青色の下で…First season   作:オレっち

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第7話 キツイ冗談

俊哉らが部活に参加しワイワイやっているところに、一人の生徒が遅れてのっそりとグラウンドに姿を現した。

少しボサボサの髪を生やした生徒の名は明輝弘。

 

(面倒くせぇけど、最初は真面目に出といてやるか。つっても俺以外に新入部員なんて何人…結構いるじゃん)

 

グラウンドへと目をやる明輝弘は俊哉らの姿があるのを確認した。

意外とワイワイと人数がいる事に驚きを隠せない明輝弘であったが、今更帰るわけにもいかずグラウンドの中へと入ってくる。

 

「ちっす」

 

小声で呟きながら入ってくる明輝弘に誰も気がついてはおらず、彼はそのままやり過ごそうと思っていた矢先、その考えは潰される。

 

「あれ?アイツって」

 

竹下が明輝弘の存在に気付いたのか走りだす。

明輝弘も走ってコッチに向かう竹下にギョッとしながら身構える。

 

「お前、清水三中の庄山だろ!?」

 

「ん?あぁそうだが?」

 

「なんでここに来たんだよ!?あ、てか何で電話に出ねえんだよ?」

 

「あぁ?知らねえ番号の奴の電話に出るかよ」

 

やり取りを見せる竹下と明輝弘。

その二人に俊哉も近づき、パッと笑顔を見せながら話しかける。

 

「おぉ、庄山だ。」

 

「え?いやそうだけど…誰だ?」

 

「は?トシの事知らないの?」

 

「あぁ?知るかよ」

 

「マジかよ」

 

「俺は興味の沸かねぇヤツの名前は憶えん。特に野球ではな。」

 

俊哉を上から下までサッと見下ろすと、ため息をつきながら俊哉を見ながら話す。

 

「それに、俺はホームラン打者以外に興味は持たん(このトシとやらも見た感じ強くなさそうだな。華奢だし、大した選手では無いな)」

 

自分の見解を心の中で表す明輝弘だが、面倒くさいことになるので口には出さなかった。

明輝弘本人としては、グラウンドにいるメンバーを見ても正直大した事の無い選手の集まりであると感じており、これはすぐにでも幽霊部員になれるなと思っていた。

 

(まぁ練習試合しても俺くらいか活躍できるのは。こりゃ時間の問題だな、少し出ておいてそれからネットで探していくか)

 

今後のプランを考える明輝弘の後ろから、この野球部監督である春瀬がやってきた。

 

「うお!?マジでいんじゃん!」

 

春瀬は驚きを隠せずといった表情の中にも嬉しさを見せておりキョロキョロとグラウンドにいる新入部員の顔を一人ずつ確認する。

 

(うん、うん。本物だ…あ!)

 

その中の一人である俊哉の顔を確認すると春瀬は小走りで彼の元へと向かう。

 

「いやぁ、マジで来てくれるとはなぁ」

 

ズンズンと向かってくる春瀬。

俊哉の前にいた明輝弘は、自分の事かと思いすぐに対応できるようにセリフを頭の中で考える。

 

(あれ誰だ?多分監督か?しかも俺の所に来てるし、まぁ俺も名前が売れてるのは知ってたし…最初の印象位は良くしといてやるか…ん?)

 

対応をするべく身構えようとした明輝弘であるが、春瀬は彼をスルーする。

春瀬は後ろにいた俊哉の元へと歩み寄っていた。

 

「横山。良く来てくれた!」

 

「ふぇ?あ、あぁいえどうも…」

 

驚きと緊張を見せながら春瀬の力強い握手を受ける俊哉。

その光景に周囲が驚いているが、一番驚いていたのは明輝弘であった。

 

(なんだと?あんな大した事なさそうなヤツに歩み寄って行った?何かと間違えてんじゃないか?)

 

そう思いを巡らせる明輝弘。

すると明輝弘はコホンと咳を一つすると色々俊哉に話す春瀬に話しかけた。

 

「あの監督さんですか?」

 

「ん?おぉ、確か…あぁそうだ、庄山だったな。お前も来てくれて嬉しいよ」

 

ブンブンと俊哉と握手をした手を振りながら明輝弘の名前を呼び歓迎をする春瀬であるが、明らか俊哉の時より名前の出る間が空いていることが分かる。

明輝弘本人としても、どこか納得のいかない様子であったがまぁどうせすぐにでも幽霊部員になるさと思っていた。

 

「おう、どうだ庄山。このメンバーは俺がかき集めてきたんだぜ。まぁ何人かは違うけど。これならいいとこ、いや甲子園も行けるんじゃねぇか?」

 

「はは。そうかもな(キツイ冗談だな。明らか俺が引っ張るチームになるぞコレ。あの横山トシとやらも、監督は何を期待してるかは知らないが。まぁ俺には関係の無い話だな)」

 

竹下の話に愛想笑いをしながら受け答える明輝弘。

こうして、初日の部活が終わったのであった。

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