俺ガ・アート・トリガー(新番)   作:小説大工の源三

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ワートリ熱が再炎してきた


九話 ボーダーでの日常その2

職場体験も終わり、数日が経過した。

戸塚の訓練成績が良かったので、彼が仮入隊することとなった。時間がある時に竜翔達が訓練をつけている。

そんな中ある日竜翔は荒船に相談を受けていた。

 

「荒船さんは……いたいた」

 

「お、こっちだ殊原」

 

「こんにちは荒船さん。相談って……あれですか?完璧万能手の」

 

「ああ。弧月はもうマスター取って、今イーグレットのポイント取ってるんだが、次の中距離トリガーで少し相談したかったんだ」

 

「中距離トリガーというと、銃手か射手のどっちかになりますね……」

 

「そうなんだが、どっちにするかあらかじめ決めておきたくてな。お前はどっちも使ったことあるだろ?意見とかを参考にしたくてな」

 

荒船の言う通り、竜翔は射手トリガーだけでなく銃手トリガーも使っていた時期がある。トリガー開発の際に実際に使うことで何がよくて何がダメかを現場で確かめている。

 

「銃手をするならレイジさんみたく機関銃や突撃銃を使うのがいいですけど、本部トリガーの規格内や荒船さんがメゾット化して一般隊員向けにやっているので突撃銃がオススメですね……射程の確保と連射ができますし、何より威力もそこそこある」

 

「なるほどな……射手トリガーだとどうなんだ?」

 

「射手だと、銃手よりは攻撃までに時間がかかりますが、細かい設定ができるので、サポートに向いていますね……点取りやトリオン兵の討伐を優先するなら、銃手の方がいいと思います。射手トリガーでも取れない訳ではないんですけど、初心者にはあまり向かないイメージですし。それに荒船さん、今イーグレット使ってますし」

 

「……助かった、ありがとな殊原。とりあえずイーグレットのマスター取ったら突撃銃使ってみるとするわ。またなんかあったら聞きに行く」

 

「はい、荒船さんのメゾットが確立するの楽しみにしています」

 

そう言って2人は別れるのだった。

 

─────────────────────────

 

荒船と別れた竜翔は自身の隊室に戻っていた。

 

「戻ったよ」

 

「「お帰り」」

 

隊室に入ると休憩中の八幡と戸塚がいた。

 

「竜翔、荒船さんとなに話したんだ?」

 

「中距離トリガーの相談」

 

「そうか」

 

「八幡、戸塚くんの訓練どう?」

 

「射手トリガーは狙った所に当たる。それに最初は慌てると変な所に行ったが、最近だと落ち着いて撃ててる。ただやっぱりシールドが脆いからなぁ……今はまだアステロイドだけだが、正隊員になったらレイガスト持たせてみるのもありだな。スタイルとしては修だな」

 

「じゃあ、スパイダーも使わせるってこと?」

 

「ああ……慣れてきてからだがな」

 

「スパイダー?それってどう言ったトリガーなの?」

 

話を聞いていた戸塚が聞き覚えのないトリガー名に疑問を抱き、質問する。

 

「スパイダーってのは、ワイヤーだな。色とか強度、長さとかをいじって味方を有利にしたり、相手の邪魔をするトリガーだ」

 

「それを使っている人ってどれくらいいるの?」

 

「あんまり見かけないね。僕が知ってる限りだと、木虎とか修、レイジさんに木綿季とかだね」

 

「まぁ使う日はまだ先だから、今はアステロイドに慣れとけ」

 

「わかった」

 

そう言って八幡と戸塚は訓練室に入り再び練習を始めるのだった。

 

─────────────────────────

 

次の日

 

蒼魔は葉山から相談を受けていた。

 

「トリガーをの構築を変えたい?」

 

「ああ……レイガストをサブに入れてみたいんだ……」

 

現在、葉山はメインに弧月、旋空、シールドをサブに突撃銃のハウンド、シールド、バッグワームを入れている。

そして現在の葉山の弧月のポイントは6000を超えている。あれから相当頑張ったのだろう。他の3人も6000を超えた。

 

「しかし、突然だな。なんかあったのか?」

 

「実はランク戦をしていて、影浦先輩と村上先輩が対戦しているのをみて、村上先輩が弧月とレイガストを使って攻守のバランスの取れた戦い方をやってみたいと思ったんだ」

 

「そこで、似たトリガー構築のオレに相談に来た訳か」

 

「うん……それで、実際どうなのか……やっぱり、やめといた方が……」

 

「ふむ……」

 

蒼魔は葉山の戦い方を考える。

葉山のスタイルは現在、柿崎のスタイルに近い。

 

「ハウンドはやめるのか?」

 

「いや……それだとチームの中距離がさらに弱くなるから外せない……けど、アステロイドにして火力を上げたい……と考えているんだ」

 

「となると……葉山、お前本格的なガンダムスタイルになるぞ?」

 

「それってつまり、アステロイドをメインに入れるってことになるのかい?」

 

どうやらガンダムスタイルの意味が伝わったらしい。

 

「ああ。旋空を外すことになるが、それでもいいならな」

 

「それは構わない。旋空弧月は優美子や戸部達が使っているから外しても大丈夫だ」

 

「よしわかった。ころころとトリガー構築を変えるのはあんま良くないが、それでお前に合った戦い方が出来るならそれでいい」

 

「ありがとう!」

 

ふと、蒼魔は、に聞きたいことが一つ浮かんだ。

 

「今更聞くのもなんだが。お前、誰かを護りたいとか考えてるのか?」

 

その通りなのか、葉山は驚いた表情を作りすぐさま納得したような顔をした。

 

「!……ああ。レイガストのシールドモードは並の防御トリガーより硬いから、それで誰かを護れるのならって思ったんだ」

 

「そうか。なら強くならないとな」

 

2人は開発室に向かった。

道中、蒼魔は葉山に女子受けのいい所を聞いた。何故と聞かれたので、苦い顔をしながら理由を話すと葉山も似たような理由で悩んでいたのだった。

開発室前まで到着し、中に入る。

 

「失礼します……ってお前いたのか」

 

蒼魔が部屋に入って最初に出会った人物───コートを羽織り、指抜きグローブをはいた眼鏡の男、材木座義輝だった。

 

「む?テリー殿か。隣おるのは……葉山某か。何故(なにゆえ)ここに?」

 

材木座義輝。本部所属のチーフエンジニアで寺島雷蔵の少し後に入隊。腕のいい万能手だったが、創作本能とやらが騒いだらしく、寺島と同時期にエンジニアに移った。功績として上げるならば雷電足を作り、ランクダウントリガーの韋駄天などを作った男。

 

「葉山のトリガー構築変えに来たんだ。本格的なガンダムスタイルにしにな」

 

「……あれか。旋空がなく代わりにメイン突撃銃を備えた村上殿のスタイルになる訳か」

 

「話が早くて助かる。頼めるか」

 

「無論だ。ほれトリガーホルダーを寄越すがいい」

 

差し出された材木座の手に葉山は自身のトリガーホルダーを渡す。

 

「それで銃トリガーの形は?」

 

「えっと……片手撃ち出来るのがいいかな……片手にレイガストの盾を張るから。それとレイガストの持ち方なんだけど、腕に括り付けるような感じにできたりする?」

 

「持ち方を変える程度ならB級隊員でも可能である。銃は片手撃ちか……ふむ……となると犬飼殿の使っている物がよいな。威力はや細かい設定は?」

 

「えっと、最低でも40m以上だね……それで威力とかも重視したいし……」

 

「なるほど……弾速を考えると……」

 

しばらく、葉山の使う銃の設定を考える。2時間が経過した辺りで設定が終わる。

 

「これで、設定は終わりである。後は使い心地を実践で確かめてみるといい。それとテリー殿、雷電足のレポートをまた頼む」

 

「ありがとう、材木座くん」

 

「わかった……明後日に提出する」

 

そう言って、2人は開発室から出る。

 

「助かったよ……」

 

「ボーダーの戦力が上がるならそれでいいんだよオレは。護れるものも護れなくなるのが一番後悔するからな……」

 

自嘲するように蒼魔はそう言った。

彼自身、姉を連れていかれ自分も連れていかれたのにも関わらず、助けるどころか見つけることすら出来なかったのである。

 

「何があったかは聞かないよ……俺が踏み込んでいい話じゃないだろうし……」

 

そう言って葉山は自身の隊室に入るのだった。

 

「ふう……姉さん……今どこに……?」

 

 

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