【RTA】FGORPG<傍観者>ルート   作:名無しのクラゲ

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作者)スゥゥゥゥゥゥ、( ´ー`)フゥー...
       ( ´ー∵∴.ピシュゥゥゥン

こんな駄文を評価、お気に入り登録、本当にありがとうございます!!

次回で生前パートを終わらせると言ったな。

あれは嘘だ。



幕間1 探偵の失敗 その3

私達が戦ったのは、“怪物”だった。バスカビル家を襲った魔犬のような化け物ではなく、蜘蛛の糸の中心に居座っていたモリアーティ教授とも異なる“怪物”。

……あまりにも悲しい“怪物”だった。

 

ーーーーーーーー

 

「ワトソン、レイチェル嬢に会いに行くぞ。」

 

一瞬、彼の言葉の意味が理解できなかった。

 

「レイチェル嬢に…会いに行くだって!?」

 

「ああ、そうだ。この事件の鍵は間違いなく、『ボーンズの惨劇』だろう。だから、私達は彼女と会い、話さなければいけないのだよ。」

 

それは、わからなくもない。しかし…

 

「肝心のレイチェル嬢がどこにいるのかわからなければどうしようも無いじゃないか、ホームズ。」

 

そう、私達はレイチェル嬢がどこにいるか知らないのだ。

 

「それについては考えてある。もうそろそろの筈だが…。」

 

ホームズがそう言うと同時に、

 

「ホームズさん、来客ですよ!」

 

ハドスンさんが来客を告げた。

 

「ああ、わかった。通してやってくれ。」

 

「なあホームズ、いったい誰を呼んだんだい?」

 

「ボーンズで生き残った2人のうちの一人で、唯一レイチェル嬢の居場所を知っているであろう男だよ。ワトソン。」

 

その言葉を言い終わるか言い終わらないかのうちに、一人の男が部屋に入ってきた。

 

「やぁ、直接会うのは初めてかな、オリバー ノーランド君?私はシャーロック・ホームズ。そっちの彼が友人のワトソンだ。」

 

「…時間があまり無いから、先に『返事』を伝える。お嬢は………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前たちに会うそうだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

彼…、オリバー ノーランドは、用件だけ伝えるとすぐに帰ってしまった。そして、私達は今、彼に言われた場所へと向かっていた。

 

「なあホームズ、一つだけ聞いておきたいことがあるのだが…いいかい?」

 

「なんだね、ワトソン?」

 

私は自分の中にある不安をかき消すようにこう言った。

 

「君は…今回の犯人に勝てると思うかい?」

 

「……まだわからない。だが、もう時間はそこまで残されていないだろうな。」

 

あの夜見つけた紙には『あと一人』と書かれていた。つまり…

 

「今までの周期で考えると、あと、3〜4日の間に、最後の一人が殺されるだろうからな。」

 

私はあの日見た『赤い目の青年』を思い出す。あれだけの残酷な殺し方をしてなお無表情で、さらにホームズを挑発すらしてみせた“怪物”を相手に、私達は戦わなければいけないのだ。そう考えると、体全体に強烈な悪寒を感じ、歯が上手く噛み合わず小さくカチカチという音が鳴ってしまう。

 

「落ち着け、ワトソン。最後の一人くらいはなんとしても助けてみせるさ。そのための調査なのだから。

…それに、正体がわからないから“怪物”であるだけで、いざ正体がわかってみればただのリンを塗った大きな犬だった…なんてこともあるからな。」

 

ホームズはそう言って軽く笑って見せた。

 

 

 

……

 

 

 

 

馬車は郊外の一軒家の前で止まった。その家は古くもなく、かと言って特に新しいわけでもない、まさに「普通の家」だった。

 

「思っていたより…普通だな、ホームズ。」

 

「それはそうだろうな。なぜなら、ここは、オリバー ノーランドの家だからだ。」

 

「なるほど…。つまり、前に見つけたと言っていた家がここなのか。」

 

「その通りだよ、ワトソン。」

 

話しながら玄関ドアの前まで行く。ホームズがノックをするとしばらくして、オリバー ノーランドが迎えに出てきた。

 

「…お待ちしておりました。ホームズ様、ワトソン様。お嬢様は二階の寝室です。」

 

彼はそう言うと二階への階段を登り始める。案内のつもりだろうか…。それにしても…

 

「彼、朝の時とは全然違うな…。」

 

彼は朝の時にはぶっきらぼうな話し方で、私達のことをお前たちというふうに呼んでいたというのに、今は敬語で、様付けである。

 

「普段と仕事でしっかり使い分けをしているのだろう。まぁ、私と君にはあまり関係ない話かもしれないがね。」

 

ふと、ホームズの言葉に違和感を覚え、訂正する。

 

「それは違うぞ、ホームズ。君はともかくとして、私はしっかり使い分けくらいしている。」

 

「えっ?」

 

「えっ?」

 

 

 

 

 

 

……

 

 

 

 

 

 

 

 

「お嬢様、お客様をお連れしました。」

 

私達は今、レイチェル嬢の寝室の前に居た。何故寝室?と思うが、何か事情があるのかもしれないと思い、聞くのは止めておいた。

 

「わかりました。中へお入りください。」

 

か細くて弱弱しいが、透き通るような美しい声だった。

それを聞いたホームズは躊躇うことも無く、ドアノブに手をかけると、そのままドアをそこそこの勢いで開け放ち、中へと入っていく。そして…

 

「初めまして。私はシャーロック・ホームズ。隣の彼は友人のワトソン君だ。レイチェル ボーンズ嬢で合ってるかな?」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

レイチェル嬢はまるで今にも散ってしまいそうな花のようだった。ベッドから体を起こす彼女は、病的なまでに白い肌で、肌の色と同じ位白い銀の髪で、薄い琥珀色の目で、痛々しく包帯の巻かれた右手で、明らかに疲弊した顔で、そして、満面の笑顔で私達の方に向き直る。

 

「ええ!こんにちは!」

 

そう元気よく言った後…

 

 

 

 

 

そのまま大きく咳き込んだ。

 

「…っ!お嬢様!」

 

すぐにオリバー君が駆け寄るが、大丈夫だと手で制されていた。

 

「…この…くらいは…大…丈夫だから…。」

 

そう言って再びこちらに向き直り、

 

「…っ…お見苦しいところをお見せしてしまいましたね…。初めまして。私の名前はレイチェル ボーンズ、ジョージ ボーンズの娘で、今は…ご覧の通り、穀潰しをしています。」

 

穀潰し…言い方ってものがあるだろう。ほら、オリバー君の顔が苦虫を噛み潰したような顔になっている。

 

「レイチェル嬢、自分のことを穀潰しと言うのは流石に自分を卑下しすぎだろう。それに、病気の人を穀潰しとするなら、ロンドンは穀潰しの街になってしまう。」

 

「ふふ、ワトソンさんはお優しいのですね。…それで、手紙に書いてあることはよく分からなかったのですが、何故ホームズさんとワトソンさんは私に会いに?」

 

「ふむ…君は、最近のボーンズ家の屋敷での事件は知っているかい?」

 

「えっ!?あの家で何かあったのですか!?」

 

彼女は事件のことを知らなかったのか。まぁ、自分が昔住んでいた家で事件が有ったなんて知ったら病気を酷くしてしまうかもしれないと考えて、オリバー君が情報を渡さなかったのかもしれない。

 

「いったい何が起きたんですか!?教えてくだ…っ!」

 

気になり過ぎたのだろうか。ホームズの方に身を乗り出し、少し興奮気味に話そうとしたかと思えばそのまま大きく咳き込み、オリバー君に定位置に戻された。オリバー君がさっきから百面相をしているのは気にしないことにした。

 

「知らない…か。なら、軽く説明してあげよう。」

 

そう言ってホームズが軽く事件のことを説明した。レイチェル嬢は終始真面目な顔で聞いていたが、聞き終わると、

 

「はえ〜…。」

 

と、気の抜けた声が出ていた。

 

「「あ、駄目だこの人。分かってない。」」

 

私とホームズの気持ちが重なった瞬間であった。

 

 

 

 

 

……

 

 

 

 

「…聞きたいことはこのくらいかな。」

 

ホームズが聞き終わったときには3時になってしまっていた。レイチェル嬢は、おそらくシロだ…私はそう感じていた。ベーカー氏もスペンサー卿も知らなければ、彼らの行った行為…まぁ、私も知らなかったのだが、それを聞いても驚愕といった感じだけだったし、肺の病気をずっと患っていると言うし、何より…

 

『もし、殺すチャンスがあったら殺したかったか…ですか…。ふーむ…。特に殺したいとは思いませんね。だって、私はもう親の声も顔も覚えていませんから、他人事にしか感じないんですよね。まぁ、こんな苦しい生活にした恨みはあるんですけどね。』

 

と、平然とした態度で言っていたのだ。そんな人間が復讐のために人を殺すのだろうか?顔も覚えていない人のために?いや、復讐しようとは思わないだろう…と。それが私の出した結論だった。しかし…

 

「…また、何かあったり、気がついたこと、思ったことがあったらここに連絡してくれ。」

 

そう言ったホームズの顔はなんというか、知りたくなかったものを知ってしまったような、そんな顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

……

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたんだ、ホームズ?そんな顔をして。」

 

道を歩きながらホームズに尋ねる。

 

「…まだ、話すべき時では無い…。いや、違うな…。まだこの推理…は、話せないんだ。確証が得られるまでは…絶対に。なぜなら、これは、ある意味…『直感』に近い。もし間違ってしまえば、2人の人間を傷つけてしまう…。」

 

ホームズは苦しげにそう言い、

 

「ワトソン、もし、私が、物語のような現実的にありえない推理をしたら、君はその推理を信じるかい?」

 

ホームズのそんな言葉を聞くのは初めてだった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

2日後、私達はホームズの『直感』に従って、ある人物に会おうとしていた。

 

「……そろそろ来るはずだが…。」

 

ホームズは普段満ち満ちている自信を無くし、椅子に沈み込んで動かないでいる。それはそうだろう。ホームズの今回の推理はとても推理とは言えなかった。『あんなこと』ができる人間は、それこそホームズくらいだろう。

 

「ホームズさん!来客ですよ!」

 

ハドスンさんの声で一気に現実に引き戻される。

来た。来てしまった。ホームズの推理の()()()()()をしなくてはならないのだ。あの、推理とも言えない『直感』の。

 

ノックの音。

 

「どうぞ。」

 

ホームズの声。

 

「失礼します。」

 

彼の声。

 

そして、彼…ホールド モリス君は部屋の中に入ってきた。

 

「さぁ、とりあえず座りたまえ。」

 

「どうも。」

 

彼は軽く頭を下げ、そのまま椅子に座る。少し金色が混ざった茶色…いわゆる栗色の髪、そして…琥珀色の目。

 

「さて、今日は君に聞きたいことがあるんだ。」

 

ホームズが仕掛ける。

 

「君は…」

 

一呼吸の間を置く。

 

「赤い目の青年を知らないかい?」

 

…彼の反応はいつもどおり、困ったようなそんな笑顔を浮かべ、

 

「すいません…知らないです。少なくとも、軍で見たことはありませんね。」

 

「そうか、では、4日前…スペンサー卿が死んだ日のことで誰かから何か聞いていないかい?」

 

彼は少し考えて、こう続ける。

 

「僕の聞くところによれば…オリバー ノーランドっていう男を見たっていうふうに聞いていますね。なんでも、ボーンズ家の従者だったとか…」

 

「…なるほど…ね。ありがとう、参考になったよ。」

 

「いえいえ、僕なんかでは、このくらいしか役に立てませんから。では、僕はそろそろ失礼しますね。まだ、仕事も残っているので。」

 

「あぁ、待ちたまえ。髪にゴミがついているよ。」

 

そう言ってホームズは彼の髪についたゴミを取る…フリをして、彼の髪を一本抜き取った。

 

「ありがとうございます、全然気づきませんでしたよ…。」

 

彼は礼を言うとそのまま出ていこうとするが、ホームズが右手を前に出したことで動きが止まる。

 

「おそらく、この事件で君と会うことはもう無いだろうからね。」

 

ホームズが握手を求めると、彼は快く応じた。

 

「…では、またいつか会おう。」

 

「ええ、またいつか。」

 

そう言って彼は今度こそ帰って行った。ホームズは窓から彼が帰るのをずっと見ていた。

 

ホームズは、とても悲愴な顔をしていた。

 

「…私はこれほどまでに自分の推理が間違っていて欲しいと思ったことはなかった…。」

 

彼のあの荒唐無稽な推理を聞いた私には…その言葉の意味が理解できてしまった。

 

「ホームズ…まさか…そんなことは…」

 

「……ああ、私だって信じたくない。しかし…握手したとき、手袋の下に包帯が巻いてあった…。琥珀色の目もそうだ。そして…いや、これは見てもらったほうが速いか。」

 

ホームズが渡してきたものは先程抜いた彼の髪の毛だった。

 

「ワトソン、根本の辺りを見てみたまえ。」

 

言われて、根本に注目してみる…

 

「…銀…色…。」

 

「つまり…レイチェル嬢とモリス君は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『同一人物だ。』

 

 

 

 

 

 

 

……

 

 

 

 

 

 

 

 

ホームズからその荒唐無稽な推理を聞いたのは、昨日の夕方だった。

 

「いや、流石にそれは無いだろうホームズ。だってそもそも性別が違うぞ。いかにモリス君が変装できるとはいえ、髪色をあんなにキレイな銀色には変えれないだろうし…」

 

「逆なんだよ、ワトソン…。()()()()()()()()()()()()()()しているわけでは無いんだ…。」

 

ホームズの言い方に引っかかりを覚える。その言い方ではまるで…

 

「ホームズ、()()()()()()()()()()()()()()していると言うのか!?」

 

「ああ、そうだ。だからこそ、私はこれを推理とは言えなかった。

 

ただ、()()()()()()()()なんて理由で疑うなんて…ね。」

 

ホームズは自嘲するようにそう言った。

 

「仮にそうしたとしてだ、ホームズ。それがこの事件とどう関わるんだい?」

 

そう。もし、もしも、万が一にも、その推理「推理では無い。」……直感が合っていたとしてだ。それが事件にどう関わると言うのだろうか。

 

「大事なのは、レイチェル嬢が病気では無く、動くことができるということ。そして、わざわざモリス君に変装してまで、陸軍に入りたかったということだ。」

 

動くことができるのは、まだわかる。が、

 

「変装してまで陸軍に入りたかった…?」

 

「ああ、レイチェル嬢には変装してまで陸軍に入りたい理由があったんだ。例えば…『復讐相手を探すため』とかね。陸軍の情報網は結構広いからね。」

 

復讐相手を探すため…?ホームズはまさか…

 

「まるでこの事件の犯人が、レイチェル嬢みたいに言うんだな、ホームズ。」

 

「そうだね。…私は少なくともそう思っている。」

 

私は驚愕した。それでは、あの美しいレイチェル嬢が…

 

「君はあの『赤い目の青年』がレイチェル嬢だと言うのかい!?」

 

私の声はかなり大きくなってしまっていた。

 

「…第二の事件現場を思い出したまえ、ワトソン。」

 

第二の事件…

 

頭の中にあの地獄が浮かぶ。

 

スペンサー卿に注がれた硫酸の飛び散ったあの部屋を思い出す。

あのスペンサー卿の顔が、遅れた私達を責めているようで、あのスペンサー卿の目が……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういえば…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の死体に目は残っていただろうか?

 

 

 

 

 

 

 

「すまない、ワトソン。あの光景を思い出させてしまって。」

 

ホームズの言葉で我に返る。

 

「……あの部屋には硫酸が飛び散っていた。そこで私は思ったのだ。彼に硫酸を流し込んだ人物には飛び散った硫酸がかかってしまったのではないか…とね。」

 

レイチェル嬢の手の包帯を思い出す。

 

「まさか君は…レイチェル嬢の腕の怪我は硫酸によるものだと言いたいのか…?」

 

「その通りだよ、ワトソン。だから、私はこの推理…いや、『直感』を話すべきではないと思ったのだ。間違えば、私達に情報をくれたモリス君を、病気に苦しみながらも話をしてくれたレイチェル嬢を、冒涜することになってしまうのだから。」

 

そして彼は、

 

「だから私はこの『直感』が間違っていることを願っているのだ。これだから『直感』は当てにならないと、笑って言いたいのだよ。」

 

とそう言ったのだった。

 

 

 




書きたくなって書いたら思ったより増えた。
反省はしてない。

などと供述しており…

すいません、許してください。今週中には終わらせますから。(終わらせるとは言っていない。)


みなさん、読んでくださって本当にありがとうございます!!



ネモくん引こうと思って10連引いたら

星3鯖 7体
星3礼装(ゴミ) 2枚
バゼットさん礼装 1枚
イベント星4礼装 1枚

サーヴァント演出来るたびに期待してた。


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