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ヴッ(昇天)
今回はホームズ陣営視点。いつもの駄文具合に拍車がかかっています。一応色々調べて書きましたが、何かガバがあったら教えていただけると嬉しいです!
ホームズと私は、数々の事件に挑んできたが、私達はこの事件を忘れることは一生無いだろう。それほどに狡猾で、悲惨な事件だった。
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1890年の9月のことだった。私とホームズは、抱えていた事件が終わり、しばらく平穏な日々を送っていた。
「ワトソン、見たまえよ。ほら、この記事だ。」
私が読んでいた新聞のニュース欄を指差しながらホームズが私に話しかけてきた。
「ん?どれどれ…『ボーンズ家の惨劇再び』?ボーンズ家って『あの』ボーンズ家か!?」
「まぁ落ち着きたまえ、ワトソン。記事を読んでみてくれ。」
言われたとおり記事に目を通す。
「ふむ…『8月の終わりに、ボーンズ家の廃屋敷で火事があった。火は消し止められたものの、屋敷の焼跡から一人の焼死体が発見された。死体は椅子に縛り付けられており、油をかけられて燃やされたと思われる。死体の身元は不明だが、所持品などから、同日失踪したアラン ベーカー氏だと考えられている。』と。」
「そう。ボーンズ家の惨劇といえば、10年ほど前、ジョージ ボーンズ氏とその妻、息子、さらには使用人までもが殺害された事件だ。生き残ったのは…確かボーンズ氏の娘と、使用人が一人だったかな…?娘さんの名前は、確かレイチェルといったはずだ。」
私も、その事件は知っている。確か犯人はまだ捕まっていなかったはずだ。
「そのボーンズ家で、またも事件が起きた。これがたまたまボーンズ家なのか、それとも故意によるものなのか…。」
そう言ってホームズは思考の海に沈んでいく。
「考えるのはいいがホームズ。仕事でも無い事件に勝手に首を突っ込まないでくれよ?私達は最近事件を解決したところなんだ。」
そう。ホームズは事件となると食事を摂らなかったり、平気で徹夜をしたりするのだ。健康管理をしっかりしてほしいのだが…。
「ホームズさん、ワトソン先生。朝食を持ってきましたよ。」
ハドスンさんが食事を持ってきてくれた。問題は…
「ありがとうハドスンさん。テーブルの上に置いといてくれ、後で食べる。」
そう。いつもこう言ってホームズは食事を取らないのだ。どうやってホームズに食べさせようかと考えていると
「もう、そう言っていつも食べないじゃありませんか!そんなことばかり言っていますと、ホームズさんにこの手紙を渡してあげませんよ!」
流石だハドスンさん!私は心の中で彼女に拍手を送った。
「む…。手紙だって?ハドスンさん、それは事件の依頼かい?なら、食事を摂ろう。ワトソン!30分だ!朝食を30分で片付けるぞ!」
えっ、何を言っているんだホームズは!?
「30分!?無茶だホームズ!急いで食べるのは消化に悪いし、そもそも、君は普段朝食を取らないのに、そんなに速く食べれるのかい!?」
「卵は…よし。ではさっさと片付けてしまおう。」
私の叫びはホームズの心には響かなかったようだ。
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私とホームズはそれぞれソファーと椅子に沈み込んでいた。胃が痛む。急に食べすぎたのだ。
「これだから朝食は取りたくなかったんだ。食事を取るとその時間分、思考の時間が減ってしまうからね。で、ハドスンさん、手紙を。」
ホームズはその青い顔を更に青くしている。ほら、言わんこっちゃない。
「もう少し味わって食べてくれてもいいんですよ!」
そう言ってハドスンさんはホームズに手紙を渡した。
「差出人は…ノーマン スペンサー、元陸軍大佐か。で、内容は……ほう。」
ホームズは手紙を読んだあと、興味深そうに何かを考えている。が、ふと思考を止め、先程までの(朝食によって)苦しげだった表情を一転させてとてもいい笑顔でこちらに手紙を渡してきた。
「ワトソン、手紙を読んでみたまえ。」
「ええと、『拝啓、シャーロック・ホームズ様、貴方様の素晴らしい活躍を本で拝見しました。そこで依頼をしたいのです。3年前から失踪している、レイチェル ボーンズ嬢を探して欲しいのです。私はジョージ ボーンズの友人だったのですが、ジョージが死んだとき、私は生活が苦しくレイチェル嬢に支援をすることができませんでした。しかし、最近生活にも余裕が出てきたので、彼女に金銭的支援をしてやりたいのです。ですが、レイチェル嬢が失踪していて、どうしようも無いので彼女を探していただけないでしょうか。明日の午後1時半に部下のジョー カントリーと側近のホールド モリスを送りますのでよろしくお願いします。いい返事を期待しております。 ノーマン スペンサー』」
「ワトソン、『このタイミング』で、レイチェル嬢の捜索依頼だよ。」
そう。レイチェル嬢といえば、朝話していたあのレイチェル嬢だ。これはあまりにもタイミングが合いすぎている…。
「この手紙が届いたのは今日の第一便、つまり投函されたのは昨日だ。そして、昨日書いた手紙で明日なのだから…。」
その時外で馬車の止まる音が聞こえた。
「噂をすればなんとやらだ。ハドスンさん!迎えに行って!」
「はいはい、わかりましたよー。」
一人分の足音が一階まで降りていく。しばらくすると、足音は3人分になり、二階に上がってきて…私達のいる部屋の前で止まった。そして…
「依頼をしに来た者です。」
少し高めの声、そして入ってきたのは少し低めの身長の痩せた美青年と髭を生やし、少し太った中年の男だった。
「初めまして。どうぞ中へ。」
私はそう声をかけ、彼らを中へ通した。
ホームズは窓の外を眺めて何か思考していたが、思考を止めて振り返り、
「ようこそ。私は、シャーロック・ホームズ。依頼人のジョー カントリー大佐とホールド モリス君で合ってるかな?」
そう自己紹介をした。
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「改めて名乗らせてもらおう。私はシャーロック・ホームズ。そしてそこの彼は私の助手のワトソンくんだ。」
そうホームズが言ったとき、青年…モリス君は少し面食らったような表情をした。それはそうだろう。こんな青くて細い男があのシャーロック・ホームズだとは普通思わない。と思ったが、よく見ればモリス君も少し目の下に疲労のあとが見える。
「まぁ、とりあえず椅子に座りたまえ。」
そう言ってホームズは椅子を勧めた。私も書き物机の椅子に座る。そして二人が椅子に座ったのを確認すると、
「では、今回の依頼の確認を。今回の依頼は、三年前から失踪しているレイチェル ボーンズ嬢の捜索で間違いないでしょうか?」
そう切り出した。その時もまた、モリス君は面食らったような表情をしていた。彼は今回の依頼の内容を知らなかったのだろうか。
「あぁ、それで間違いない。それで、受けてくれるのか?」
太った男…ジョー大佐が高圧的に聞いてくる。彼はモリス君に比べて態度が悪い。
「一つ質問を。何故この女性を探すのですか?」
ホームズはジョー大佐にそう聞いた。手紙に書いてあったはずだが、何故聞くのだろうか。
「そんな情報は捜査には必要ないだろう。報酬はいくらでも出してやるとのお達しだ。だから、さっさと探し出せ。」
…?何故手紙の内容について触れなかったのだろうか?
まさか聞いてないなんてことはあるまい。だって彼は依頼人の代理人のはずだ。ホームズの方を見るとホームズと目線が合った。彼は軽くうなずいて前に向き直り、
「ふむ…受けよう。」
依頼を受けた。が、
「ただし…ジョー大佐。あなたは先に帰って欲しい。私は目の前の彼から話を聞くよ。」
その一言でホームズ以外の三人の動きが止まった。私も含めて。
「…依頼は受けるのだな?」
「ええ、もちろん。」
「…ふむ、わかった。それでは私は先に失礼しよう。」
ジョー大佐はそう言って立ち上がり、部屋から出ていった。その間、モリス君はなんというか、『え?』という表情で固まっていた。
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「それで…僕なんかに何を聞くんです?」
ジョー大佐が帰ってから、困ったような笑みを浮かべながらモリス君から話を切り出した。
「いや、なに。君が軍人の中でも情報を集めるスパイ的なことをしているのでは無いかと思ってね。」
そうホームズが言うと同時に…モリス君の顔から表情が抜け落ちた。か、と思ったら次の瞬間彼は苦笑し、
「えぇ、まぁ、そうですね。そんなこともやってますよ。ところでホームズさんどうして僕がそういうことをしていると分かったのですか?」
そう言った。そうだ、何故ホームズは彼の仕事が分かったのだろうか。ホームズは少し笑みを浮かべ自分の推理を語りだした。
「初歩的なことだよ、モリス君。まず、君は軍人にしては筋肉量が少ない。それなのにその若さで大佐の側近に選ばれている。これはおそらく、戦績で昇格したのではなく、何か他の方法…例えば諜報活動などで大佐に貢献したからだと思ったわけだ。そして、君は髭を生やしていない。これは女性に変装するときに気づかれないようにするためだろう。それに、男にしては肌がキレイだし、髪も長い。これもまた女性に化けるときに気づかれないようにするためだ。どうだい?」
なるほど、そう言われてみると確かにそうだ。彼は軍人にしては細かったし、背丈も小さい。それに、後ろで束ねているが、髪も長い。
「なるほど。百点満点の回答ありがとうございます。」
彼は頭を掻きながら感心したようにうなずいて
「では、僕が知っているだけの情報をお話しましょう。」
話し始めた。
「まずホームズさん。貴方は『ボーンズ家の惨劇』をご存知でしょうか?」
「ああ、知っているとも。朝その話をしていたところだったんだ。」
「知っているなら話は早いです。ボーンズ家の唯一の生存者が今回の依頼の捜索対象のレイチェル嬢なんですよ。そして、8月末にそのボーンズ家が燃えて中から焼死体が出てきました。椅子にロープで縛り付けられた挙げ句、油をかけられて燃やされたとか…怖いですね…。で、ここからが大事なのですが、『焼死体になって発見されたベーカー氏と今回の依頼人のスペンサー卿は親友だった』という風に聞いています。といったくらいですかね。お役に立てましたか?」
ベーカー氏とスペンサー卿は親友だった…。それはつまり…。
「なるほど。興味深い情報をありがとう。」
「いえ、こちらこそあまり情報が無くてすみません。何かの役に立ったなら嬉しいですけど。」
彼はそう言って頭を軽く掻き、
「では僕もそろそろお暇させてもらいますね。今日はもともと休むつもりだったので、家で父と母が待っていますから。」
そう言って立ち上がった。
「あぁ、構わない。ただ、また何か聞くことがあるかもしれない。」
ホームズがそう声をかけると、
「わかりました。でも、僕が知っていることなんてほんの少しなのであまり期待はしないでくださいね。」
そう言って彼はドアから出ていった。
「なぁ、ホームズ。これは非常にまずい状況なんじゃないか?」
私はずっと思っていたことをホームズに聞いた。親友を殺されたスペンサー卿が親友が殺された屋敷を所有していたボーンズ家の唯一の生存者を探している…。
「あぁ、最悪の場合…死人が出かねないだろう。」
ホームズも同じ考えだったようで、パッと椅子から立ち上がると、
「ワトソン!調査に出るぞ!」
そう言ってドアの方に早歩きで歩いていく。
「ああ、わかったがどこに行くんだ?」
「まずはとりあえず…ボーンズ家跡だ!ハドスンさん!私達は出かけるから夕食は作らないで大丈夫だ!」
彼は大声でハドスンさんにメッセージを伝えるとそのまま玄関から出て、辻馬車を捕まえた。そして私が乗り込むと同時に、
「ボーンズ家跡まで頼む。」
事件の調査を始めたのだった。
ホームズ陣営(ワトソン先生オンリー)
これからたまにこういう回を挟むかも知れないです。
次回ももしかしたらこっちかも…。次回も投稿早いかも知れないです。それではまた次回!
ネモくん…どこ?ここ?