姉妹喧嘩   作:shushusf

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イメチェンの大惨事

「暇だ……いや、これこそがオアシス……人間皆こうあるべきなんだよな。まあ、受験勉強するんだけどさ」

 

 

 

 

 

 

 そう。俺は今高校3年なんだ。本来ならば春から勉強に勤しまなければならないはずだったのであるが、雪ノ下姉妹にはじまるあんな事やそんな事のお陰で、ゆっくり腰を落ち着けて勉強出来たことは結構少なかったりする。

 

 

 

 

 まあ、かくいう俺、比企谷八幡は今、久しぶりの安寧に体を任せてベッドの魔力に平伏しているわけだ。すぐに微睡の中に落ちていってしまいそうな俺は、なんとなく、束の間のこの安寧を得ることができたあの時を回想する。

 

 

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

 

 

 そう。あれは小町が腐った人に勝利した後の出来事。

 とうとう自分の出番かと、平塚先生が猛々しく叫んだ時。

 

 

 

 

 

 

『さあ、次は私だなっ!! ……相手は、陽乃、、君なのだろう。滾る闘いにしようじゃないか……!!!!! 』

 

 

『やっぱり、静ちゃんなんだね……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 荒々しい闘気を発していた平塚先生は、陽乃さんに存分にその気を向けていた。対する陽乃さんからは、なんだかいつもの魔王っぷりが嘘のように弱々しかった印象を俺は受けた。

 

 

 

 だが、そんな陽乃さんの様子に目もくれず、ただ獲物を狩ることしか眼中にないであろう鼻息の荒い平塚先生は、意気揚々とフィールドに歩く。その意気揚々さたるや、歩きながらシャドーボクシングをかますほどに……

 

 

 

 

 

 

 

 そう。先生は勇猛に歩いていたのだ、だが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『っ……あ、ああ、、、ああああああああ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 突然、あんなに猛々しかった平塚先生が表情を苦痛に歪めて崩れ落ちた。

 

 

 

 

 その異常事態に、もちろん俺たちは先生に駆け寄ったのだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『こ、、腰がぁ……ぎっくり腰……ああぁあああ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 原因はシャドーボクシングだった。

 

 先生の腰の回復に要するであろう時間と、全員の予定が合うであろう日程を協議した結果、二週間後に第四戦目の延期が決まった。

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……もう一回寝たら、、本屋でも行くかな」

 

 

 

 

 

 

 参考書でも探そう。そう思いながら、微睡に溶けていく休日の朝だ。

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

 

 

 私、三浦優美子は、全く愛着のない立派な家の中で、イライラとも困惑ともつかない、微妙な感情を抱いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「で? ……わざわざ結衣から連絡先をもらってまで、なんであーしに連絡よこしてきたわけ? 結衣にどうしてもって頼まれたからとりあえずアンタん家まで来たけど……あーし早く受験勉強したいんだけど」

 

 

 

 

 

 

 

 ほんと、いったいなんなん? 結衣にあれだけ頼まれたらそりゃあ来ないわけにはいかないけど。

 

 

 

 雪ノ下家。本当なら一切関わりたくない人の根城。隼人と高確率で昔なんかあった奴。気に入らない。

 しかも、今の私の目の前には妹の方だけではなく、なんと姉の方までいる。距離感がわからなくて、結構気まずい。

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は来てくれてありがとう……私たちは、あなたと取引がしたいのよ。……あなたにとっても悪くない話になると思うわ、三浦さん」

 

 

「ええ、、三浦ちゃん。私たちに協力してくれる代わりに、あなたには隼人を攻め落とす策を教えてあげる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 妹と姉が、目に剣呑さを宿して言った。なんだか必死さは伝わるが、何故だか馬鹿らしく感じてくるのはあーしの気のせいなのか?

 

 とか思っていると、妹がまた口を開いて。

 

 

 

 

 

 

 

 

「三浦さん。あなたには、私たちのいめちぇん計画を手伝ってほしいの。そうしたら、あなたのいめちぇんも手伝うから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 は? なんつったこいつ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーし。別にイメチェンしようだなんて思ってないんだけど。つーか、そんな馬鹿なこと言うためにあーしを呼んだわけ? 」

 

 

 

 

 

 

 正直、訳わからないし勉強しなくちゃだし早く帰りたい。だんだんイライラしてきた。すると、妹の横にいた姉が口を挟む。

 

 

 

 

 

 

 

「さっき言ったでしょ? これはあなたにも利益があることなんだよ三浦ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 ウザイと思うのは一生懸命心のうちに留めて、あーしは姉に向き直る。だからなんであんたもそんな目がマジなの? 普通に怖いから。

 

 

 

 

 

 

「えーと、どういうことです? 」

 

 

 

 

 

 

 一応敬語をつけたあーし偉い。自画自賛していると、姉はペラペラ喋り出す。

 

 

 

 

 

 

「実は私たちも色んな事情があって、対象の人物を落としたいと考えているんだけど、そのためにイメチェンをしてみたいのよ。そこで……私たちのモデルにしようと考えたのが、あなたって訳」

 

 

 

 

 

 

 姉が喋り終わると、今度は妹が口を挟んでくる。こんなによく喋るやつだったか? 目がギラギラしてるし。まあ、知らんけど。

 

 

 

 

 

 

 

「葉山君はね、昔から女の子のイメチェンに弱いのよ……あなたがもし、私たちのような挙動を出来るようになったら……彼に与えるインパクトは凄まじいでしょうね」

 

 

 

 

 

 

 すると、今度はマジな目をした姉も、ペラペラたたみかけるように喋り出した。

 

 

 

 

 

 

 

「三浦ちゃんが隼人を落とすのに苦労しているのは知ってるよ。もう残り時間が少ないことに焦っていることも」

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!? ……」

 

 

 

 

 思わず結構本気に動揺してしまった。

 

 あーしともあろう人が。とりあえずこんなふざけたことをやっている暇はない。さあ、あーしよ、早く断って帰ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……隼人がイメチェンに弱いってのは、本当? 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あーし、、結構流されやすいタイプだったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

 

「そう。その口調と仕草だし」

 

 

 

 

 特訓はハードだった。なにしろ、この姉妹はどちらも育ちが良すぎるから。ただ、どちらもスペックが高いお陰か、この姉妹は最終的にギャルのなんたるかを吸収してくれたようで、ちゃんとイメチェンが成功したように思える。そう、私はさっきまでこの二人をギャル化させようとしていたんだ。

 

 

 

 

 やってるうちにギャルのんとかいうフレーズが頭にパッと出てきて吹き出しそうになったのは別の話。

 

 

 

 

 

 

 

「三浦さんっ……ありがとう! 」

 

「三浦ちゃんっ!! この御恩は忘れないわ」

 

 

 

 

 

 妹と姉から、ギャル化トレーニングの礼を熱く言われた。どうでもいいことだが、この後アイス奢ってくれるらしい。実は結構嬉しいから心の奥ではルンルンしてたりする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただ、、三浦さんのトレーニングは、決してうまくいってないのよね……」

 

「う〜ん。三浦ちゃんはまず普段の自分とは違うキャラになることへの抵抗感から薄めていかなくちゃかな? 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう。この二人が言うように、あーしは清楚な優美子を目指している。イメチェンとしては確かにありだし、この二人が先生役なら信頼はできそうだったから、その方向でお願いしたんだけど……

 

 

 

 

 

 

 

「あーし……あたしに何か問題点でもあるのかしら? 言ってみてくださら……ない……かしら……」

 

 

 

 

 

 

 ……言葉遣いになれないし、なんつーか、、恥ずかしい。

 

 いやだって、あーしだよ? 自分でもあーしが清楚キャラとか不自然すぎてちょっと引く。やりながら違和感が半端ない現状に頰も熱い。だから姉のんの言うことが恐らく正しいんだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだね〜、じゃあ一回、なんかの芸人がやってる一発芸でもやってもらおうかね? 雪乃ちゃん」

 

「そうね……度胸つけ、意識改革のきっかけにはなるのかしら」

 

 

 

 

 

 

 

 おいおい。なんだかあーしに恥ずかしいことさせる気満々だ。まあ、本気であーしのイメチェンに協力しているから、あまり強くは言えないけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……コマネチなんていいのではないかしら? 程よく現状の打破にはなると思うのだけれど」

 

「……確かに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「い、いやいやいやいや!! 無理っ! 絶対無理! 」

 

 

 

 

 

 

 

 思わず叫んでしまう。いやだってあーしは一応花の女子高生なわけで? あんなのやりたくないし。

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫よ三浦さん。これができれば、清楚キャラは余裕だわ」

 

「自分の殻を破るのよ、三浦ちゃんっ!! 」

 

 

 

 

 

 

 

 姉妹揃ってあーしを説得してきた。悪意が一切ないのが本当にタチが悪い。そんな純粋な目でこっちを見られるとどうしていいかわからなくなるじゃん……

 

 

 

 

 

 

「うぅ……」

 

 

 

 

 

 あーしは、息を整える。もう涙目だ。

 だけど、もう諦めた。そうまま姉妹の前に歩いて陣取り、

 

 

 

 

 覚悟を決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こっ……コマネチっ!!!!!!! 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「み、みうらさん……」

 

「す、すごいわ三浦ちゃん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 コマネチのポーズを決め、あーしはありったけの声を腹から出す。

 二人の感嘆の声と拍手が聞こえた。

 

 なんだか、気分が良くなってきた。そして、なんだか色々どうでも良くなってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「二人とも……あーしに、もっと出来ることはない? 」

 

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

 さて、雪ノ下家に来るのも久しぶりだな。

 

 

 

 

『隼人君。陽乃と雪乃を呼んできてくださらない? 』

 

 

 

 

 親の用事で雪ノ下家についていって、雪ノ下夫妻と歓談してから少し、雪ノ下のおば様からそう頼まれた。やっぱりこういう時幼馴染というのは便利なもので、あの姉妹の部屋はすぐに分かる。

 

 

 

 

 歩いていくと、何やらある部屋から騒がしい音が聞こえる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あの姉妹が、こんなに騒ぐのは珍しいな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は、ノックもそこそこに部屋に突入した自分の判断を、これからも長いこと呪うことになるのだろう。

 

 だって、ドアを開けた俺が見てしまったのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「三浦さん! そのまま! マーと叫んでみなさい! 」

 

「ガ○使を思い出すのよ! 三浦ちゃん!」

 

 

 

 

 

 

「コマネチぃぃ!!!!! マァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!! 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ありのままを話そう。

 

 

 

 優美子が雪乃ちゃんと陽乃さんに応援されながら、コマネチして、いつかのガ○使で見たような奇声をあげていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

「……」

 

「……」

 

 

 

 

「マァァ……ァァ……ァ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三人が、いきなり部屋に入ってきた俺に気づく。

 

 

 そして優美子と、目が合った。

 

 

 

 

 

 

 

「ああ……あああ……ああ……」

 

 

 

 

 

 優美子は、俺と目があった状態のまま崩れ落ちて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぁああああああああああぁああああああああああぁああああああああああぁああああああああああぁああああああああああぁああああああああああぁああああああああああぁああああああああああぁああああああああああぁああああああああああぁああああああああああぁああああああああああぁああああああああああぁああああああああああぁああああああああああぁああああああああああぁああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!! 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼女に俺ができることは、何一つなかった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

スキルまとめ

 

雪ノ下雪乃

 

・乙女ポエム

・ガチ百合

・ぷよぷよ

 

雪ノ下陽乃

 

・ド変態

・乙女

・ぷよぷよ

 

由比ヶ浜結衣

 

・悪魔的ドM

・聖母の力

 

一色いろは

 

・中二病

 

比企谷小町

 

・ガチブラコン(メガ進化)

 

川崎沙希

 

・ヤンデレ(不完全)

・メガブラコン

・メガシスコン

 

比企谷八幡

 

・⁇

 

 

鶴見留美

 

・ドS

 

 

平塚静

 

・⁇

 

 

城廻めぐり

 

 

・ストーカー

・ヘタレ

 

 

海老名姫菜

 

 

・狂信的はやはち←new

 

 

三浦優美子←new

 

 

・コマネチ←new

 

 

 

 

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