青色の下で…First season   作:オレっち

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第13話 屈託のない笑顔

4月も下旬へと入りもう間もなくゴールデンウィークが始まろうかという時期へと入ってきた。

俊哉の教室でも連休中にどこへ遊びに行こうかなど友人同士で話をして和気あいあいとした雰囲気でおり、俊哉も野球部以外の友人と笑いながら話をしている。

 

 

「トシ連休中はどうすんの?」

 

「連休中は特に予定はないけど、最後の二日間は野球部の練習が入ってるかな」

 

「あぁー、やっぱ運動部は活動入ってるんだね 野球部も強くないのに頑張りますな」

 

「あはは 強くないからこそだよ」

 

 

と笑みを交えながら話す俊哉らクラスメイトの男子生徒達。

すると俊哉の眼にふと一人の女子生徒が映った。

その女子生徒はボブカットの髪型で前髪は顔が少し隠れるように長めにしている。

そんな女子生徒がポツンと一人で窓際にある椅子に座り大きめの雑誌を黙々と読んでいたのだ。

 

少しその女子生徒を眺める俊哉。

するとその様子に気づいた男子生徒の一人が俊哉に話しかけた。

 

「あぁアイツ?姫野だろ?」

 

「え?あぁ…知ってるの?」

 

「あぁ、同中(同じ中学)だし。そん時から暗~い感じでよ。前髪で顔隠す感じでさ、クラスじゃ全然仲良いヤツいなかった感じだぜ?他のクラスにはいたみたいだけど」

 

と話す男子生徒に耳を傾けながらも俊哉はその女子生徒を眺める。

 

「まぁ近寄りがたい感じはあったぜ?暗くて」

 

「そうなんだ・・・」

 

その会話はそので終わってしまい次の会話へと移行したのではあったが、俊哉は少し気になってはいた。

そして次の日も同じように昼休みには机に座っては大きめの雑誌に眼をやる姿が見られており、俊哉も時たまその光景が目に映っていた。

 

そして翌日の昼休みの時、生徒らがワイワイと教室で話をしながら談笑をしている中、俊哉がついにその女子生徒の元へと歩み寄っていく。

女子生徒は雑誌に夢中なのか俊哉に気づいておらず俊哉は目の前まで行くとフッと雑誌の背表紙の方へ顔を近づけた時点で、女子生徒が俊哉の存在に気が付いた。

 

「・・・へ?」

 

突然の生徒、しかも男子生徒の顔が近くにあった事に気づいた女子生徒は突然の出来事に動揺が広がり顔もボッと赤くなる。

すると俊哉がパッと笑顔になると、女子生徒に弾んだ声で話しかけたのだ。

 

「やっぱり!これホ〇ージャパンでしょ!ガンプラ好きなの?」

 

「ふぇ?!あ?…えぇ?」

 

突然の質問にもうどうしたら良いのか分からずパニック状態になる女子生徒。

俊哉も彼女の様子に気づいたのか焦りながら話し出す。

 

「あ!ゴ、ゴメンいきなり話しかけちゃって!いや前にそれ読んでるの見ててさ、多分そうかな?って思ってさ」

 

と笑顔で話しかける俊哉に女子生徒は顔を赤くしながらも、俊哉が危険ではないと感じたのか少し落ち着いてきたようである。

 

「あ、そう…なんです…か」

 

声を小さくしながら少し俯き加減で話す女子生徒。

すると俊哉が笑顔で切り返す。

 

「俺もガンプラ大好きなんだ!今度それ見せてよ」

 

「ふぇ!?あの…いい…です…よ?」

 

「有難う えっと…俺、横山俊哉っていうんだ、あ~…君は?」

 

「あ、あの… 私は…姫野…司…で、す」

 

やはり声を小さくしながら話す女子生徒に俊哉は屈託のない笑顔を見せながら「よろしくね」と話し返し、そのまま自分の席へと戻るのであった。

 

「…」

 

突然の出来事に呆気にとられながらも席に着く俊哉を眺める姫野司(ひめのつかさ)

この出来事により、しばらく彼女の頭には俊哉の笑顔が強く残っていたのであった。

 

翌日の聖陵学院の図書館。

広いスペースに沢山の本が並べられており、本を読んでいるものや机で自習や宿題など各々が図書館で過ごす中、とある机に三人の女子生徒が座っていた。

 

一人は先日に俊哉が話しかけた姫野司。

そして向かいには眼鏡をかけており中肉中背といった感じの体系でロングの髪の女子生徒。

その女子生徒の隣には同じようにロングの髪でスレンダー体系、背が二人より低めのジト目が特徴の女子生徒が座っていた。

 

三人は本を読んでおり静かに過ごしていたが、司の一言で空気が一変した。

 

「あの実は、この前…男の人に声かけられて…」

 

「は?」

 

司の言葉にいち早く反応したのは眼鏡をかけた女子生徒。

隣のジト目の女子生徒も驚いたような表情を見せながらも言葉は発していない。

 

「え?何?学校で?」

 

「う、うん…クラスで」

 

顔を赤らめながら話す司に眼鏡をかけた女子生徒は少し怒りながら言う。

 

「だれだぁ!私の司をナンパする奴はー!」

 

「いや、パルのでは無いのでは?」

 

眼鏡を掛けた女子生徒の言葉にすぐにツッコミを入れたジト目の女子生徒。

静かだった図書館のこの机だけ五月蠅くなり、眼鏡をかけたパルと呼ばれた女子生徒が興奮気味に話をつづけた。

 

「てか、いったい誰よ!?どこのどいつよ!?」

 

「ふぇ!?あ、えっと確か…横山、俊…哉君」

 

と俊哉の名前を言った瞬間、一間の沈黙が漂ったがパルと呼ばれた女子生徒が話を始めた。

 

「あー、俊哉君かぁ」

 

「あぁ、彼ですか」

 

「え?二人とも知ってるの?!」

 

司には予想外だったのか、二人の反応に驚く。

するとジト目の女子生徒が本をパタンと閉じながら話し出す。

 

「知ってるも何も、彼とは普通に話をしてるですよ?」

 

「そういえば、ゆえっちガンダムの話してるよね」

 

とジト目の女子生徒を“ゆえっち”と呼んだパルと呼ばれる女子生徒。

彼女らの会話にポカンとするのは司である。

 

「え?そんなに仲良いの?」

 

「仲がいいというか…趣味友?」

 

「中々面白いですよ彼」

 

とパル、ゆえっちと立て続けに話す二人に司はやはりポカンとしたまま。

だが、少し安心していた。

この二人がよく言うのだから俊哉は大丈夫な人なんだろう。

 

そう感じ、司は表情が和らいだのだ。

 

「しかしまぁ、つかさも遂にナンパされるようになったかぁ」

 

笑いながら話すのはパル

そんな彼女の言葉につかさはアタフタと焦りながら動揺しながら話す。

 

「い、いいややや、そそそんなナンパなんて…!!」

 

「あぁ、まぁ…彼はナンパ目的では無いのでは?」

 

慌てる司に対しフォローを入れる ゆえっち。

パルは腕を組みながら“うーん”と少し考えると何か感じたのか人差し指をピンと上に向けながら司に話しかける。

 

「そん時さぁ。司、何読んでた?」

 

「え?えぇっと…ホ〇ージャパン」

 

「「やっぱり」」

 

二人声をそろえて言うと、司は頭の上に?マークを沢山浮かべながら頭をかしげるのである。

 

「あぁ、この子も気づいてないわ…ってか俊哉君も俊哉君か…」

 

「ホ〇ージャパンにつられて…ですか」

 

二人はため息を漏らす。

対照的に司は未だによく分かってない様子で二人の顔を不思議そうに見ていると、パルが苦笑いを見せながら話を始めた。

 

「まぁ、司。あんたは俊哉君をどう思うよ?」

 

「え?私?」

 

「そ。嫌?」

 

「あ…、ううん。嫌では無かったかな…初めて男の人に声かけられて最初はドキッとしたけど…でも、なんだか少し安心というかなんというか…嫌じゃなかった、かな?」

 

頬を少し赤らめながら話す司にパルはウンウンと頷きながら聞くと、ジッと見ながら話を始める。

 

 

「そんならさ、今度遊びに誘ってみなよ」

 

「ふぇ?!そ、そそそそんなの無理だよー!!声かけるなんてー!」

 

やや大きめの声に周りにいた生徒から視線が集まると、司はハッとなり顔を真っ赤にしながら、どうしていいのか分からないままそのまま早歩きで図書室から出て行ってしまったのだ。

 

「あー…行っちゃった」

 

「パルのせいですよ?」

 

「あはは、ゴメンゴメン…」

 

謝るパル。

そして図書室を飛び出した司は、途中で我に返るも戻るに戻れないまま、自宅へと戻るのであった。

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