みんな、ひゃっはろーーー……
雪ノ下陽乃だよ……
え? 何でそんなにテンション低いのって? ……
そもそも雪乃ちゃんの後ははるのんのターンな筈なのにどうしたのって? イチャイチャしないのって?
……ああ、あれからはもう1週間たったよ。
あの後ね、比企谷君は雪乃ちゃんにまたブチュチュした後、驚きすぎて正気を取り戻した私に向かってこう言ったんだ。
『ああ、あなたには別に何もありませんから、お帰りください……つーか俺の相手するより、ご自分のお腹の肉とかどうにかした方がいいんじゃないですか? 』
ってさ。すんごいそっけない顔で。あの子そう言ったんだよ。まるで私なんてどうでも良いみたいに。シラーっとした顔でさ。
いやまあ? 確かに比企谷君のパートナーは雪乃ちゃんだし? 私がバラした黒歴史だって男からしたら可愛いものでしょうね。
それに比べたら確かに私なんてただの痴女ババアよ。ド腐れ変態よ。性格の悪い最悪の人間よ……どうせ私なんて。
あれならのことはよく覚えていない。
ただ、ソファの上で恍惚の表情を浮かべ、涎を垂らした心ここに在らずな雪乃ちゃんの顔だけは鮮明に覚えている。
……わたし、きらわれたのかな。
やっぱりそうだよね。前だって意地悪ばっかりだったし。いくら比企谷君だって私のこと恨むよね。
でも、やだな。
比企谷君ともう会えないなんて嫌だ。
でも今の私に彼に会いに行く度胸なんてないし……
だから、だからね?
私は自分を鍛錬することにした。もちろん禁欲もそう。毎日のムラムラに耐え、一生懸命に仮面を被り、私は毎朝5時に起きる。
そしてね、毎日朝から10キロ走ることにしたの。それは、全て私の緩みきった精神を正すために行うもの。
え? どうして走って正すのかって??
そんなの、決まってるじゃない。
全ての元凶である、私のお腹のプニプニを排除するためよ。
今、緩んでるのは精神じゃなくて腹の肉だろwwwって言ったの誰よ。
やかましいわ。
* * *
というわけで、私が毎朝5時に起きて10キロ走り始めてから、今日で4日目になった。
いくら完璧超人な私といえど、もうそろそろ冬なこの季節に甘いベッドの誘惑に打ち勝つのは中々に大変だ。しかも、まともにランニングなんてしてこなかったこの私が、全力で10キロを走るのよ? 走っている最中は脇腹が痛いし、苦しいし、足は重くなってくるし、なんだか涙まで出てきちゃう。
でも、でもね? 私は頑張るの。
まだ比企谷君と会うだけの勇気は出ないし、お腹のプニのんもあんまり減ってない。それに、結果が出ないうちは彼には会わないって、私決めたんだからっ!!!!!
ああ、辛い、苦しい、
私の必死に吐き出す息が、まだ暗い朝の大気に白い跡となって現れる。もう2キロ……もう1キロ……
でも……いくら挫けそうになったって、私は絶対に諦めないんだからっ!!!!!!
まずは、ぷにのん撃退よっ!!!!!!!
* * *
「……小町がこんな朝早くあんだけ俺に散歩を急かす理由は……これだったのか……陽乃さん」
* * *
また1週間がたった。
早朝ランニングはまだ続けている。今も10キロを走り終えて、家でシャワーを浴びているところ。
実際効果は出ているのよ? 3日目あたりからお腹のぷよぷよがなくなってきたのが自覚できたし、今となってはお腹や足にハリも生まれ、前よりも健康的な肉体になったと思う。
それに、毎朝鋼の意思でベッドから起きる作業をしていくことによって、今までの私よりもさらに強い精神力を鍛えることができた。多分、ここが一番の成長した所だと思う。ほら、そのおかげでこの1週間比企谷君を想像してナニすることも我慢できているし。
……でも、まだ彼に会うとなると……緊張する。
やだな、なんで私こんなに彼のこと考えてるんだろう。
確かに、あの雪乃ちゃんを篭絡した人物だし、人間的に興味があることは否定しない。私の性欲の捌け口にしていたのも、彼なら私のプライド的にも合格だったから。なんとなくナニしていたのも私の溜まりに溜まった鬱憤を晴らしたかっただけで、雪乃ちゃんみたいに彼に特別な感情を抱いていたわけではなかった。
比企谷君がなんかよく分からないヤンキーみたいな女に告白紛いのことをした動画を見たときの感情も、雪乃ちゃんの彼氏兼私のおもちゃに誰かが手を出すのが面白くなかったから。
って、思ってた。
でも何? この感情。彼について考えるとどうしてこんなに切なくなるの? 何で彼は雪乃ちゃんの彼氏なの? 何で彼は私を見てくれないの? 何で彼に冷たい目で見られたらあんなに悲しかったの? なんで彼を想像したら幸せな気持ちになれるの? 何で最近彼が近くにいるとドキドキしちゃうの? そもそも無意識でも何で私は比企谷君でナニしてたの?
もしかして、私、比企谷君のことが本気で好きになっちゃったの?
「ええ……えぇぇ……」
声が出ちゃった。
私はシャワーを浴びながら、下を向いて両手で頰を挟んでしまう。シャワーの温度を抜きにしても、体が暑すぎる気がする。目が潤んできた。頭が混乱している。
そうこうしてるうちに、あまりの混乱で立てなくなった。
シャワーの水を後頭部に受けながら、しゃがんだ私は首を振りまくる。
「ダメよ陽乃っ! 比企谷君は雪乃ちゃんの彼氏! 」
何回か自分に言い聞かせるように言ってみたけど
やっぱりダメだ。
言えば言うほど胸の高鳴りが止まらない。
比企谷君を思う度、胸のキュンキュンが止まらない。
苦しい。
でも幸せ。
何!?
なんなのこれ、
こんな感情知らない!
私こんなの知らない!!!!!
「うぅ……私……比企谷君のこと、、本当に好きになっちゃった」
* * *
朝5時
今日は、すぐに起きれた。
というか、寝られなかった。
「うぅ……あぅぅ……」
変な声が出てしまう。顔が熱い。
「うううぅぅぅぅ……」
何だか分からないけどムズガユイ。ベッドにまたうつ伏せになり、枕を比企谷君に見立ててちょっと唇を当ててみた。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!! 」
今の自分の行動の、どうしようもない恥ずかしさが私を襲う。バタバタ足を動かして、ベッドの上を転がりまわって
「ああああああああああああああああああああああああああああああっ……ぐうぇっ……」
ベッドから落ちた。
* * *
おかしい。体の調子がいい。全く疲れない。いくら走っても、いくらスピードを出しても疲れない。
これも、恋の魔力なのかな? ……
彼が私を変えてくれたんだ……うふふ
そんなことを思っていると、だいぶ前の位置に誰かが立っているのが見えた。おかしいな、いつもは誰ともこの道では会わないのにと思いながら私は走る。
だけど、すぐに私は走る足を止めざるをえなかった。
「陽乃さん」
「え? ……ひきがやくん? 」
「はい、お久しぶりです」
え、なんで? 聞いてない。なんでこんな時間に?
あ、やばい、ドキドキしてきた。
顔かっこいい。あの人に今わたし見られちゃってる。
目と目があってる……あ、近づいてきた、どうしよう、え? ど、どうすればいいのわたし。あ、やだ見ないで、髪も乱れてるし化粧もしてないっ……
「逃げようとしないでください、陽乃さん。……すみません……俺があの時冷たくしたからですよね」
違うよ。いやちょっとはそれもあるけど、そんなことよりあなたがかっこいいから見ていて辛いだけです。
「あなたが努力している姿を見て……なんというか、すごく申し訳ないことをしたというか、、まあ、小町に言われるまであなたが走ってるなんて気付かなかったんですが」
恥ずかしそうに比企谷君が言う。
可愛いかっこいい。
「……あなたに、謝りたくて……あと、言いにくいんですが、お願いがあってきました」
「……おねがい? 」
私は、ぽーっとした顔と、甘ったるい声で比企谷君に問いかけた。どうしよう、キュンキュンが止まらない。
比企谷君が頭を下げた。綺麗に90度だ。
頭頂部すらかっこよく見えてくる。
そのまま、彼は言う。
「俺に、協力してください……雪ノ下が……小町曰く、幸せ太り、、したみたいで……元に戻してやりたいんです」
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スキルまとめ
雪ノ下雪乃
・乙女ポエム
・ぷよぷよ←new
雪ノ下陽乃
・ド変態
・ぷよぷよ
由比ヶ浜結衣
・悪魔的ドM
一色いろは
・⁇
比企谷小町
・⁇
川崎沙希
・⁇
比企谷八幡
・⁇