庄山明輝弘(以降より明輝弘)は翌日学校の昼休みに同じように屋上で昼食を取っていた。
しかし今回は少し違っており未だ白紙の入部届を眺めていたのだ。
(音楽系ながら吹奏楽だが、俺のやりたいこととはかけ離れてるから無し。かといって文化部は正直かったるいし、運動部も本気でやってるような所は面倒臭せぇ。)
そう考えながら入部届と睨めっこをする明輝弘は早めに昼食を取るとすぐに学校の中へと戻っていき自分の教室へと行くと昼食を取っている生徒に話しかける。
「あのよぉ、ちょっと聞きたいんだけど」
「おう庄山 どしたん?」
どうやら知り合いなのかフランクに話をする二人。
そこで明輝弘は野球部の事について聞いてきた。
「ここの野球部ってどうなん?」
「あぁ野球部?お前そういや野球やってたね」
「まぁ齧る程度だけどな」
「まぁ、ここの野球部は人数足らなくて他の部から助っ人頼んでる位のレベルだよ まぁいわゆる愛好会みたいな感じかな 幽霊部員も多いみたいだし 本気で野球するならココは無理かもだぜ?」
「ほぉ・・・」
話を聞く明輝弘。
彼の中ではこの時点で野球部に入部届を出す事が決定していた。
愛好会レベルなら取り敢えず練習に出ておいて、その間に近場でバンドグループを探して参加でき次第、幽霊部員になれば良いというのが彼の考え方である。
(この学校部活動に入るのは強制だからな まぁバンドのメンバーが決まったら適当に幽霊部員になるか)
と考えながら入部届に野球部と書き先日、屋上で言い合いをしていた女子生徒に入部届の紙を渡した。
「お、やっぱり野球部入るんだ」
「まぁな 活躍した俺に惚れんなよ?」
「それはない」
「コイツ・・・」
明輝弘の言葉に即答で返す女子生徒。
そんな女子生徒に苦虫を潰したような顔を見せる明輝弘であったが、とりあえず提出物が無事に終えたので一安心である。
「でも明輝弘 なんか今年は結構野球部入るみたいよ?他のクラスの友達がそんな事を言ってたわ。」
「あっそ まぁこんなトコに入る輩なんてそう大した事ねぇって・・・あ」
「ん?何よ?」
話しながら何かに気付いた明輝弘にはてなマークを頭上に出しながら聞き返す女子生徒。
「いや・・・(そうだ、入部早々いきなりレギュラーにでもなったらどうするか、俺だと即レギュラーだろうし、そうなると面倒くせぇな まぁ適当に理由つけて流すか)」
自信たっぷりとも取れる悩み事を考える明輝弘。
しかし、自分で勝手に解決し入部届を提出した女子生徒に笑顔を見せながら話す。
「じゃあそれ頼むわ可南子」
「だぁれが可南子だ!!私の名前は
「あぁ、惜しかったな」
「惜しくもないわ!このウニ頭のアホ!」
「うっさいわ とりあえず頼むぜー」
言い合いをし明輝弘は手をヒラヒラとさせながら自分の席へと戻り、名前を間違えられた片山真琴はベーッと舌を出しアカンベをする。
(さて、入部届も出したし あとは家に帰ってバンドメンバー募集してるとことかネットで探してみるか 俺の最高の高校生活の始まりだな)
意気揚々としながら椅子に座る明輝弘。
彼にとってある意味ではあるが、最高の高校生活が始まりを告げた瞬間であった。