みなさんこんにちは……
世界の妹。比企谷小町です。
さて今回はですね……普段のシリーズの小町の晴れ舞台の前に、少しだけ昔のお話をしたいと思います。
これは、時をだいぶ遡り、陽乃さんのぷよぷよによって雪乃さんとの醜い争いが始まってしまう前のお話。
今からお話するのは、私たち五人が知ってしまったお兄ちゃんの秘密。もうあまりにもあまりにもなので、私たち五人のみの心のうちにそっと仕舞っておくことにした、門外不出のトップシークレット……。
いいですか?
絶対秘密ですからね?
マジやばいですからね? 絶対秘密ですよ?
絶対ですよ?
絶対ですからね!
* * *
ミーンミンミンミンミンミンミーーーン
「うっわあ……暑い」
「……お米ちゃん。どっか涼しいとこないのぉ? 」
「あはは……私も暑くてクタクタかも、、それに、、なによりゆきのんが……」
「……ぁ…………ぁぁぁ……………………」
「あちゃー……雪乃ちゃんこりゃヤバいわ。慣れない人混みと暑さのダブルパンチに完全にやられてる」
夏。クッソ暑かった今年の8月。
それは小町たちが、奉仕部女子会と称してみんなでプールに行った日のことです。
嫌がる雪乃さんをみんなで半ば無理やりに真夏のプールへと駆り出し、逆にその小町たちまでもが暑さにやられていた、そんな日のこと。
……ああ、まあ、奉仕部なのに奉仕部じゃない人が二人いるとかそういうの今はいいんで。ほら、この二人ですからね。誘わなくたってついてきますからこの人たち。
「……う〜ん。近くの喫茶店とかは……いや、これ以上の人混みは雪乃さんが厳しそうですね」
「うん……このゆきのんの状態じゃあそれがいいかも。でもそれじゃあ、今日は解散にする? 一応プールには行ったから……」
「え〜もう帰っちゃうんですかぁ? それはそれで味気ないですよぉ」
結衣さんといろは先輩が、小町の言葉にそれぞれ返してきます。
……正直、小町だってもうちょい遊びたいのです。
でも……今のカオナシみたいな声を出している雪乃さんを見ちゃうと……それはそれはで……。
何か……何かいい手はないのかなぁ
「はっ!!! 小町ヒラメキっ!!!! 」
「うわっ、どうしたのお米ちゃん。びっくりした」
「うん? 小町ちゃん何かいい案が浮かんだのかな? 」
突然の大声を上げた小町に、いろは先輩と陽乃さんは疑問を口にします。なのでその時小町は、自信満々に、この状況を解決できる起死回生の一手を提示しました。
「みなさん! うちに来ませんか!? それならみんなで遊べますし、冷えた快適な空間を保証しますよ!……それに何より……お兄ちゃんをみんなでイジれます 」
その一言で、他の四人の目にも確かに正気が回復したのがわかりました。
今思えば、小町がこんな提案をしなければ……あんなことには、、、
* * *
はい。というわけで比企谷家の玄関です。
家に入り、皆さんが靴を揃えたところで、みなさんそれぞれに感想を口にします。
「おじゃましまーす……わあ、久しぶり……サブレ取りに来た時以来だ」
「ここが……比企谷君の家……すんすん」
「ふーん。毎日ここで比企谷くんは生活してるんだぁ」
「せんぱいのにおいがする……」
多分、いえ、まともな感想を述べたのは結衣さんだけですね。雪乃さんは復活しましたが、まだまだ頭がイカれているようです。陽乃さんからは安心できない何かを感じます。いろは先輩は気持ち悪いです。
「さて、ではみなさんとりあえずリビングに……」
と、小町が言った時でした。
『Hey guys!! we have a gift for you!!!!! 』
爆音で、恐らくリビングのテレビから何か英語が聞こえてきました。……もしかして、お兄ちゃんがリビングのテレビで何か見ているのでしょうか……
みなさんも気になったのか、小町と顔を合わせるとゆっくりと首を縦に振ります。それから、私たち五人はこっそりとリビングに繋がる扉まで歩きました。
足音を立てないように、こっそりと。
幸い、なぜかその扉はほんの少しだけ空いています。全員その隙間から、まるで団子○兄弟のように顔を出して、リビングの中を覗くと……
『アンアンアンアンアンアンっ!!! 』
「はぁはぁ……雪ノ下……ゆきのしたぁ……ゆきのぉ! 」
そこには、ps4を繋げたテレビに映る、大人のプロレス。アンアン喘いでいるのは、黒髪ロングのスレンダーなその手の女優。
……そして、それをガン見しながら……雪乃さんの名前を叫びながら、、、自分のものを扱く我が兄。
地獄だ。地獄がある。
思わず、小町は一旦廊下に戻ります。するとみなさんもそうして……
「……」
「……」
「……」
「……」
もう一度言います。
地獄です。みんな何も言えません。
そのまま3分程度、沈黙が場を支配した後。
今度はまた違った女優の感高い嬌声が聞こえました。
意を決して、再び私たちは覗きます。
『ハァぁぁんっ……』
「ハァハァ……ゆいぃ……ゆいい!!! 」
……もう一度言います。地獄です。
今度はおっぱいバインバインな可愛らしい人が写っていました。
そして、また3分ほどたつと、今度は別の可愛らしい声が聞こえてきて……
『やぁぁん!!! せんぱいぃぃん!! 』
「いろはっ!!!!! ハァハァ……いろはっ!! 」
再び3分。
今度は妖艶な大人の魅力溢れる女性が
『うっふ〜ん……もっとぉぉぉ』
「ハァハァ……陽乃さん……っ……陽乃っ!!! 」
そして……
次に写ったのは、小柄な、八重歯が特徴的な女優さんで……
『おにぃちゃん……いやぁん……ああんっ』
「ハァハァハァ……小町……こまちぃ!!!!! 」
そして、それからしばらくすると……
「ああ!! ああああああ!! ぁああああああああああぁああああああああああぁああああああああああぁああああああああああああああぁああああああああああぁああああああああああぁああああああああああぁああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!! 」
私たち五人の顔は、真っ赤でした。
誰からともなく、家を音を立てないようにそっと出て行って……
「今日、私たちは何も見ていない……いいわね? 」
「「「「はい」」」」
すっかり正気を取り戻した雪乃さんの宣言に、それはもうとても良い返事で、小町たちは答えました。
ね? やばいでしょ?