怪獣ファイルその9
エビラ
全長49m(ハサミを含む)
体重11000トン
クラスーC
出現個体数:24頭
発見場所:2011年・コートジボワール
生息域:世界中の海
被害推定死傷者数:678万人
①生態
赤く鋼鉄のように硬い殻に覆われた伊勢海老とザリガニを合わせたような姿の怪獣。
主に海に生息するものの地上でも長時間の活動が可能で、雨や水源の有無によっては月単位で地上に留まることも出来ると思われる。
カマキラスやクモンガと同じく大量の幼体を率いて行動するため、2011年に出現した個体だけでも100万人以上の死傷者を出しており海に面する国々を恐怖させた。
群体を形成する怪獣の中でも際立って頑丈な体を持ち、腹部や関節部以外を覆う殻は対ショック・耐熱性に優れ当時ほとんどの兵器が通用しなかった。
肉食性で基本的には魚やクジラを捕食するが、数も多く地上でも海でも自分たちより動きが遅いためか積極的に人間を襲う。
幼体は数こそ控えめだがそれでも30〜40頭ほどの数であり、時速12kmという見た目からは想像もできない程の速度で走る。一見すると大した速度には見えないが、人の足が遅くなる人口密集地では十分すぎるだろう。そのため幼体ながら単体でもクラスーD2に相当する。
②戦闘能力
何かしら一芸に特化した特殊能力を持つ怪獣が多い中、エビラは甲殻以外に突出したものを持たない。
その代わりと言うべきか、甲殻に裏付けされたその防御力はクラスーCの中でも飛び抜けて高く、力の強さや移動速度も侮れない。言うなれば特殊能力を持たない代わりに頑強な身体に特化した怪獣と言える。
幼体の時点でもカマキラスがコンクリートを裂くならエビラは鉄柱を引きちぎり、成体ともなればタンカーや軍艦さえも真っ二つにする程のパワーを持つハサミも驚異的な武器だ。
核シェルター用の地中貫通型爆弾による攻撃が有効で、今でも対エビラを主目的として各国Gフォースに配備されている。
甲殻の硬さにおいてはゴジラの皮膚やガニメの甲羅にこそ及ばないものの、群体で動くことも併せて非常に対処の難しい怪獣であると言える。
設定その9
2040年の世界
人がより強力な対怪獣兵器を量産する一方で、怪獣の出現頻度も上がりさらにクラスーB以上の凶悪な怪獣が増えてきているため、全世界での死傷者の数は年々その数を増し、世界人口は63億人ほどに留まっています。
G対策センターや軍事力を強化するため一般人の生活水準も下がってきており、貧困格差も広がり、見た目以上に世界は荒廃しつつあります。
ICS
Ichinose Chemical Substance=イチノセ化学物質。
これは仮名ですが、基本的にこの作品に登場する兵器類は全てゴジラシリーズに登場するものです。
登場キャラクター
一ノ瀬志希
この作品において最も人生を狂わされたキャラクターと見て間違いないでしょう。
幼い頃から科学者としての才能の高さは見せていたものの親を怪獣に殺された瞬間から一気に人生の歯車が狂い、全てが崩れました。
自分の才能と能力、そして自分だけが生き残った幸運の全てが怪獣を殺すために与えられた天命であると信じ、黙々と勉強を続け児童養護施設でも完全に孤立し気味悪がられていました。
晶葉について行けば最速でG対策センターへの道が開けると思い、彼女に付いていくため何度もアプローチしました(この出会いを希望と感じた為その頃には失声症は回復しました)。
晶葉に母性を感じていたのも事実で、養子になった訳でもないのにママと慕い、晶葉も志希を我が子として可愛がっていましたが、やがてその噛み合いもズレていきます。
G対策センターでの活動を認めてくれない晶葉に反発するように隠れて幾つかの研究室に顔を出しては才能を見せつけ、やがて志希を天才と認めた一部の科学者が彼女に付き従うようになりました。
自分が失ったものや、本当に欲していた平穏を忘れ怪獣を殺すという目的だけが先行した結果が、ICSの製造に繋がりました。
ICSに「技術によって滅びゆく人類の行方」を見出してしまった志希は、全ての研究データを破棄し全世界に自身の思いの丈を載せた警告文を送り、失踪するに至りました。
志希の人生におけるもう1つの不幸は、G対策センターという国内最高の環境を得てしまった事にあります。
児童養護施設で自分と同じ歳の子供たちと触れ合い、きちんと心を回復させる事が出来ればいずれ真っ当な道筋でG対策センターに属する科学者となった事でしょう。
歳の近しい人間との交流もなく、常に研究室や機関の中で生きてきたせいで凡そ世間的な常識を学ばずに成長してしまい、どれだけの命が怪獣によって奪われ、土壌が汚染され、街が消え、人々の生活が苦しいものになっているのか全く知らずに生きてきました。
怪獣への復讐にばかり気を取られ、科学によってもたらされる光と闇の部分や、そもそも人類を守り明日を迎えるために対怪獣兵器が日々研究開発されているのだと言う大前提すら抜けていました、志希は「人類を守るための科学」を「怪獣を抹殺するための科学」として履き違えてしまっていたのですが、彼女の凄まじい才能を前にして、その暴走に気づき諫める大人が周りにいなかったのも問題でした。
性格面はあまり本文に出せませんでしたが、簡潔に言えば「余裕が傲りに変換された一ノ瀬志希」といった性格で、傍から見ればマッドサイエンティストそのものです。
ただ、慰霊碑の前で自分が失っていたものを思い出し、偶然出会った女性(ハッキリとは言いませんがこの女性が誰なのかはお察しの通りです)に諭された事で、憑き物が落ちたように笑えるようになりました、それから志希はG対策センターから逃亡しつつ往く先々で出会う困窮する人々に救いの手を差し伸べるという生活を送るようになります。貧しく、辛く、見返りのない生活ですが、自分の才能を正しく使える幸せな毎日を送っています。
池袋晶葉
33歳、立派な科学者になりました。
G対策センター始まって以来の大天才、彼女の所属によって対G兵器が次のステージへと進んだとも評され、衛星を使った超高精度怪獣追跡装置「GSS=ゴジラサーチシステム」を発明(第2話で作っていた怪獣探知機の超凄い版)、モスラのバリアを元にした光学バリアの開発チームの中心メンバーに選ばれ、反重力エンジンの基礎設計を作り上げて轟天、羅號という巨大戦艦を飛行させる事にも成功しました。
結婚はしておらず子供もいませんが志希の事は本当の子供のように思っており、親として振舞っていました。
しかし、志希を間違った道に進ませないようにと監視下に置いたまではいいものの、彼女の才能と執念を侮っていたことがアダとなり志希は離れていき、志希の研究室に気づいた頃には自身が多忙だったこともあり彼女を更生させる事が出来ませんでした。
結局のところ、志希と晶葉のすれ違いはお互いが研究者であり向き合う時間が無かったのが原因で、時間さえ与えられていれば志希を更生させる事ができたかもしれません。
大人になった事で多少落ち着きは得ましたが、根本的な性格はあまり変わっておらずネーミングセンスも子供並みに壊滅的で、自分が作った発明の中に自分が付けた名前のものは一切ありません。晶葉は渾身のネーミングだと思っていますがだいたい周りの人間やマキノが決めています。
ちなみに、背はあんまり伸びませんでした(155cmくらい)。
マキノ
36歳、多分めちゃくちゃいい体つきしてます。
G対策センターの情報局は怪獣の捜索や生態の調査から、人民の生活調査など多岐に渡りますが、マキノは彼女の強い要望で晶葉の研究室のメンバーとして兵器開発に役立つ様々な情報を収集し提供、逆に晶葉の発明を発信し共有するといった八面六臂の活躍を見せており、晶葉をサポートしています。晶葉がこの若さで大出世しているのも、マキノの献身的な協力あってこそです。