短い文ですが楽しんで頂ければ幸いです。
「あぁドクター人事部から明日、時間があれば面接試験の試験官を。との申請が来ているがどうする?」
サシ飲みの意識がそろそろヤバい時に思い出したかのようにホシグマが切り出してきた。
「知らん適当に入れといてくれ、もうダメだ今何言ってもどうせ明日にゃ覚えてねぇよぉ〜」
彼女と飲むのは楽しい、しかしホシグマはザル過ぎるのだ…此方が気合を入れて飲めども飲めどもその3倍のペースで飲んでやがるのに顔色ひとつ変えやがらねぇ、年少のガチ恋勢達と違って最悪間違いが起こっても問題はない(あります)とはいえ意識がないんだ。俺からじゃなくてももう既に喰われてるんじゃ無いかと疑念が頭の片隅を過ぎる。
「ドクター、大丈夫か?」
細かな気遣いもしてくれてツマミも作ってくれて、良い嫁になるだろうなぁ」
「ちょっ!?」
「どうしたホシグマ…?」
ホシグマは口をぱくぱくさせている珍しい、どうせ明日にゃ覚えてないんだろうがとても楽しい気分になる。落ち着いて来たのか彼女は頬を染め何があったか説明してくれる。
「ふむ、とは言うが実際嫁に来てもらいたくなる位には思ってるよ」
「私自身記憶喪失でなければ唾をつける位したいのだがケルシーの此方への対応から察するに私の本質はろくでなしのクズのようだからな…」
「記憶が戻ってこの事も覚えていた時は改めて答えを、聞こう…かな……」
そう言いながらドクターはカウンターへ突っ伏してしまった。ホシグマは頭が茹っているのか、はたまた珍しくも酒に酔ったのかはわからないがそのままドクターと同衾する事に決めたようだ。
チュンチュン,チュンチュチュン
朝日に目蓋の裏を焼かれ比較的気持ちの良い目覚めを迎え…られれば良かったな。そうドクターが二日酔いに苛まれながら起床する。
「いてててて…?」
頭を押さえながら何かに気がついたドクター、横を向くとホシグマが同衾している事に気づく。
「とうとうやっちまったか?」
今この瞬間をアーミヤに見られることだけは不味いという事に全身が悟りを拓く。
コンコンコン
ドアを叩く音が二日酔いに響く事とは裏腹に頭が冴えていく。
「あぁ、おはよう。誰だい?」
「ドクター、おはようございます。何か申し開きがあれば伺いますがありませんよね?」
「」
何の許可もなく部屋へと進軍してくるアーミヤに終わったという悟りを覚えつつもそれ以降の記憶がない事に恐怖を覚える。
今の私かい?気がついたら誰かの面接を執務室で行うようで椅子に座って腕を組んでいる。不思議だ、恐怖しか感じない…
横には何があったか真っ青な顔のホシグマがいる、後で指でつついてやろうと思うもなぜか身体が恐怖を覚えている…アーミヤは一体私に何をしたのだろうか?
コンコンコン
ドアノッカーの音に2人して恐怖する
「は、はい。どうぞ」
声が裏返りそうになるのを堪えながら応対する。
「やぁ君が例のドクターかい?
僕はエリック、エリック・デア=フォーゲルヴァイデ
富める者の義務として君達と肩を並べ、戦列に加わるとここに宣言するよ、華麗なる伝説の始まりって訳だね。」
「あー、戦闘オペレーターとしての採用枠で良かったかな?」
貴族の坊ちゃんという事もあり、シルバーアッシュという前例こそあれど貴族が前線に出てくれる気がしなかったので一応確認してみる。
「もちろんさ、妹が鉱石病でね…兄として出来ることは全てやってやりたいんだ。」
「コードネームはフォーゲルヴァイデで良いかな。」
「主に特殊オペレーターとして作戦には参戦させて頂くよ、前衛でも後衛でもお手の物さ。よろしくね?「エリック上です!」「アァッッッ」
頭上から照明が降ってくる。ホシグマが咄嗟に照明を払ってくれたおかげで彼の頭には当たらずに済んだ事にホッとする。
彼による華麗な、もとい珍妙な伝説はここに幕を開けたのだった。
「やれやれ、術師希望で前線投入可能との判断、いったいどう言う事なのやら…」
「ドーベルマン、その内説明して貰うんだからな。」
いずれまた更新すると思います。
その際はよろしくお願いします。