秋葉原へとやって来た俊哉、青木、ハルナ、由美、つかさの5人。
5人はまず目の前のゲームセンターへと入りクレーンゲームを楽しむ。
よくありがちな、いくらやっても景品が取れなく100円玉を大量投入していく青木に対し、由美はプロかと思うほどのテクニックで500円以内で見事ぬいぐるみをゲット。
俊哉も何度か挑戦するも取れず諦めるのだが、青木は諦めきれないようですでに2000円は消費していたのはまた別の話だ。
ゲームセンターを後にしやって来たのは同人ショップ。
階段を上がっていくと同人誌がズラリと並べられており、俊哉は初めての光景を目にして感動していた。
「初めてきたよー」
静岡にも同じショップはあるのだが、今一歩が踏み出せないままでおり今回が初体験である。
並べられた同人誌を手に取り眺める俊哉。
好きなジャンルなのか、色々手に取りながら物色をしていく。
「俊哉君、初めてなんだ」
「そうなんだよー。気にはなっていたんだけどね」
ハルナの問いに苦笑いを見せながら話す俊哉に、つかさは隣でほほ笑みながら自分も手に取りながら見る。
「じゃあ、その辺は司の方が先輩だね」
「え?そうなの?」
隣にいる司を見ながら話す俊哉に、司は驚きながらも顔を赤らめながら頷く。
俊哉は感動したのか笑顔で話す。
「すごいね 今度また静岡の行こうよ」
「ふぇ?!あ、はい!!」
突然の誘いに驚きながらも勢いで承諾する司に、ハルナはここでもグッとサムアップ。
司は顔を赤くしながら、物色に没頭する。
結局俊哉は持ち金の関係上、ほとんど買えなかったが青木は山ほどの同人誌を持ちレジへと向かう。
一体幾ら使ったのだろうと思う俊哉であったが、深くは聞くまいとそっと胸にその思いを閉じ込める。
同人ショップを後にした5人。
すると、ハルナがわざとらしく話を始めた。
「あ、じゃあ私とユミっちと青木はちょっと用事があるから別行動ね 俊哉君と司でどこか遊んできなよ 集合場所決めてさ」
そう話すハルナに対し由美は頷き、青木は何のことか分からずハルナに聞こうとするも黙らされて連れていかれる。
いきなりの事に戸惑う俊哉とつかさは、二人だけになってしまった。
「あー…じゃあ、どこか行く?」
「は、はい」
照れ臭そうに話す俊哉とぎこちない返事をする司。
二人は、しばらく電気街を歩いて回りPCショップやアニメショップを見て回る。
すると二人は次第に会話が長く続くようになり笑顔も増えてきた。
キャッキャウフフと仲つつまじく二人で秋葉原を楽しんでいく中、二人のテンションが一気に上がる場所があった。
「す、すごい…」
そこは電気街口とは反対に位置する超大型デパートの上層階にあるプラモデルコーナー。
見たことのない程のプラモデルが並んでおり俊哉と司はテンションが一気に上がる。
「すごいね!!」
「はい!!ここ来てみたかったんですよ!」
興奮冷め止まぬ状態の二人はプラモデルを手に取りながら話が盛り上がる。
「司ちゃんは、どういうのが好きなの?」
「私はですね、こういう量産機とかが好きで、よく作ってます」
箱を手に取りながら話すつかさの顔を見て笑顔を見せる俊哉。
そして、パッと目に入った箱に手を伸ばすと、丁度二人の手が重なり触れ合う形となった。
「あ…、あぁゴメン取っていいよ?」
「あ、いえ…俊哉さんこそ」
触れ合った手をすぐに離し照れ臭そうに譲り合う二人。
その光景が互いに可笑しく感じたのか、二人は互いに笑いあうのである。
楽しい時間は過ぎていき、俊哉と司は他の3人と合流し帰路へと着く事になる。
帰りの電車の中では、朝の時が嘘のように二人が仲良く話をしている光景が目に飛び込んできた。
(大成功ね!)
俊哉と司の姿を見て満足そうにするハルナ。
そして終始分からないままでいるのは青木である。
「え?何?どう言う事?」
「まぁ今度教えるわ」
ハルナは青木の言葉をスルーしながらも、俊哉と司の姿をまるで親の様に見つめては感動するのであった。
「あの俊哉さん」
「ん?」
「その…野球頑張ってください。応援してます」
「あ、ありがとう」
ふと出てきた司の言葉に、俊哉は嬉しそうに笑顔を見せながらお礼を言い、司もまた俊哉の笑顔を見て安心したように笑顔を見せるのであった。