「それで……なんでわざわざ俺の父と母と交渉してまで、俺をここに住まわせようとしてるんですかね」
俺は眼前にいる平塚先生、ルミルミ、城廻先輩に問いかける。あ、ちなみに城廻先輩が出してくれた料理は美味しかったです。本当に、なんだか暖かい味がしました。フワフワぽっぽって感じだった。
夕飯を食べ終わり、今はこの三人とともに座りながら四角いテーブルを囲んでいる。
すると、俺の疑問に答えるように、まずは平塚先生が口を開いた。
「ここにいる人間は、まあまだここには2人いないわけだが……皆君のことを好ましく思っているということをまず大前提に話を進ませてもらう」
……好ましく?
「ふふっ……なんのことか分からないといった顔だな」
「……ホンッと……八幡の鈍感、、バカ」
「比企谷君はやっぱりニブいんだね〜」
俺は、きっと何のことだか分からない顔をしていたのだろう。そんな俺を見た平塚先生、ルミルミ、城廻先輩の三人はそれぞれに違った反応を見せた。
そして、いい加減答えに辿り着かない俺に痺れを切らしたのか、中学校の制服からモコモコの部屋着に着替えたルミルミが、顔を赤くしながら俺に近づいて抱きついてくる。
……抱きついてくる?
「……八幡のことが、1人の男として、私は大好き」
留美は、俺の腹に顔を埋めた形でそんな声を出してきた。普段はクールな印象を周りに与えるはずの留美が出した余裕のない声から、その真意に否応なく気づかされてしまった俺にとっては、物理的にも精神的にも大変にむず痒い。あと膨らみ始めたあの場所がどことは言わんがゲフンゲフン。
「……でも、今のままじゃあどうせ、あの貧乳黒髪ロングはもちろん……牛乳おバカとあざといババアにも勝ち目はないし、、、おまけにヤバイブラコンにも勝てないのは分かってる」
留美は俺の腹に顔を押し付けたまま言ってくるから、腹部がむず痒いのは当たり前なのだが、今俺が震えているのはまた別な理由な気がする。いや、あいつらにこんな状態の俺を見られたらきっと斬首級のお仕置きが待っていそうだが……いや、むしろ頑張って八幡のハチマンがやっはろーしない俺の理性を褒めてもらいたい。
「だからね……」
続いて、留美の次に声を向けてきたのは城廻先輩だ。
彼女はゆっくりと俺に近づき、ピトッと半身を俺の肩に預けてきた。いい匂いと柔らかさが俺を襲い、彼女のもつ精神的な柔らかさにだんだんと癒されていくような気さえ感じる。
「今ここにいない二人を含めて、私たちは決めたの。……私たちが大好きな比企谷君を、まずはあの五人からひき離そうって。まあ、そこからはまた敵同士になっちゃうけどね」
「し、城廻先輩……」
「おっと、今言ったことは私たちの本気の思いだから……だからいくら君でも、否定したら怒るよ? 」
城廻先輩は、彼女の白いしなやかな人差し指を俺の唇にあてて、そして妖艶に笑う。近い距離に彼女の体があり、今までは感じることのなかった女を確かに感じた。その艶。大人びた目。成長して女性らしい丸みを帯びた体。先程までの……高校の時に彼女から感じたポワポワは、今はなりを潜めている。
「イタああああああ!!!!!!!!!! 」
城廻先輩の妖艶なオーラにあてられていた俺に、強烈な痛みが襲う。
「……むぅ……八幡のバカ、、、ボケナス、、、はちまん……くそやろー……色欲魔……変態色ボケヤロー……クソが……」
「……え? る、ルミル……留美さん? 」
拗ね始めた留美の容赦のない罵倒にも確かに驚いたが、何よりも留美が俺の腹を抓る力の強さも尋常じゃない。……いやマジで。留美もなんらかの天性の才能があるんじゃねーのか?
「うふふ……これ以上お話ししたら留美ちゃんが怒っちゃうね。じゃあ、八幡君。これからお風呂入れるから入ったら一番最初にどうぞ? 」
俺があまりの痛みにヒィヒィ言っていると、優しく妖艶な表情をした城廻先輩が声をかけてくれた。……名前で呼ばれた時ちょっとビクッとしちゃったのは秘密。
いやあ……どうしましょうね。なんか、俺ここで本当にしばらく暮らす訳? まあ現状のモンスターたちからある程度離れられるのならば……時間をおけばいくらあいつらだってもうちょっとマシになるだろうし、クールダウンの時間も必要かもな……。
でもそれにしても、どうして親父も母ちゃんも俺がここに来ることを許したんだ? どうでもいいからか?
そんなふうに俺は思考の渦に入っていた。
……のだが、その時間は唐突に終わりを告げる。
壁に背を預けながら、今までそんな俺たちを微笑ましげに見ていた平塚先生が、突然に表情を真面目なものに変えて、ハッキリとした言葉を洩らしたからだ。
「全員準備しろ……どうやら招かれざる客が来たらしい」
勝手に、玄関のドアが開いた。
いくらそこら辺のアパートだとはいえ、簡単に起こることではない。今ここにいないという二人が来たにしては……今の平塚先生の発言はおかしい。
だとすると
「……比企谷君……やっと見つけたわ。私の愛する人」
「比企谷君♡……私が、私が助けてあげるねっ!! 」
「ヒッキー……やだよ。こんなドMプレイは私嫌い」
「お兄ちゃん……お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん」
「待っててくださいねせんぱい。私が聖なる力で……」
アパートの一室に、聞き慣れた五人の声が響き渡る。
一人は真面目に。ものすごい真面目に。
一人は夢見心地に。頰を染めながら。
一人は泣きそうになりながら。
一人は目に光を無くして。
一人はノリノリにポーズを決めて。
一番最初に入ってきた雪ノ下雪乃が持っていたのは、おそらくこの部屋の鍵だろう。どうやって入手したのだろうか? まあこの五人なら、多分管理人を脅したりするためならどんなことでもできるのだろう。想像したくもないが。
「比企谷君」
「比企谷君♡」
「ヒッキー」
「お兄ちゃん」
「せんぱい」
「「「「「私が、助けるから 」」」」」
助けられる気が一切しないのは、俺だけか?
* * *
あれから少し時間がたち、俺たちは闘いの最中に身を投じ……はせず、全員が腰を落ち着けている。
一つのテーブルを挟んで
由比ヶ浜結衣と鶴見留美
一色いろはと城廻めぐり
雪ノ下陽乃と平塚静
と言うふうに相対しているのが今の状況だ。
雪ノ下雪乃と比企谷小町の目の前には誰もないが、この二人は依然緊張感を解かない。鋭い鬼気と張り詰めた静寂を纏っている。
「それで、君たちはどうやって比企谷を私たちから離すというんだ? ……実力行使というのなら……血を見ることになるぞ」
いや、平塚先生の言うこと一々こえーよ。
でもなにより、一番怖いのはこの人たちなら本当に血を見るほどの闘いをしかねないということだ。
そんな来るかもしれない近未来に俺が戦々恐々としていると、今まで黙っていた我が妹。比企谷小町が口を開く。
「私たちと先生たち……一人ずつ出して1vs1で闘いましょう。お兄ちゃんをかけて」
え? 小町ちゃん? 何言ってんの?
「ほう……先に三勝したチームが勝ちと言う訳か? 」
いや、いやいやいや。何言ってんだあんたら。
「まさか……私たちは全勝が勝利条件でいいですよ。……でなければ、、お母さんも納得しないでしょうし」
いや小町さん? お兄ちゃんもう何がなんだかさっぱりだよ。なんで八幡君賞品みたいになってんの? あと何で母ちゃん出てきたの?
「ほう。面白い。そちらも訳あってのその提案と言うわけか……たしかにあのお義母様を認めさせるには、君たちはそのくらいの戦果を挙げなければならないな」
いやだからなんなんだよ。なんで母ちゃん黒幕みたいになってんの? 何で雪ノ下も陽乃さんも由比ヶ浜も小町も一色も平塚先生も留美も城廻先輩も母ちゃんが話に出てきた途端にガチの顔になってんの?
「そう……なら、最初は私が出るよ……あなたたちの悲願。私が叩き潰してあげる……誰が来ようと、震えて悦ばせてあげるから」
留美が立ち上がり、由比ヶ浜を見下ろした。
闘いが……始まる。
次回
鶴見留美vs由比ヶ浜結衣
Coming soon
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スキルまとめ
雪ノ下雪乃
・乙女ポエム
・ガチ百合
・ぷよぷよ
雪ノ下陽乃
・ド変態
・乙女
・ぷよぷよ
由比ヶ浜結衣
・悪魔的ドM
一色いろは
・中二病
比企谷小町
・ガチブラコン
川崎沙希
・ヤンデレ(不完全)
・メガブラコン
・メガシスコン
比企谷八幡
・⁇
鶴見留美
・⁇
平塚静
・⁇
城廻めぐり
・⁇