超次元ゲイムネプテューヌTHE AMINATION ~別次元からやって来た2人の女神~ 作:玄武の使者
「遺跡の奥に眠るモノ」
―――ジェネシス遺跡 内部―――
「てぇい!!」
―――ザンッ!!
真っ直ぐ振り下ろされたネプギアのビームソードが遺跡のモンスターを切り裂く。
【プラネテューヌ】の技術者が作り上げた剣は容易く敵を切り捨て、消滅させる。
しかし、襲ってくるモンスターは1体ではなく、全部で5体。
知能の低いモンスターたちは手短に居るネプギアに狙いを定めて襲いかかってくる。
その時、彼女の背後から放たれた光の玉がモンスターを正確に撃ち抜く。
「ありがとうございます、クーデリアさん。」
「気にしない気にしない。今日はチームなんだから。」
教祖イストワールからの依頼で【ジェネシス遺跡】に潜り込んでから数十分後。
ネプギアとクーデリアは襲ってくるモンスターを倒しながら遺跡の最深部を目指して進んでいた。
「それより、ネプギア。疲れてない? 結構ハイペースで進んでるけど・・・・・・」
「これくらい大丈夫です!! それに、クーデリアさんのおかげで戦闘もかなり楽ですから。」
「そっか、それならいいや。」
ネプギアを先頭にして2人は再び遺跡の最深部を目指す。
生憎とクーデリアの〈
ちなみに、前衛を務めるネプギアよりも特殊な魔法で後方支援を行うクーデリアの方が演算能力の関係で負担が大きいのだが、彼女はまったく疲労の色を見せない。
「また、モンスターが・・・・・・」
「任せなさい!!」
背部の光翼からレールガンのように魔力の球体が高速で撃ちだされ、モンスターを倒す。
新たに現れた3体のモンスターは何もできずに倒されてしまった。
「あの・・・クーデリアさん。さっきからバンバン撃ってますけど、魔力は大丈夫なんですか?」
「うん。でも、ゆっくりしてる暇はないから、急ごう。」
「あまり無理はしないでくださいね?」
心配するネプギアにクーデリアは笑みを返す。
クーデリアが撃ちだしているのは厳密に言うと、魔力ではなく魔力素を圧縮した弾丸である。
その魔力素も外部に存在しているモノをかき集めているだけなので実は大して魔力を消費していないのだが、そのことをネプギアは知らない。
「それにしても、この遺跡は何のために作られたんでしょうか?」
「RPGだと太古の秘宝とかが眠ってるんだけど、それにしては何もないしね。」
「そういえば、モンスターに襲われたぐらいですね。防衛システムぐらいあっても良いのに。」
「破損してるのか、元々備え付けられてないのか。まあ、調査すれば分かるか。」
そんな会話をしながら遺跡のさらに奥へと進んでいくネプギアとクーデリア。
だが、2人はすぐに足を止めた。
なぜなら、延々と続く通路の先が閉ざされていたからだ。
先ほどのように障壁を封じ込められている訳ではなく、普通サイズの扉がきちんと備え付けられている。
だが、その扉は堅く閉ざされており、カードキーを手に入れないと開かないようになっている。
「ネプギア。此処に来るまでに分かれ道とかあった?」
「なかった、と思いますけど・・・・・・」
「だよねぇ。」
クーデリアはため息を溢して、扉の電子ロックを弄る。
適当に弄っても電子ロックが解除される訳もなく、奥へと続く扉は閉ざされたままだ。
「どうします? 何とかして壊しますか?」
「そうは言っても手持ちの武器じゃあ、壊せないよ。神剣サリエルも使えないし。」
「そうですよね。でも、この先に何があるか気になるな~」
「開かないものはしょうがないよ。開ける方法があれば話は別だけど。」
クーデリアに代わって、今度はネプギアが電子ロックを弄る。
もちろん開く筈がないのだが、1つのアイディアが彼女の脳裏に閃いた。
「そうだ!! 電子ロックなんだからハッキングして開ければ良いんだ」
「ああ、その手があったか!!
でも、ネプギア。ハッキングなんてできるの?」
「機械は得意なんですけど、さすがにハッキングは・・・・・・」
「そっかぁ。まあ、ディオーネに連絡すれば何とかなるかな」
クーデリアはコートのポケットから通信端末を取り出すと、ディオーネに連絡を取る。
数回のコールの後、眠そうな親友の声が聞こえてきた。
「ディオーネ、ちょっと手伝って欲しいことがあるんだ。」
『ん?』
「電子ロックをハッキングして開けてくれる? ディオーネなら出来るでしょ?」
『起きたばかりの親友に無茶言うわね。まあ良いわ。』
クーデリアのお願いを承服したディオーネは必要な作業を伝える。
ディオーネに通信を繋げたままクーデリアは伝えられた作業を行う。
『良し。すぐに電子ロックを解除してあげるわ。』
クーデリア側の作業が終わると同時にディオーネは作業を開始したらしい。
少しの間、無言の時間が続くとハッキングによって電子ロックが解除されて遺跡の扉が開く。
『ハッキング終了。これで通れるでしょ?』
「うん。ありがとう、ディオーネ。」
『その代わり、その遺跡にある宝を必ず持ち帰ってきなさい。絶対よ?』
そうクーデリアに念押しするとディオーネは通信を切ってしまった。
どうやらディオーネは【ジェネシス遺跡】の奥に眠っている宝の正体を知っているようだ。
「切れちゃった・・・・・・。」
「一体何があるんでしょうか?」
「少なくともディオーネが欲しがるようなモノ、だろうね。」
そう言いながら通信端末をコートのポケットに戻すと、クーデリアは扉を潜る。
「うわぁ~♪」
扉を潜ったネプギアは瞳を輝かせて感嘆の声を溢した。
電子ロックが施された扉の奥には広大な空間が広がっており、複数のコンピュータが設置されている。
壁や床の材質は部屋の外側と変わらないが、まるで電子回路のような文様が隙間なく施されている。
ネプギアはまるでSF小説に出てくるような一室に目を輝かせているが、クーデリアは部屋の奥で眠っているお宝の方に目を奪われていた。
それはクリムゾンのような色彩の長い髪を持つ小柄な少女。
小さく華奢な身体は白いラインが入った黒と赤のローブ・モンタントを身に纏い、Y字に吊らされている。
側頭部には円錐状の“何か”が付いており、首筋にはコードのような物が接続されている。
(アンドロイド・・・。しかも、かなり精巧に作られてる。)
クーデリアは【ジェネシス遺跡】の最奥で眠っているアンドロイドに触れる。
肌の感触も人間と同じでコードが接続されていなければ、人間と確実に見間違うような出来だ。
【極次元ゲイムギョウ界】でもヒト型ロボットを作る研究は行われていたが、目の前のアンドロイドは彼女の故郷の技術を凌駕していた。
(この世界の技術力は極次元よりも低いと思ってたんだけど、こんなモノが眠ってるとはね。)
「凄いなぁ~こんなOS、今まで見たことないよ♪」
「ネプギア、変な物に触らないでね。」
「分かってますよ~・・・・・あっ。」
ネプギアにそう忠告した途端、バツが悪そうな表情を浮かべた。
「・・・・・・何したの?」
「えっと・・・手元にあった変なボタン押しちゃいました」
クーデリアの質問にネプギアは素直に答える。
「忠告した途端に押す奴があるかぁ!!」
「ご、ごめんなさいぃ~!!」
クーデリアが怒鳴るが、ゆっくりと説教している暇はなかった。
ネプギアが変なボタンを押してしまったせいでプログラムが実行されて、全てのコンピュータが慌ただしく動き始める。
そして、慌ただしく動いていたコンピュータが一斉にプログラムを終えると眠っていたアンドロイドが覚醒した。
「・・・・・・・」
目を覚ましたアンドロイドは両腕の紐を引き千切り、顔を上げる。
そして、少女の少し暗い蒼色の瞳とクーデリアの碧眼が交錯する。
「誰だ、お前は。」
「クーデリア、クーデリア・フォン・リヒトシュナイデだよ。君は?」
「イリアの名前はイリアだ。それより、お前はこの研究所の人間か?」
アンドロイドの少女――イリアの質問にクーデリアは首を横に振る。
「そうか。なら、さっさとここから立ち去った方が良い。
イリアが目覚めた以上、この研究所の防衛システムが遠からず此処にくる」
刹那、ドゴーンッ!!という轟音を立てて、部屋の壁の一部が崩れ落ちた。
開いた壁の穴から入ってきたのは“シュジンコウキ”と呼ばれる機械系の大型モンスター。
【ゲイムギョウ界】では接触禁止種に指定されている手強い相手だ。
「予想以上に早かったな。そこまでしてあの者たちはイリアを外に出したくないのか。」
驚くクーデリアとネプギアをしり目に平然としているイリアは静かに前に出る。
そして、側頭部のパーツが開くと青白いプラズマが天使の輪をその頭上に展開する。
「追いかけられるのも面倒だ。寝起きの運動に付き合ってもらうぞ?」
次の瞬間、イリアは地面を蹴ってシュジンコウキに立ち向かっていった。
今回登場したアンドロイドのイリアの元ネタ、分かる人とか居るのかなぁ?
結構前のゲームだし、年齢制限が掛けられてるゲームだし・・・・・・。
あっ、間違っても聖杯が関係するゲームのキャラじゃないのであしからず。