日本国がグラ・バルカス帝国との戦争に参戦を決意し、ムー国に派遣された自衛隊が帝国軍を瞬く間に蹴散らした。
その過程で、日本は前線視察中だった帝国皇太子グラ・カバルを捕虜にしてしまい、激怒した帝国は日本の首都を焼き尽くすと宣言。
日本の首都東京を焼き払うべく、帝国は対日懲罰連合艦隊を編成、帝国海軍の海軍力全てを投入して日本に向かわせた。
戦艦23、空母98、巡洋艦74、駆逐艦828、その他艦艇多数の総数1400隻以上、各種航空機1600機以上からなる帝国史上類を見ない大戦力。
グラ・バルカスの意思表示としての艦隊は、途中何度も補給を繰り返しつつ、日本列島を目指して海上を真っ直ぐと突き進んだ。
もちろん日本とてそんなことを黙って見逃せるはずがない。
日本の首都を焼き払うと宣言した国の大艦隊が迫ってきてるともなれば、当然ながら日本はすぐさまこれの迎撃を決定。
敵艦隊が通過するであろう海域付近のアルタラスやシオスといった友好国の基地へ海上自衛隊と航空自衛隊の戦力を集結させた。
海域を敵艦隊が通過する際、ここで海自と空自の総力を賭けた総攻撃を仕掛けることで、敵艦隊を日本到達前に撃退する算段だ。
アルタラス、シオス、ロウリア、ナハナート等の周辺国内の基地に自衛隊が展開。
しばしして衛星が敵艦隊の接近を捉える。
それと同時にF-2、F-15J、P-1、BP-3C等の航空機、護衛艦隊、潜水艦隊が一斉に出撃。
敵艦隊迎撃が始まった。
F-2とBP-3C、P-1が敵艦隊の防空火力射程外から一方的に対艦ミサイルを発射。
潜水艦隊も対艦ミサイルや魚雷を発射、または事前に仕掛けた機雷原へとうまく誘導して艦隊ごと迷い込ませた。
弾薬を射耗せんばかりの勢いでの攻撃。
しかも敵艦隊は地球で言うところの第二次大戦レベル程度の代物でしかなく、反撃どころかミサイルの迎撃すら皆無。
お陰で自衛隊の敵艦船撃沈のスコアは、僅か半日にして400隻に上った。
だがそれでも敵艦隊――グラ・バルカス艦隊は怯むことなく進撃を続行、そのため自衛隊もまたこれに対する迎撃戦を継続した。
弾薬が続く限りであるが、自衛隊はそこに留まって敵グラ・バルカス艦隊への波状攻撃を繰り返さねばならなかった。
ところが、自衛隊が艦隊への迎撃を行う中、別の脅威が発生した。
超重爆撃機<グティーマウン>、6発エンジンで高度一万メートル以上を時速700キロで飛翔するレシプロ機の化け物。
旧日本軍の幻の超重爆撃機『富嶽』の計画値とほぼ同等の帝国最新の機体。
帝国軍の運用するそれが、グラ・バルカス帝国本土から200機近い編隊を伴って艦隊を迂回しつつ日本に迫ってきたのだ。
これがリームの飛行場で補給を受けた後、リームに潜伏中のムー国スパイや衛星画像から、二日後に日本を空襲することが予想された。
しかも、すでにリームに展開する戦闘機345機、戦闘艦52隻も同時に日本を目指し侵攻することも併せて判明している。
それが判明した途端、日本の防衛関係者らは大慌てとなった。
アルタラスやシオスといった諸外国にほとんどの護衛艦と戦闘機を送り込んでしまっている現状、日本の防衛体制は手薄である。
敵航空機約550機と敵艦船52隻の迎撃、それを日本国内に残された現有戦力だけで対処するのは多少厳しいところがあった。
なにせ国内に残ってるのは旧式戦闘機や、旧式護衛艦とメンテナンス中の護衛艦、あとは陸上自衛隊と支援部隊だけだからだ。
さらに言うと陸自もムーに第3、第7師団を派遣していて数が少ない。
もちろん、外国に派遣中の部隊を国内に呼び戻すのも、今からでは間に合いそうもないため厳しいところがある。
それに、未だアルタラスやシオスといった国では1000隻近い敵艦が迫ってるのに、そこから戦力を引き抜いてしまうのは避けるべきだった。
しかも厄介なことに、リーム王国への先制攻撃も政治的な理由により困難。
さらに言うと、敵爆撃機の中に核搭載機でも含まれていれば大変なことになるため、敵爆撃機を撃退しないというのも論外だった。
ならばどうするか――国内に残された現有戦力だけで迎撃するしかあるまい。
防衛省は国内の現有戦力を総動員し、今ある手札だけで敵を撃退するのである。少なくとも、敵の撃退は不可能ではなかった。
ただ少し難しいだけだ。
地対空ミサイルや対空砲を有する陸自と空自の高射部隊を展開させ、旧式の戦闘機や護衛艦を出動可能な状態に移行。
また航空攻撃情報も合わせて発動準備。
もしもに備えて各地の警察・消防や海上保安庁も緊急出動の準備をした。
何としても敵を撃退する腹積もりであった。
日本を空襲せんとするグ帝爆撃部隊、それを迎撃する自衛隊。今日本は、70数年ぶりの本土防空戦を展開しようとしていた。