青色の下で…First season   作:オレっち

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第10話:夏休み

夏の予選の敗戦から数日が経った。

3回戦での敗退であったが、あの明倭を序盤ではあるが3点を奪った事への嬉しさと言うか誇らしさを感じた一同ではあるが、春瀬監督自身はどこか不安そうな表情である。

 

(確かに序盤で3点は取ったが…元々は相手先発の調子が悪かったというのもあるし、でもここは素直に喜ぶべきなのかな…)

 

と考える春瀬監督である。

9-3で敗戦という形となった夏の予選大会。

春瀬監督はこの結果をどのように捉えるべきかを悩んでいた。

明倭相手から3点取れたと喜ぶべきなのかもしれないが、逆に今回露出した投手陣の不安定さ。

先発の秀樹は序盤は良かったものの中盤にかけて疲労から来た調子の崩れてきた所で捉まり5回を3失点。

後続の桑野、長尾共に安定さを欠き6失点という結果に終わったのである。

 

(望月が現在では一番安定している投手だが、アイツ1人に投げさせる訳にはいかない…となると桑野や長尾、そして鈴木の3人にも投手としてレベルアップをさせなければ…)

 

と頭を悩ます春瀬監督。

だが悩ませるのは投手だけではない。

 

打撃陣も大会1回戦、2回戦と調子よく進めていった。

だが3回戦にぶつかった明倭に対しては序盤こそ俊哉の3安打を含む5安打を放ち3点を取ったが、土屋に代わってから無安打。

強豪相手には手も足も出ない結果だ。

 

(やはり明倭からの3得点はマグレか…特に庄山が酷すぎたな、二併殺打に三振が三つ…ストレートしか打てない弱点が出てしまった)

 

と四番に座る明輝弘の弱点が露呈され、そこを徹底的に攻めた明倭の投手陣を褒めるしかない。

課題山積みの聖陵野球部。

だが春瀬監督は彼らには期待が持てると信じ、夏休みの練習を計画する。

 

学校の方も予選が終わってすぐに終業式で夏休みに入る。

学生らは夏休みを満喫するべく遊びの計画等を考えている所であるが、野球部は練習を取り入れる事にした。

 

終業式後にミーティングを開く野球部。

空いてる教室にて選手らが集まると春瀬監督は早速夏休みの練習プランを発表した。

 

日程の書かれたプリントを見て驚く選手達。

7月はほぼ毎日練習。

だが8月は他の部活との兼ね合いがある為か、一日練習の他に午前練習や午後練習もあり選手らが予想していたスケジュールパンパンでは無かった。

 

「まぁ夏場に無理させて倒れられても困るから長時間は入れないでおいた。あと8月に多くて3回は練習試合をしようと思う。相手は決まったら連絡をするからな。あとメニューはまた後日伝える。」

 

説明をしていく春瀬監督。

ミーティングが終わりこの日の練習は終了、解散となる。

教室から出ていく選手たち。

すると竹下が俊哉を呼び止める。

 

「トシ、ちょっと良いか?」

 

「ん?何?」

 

と竹下の元へと近づく俊哉。

竹下は俊哉を真剣な眼差しで見ながら話す。

 

「明倭戦、お前はどう見た?」

 

ストレートに聞いてくる竹下に俊哉は少し黙るも口を開いた。

 

「最初の3点は取れなかったと見て良いかな あまりにも実力差があり過ぎた 俺も、皆も ヒデはどう?」

 

「俺もトシと同じ意見 完全に実力不足、俺自身も結局途中でガス欠でダメだったし、あとは打線だな 土屋相手に無安打だったのが痛い」

 

そう話す俊哉と秀樹。

その話を黙って聞いていた竹下や残っていた選手たち。

今回に関しては誰も文句を言えるものがいなかったのは自分が一番分かっているだろ。

 

明輝弘もこれには何も言えずにただ黙って聞くしかない。

 

(俊哉が3安打で俺は無安打、しかも三振が三つ…こんなん認めねぇ)

 

明輝弘はそのまま立ち上がりカバンを持って教室から出ようとすると竹下が「帰るのか?」と呼び止めると明輝弘は立ち止まり振り返らずに言う。

 

「あぁ、帰るぜ 俺は自分の成績に納得いかないからな グダグダ話してる暇あったら素振りをする」

 

そう言い残し教室から出ていく明輝弘。

 

「まぁ仕方ないよ 明輝弘、明倭戦で3三振に併殺打だろ?そりゃあ納得いかないよな」

 

と話す竹下に秀樹は付け加える様に話す。

 

「特に、トシの3安打に対してもなぁ」

 

「え?俺?」

 

「アイツ、すっごい対抗心燃やしてたんだぜ?トシに」

 

「俺に?どうしてよ?」

 

「さぁ、アイツのプライドだろうよ…」

 

と話す秀樹に首を傾げる俊哉。

話が終わった流れなのか次第に選手たちは立ち上がり教室から出ていく。

すると再び竹下が俊哉を呼び止めた。

 

「あ!大事なこと忘れてた!夏休みの開いた日、どっか遊びに行こうぜ!」

 

「えぇ、そっちが大事なの?」

 

「勿論よー、プール行こうぜプール!ヒデも良いよな?」

 

「まぁ空いてたら良いけど」

 

「じゃあまた連絡するわ!!じゃあな!」

 

そう言いながらウキウキで教室から出ていく竹下に俊哉と秀樹は顔を見合わせヤレヤレと言った行動をとりながら彼らも教室から出ていくのであった。

 

その夜、俊哉の部屋。

俊哉はベッドに寝転がりながらスマフォを見ていた。

メッセージアプリでやり取りをしており、相手は司である。

 

―――メッセージアプリでのやりとり―――

 

俊哉:こんばんは♪

司:こんばんはです

俊哉:明日から夏休みだね~

司:そうですね♪

俊哉:夏休みは予定とかあるの?

司:いえ、特には・・・パルや由美と遊ぶ位で、あと8月に

俊哉:8月に?

司:いえ!?なんでもないです!

俊哉:??

司:気にしないでください

俊哉:了解~

司:俊哉さんは練習ですか?

俊哉:まぁね~、休みはあるはあるけどね

司:頑張って下さいね♪

俊哉:ありがとう♪頑張るよ

司:その、今度遊びに行きませんか?

俊哉:うん♪良いよ~♪

司:本当ですか?!

俊哉:もちろん♪じゃあ8月の第一週の日曜日とかどう?

司:はい。大丈夫です

俊哉:じゃあ予定入れとくから宜しくね♪

司:はい!こちらこそです

 

・・・―――――

 

やり取りをした二人。

その後、二人とも嬉しさ半面恥ずかしさ半面で悶えたのは言うまでもない

 

(うわぁ~!!約束しちゃった!!)

 

ベッドにゴロゴロと転がりながら悶える司。

司は仰向けになり冷静に考えると自分から誘った事への自分の勇気に物凄い恥ずかしさを感じた。

 

(よく私言えたなぁ…)

 

ハァっとため息を漏らす司だが、すぐにテンションはあがり8月の日曜日が楽しみでたまらなくなった。

 

いよいよ俊哉達の高校生活初めての夏休みが始まる。

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