拙作本編ラストバトルが始まったので初投稿です。
※イメージの更新に伴い、「[第二十七話]恐ろしき者達、新たな出会い」に登場する、サリィのMS設定を変更しました。
開戦のゴングが鳴り響いた。
真っ先に動くのはサリィのMS、
30m級大型MSのフレームにZZやドーベンウルフ等をミキシングした複合重装甲を纏わせ、肩から4本のアームを伸ばし大型シールドを装備した重装甲機、
名を
その基本的な挙動は前回と同じ、と言っても差し支えないだろう。開戦と同時に予めボウガンに番えられていた5発のダインスレイヴを、撃ち放つ。
所謂初手ブッパというやつだ。
予測可能回避不可能、どんなに手練のダイバーだろうと、この発射を妨害できる敵はいないはずだ。
また射撃の対象が艦船や要塞であれば、それらは回避すらも叶わず杭を突き立てられていく。
そうして、突き立てた杭にプラグインとして仕込んだ対隔壁用の大型機雷を爆発させる事で、敵母艦、及び要塞を初手で沈めるのだ。
当然今回もまた、開戦と同時に放った5本のダインスレイヴが1つ残らず空中要塞ガラッシアへと突き刺さり、直後に爆発音を響かせて爆煙を上げる。
「…おわり、滞り無し。」
θθガンダムのコックピット内で、ガンダムデュナメスから流用した狙撃用スコープを覗いていたサリィがいつも通り役目を終えて一息つく。
武装の性質上、発射後は反動で暫く満足な行動が出来なくなるのだ。出来ても精々が姿勢制御であり、元より機体重量がかさんでいるθθガンダムでは殆ど何も出来なくなると言っても過言ではない。
だが、これでいい。
元より狙撃手は場所が割れれば本領発揮は困難になる。ならば初手で敵の最大戦力を撃ち落とし、あとは仲間に任せる、というのがサリィの意図するところであり、コーチとKingも認めた戦法であった。
「ふぅ…相手がどんな強化案を講じていても、コーチは強い。きっと負けない。だから……ッ!?」
役目を果たしたのだから、いつ撃墜されても悔いは無い。そんな面持ちで脱力していると、不意に接近する熱源反応に対し発せられた
サリィはああ、来たかと思考を過ぎらせ、潔く墜とされよう…と思ったのだが、その方向に驚愕、咄嗟に操縦桿を右へ捻って緊急回避を取った。
熱源反応、攻撃の種別は大火力のビーム砲撃だ。
となればその放ち手は、右舷側後方にいる新型のウイングゼロか、左舷側斜め上前方を翔ける紅いバルバトスが何かしらの隠し札を晒したかのはず。
だが……熱源反応は正面遠方から放たれた。
そこには、該当の敵機は居なかったのだ。
……否、正確には1つだけ、思い当たる相手がいた。だがそれは有り得ない。何故なら────、
「何で、確実に墜としたはず…」
そう、唯一思い当たる相手。
それは今もなお眼前で爆煙を立ち登らせてゆっくりと沈もうとしている、空中要塞ガラッシアだ。
初撃は確実に当たった。
前回の命中で全機能を停止させ撃墜した時と全く同じ箇所を、禁忌の鉄杭で撃ち貫いたのだ。
なのに、熱源はその要塞から放たれた。
ガラッシアから立ち昇る煙が晴れていく。
サリィはコックピットの中で目を凝らし、そして……その目を驚愕に見開く事となる。
そこには……
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「────ふゥ、急造でも一発は撃てたね。」
場所は移り変わって、要塞ガラッシア被弾部。
5本の爆薬付きダインスレイヴによって抉れた要塞機関部に腰を落として座り込むように陣取った機体。
ガンダムフェネクス、そのコックピットにてトーチは一先ずの安堵を表す溜め息を吐いた。
前回の戦いの時、彼自身は不在であったが、そのアーカイブ及び要塞内部にプラグインとして張り巡らせたカメラが撮った記録映像は大量にあった。
そしてその中から、ガラッシアを沈めた狙撃は確実にこの要塞の弱点を貫き稼働不能に貶める事や、それが回避不能である事も理解していた。
だが……その映像の中には、
トーチの今の相棒、今は亡き最愛の妻がGPD時代に愛機として運用したガンダムフェネクスが傷一つ負わないまま要塞のいちパーツとして電子の海に還元される姿も克明に記録されていたのだ。
即ち、この狙撃はガラッシアを墜とす事は出来ても、フェネクスを撃ち貫く事は叶わない。
トーチはそう判断し、作戦を講じた。
「要塞を隠れ蓑とし、不死鳥を目覚めさせる」。
相手が予め装填状態で速攻を狙ってくるのなら、此方も予め要塞の全リソースをカットして案山子に変え、算出した安全経路に射出ゲートを組んで空中要塞が被弾するタイミングと同時に打ち出す。
そうして爆煙に紛れて艦載砲を流用した急造の対艦メガ粒子砲を手持ち式に改造し、奇襲する。
幸いにもガンダムフェネクスは未だにGBNにおいて晒した事が無い秘蔵品であり、その行動自体に勘付かれる可能性は、無いと言って等しかった。
結果として奇襲は成功、緊急回避こそ取られたものの相手の右肩を丸ごと抉りとる事が出来た。
…が、ここからだ。
せっかく娘達、若い世代が力を奮っていると言うのに、こんなところで手を抜いてリタイアしてやる気は、今のトーチには更々無かった。
「────あぁ、そろそろ行こうエレナ。ミユ達の先を照らす、灯りになってあげないとね。」
全天周囲モニターを採用したコックピット内にて、トーチがまるで誰かと語るような言葉を呟きながら、己のダイバールックを法衣からユニコーンガンダム専用のソレをフェネクス仕様に色変させた専用パイロットスーツへと変換させる。
そして長い長髪をポニーテールに纏め、穏やかであった瞳に闘志の炎を宿らせると…ほぼ同時にコックピットが変形し、手足を包み込む。
時を同じくしてガンダムフェネクスも変身する。
全身黄金装甲に包まれたアーマーを展開させて蒼く輝くサイコフレームを露出しブレードアンテナが割れ、デストロイモードの姿へと変化していく。
だが変身はそれだけに留まらない。
一度開ききった装甲がまるでヒビ入るように強引に展開され、サイコフレームの露出度合いが更に一段と増幅される。更にはそれ等サイコフレームの一部が輝くと蒼の結晶を顕現させ、MSと呼ぶには少しばかりスピリチュアルが過ぎる外見へと変貌した。
サイコシャード
機動戦士ガンダムUCにてそう呼称されるソレは、サイコフレームの中に鋳込まれたナノサイズの集積回路が散布され、サイコフレームを作り出す力場の中で発生する結晶状の擬似サイコフレーム、或いはそれを発現した機体に見られる追加呼称である。
その性能は純正サイコフレーム本体に準ずる程に強力であり、即ち機体のサイコフレーム搭載量を大幅に増加させる効果を持つ。
加えて通常のNT-Dを上回る装甲展開を見せた現象…これもまた、同系統作にて描かれるモノだ。
本編でこそ使用されなかったものの、ユニコーンガンダムとパイロットが内部システムを通じて過剰に交感した結果発生するこの形態は、幾つかの点においてEXAMやHADES等と似たような効果を持つ。
即ち、現在のフェネクスは最大限までサイコフレームを増幅させた形態でありかつ、その操作権限を対象の全自動殲滅に振り切っているのだ。
トーチの言葉を受けたフェネクスは文字通り、その意思で彼方の敵であるθθガンダムの撃滅を掲げ、本来作品においては製作陣より「天界から力を得ている」と言及された、ほぼ完全な形のミノフスキードライブを再現させて、黒煙と共に燃え墜ちていく要塞ガラッシアより、飛び立つのであった。
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「────うん、トーさんもオズマ達も、第一段階は概ね突破、そろそろこっちもやるよ。」
「無論です!見ていてくださいお嬢様!このズィーベン、お姉様の御期待に沿うべく全身全霊を尽くしてお姉様が創り上げたこのウイングゼロリコーディアの主起動を担いお姉様に逆らう彼の愚か者共めを一撃のもとに討ち果たして────、」
「解ったから…前、集中して」
「はいっ!!!」
重力圏でも問題なく飛行する程に高出力のスラスターを吹かし、未知の技を以て浮遊している大鎌を携えた死神が如く様相の敵MSと相対する。
オズマのレグルスと、ヒバリの月煌はKingのガンダムベルゼブブを相手取り今現在の空域から少し離れたエリアへと飛び去って行った。
トーチは沈み行くガラッシアから作戦通りにガンダムフェネクスを起動させ、サリィと名乗るダイバーのθθガンダムへと突撃を仕掛けている。
そんな激戦の様相と、この血のように赤い空、
そして今相対している、ウイングゼロ
ガンダム
主将戦、その第一手はズィーベンが取った。
ガンダムエピオンの「エネルギーリソースと直結させる事による大出力ビームソード」の概念を応用し右手に持った専用のビームソードを、掌のマニピュレーターだけでなく腕に装着されたゴッドフィンガー型のマニピュレーター、及び機体本体へと有線接続する事でエピオンのそれさえも上回る出力を獲得した超大出力ビームソードを展開する。
背の十二枚翼を羽ばたかせると一気に前身し、その剣を振るって……それに応じたコーチのガンダムDSLがビームシザースを改造した大鎌で受ける事で、その戦線の火蓋は切って落とされる。
平時は過疎と言って相違ない静寂に包まれたディメンションにおいて、後にも先にもこれが最大級であると推測される激突戦の
次回から各場面がポイポイ切り替わります。
[お知らせ]
本編終了後に更新予定のEx回に登場するゲストを募集しています。詳細は活動報告をご覧下さいませ。