嬉しい事があると筆が走るね!もうトランザムバーストですよ!たのしい!!!
あ、いつの間にか平均評価がオレンジ色になってました。評価基準はよく分かってませんがありがとうございます。
空には決して晴れない曇天、
辺りに広がるは一面の荒野。遥か彼方に荒れ寂れた廃都市を映し出すその場所の名は、ヴァルガ。
リクと戦ったあの日からおよそ1週間後、μはかつてまだGBNを始めたばかりの頃に騙され誘われた場所へと再び足を踏み入れていた。
「くぅっ…執拗い…!」
『そっちが俺の声聞くなり逃げ出すからでしょうがよ全く…俺だって話さえ聞いてくれりゃこうも追っかけやしませんってぇのッ!』
「話す事なんて無い!早くどっか行ってよ!」
そう、μとブリランテは今、ハードコアディメンション・ヴァルガの中を高速で飛び逃げ回っている。
相手は紅いバルバトス。以前、クアドラプル・バトルロワイヤルの決勝にて激突した相手…オズマだ。
あの日から数日を置いてログインしたμは、しかし以前のように獲物を探す気にもなれず、休日で主要サーバーは人がごった返しているというのもあって、比較的人の少ないサーバーを選んで居座りぼんやりと中央ロビーの様子を眺めていた。
ミッションを受ける人、仲間内で談笑する人。
バトルを前にして睨み合う人。
色々な人がいた、楽しそうに笑う人達も、険悪そうに悪態をつき合う人達もいた。
けれどその誰もが、幸せそうだった。
こんな人達なら、真摯に話せばまたGPDを受け入れてくれるのだろうか。ふとそんなことを考えた。
自分で言うのもなんだが、私は口下手だ。話せば言葉が足りなかったり一言多かったりで、誰かの機嫌を損ねてしまった事も決して少なくない。
そんな私が話して、マトモに聞き入れて貰える自信が無かった。
だから結局、力で訴えるしか思い付かなかった。
その結果が自分で抱え込んだ
こんな私なら、もう何もしない方がいっそGPD存続のためには良いのかも知れない。全てを諦めて、緩やかな滅びを待っている方が良いのかも知れない。
そんな事をいつまでもウジウジと考えていると、不意に声を掛けられた。聞き覚えのある声だった。
振り向けばそこにはオズマが居た。
どうやら「
ほんの少しだけ、嬉しかった。こんな私でもまだ話を聞こうとしてくれる人がいた事が。
それ以上に怖かった。自分から話をしてまた否定されてしまうのでは無いかと思うと、恐ろしかった。
だから、逃げた。
あちこちのディメンションに転移して走り回り、果てにはブリランテにも乗ってひたすら逃げ続けた。
オズマもオズマで、絶対に逃がすまいと追い掛けて来た。走っている時は何度か追い付かれそうになったけど、その度に転移して逃げた。MSに乗ってからは互いの機動力が完全に拮抗しているのか距離感は埋まりも広がりもしないまま、今はこうしてヴァルガの空を必死で翔け逃げ回っている。
この追いかけっこに際して先に痺れを切らしたのは…μの方だった。あまりの執拗さに苛立ちが恐怖心を上回って、ついその場で転身して、牽制のつもりで
若干出力高めのバスターライフルを撃ってしまった。だが相手はガンダムフレーム、ことビーム射撃に対しては圧倒的な耐性を持っている。
面をくって避けきれず、咄嗟の防御姿勢に移ったオズマのバルバトスは受けたビームを無数に拡散させ、そこを中心にして拡散したビームはヴァルガ中へ広がり各々で狩りを満喫していたヴァルガの民を一方的に巻き込む未曾有の大災害へと発展した。
後に『ヴァルガ天気遅報・曇り時々拡散ビーム』事件と呼ぶ事になるのだが、これはまた別の話。
ブリランテが放ったバスターライフルの一撃を耐えきったバルバトスは、放心するμを他所に接近して、ブリランテの腕を掴む事で決着とした。
『…なぁお嬢さん…いやμ、まさかとは思うが、亡霊騒動の切っ掛けは俺の言葉か?』
『ッ……だったらなんだって言うの…』
『あー…まぁ、アレだ。…誤解させたのならスマン、別に俺はGPDを嫌いになった訳じゃ無いんだ。』
『───は…?』
『いやまぁ、俺も幾つか勘違いしてたんだが……っと、ここでこれ以上の長話は不味いな。背中撃たれて強制送還くらう前に戻りません?』
『えっ───あ、うん…』
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セントラル・ディメンション
中央ロビー併設カフェテリアブース
GBNには様々な楽しみ方がある。
このカフェテリアもその1つ、ミッションやフォースネストでのミーティング以外、もっとオープンな空間での談笑を望む者達へ、と始まった機能だ。
現在は有志のダイバー達が拘りに拘る事で多種多様な嗜好面が際限なく拡張され、各地のディメンションに様々な娯楽施設が点在するようになった。
またGBNのアップデートはそういった点にも配慮されており、カフェテリアでの緻密に再現された食事───勿論VR内での出来事であってこれで空腹が満たされる事は無いのだが───は味覚を刺激しまるで本当に食事をしているような気分になれる、というモノまである。
これ等の要素によって、今や各地のカフェテリアブースはダイバー達の憩いの場となっていた。
そんなカフェの2人席に座る新たな客。
μとオズマである。2人はお互いにメニュー表を開き暫く吟味すると店員を呼び───、
『お待たせしました、ご注文をどうぞ』
「コーヒー、ブラックで」
「ん…えっと…じゃあ……カフェオレ、甘さは控えめのやつで。あとパンケーキ……」
「んじゃあ、お願いします」
『かしこまりました、少々お待ち下さい。』
「……さて、と。でだ、お嬢さん。」
「μで良い、その呼び方は好きじゃない…」
「…じゃあ、μ。まず俺の勘違いなんだが、俺はそもそもお嬢さんが、GPD過激派に属してるもんだと思ってた。…あー、過激派っつーのはそのままなんだが、組織的にGBN落としGPD上げで復権狙おうとしてる連中な。んでμの方針…GPD世界ランカーのリスペクト機で、やり方は二代目よろしく苛烈に…っつーとこ。それが俺の知ってる連中と瓜二つだったんだよ。それでまぁ、な…そういうこった…」
「そう…そんな組織があったんだ…知らなかった。でも結構、詳しいんだ?私、これでもGPDについてはかなり調べてたつもりなんだけど…」
「そこは…まぁ、あれだよ。…昔俺も属してたんだよ、過激派に。…方針が噛み合わなかったり途中で意味わかんなくなって2ヶ月程度で辞めたけどな。」
「あぁ、そういう……ッ…」
思いもよらない情報が飛び出した。
オズマも、過去の話だったとはいえ
つまり、私が決心した切っ掛けは、全部勘違いだったということになる。胸が苦しくなった。
結局全部自分の間違いじゃないか、私は1人で余計な勘違いをして、勝手に筋違いの恨みを募らせて、何も関係の無かった、たくさんの人を傷付けた。
「……私、は…っっ…」
「μ…なあ、一度やっちまった事は取り消せない。だが今回のは俺にだって一抹の責任くらいはある筈だ。だからもし何かケジメを付けようってんなら…」
「ううん、大丈夫…大丈夫、です…ケリは、自分で付けられる、から…だから、今日のところは…」
「お、おう。…あんま無理すんなよ…?さっきも言ったが俺だって取らなきゃならん責任があるんだ、言ってくれりゃ…ってもう居ねぇし……」
一言だけ残して、μはそそくさとログアウトしていった。μの負担は計り知れないだろう。何せあのナリに言動だ、多少偽っていたとしても、決していい大人だなんて胸張って言える歳ではあるまい。
勿論μのこれまでの行動…動揺や激昴全てが
自分のコーヒーと共に、μが頼んでいたが結局来る前に帰ってしまった為に片付ける相手のいなくなったカフェオレと随分大きなパンケーキに辟易としながら、しかして微妙な貧乏性でそれ等を腹に入れて中々の額をBCストレージから支払って、オズマは思考を幾度も巡らせつつ現実へと帰るのだった。
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翌日、とある城の廊下。
そこを歩く1人の少女と、それを先導するように歩く、黒を基調としたGBNにのめり込むダイバーなら誰もが知る軍服を見に纏った女性が居た。
先導する女性の名はエミリア。
フォースランキング1位、
GBN最強のフォース「AVALON」の副隊長にして参謀役、頭脳戦を得意とする強豪ダイバーである。
そんな彼女が先導し、そして辿り着いた扉の前へ立ち、3度ノックをして一声発した。
「隊長、お連れしました。」
『あぁ、入ってくれ』
扉の向こうから応える声が聞こえる。
それを聞いてエミリアは扉を開き、そして横へ逸れ後ろを歩いて来ていた少女……μへと道を譲った。
開かれた扉の奥、正面に置かれたデスクに座っている青年…チャンピオン、クジョウ・キョウヤは真っ直ぐにμを見据える。まるで少女の覚悟を試すかのように……そうして奇妙な静寂が十数秒続いた後……
チャンプの方が真っ先に顔を崩して微笑み、μへと極めて優しく言葉を投げ掛けた。
「やあ、君が亡霊…μ君だね。噂は聞いているよ。」
「突然訪問して、ごめんなさいチャンピオン。今日は貴方に、頼みたい事があって来ました。」
「ふむ……それは何かな?」
「お願いします……」
「
そして訪れたRe:Riseの時
(後書きが思いつかないやつ)