

 ソウマ達は未来のソウマを追う。

 

 

 未来のソウマは足を止めると、正門が開いた。

 

 

「ようこそ、キングダムへ」

 

 

 開かれた門の先には自分たちが過ごしていた時代の街並みがそこに広がっていた。

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