超次元ゲイムネプテューヌTHE AMINATION ~別次元からやって来た2人の女神~ 作:玄武の使者
次元世界。
それはこの世を構成しているもっとも上位の構造。
次元世界は文字通り無数に存在し、それぞれの世界が次元空間に阻まれて混じり合わないようになっている。
簡単に言えば、次元空間は“海”で次元世界が“海”に浮かぶ“島”である。
そして、無数にある“島”は独自の文化と生態系を持ち、独自の発展を続けている。
物語の始まりは今まさに滅びを迎えようとしている次元世界。
物語の主役は国を守護を司る2人の女神。
――――極次元ゲイムギョウ界――――
数多に存在する次元世界の1つ、極次元ゲイムギョウ界。
その世界には4つの国が存在し、強大な力を持つ4人の女神がそれぞれの国を統治していた。
女神アメジストハートが治める国、プラネタリア。
女神スピネルハートが治める国、ラスタリア。
女神パールハートが治める国、ルビテイション。
女神エメラルドハートが治める国、リーンカーネション。
この4国は国力の源である〈シェアエナジー〉を巡って敵対していた。
特には国の代表とも言える女神同士が戦い、時には軍隊が衝突する戦争も起こった。
やがて4つの国は手を結ぶことを決意し、数千年に渡る長き戦いに終止符が撃たれることになった。
しかし、訪れたのはつかの間の平和。極次元ゲイムギョウ界は崩壊へと向かっていた・・・・・・・。
「・・・・・・もう、この世界も終わりか。」
高い丘の上、遠くに見える街が一望できるような場所で1人の女性が呟いた。
青と紫が混じった色の髪は風になびき、背中に生えた3対6枚の純白の翼もゆらゆらと揺れている。
アメジストの宝石を彷彿させるような瞳には上部が欠けた円と棒が合わさったマークが浮かんでおり、僅かに涙が滲んでいる。
その視線は銀色の巨大なタワーとその麓にある広大な街へと注がれていた。
彼女は女神アメジストハート。プラネタリアの守護を司る女神である。
「女神になって数千年。もう少し早く手を取り合っていれば、結果は変わったかもしれないわね。」
愁いの表情を浮かべる女神の視線の先には人が居なくなった自分の国――プラネタリアが存在している。
4国の中でもっとも高い技術力を保有するプラネタリアは今や廃墟同然の状態で放置されている上に建物も植物も溶けない氷の中に封じ込められている。
いや、プラネタリアだけでなく、極次元ゲイムギョウ界を支えていた4国全てが同じような状況なのだ。
極次元ゲイムギョウ界の4国は争い続けることに疲れ果てて平和友好条約を締結した。
他の次元世界よりも抜きん出た技術力を持つ4国は協力し合って、国力の源である〈シェアエナジー〉を人為的に生み出す方法を模索。
そして、数年の時を掛けて半永久的に〈シェアエナジー〉を生み出す装置――無限生成機関〈シェアジュエル〉が完成を迎えた。
争う理由がなくなったことで平和になるかと思いきや、その平和を許さない者――つまり、テロ組織が活動を開始したのだ。
4国の協力によってテロ組織は壊滅したが、その残党が禁断兵器を使用したせいで極次元ゲイムギョウ界は凍りついた。
「・・・・・・止めましょう。もしも、なんて考えてもどうにもならないわ。」
ヴァイオレットハートは身を守る特殊な衣服――〈プロセッサアーマー〉に付いた土埃を払い落しながら立ち上がる。
「時間は・・・・・・15時40分ね。集合時間には少し早いけど、空港に向かいましょうか。」
銀色の懐中時計で現在の時間を確認した後、アメジストハートは翼を広げて飛び立った。
プラネタリアの街並みが一望できる丘を出発し、紫水晶の女神が目指すのは4国のちょうど中央に建設された港。
5分程度飛行すると、ちょうど海の上に建設された空港のような施設が見えてきた。
そこには全長100メートルを超える白亜の戦艦が静かに出航の時を待ちわびている。
「お早い到着だね、クーデリア。」
「そういうディオーネさんも集合時間の20分前から居るじゃないですか。」
「イストワールにディオーネ。もう集まっていたのね。」
白亜の戦艦の乗り込み口で待っていたのは2人の少女。
1人は青空のような蒼い髪に白いブレザーのような衣服を着た碧眼の少女――ディオーネ。
もう1人は薄い金髪に濃紺を基調にしたゴスロリ服を着た紅眼の少女――イストワール。
彼女はアメジストハートと長い付き合いになる友人であり、これから一緒に旅をする仲間なのだ。
「エグゼアークの最終調整はわたしの仕事だからね。ちゃんとお墓参りも済ませたよ?」
「・・・・・・本当なら、この場には教祖とあの2人も居る筈だったのよね。」
アメジストハートは今にも泣きそうな声で言う。
極次元ゲイムギョウ界には空港に居る彼女ら三人しか残っていない。
他の人々は住むことができなくなった世界を離れて、新しく居住可能な次元世界に向かって一足先に出発したからだ。
そして、最後の方舟――〈エグゼアーク〉には女神4人と彼女に仕える教祖4人、そしてイストワールを含めた9人が搭乗する予定だった。
ラスタリアのスピネルハート、リーンカーネションのエメラルドハート、各国の教祖4人は出航日の一ヶ月前にテロ組織の残党によってその命を落としてしまったのだ。
「少し早いですが、出発しましょう。最終調整は終わってますから。」
「そうだね。」
刹那、ディオーネが光に包まれて、その身体を変化させる。
青空を彷彿させる短い髪はつま先に届くくらいまで伸びて、背中から大きな蝶のような半透明の翼が生える。
さらに、青いラインが入った白いワンピースの〈プロセッサアーマー〉が構築され、空色の瞳にはアメジストハートと同じ文様。
ディオーネというのは本来の姿での名前であり、女神としての名前はパールハート。
プラネタリアの北東に存在したルビテイションの守護を司る女神がディオーネのもう一つの顔である。
「イストワール、準備できたよ。」
「はい。それでは、行きましょうか。」
アメジストハートとパールハートはイストワールの案内に従って〈エグゼアーク〉に乗り込む。
2人が案内されたのは白き方舟のコントロールを行う操舵室。
操舵室は後方の壁以外はガラス張りになっており、壁際に幾つもの操作盤が設置されている。
イストワールはちょうど真ん中の席に座り、パールハートはその北側の席に、アメジストハートはその南側の席にそれぞれ座る。
そして、3人が所定の位置に着くと同時に沈黙していた〈エグゼアーク〉のコントロールパネルが一斉に起動する。
「センサー類の方は私(ワタクシ)が対応します。ですが、それほど性能は高くないので期待しないでください」
「仕方ないわ。元々、エグゼアークは女神4人での運用を前提にしてるし。」
「そうそう。まあ、2人だけでも航行はできるから大丈夫だよ。」
そんな会話を交わしながら三人はコントロールパネルを操作して、〈エグゼアーク〉のシステムを立ち上げる。
「動力炉〈エグゼドライヴ〉、正常に稼働。ジェネレイティングアーマー、展開。」
「推進機関、及び浮遊機関に問題なし。センサーシステム、最低レベルで展開。」
「火器管制システム、異常なし。艦内システム、オールグリーン。」
システムが立ちあがると同時に空間投影型のモニターに〈エグゼアーク〉の現状が表示される。
イストワールが出発間際まで最終調整と最終メンテナンスを行ってくれたおかげで何の異常も見受けられない。
搭載された動力炉から推進機関、浮遊機関にエネルギーが送られて稼働を始める。
「エグゼアーク、発進!!」
アメジストハートの号令と同時に〈エグゼアーク〉は大地から離れて、どんどん高度を上げる。
(さようなら、プラネタリア)
操舵室から見えた自分の国に別れを告げると、アメジストハートはある機能を起動させる。
それは次元航行システム。
本来なら行き来することができない次元世界の行き来を可能にする画期的なシステムだ。
数年前に諸事情で極次元ゲイムギョウ界に迷い込んだ別次元の人間が持ち込んだモノだが、そのおかげで極次元ゲイムギョウ界の人々は新天地へと目指すことができた。
この次元航行システムを搭載した船を次元航行艦というのだが、〈エグゼアーク〉以外にも次元航行艦は建造された。
極次元ゲイムギョウ界の人々を乗せた次元航行艦は彼女らよりも一足先に出発し、新天地を目指したのだ。
「長い旅になりそうだね。」
「幸いにも私(わたくし)たちは悠久の時を生きる身。時間なんて無限に存在します。」
「そうね。じゃあ、行きましょうか。私たちの新天地(フロンティア)を目指して・・・・・・」
三人の旅人を乗せた白き方舟は無数の次元世界を繋ぐ次元空間へと飛び込んだ。
ネプテューヌRebirth2が発売されたのでついついねぷねぷの二次創作を書きたくなった玄武の使者です。
アニメが放映されていた時期に書いて、PCの奥深くに眠っていた作品を修正したのが、この作品になります。そして、何も考えていない見切り発車です。
さらにいえば、更新が停滞している他の小説もいくつか・・・・・・。
こんな駄目な作者の作品ですが、よろしくお願いします。<m(__)m>