前方180°から迫る観客人形。後方には出入り口に嵌められた鉄格子。
準備が遅すぎたでござる。この距離まで迫られてしまえば、アヴィリア殿はほうきを出すことすらできない。
だったら———バッ。拙者はその場でバク宙。その動きで足元に転がる男性2人に過重力を掛けて前方へ蹴り飛ばす。
転がる男性2人に足を取られた観客人形は、狙い通り転んだでござる。
その結果、包囲網に隙間ができる。
拙者は着地と同時にアヴィリア殿に過重力をかけてお姫様抱っこしつつその隙間を突破するでござるよ!
「アヴィリア殿! ほうきで上へ!」
「は、はい!」
幸い、劇場という構造ゆえに音が響きやすいよう天井はそこそこの高さがあるでござる。アヴィリア殿は拙者の指示通りほうきを呼び出し、空中へ避難する。
いくら魔法で操っているとはいっても、所詮は人形でござる。空までは飛べないでござろう。
しかし、敵は人形だけではないでござる。むしろ本命はこちら。
「劇場を飛び回るのはマナー違反じゃないかな」
舞台上から店主が杖を振るって、浮かぶアヴィリア殿へ魔力の塊を無数に打ち込むでござる。
「くっ…うぅ……」
アヴィリア殿もすぐに魔法で防ぐでござるが、不安定なほうきの上では分が悪い。危なっかしく揺れる姿は、いつ押し切られて落下するかヒヤヒヤさせるでござる。
拙者はすぐ後ろから追いついてきた観客人形の先頭にいる一体を掴みながら過重力で加速して一気に舞台へ駆け下りる。
「アヴィリア殿をいじめるのは止めるでござる」
ブゥン! 人形を投げつけ、強制的に攻撃の手を止めさせるでござるよ。
職人らしく自分の作品には愛着を持っているようでござるな。壊れないように魔法を使ってやんわりと受け止めた。
そのタイミングで拙者は刀を弓に番えるように右手一本で引き、
「———
両膝、両股関節、両肘、両肩へ正確無比の八連突きを、受け止められた人形を潜るようにして放つ。
「おっと危ない」
一撃目が当たる瞬間、店主が杖を振ったでござる。すると頭上から明らかに人間用と思えるサイズの鳥籠が出現。
拙者を分断するように———ガシャン! 降ってきた鳥籠が店主自身を閉じ込める。
えっ、なにこれ? セルフ監禁プレイ?
「モミジさん! 横に避けるのです!」
敵対していなければ是非とも拙者も混ぜてほしいと考えていたところにアヴィリア殿の声がかかり、それに合わせて左へ飛ぶ。
直後、拙者が今までいた場所を通して火炎や氷柱、さらに剣と雷撃が店主へと降り注ぐでござる。危なっ…!
一瞬でも移動するのが遅れたらと内心冷や汗を流す拙者でござったが、突如こちらに襲いかかってくる腕を屈んで躱す。
何かと思ったら、先ほど投げつけた人形が殴りかかってきたでござるよ。
「たあ!」
人間でなければ気を遣う必要は無し。拙者は足払いで人形を転ばせ、過重力を併用して刀でカキーンとかっ飛ばすでござる。もちろん店主の方に向けて。
2度も乱暴に扱ったことで留め具が外れたのか、絶妙にリアルな人形の足が一本拙者の足元に落ちたでござる。一瞬ドキッとしたでござるよ。
アヴィリア殿の魔法が着弾したことによって漂っていた煙が晴れてくる。
まず目に入ったのは鳥籠の近くでボロボロになって転がる観客人形。でも、片足でカタカタ震えながら立ち上がってきたでござる。案外丈夫でござるな……面倒な。
しかし、特筆すべきはむしろ店主の方でござる。アヴィリア殿からあれだけの密度の魔法を食らったにも関わらず、鳥籠の中でピンピンしてるでござるよ。
「うん。やっぱり思った通りだ。あなた達は魔女じゃなかったね」
「なんで……?」
「前に少し油断しちゃったね。協会の魔女と旅の魔女に捕まっちゃったんだよ。だから少し対策を考えてみたわけ」
よくぞ聞いてくれたと言わんばかりに顔を輝かせる店主に向けて、拙者は刀を振り習得して以来ほとんど使った記憶のない魔法———魔力の塊を放つという初歩的なものを打ち込んでみる。
だが、鳥籠の中に入った瞬間にポッと可愛らしい音を立てて霧散してしまったでござる。
「まず、この鳥籠の中で魔法は存在できない。
「それは大変不便そうでござる……なっ!」
相手の言うことを鵜呑みにするわけではないでござるが、それでも魔力の塊が無効化されたのは事実。
ならば、と。拙者は足元に落ちている人形の足を拾って再度接近。鳥籠の隙間を通して店主をぶん殴ろうとするでござる。
それなりの力で振り下ろした人形の足は、籠の中に入った瞬間———グァンと一気に減速。まるでボールを水に叩き込んだかのように勢いを殺されたでござるよ。
「ついでに運動エネルギーが減退するようにしておいた。あなたは魔法使いなのに剣で戦うみたいだけど、ボクに傷が付くほどの威力は発揮されないよ」
厄介極まりないでござるな…っ!
拙者は過重力を自身にかけ、鳥籠を蹴ってアヴィリア殿のいる空中まで戻る。彼女の隣に来たところで、ほうきとして使っている鞘の上に腰掛けるでござるよ。
「まずいですね」
「然り。持久戦になれば、不利なのはこちらでござる」
ほうきで浮くだけでも微量ではあるが、魔力を消耗するでござる。
対して、店主は鳥籠に篭っているだけ。おそらくあの鳥籠自体も維持するのに魔力を使うでござろうが、限定的とはいえ『魔法の無い世界』を構築できるほどを技量を持つ者でござる。九分九厘彼女は魔女でござろう。
魔法使いの最高位である魔女と魔力消耗の我慢比べ。
考える余地など無く、負けるのは拙者たちでござるな。
絶体絶命の文字が頭に浮かぶ拙者とアヴィリア殿は、揃って苦虫を噛み潰したような顔になる。
その顔を見て店主は———ガンッ! 激突する勢いで鳥籠内から顔を寄せ、息を荒らげてこちらを凝視してくるでござる。
……本当に運動エネルギー減退してる?
「ああん! あぁぁぁん‼︎その顔! その顔良いわぁ! ハァ…ハァ……」
「「 ………… 」」
重ね重ねやっべーなこの人……。
「うふっうふふ…! やっぱり誘い出した甲斐があったわ! 可愛いのに頭が弱いところも萌え萌えしちゃう! ……ハァ」
「最初からわたし達を狙っていたのですか?」
「いや。狙ったのは黒髪ちゃんの方だけだよ。でもまさかの2人とも来てくれるなんてビックリしちゃった」
「どうやって……」
「え? なに?」
「どうやってわたし達を誘き出したのです?」
「どうやって……か」
アヴィリア殿の質問に、店主は忍び笑いで返してくる。何か面白いことでも言ったでござろうか。
あとアヴィリア殿。そのイラッとした顔はやめるでござる。あの店主喜ばせるだけだから。いやまぁ、気持ちは分かるでござるが。
「あなた達、ボクのお店の書き置きを読んでここまで来たんだよね? わざわざ鍵を壊して」
怒りのあまり扉蹴り開けたらぶっ壊れただけでござるが、とりあえず頷いておく。
「もうその時点で不思議に思わなかった?
なるほど。そういうことでござるか。
拙者はこの店主の店を訪れて旅人であることを堂々と言ったでござる。さらに腰に刀を差していることから、戦闘能力もあることは見れば分かる。
そんな女の子が髪を切られてしまえば、当然怒り狂い武力を行使して取り返しに来るでござろう。
だからこそ、人形を使うという手段を取った。下手人は自分であると喧伝する為に。
店が閉まっていようと、武力行使に出た人間なら押し入ることは想像に難くなく、押し入った先で下手人の手掛かりがあれば迷わず向かうと。
クソッ! まんまと引っ掛かったでござる! しかもアヴィリア殿を巻き添えにして……!
「あっ、あぁ! その悔しそうな顔も良い! 本当にあなた、わたしの性癖にドストライクだわ‼︎」
「…………」
「やっぱり欲しい! その声も! その髪も! その身体も! ほら、もっと色んな
拙者たちに向けて鳥籠の中から腕だけ出して伸ばしてくる店主。指がウネウネと触手みたいに動いて気持ち悪いでござる。何がそこまで彼女をそうさせるのか、いまいち理解できないでござるな。
「あぁ……早く独り占めしたい。早く早く早くぅ!」
そして鳥籠から出した指をパチンと鳴らす。すると、モゾモゾと観客席の下から何やら小ぶりな影が出てきたでござる。
出てきたのは、子どもが持っているような人形。人形と呼ばれて真っ先に思いつくオーソドックスなサイズのものでござる。
それらが、
「もう我慢できない! ほら、ずっとわたしのお人形として暮らしましょう?」
さらに、その人形たちは手に布切り鋏を持って浮かぶ。
(なるほど。ほうきで飛べばこの人形たちが囲み、降りれば等身大の観客人形で捕らえる作戦でござったか)
人形は飛べないという拙者の想定が甘かったでござる。一度魔女に———イレイナ殿とシーラ殿に捕らえられて学習したというわけでござるか。
明らかに気狂いだが、腐っても魔女でござる。自身の目的の為ならば手間も手段も惜しまないその姿勢だけは見習いたいところでござるな。
刃物を持って浮かぶ人形と足元でこちらに手を伸ばしてくる等身大人形という悪夢のような光景に怯む拙者たちへ、店主は上気した頬を緩めて言う。
「最後にもう一度聞いてあげるね。せっかく飼う女の子が傷物になるのはできれば避けたいし。———ボクの工房においで。大人しく来てくれれば、自由以外は保証してあげる」
口調こそ柔らかいものの、どこか有無を言わせない圧力のようなものを感じさせるでござるな。
しかも、断れば本気で攻撃すると仄めかしてきている。
アヴィリア殿を見れば、この絶体絶命の状況に彼女は動揺を隠せないでいるでござる。
圧倒的物量の人形。それを扱う魔女は、魔法も剣術も効かない絶対防御を誇る鳥籠の中に引き篭っている。
捕食者と被捕食者。狩人と獲物。狩る者と狩られる者。
どちらがどの役割かなど、一目瞭然でござろう。
だったら、苦しくない方を選びたい。それは理解できる。でも———その選択肢はダメでござるよ。
「残念ながら」
拙者はアヴィリア殿の震える手を握り、店主に向かって力強く叫ぶ。
「拙者たちは旅人でござる。食事が足りなくとも、綺麗な服が無くとも、屋根が無くとも、別に構わぬ。———自由があれば、それで良い」
旅人の特権とは、自由であること。
定職に就く必要も無い。どれだけ夜更かししても良いし、寝坊したければ好きなだけ惰眠を貪るのもアリでござる。好きな時に食べ、好きな時に飲み、好きな時に好きな事をやる。
改めて記述するとロクでもないことこの上ないでござるが、それこそが自由でござる。
何をしても構わない。ただしその責任は全て自分にある。
「自由を奪われた旅人なんて、もはや抜け殻と同義! 拙者たちはお主の人形にはならないでござ……」
「じゃあ実力行使で捕まえるね」
「まだしゃべってる途中でしょうが!」
アヴィリア殿の手前、めちゃくちゃカッコ良く啖呵を切ろうとしたのにぃ〜…!
何故でござる⁉︎拙者が可愛い女の子からの黄色い悲鳴を一身に浴びる日はいつ来るでござるか⁉︎拙者の時代はいつ来るでござるか⁉︎
そんな拙者の願望なんて知るかと言わんばかりに、布切り鋏を持った人形が一斉に襲いかかって来る。コンチクショー!
拙者は刀身の分だけほうきよりも幅のある鞘に立ち、人形を斬り伏せる。これ以上自慢の髪の毛は渡さぬ!
……って、普通に腹とか足とか狙ってきたでござるよこの人形ども⁉︎
「うんうん。必死な顔も良いね」
舞台上の鳥籠からはそんな店主の声。いちいちムカつくでござるよ。
鞘に立ちながらアヴィリア殿の周囲を三次元的に飛び回り、なんとか人形が行くのを防ぐ。一応彼女も抵抗を試みようとしてくれてるでござるが、
「うっ……あわわ…!」
拙者が好き勝手に動き回るせいで、魔法を放たないようでござるな。すごくごめん!
鞘に乗って刀を振るう拙者と、純粋に魔法使いであるアヴィリア殿が息を合わせるのは至難の技でござる。しかもこれが初の共闘。明らかに無理がある。
拙者は人形の布切り鋏を奪い、アヴィリア殿に向かおうとする一体へ投げつけて阻止。その間に彼女の頭上3体の人形をまとめてぶった斬る。
「モミジさん! 何か切り札とか奥の手とか、そんな感じのものないんですか!」
このままではいずれ押し負けることが明白でござる。
だからって、そんな1発逆転できる都合の良いもの…そんなもの……
「無論あるでござる!」
「じゃあ早くやってくださいよぉ!」
アヴィリア殿の声にちょっと情けなさが混ざったでござる。めっちゃ守ってあげたい。守るけど。
魔法は効かない。剣術も効かない。逃げることも叶わない。
加えて、そんな魔女が作った冗談のような数の人形が襲いかかってくる。しかも死ななければ問題無いと言わんばかりの容赦の無さで、でござる。
普通なら、魔女でも苦戦する相手でござろう。元々魔女2人に対抗する為に編み出された戦法なのだから当然でござるが。
魔法使いの最高位である
アヴィリア殿はともかく、拙者は真っ当な魔法使いとは程遠いでござるからな。
「その昔、どっかの王妃が言ったでござる。『魔法がダメなら、剣で斬ればいいじゃない』と」
アヴィリア殿からの株を上げる為、偉人の格言を引用して頭良いアピール。
「そして、『剣がダメなら、グーで殴ればいいじゃない』とも」
「そんなファイティングスピリッツに満ち溢れた王妃いますか」
「拙者の言ってる事…分かるでござるな?」
「わかりません」
どうやら拙者の言いたいことが伝わらなかったらしく、アヴィリア殿の声音からは失望を色濃く感じるでござる。なんで?
「論より証拠。アヴィリア殿は拙者が守るでござる。だから———拙者のことはアヴィリア殿が守ってほしいでござるよ」
この奥の手は、人形どもに邪魔をされたら使えないでござる。
この数の人形を突破しながらでは、どうしても奥の手が機能しない。アヴィリア殿が守ってくれなければ、このまま圧殺されて終わりでござるよ。
「もう…… 守られてばかりのアヴィリアは卒業したのです」
「任せたでござるよ」
「了解なのです」
拙者は鞘に乗り、アヴィリア殿と店主の対角線上に佇む。
拙者が飛び回らなくなったことで、アヴィリア殿に周囲の人形の対処を全て任せるでござる。さすがは元エリート。1体1体を丁寧に魔法で撃ち落としていく。
もしかしたら足引っ張ってたかもと不安になるほど。
「うんー? 諦めたの?」
「いや。そろそろこのお人形遊びを終わらせるでござるよ」
「ふぅん。そういう諦めない心、嫌いじゃないよ」
「そいつはどうも」
「希望をへし折られた女の子の絶望する顔は格別だもの」
「お主もブレないでござるな」
周囲の人形が落とされていくのを尻目に、拙者は鞘の上で半身なる。まるでボードに乗るかのような姿勢でござる。そして、
「突撃ィィィィィィ‼︎」
———ギュウゥン‼︎過重力を掛けて店主の鳥籠に向かって突っ込んでいく。自身にかける重力は30倍。急加速によって一気に後方へ流れる景色の中には、拙者を止めようとしたが、アヴィリア殿の魔法に落とされる人形ども。
てか今、アヴィリア殿から見たら拙者の影になって見えないのにも弧を描く軌道で撃ち落としたござるよ。地味に神業でござる。
店主が鳥籠の絶対防御を説明した時、まず最初に思い付いたのは鳥籠の格子を切断———斬鉄すること。
これは昔、パピ上が内弟子に講義しているのを聴いた記憶でござる。
『時に戦場では、普通じゃ斬れないような防具を着けている者とも相対することがある。そんな時どうするのか。お前、答えてみろ』
『防具の隙間を狙う、ですか?』
『それも悪くはない。だが決め手に欠けるな』
『では師範。どうすればいいのでしょう?』
『防具ごと斬る。普通の斬撃が効かないなら、
『『『 それが出来たら苦労しねぇよ! 』』』
『あ、こら! 木刀を投げるんじゃない!』
おっと。余計なものまで思い出してしまったでござる。
『コホン。話を続ける。大半の者は何故かそんな簡単なこともできないようだからな。……だが、一見刀では斬れないような防具を着用してるような奴でも、弱点は存在する。それはな———』
———防具を着てるのは、やっぱり人間ということだ。
人1人を倒すのに、派手な魔法は必要無いでござる。
人1人を倒すのに、刀でぶった斬る必要は無いでござる。
どれだけ人間を辞めたような技量の持ち主でも、結局は人間。手足があり、胴体があり、頭がある。
そして
「まさか……!」
狙いに気付いた店主が、慌てて対抗しようと杖を握る。しかし残念。
その中は魔法が存在しない世界でござろう?
「チェェスゥトオォォォォォォォ!!」
檻から手を伸ばせば使えるのかもしれぬが、それよりも拙者の方が速いでござる!
元気いっぱいの裂帛と共に鳥籠へ当たる直前で鞘から飛び降り、砲弾のようなドロップキックを叩き込む。
———ガシャアァァァァン!!!
けたたましい金属音が劇場内に木霊する。
拙者は、中にいる店主ごと鳥籠を蹴り倒してやったでござるよ。
「オラァ! 出てくるでござるよ! オラオラオラァ!」
倒れた鳥籠の丸みを活かし、雪だるまを作るような動きで舞台の上を転がしまくる女の子がいます。
中にいる女性は目を回していますが、まったく辞める気配がありません。それが10分ほど続き、
「おええええええええええええええ」
中の女性はゲロ吐きました。ばっちぃのです。
「オラァ! 吐いてないでさっさと出てくるでござるよ! もっと転がしたろうか? おおん?」
そんな女性に構うことなく、女の子は鳥籠をガンガン蹴って蹴って蹴りまくります。
鬼です。悪魔です。腐れ外道なのです。
さてさて。そんな激しくキャラ崩壊を起こしつつオラついてる黒髪黒瞳のブチギレボブカット侍とは一体誰でしょう?
そう。モミジさんなのです。
「あ、やっと止まったのです」
もう一度鳥籠を転がそうとするモミジさんを見て店主が慌てて鳥籠を消した時、わたしに襲いかかってきた人形たちも動きを止めました。
人形からはある程度の規則性が見て取れたので、恐らくあの鳥籠の出現と同時に自動で襲うように設定されていたのでしょう。
それでもわたしは警戒を緩めず、床に落ちた人形を注視しながらモミジさんのいる舞台へとほうきで向かいます。
「モミジさん。そのあたりで」
「指でも詰めさせるでござるか?」
「違うのです」
マフィアですかあなた。
というか、この人のゲロがわたし達の髪を付けた人形に掛かっていないか心配でしたが……ふぅ、良かったぁ。なんとか吐瀉物まみれになって無いのです。
流石に人のゲロを浴びた髪の毛をもう一度頭に戻す気にはならなかったのですよ。
わたしはゲロ臭い女性に近付きたくなかったので、魔法で人形2体を手元に持ってきました。
「モミジさんは自分で髪の毛戻せますか?」
「残念ながらそれほどの魔法の技術は持ち合わせていないでござる。アヴィリア殿は?」
「できるのです。ほら」
使うのは時間逆転の魔法。杖を振ると、人形にくっついていたわたしの白髪がブチブチ抜け、光の粒子に包まれて元に戻ります。お帰りなさいなのです。
お姉ちゃんとお揃いも悪くはなかったのですが、やっぱりわたしはこの長さが落ち着くのですよ。
続いて、モミジさんの髪も戻してあげるのです。
解いた状態を見るのは初めてですが、やっぱり綺麗な黒髪なのです。あれだけの毛量で枝毛1つ無く、毛先までしっかりキューティクルが閉じているのが一目で分かります。
「おぉ! ありがとうでござる!」
元通りになったことで機嫌も直ったのか、ニコニコ笑顔で自分の髪を撫で撫でしてるのです。ちょろい。
「結ばないのですか?」
すぐに彼女のトレードマークとも言えるポニーテールに戻すかとも思いましたが、そうしません。マフラーのように首に巻いたり、束ねてクルしたりと奇行に走っています。
「今は1日ぶりに帰ってきた髪を堪能するでござるよ。失って、初めて大切さに気付くものでござるな」
「はい。正直、あれだけショックを受けていた自分にビックリなのです」
「髪は女の命。それも当然でござろう」
そう穏やかに言って、モミジさんは刀を納めました。どうやら指を詰めるという悪魔の如き処罰は行わないようです。
「さぁ、お説教の時間でござる」
ポキポキ。指の関節を解す音が舞台に響きました。
どうやら、髪が戻ってもまだまだブチブチギレギレのようです。
そして、わたしの目の前で起きた肉体言語によるお説教は……劇場らしく、まさに惨劇と呼ぶのに相応しいものでした。
……あれ? 店主の女性、ちょっと嬉しそうじゃありません?
実はこの国にもあった魔法統括協会の支部にズタボロになった店主を放り込んだ後、わたし達はモミジさんの宿に戻りました。
昨日した約束を守ってもらう為です。
そして今、わたしはモミジさんにベッドの上で横になって向かい合っていました。
こうやって至近距離で見つめると、改めてモミジさんの整った顔立ちには驚かされるのです。シミ一つない綺麗な肌や、形の良い眉。薄めながらも潤っている唇はどこか扇情的で、吸い込まれてしまいそう。
本人も認める童顔を助長させる大きな瞳には、わたし自身の顔が映り込んでいます。つまり、モミジさんもわたしの顔をまじまじと見ているということなのです。恥ずかしい……。
「じゃ、じゃあ……いきますよ」
「然り」
緊張で声が上擦るわたしの両手を取り、自身の後頭部へと当てがいます。これで少しでも力を入れれば、モミジさんの顔は寄せられて……ダ、ダメなのです!
「ふふ、緊張なさるな。爪を立てたりしなければ、怪我はしないでござる」
「でもぉ……」
「アヴィリア殿は本当に可愛いでござるな」
そう言って、モミジさんはわたしのほっぺを撫でます。いつものにぱーっとした笑顔ではなく、優しい大人っぽい微笑みを浮かべて。
そのギャップが、わたしの体温を上げる。
「そうそう。肘を拙者の鎖骨と肩の筋肉の間に引っ掛けて…あん! ちょっと痛いでござる」
「あう……へ、変な声出さないでください」
「失敬。リードすべき拙者が焦ってしまったでござる」
「いえ、こちらこそごめんなさい」
痛くしてしまったのはわたしなのです。ここは素直に謝り、モミジさんにレクチャーの続きを促します。
童顔に似合わない嬌声に、頬が上気するのがわかります。
「こう、ですか?」
「そう…そのくらいの力加減でござる。初めてにしては上出来でござるよ」
「ありがとう、ございます……」
ニコリと笑うモミジさん。その笑顔に、鼓動を早められてしまうのです。
さて。わたしとモミジさんがベッドの上で密着して何をしているのか。この夏の暑い中、2人きりの空間。死線を共にした2人がベッドのある部屋で。そのベッドの上で。何をしているのか。
それは……
「じゃあ肘を支点にして、テコの要領で引くでござる!」
「ふんぬ〜〜〜」
「痛たたたたたたた! 力入れ過ぎでござるよ!」
———寝相の悪いお姉ちゃんと一緒に寝る為の特訓なのです。
モミジさんは、壊滅的な寝相の悪さを誇るお姉ちゃんと同じベッドで眠り、無事に朝を迎えた猛者なのです。
わたしは今、その極意を習得しようとしていました。
「良いでござるか、アヴィリア殿。これは首相撲と言って、本来は相手の首を抑えて身動きを制限し、投げたり、膝蹴りを胴体に叩き込んだりする為のものでござる。アムネシア殿と同じベッドで眠りたいならこれを習得しなければならぬ」
昨日は護身術の応用とか言ってましたけど、ここまで殺意の高い護身術があるのでしょうか。
モミジさんの故郷の治安が気になるところですが、今はレクチャーに集中しましょう。
「もう一度やってみせるでござるよ」
モミジさんがお手本を見せてくれるようです。
ベッドで横になった状態のまま、彼女は先ほど教えてくれたようにわたしの後頭部に手を当て、優しく引きました。
すると、わたしのおでこが…その……モミジさんの柔らかい胸部に当たりました。少しだけ気持ち良いのです。
「あんまり強く引くと、苦しくてアムネシア殿が眠れないでござる。あくまで優しくでござるよ。それはまるで、赤ちゃんに無限の慈しみを向ける聖母の如く」
「わたしは妹なんですけど……」
「妹がママでも問題ないでござるよ!」
力強く宣言されました。
「さぁ、拙者を赤ちゃん……ではなく、アムネシア殿と思ってもう一回でござる」
「は、はい」
モミジさんのお手本通りに、わたしは彼女のおでこを胸に当てるように引きました。今度は力を入れ過ぎないように。
「そう。いい感じでござる。すーーーーはぁーー…あぁ、アヴィリア殿いい匂い……」
なんかモミジさんが別の目的を果たしているように聞こえるのは気のせいなのでしょうか。引き寄せると、何故か彼女は深呼吸を始めるのです。ついでに「ぐへへ〜」と少々お下品な笑い声も時折漏らしています。
「あっ、アヴィリア殿。ここで頭撫で撫でを付け加えたらポイント高いと思うでござるよ」
「こうですか?」
「あああああ〜良いでござるぅ…最高に良いでござるよ」
……気のせいということにしましょう。
「これを睡眠中も続けるのは難しそうなのです」
「それに関しては経験でござるな。慣れればほとんど力を入れず、テコの要領だけで固定できるでござるよ。……あぁ…アヴィリア殿の赤ちゃんになりたい」
ちょくちょくモミジさんの声で雑音が入るのは、たぶんこの部屋が呪われているからなのです。
———ふと急に。本当に急に、わたしはお姉ちゃんに会いたいという想いが込み上げてきました。
考えてみれば、2人で故郷を出てからこんなにも長い時間顔を合わせないのは初めてなのです。
わたしはエストで1年間もお姉ちゃんの帰郷を待ってた筈なのに、今は1秒でも早くお姉ちゃんの顔を見たくて仕方ないのです。「アヴィリア」と、優しく名前を呼んでもらいたくて仕方ないのです。思いっきり抱き締めてもらいたくて仕方ないのです。
でも今ここに、お姉ちゃんはいません。一応モミジさんの宿の場所と、そこで預かってもらってることは魔法統括協会支部を出た後に
「モミジさん」
「ばぶ? …ではなく、おろ?」
「わたしはお姉ちゃんを守れるのでしょうか」
そんな寂しさを埋めるように、現在進行形でわたしの胸に顔を埋めているモミジさんへ尋ねました。
「わたしはお姉ちゃんを守るべき時に守ってあげられませんでした。わたしだけがお姉ちゃんの味方になれたのに、味方になれませんでした。わたしだけがお姉ちゃんを信じていたのに、それを言葉にできませんでした」
「…………」
「……ごめんなさい。なんの話かわかりませんよね」
昔、信仰の都エストでわたしとモミジさんは一度出会っています。でも、その思い出はモミジさんには無いのです。あの国を出る時、消されてしまったから。
それでも、彼女の言葉にわたしは背中を押されました。
『どうしても何かを成し遂げたいなら、なりふり構ってる暇なんてないんだよ。自分の持つ人脈も、権力も、暴力も、その場にある全てを利用しないと。少なくとも私はそうやって旅に出たよ』
その言葉のおかげで、わたしはお姉ちゃんを助ける為にイレイナさんを頼るという選択ができました。結果として、わたしはもう一度昔のようにお姉ちゃんと姉妹になれました。
でも、それではダメなのです。今日も、あの時も、わたしは誰かに頼らなければ何もできませんでした。
誰かに守ってもらわなければ何もできないアヴィリアではダメなのです。
今お姉ちゃんの傍にずっと居られるのは、わたしだけだから…!
「申し訳ないでござるが、確かに何の話かは分からぬ。それでも、これだけは言えるでござるよ」
モミジさんは胸から顔を上げ、わたしの目をしっかりと見て言います。
「———アヴィリア殿ならば、アムネシア殿を守れるでござる」
その声音には、確信がありました。信頼がありました。そしてなによりも優しさがありました。
「そんなあっさりと言われても……」
「あっさりでは無いでござる。現に今日、アヴィリア殿は拙者を守ってくれたでござろう?」
「それは…モミジさんがわたしを守ってくれたからで……」
「でもアヴィリア殿が守ってくれなければ、今頃拙者たちはあの店主のおもちゃにされていたでござる」
「でも……」
あの時わたしは黙殺しました。一握りの勇気さえあれば、お姉ちゃんがあんな目に遭うことも避けられたのに。
「お主本人がなんと言おうと、拙者の知るアヴィリア殿は大切な姉を心配させないように困難へと立ち向かえる者でござる。そして他者を気遣い、時には共に歩もうとすることができる優しい
有無を言わせない勢いで捲し立ててきます。それがこの人の持つ強さなのかもしれません。強引さとも言えるのです。
モミジさんは、それでも無意味な足踏みとも取れる反論をしようとするわたしへ微笑みました。
「どんな
「わたしに…守れますか……?」
「絶対に守れる。———今日守ってもらった
その言葉はきっと…わたしが欲しかった卒業証書。
守られてばかりのアヴィリアを卒業した証なのです。
嬉しくてだらしくなく緩んでしまう顔を見られたくなくてモミジさんの頭をもう一度引き寄せると———ドドドドドドドドドドッ!
部屋の外から非常識なまでの足音が聞こえてきました。その足音はわたし達のいる部屋の前で止まったのです。
モミジさんも気になったらしく、わたしの胸元で首を傾げています。深呼吸をしながら。
次の瞬間———ザンッと。部屋の扉が両断されたのです。何事っ⁉︎
「アヴィリア‼︎ここにいるの⁉︎」
「お、お姉ちゃん⁉︎」
「はぁ、良かった…やっと見つ…け……た……」
扉をぶった斬って飛び込んできたお姉ちゃんは、わたしの顔を見るなり安堵のため息を漏らした後、次第に言葉を失っていきました。
「おろろ? おや、アムネシア殿! ご無沙汰でござる。再会できたことを大変嬉しく思うでござるよ」
「あ、うん……え?」
「え?」
わたしの胸元から呑気に挨拶しているモミジさんを見て、さらに硬直。
そこでわたしも、部屋に飛び込んできたお姉ちゃんが急失速している理由に思い当たったのです。
わたしとモミジさんがいる場所はベッドの上。お互いの距離はゼロ。どころかマイナス? モミジさんはわたしの胸元に顔を埋め、さらにわたしはそんなモミジさんを抱き締めるかのように後頭部へ両手を添えています。
この光景……何も知らない人が見たら確実に誤解が生まれるのでは?
あわわわわ…! みるみるうちにお姉ちゃんのお顔が真っ赤になっていくのです。色白で髪も白いので、耳どころか首まで赤くなっているのがよく分かるのです。
「……………………………………お邪魔しました」
お姉ちゃんはそれだけ言い残して、静かに部屋を出て行きました。嵐のように来て、そよ風のように去って行きました……ではなく‼︎
「お姉ちゃん! ちょっと話を聞いて欲しいのです!」
「大丈夫よアヴィリアうん大丈夫アヴィリアも年頃だものね大人の階段くらい登るものね階段ダッシュくらいするよねうんでもちょっと早いんじゃないかなお姉ちゃんより先に登っちゃうのはでもアヴィリアの人生だもの……」
関節が錆びついたかのようなぎこちなさで宿の廊下を歩いていくお姉ちゃんは、うわ言のように呟き続けていました。
2日ぶり会えた大好きなお姉ちゃん。本当は心配をさせてしまったことを謝らないといけないのに。ごめんなさいと言わないといけないのに。そして叶う事なら抱き着いて頭撫で撫でして液状化するほど甘やかしてほしいのに!
今はそれよりも優先しないといけないことが出来てしまったのです! この誤解を早急に解かないとやべーのです……‼︎
翌日。拙者はアムネシア殿とアヴィリア殿の姉妹と共にこの国を出立することになったでござる。
別に示し合わせたわけではござらぬが……まぁお互い不幸が重なったでござるよ。
まず拙者は、アムネシア殿が部屋の扉をぶった斬ったことで宿を追い出されたでござる。それだけならまだ良かったんだけど、どうやら『収穫の国ガーベラ』のブラックリストに載ったらしく、他の宿でも悉く宿泊拒否。拙者が壊したわけじゃないのにぃ……ぐすん。
こちらの白髪姉妹は、アムネシア殿がアヴィリア殿を探す為に2度無断欠勤をしたらしくバイトをクビに。当然路銀の当てが無くなり、さらに魔法使いでもない者が短期のバイトを見つけるのは至難の業なので、もうはいっそ出国してしまおうということになったらしいとのこと。素敵な姉妹愛でござるが、代償は高くついたようでござるな。
拙者たち3人は門の前で揃ってため息をこぼすでござる。とほほ……。
「あの……ごめんねモミジちゃん。わたしのせいで……」
「お気になさらず。アムネシア殿が悪いわけでは……いや悪いでござるな」
「うっ……」
「まぁ、どうせ観光スポットも少ない国でござったし気にしないでいいでござるよ」
「でもお姉ちゃんの早とちりは良くないのです」
「誤解は解けたでござるか?」
「一晩掛かりましたが、なんとか」
どうもアムネシア殿は、拙者とアヴィリア殿がベッドの上で抱き合っているのを見て…その……ちょっとオトナな事を致していると勘違いしたようでござった。……別にアヴィリア殿ならアリでござるが。
「うぅ……だ、だって仕方ないじゃない! 妹が家出したと思ったら手紙が届いて、そこに宿の名前と部屋番号だけ書かれてたのよ? それで扉を開けたらベッドで抱き合ってるし……」
「これはアヴィリア殿が悪いでござるな」
「マジですか⁉︎」
「マジでござる」
だからちゃんと過不足なく詳細を記すように言ったでござるよ。
むぅ〜と頬を膨らますアヴィリア殿に、拙者とアムネシア殿が笑う。それに合わせて、アヴィリア殿も相合を崩した。
「モミジちゃん」
そしてひとしきり笑い合った後、アムネシア殿が微笑みながら拙者に向けて腕を広げるでござる。
その意図を汲み、首肯を返した拙者は彼女に近付いて———すぽ。その腕の中に収まる。
「わたしだけじゃなくて、アヴィリアまでモミジちゃんのお世話になっちゃったね」
「構わないでござるよ。それに、拙者もアヴィリア殿に守ってもらったでござる」
「そっか。……わたしの妹、可愛いでしょ?」
「この上なく」
耳元で囁かれた自慢に思わず笑ってしまいながら、それでも確固たる意志を持って肯定するでござる。アヴィリア殿は可愛い。異論は認めぬ。
妹系で通っている拙者だが、本家本元の『妹』の足下にも及ばないことがよく分かったでござる。
「むぅ。わたしだけ除け者なのです」
「ふふっ、拗ねないの。ほら! アヴィリアもおいで?」
「……ん」
アムネシア殿は拙者の背中に回していた片腕を開き、アヴィリア殿も招いて2人まとめて抱き締める。これはある種の二股なのでは?
でも、アヴィリア殿は顔が見えないように伏せていていても恋する乙女のような匂いを発しているので問題ないようでござるな。一瞬チラッと見えた口元からヨダレ垂らしてるし。
初めてアムネシア殿と出会い、そして別れた時、拙者たちは友達としてお別れ出来なかったでござる。だからなのか、アムネシア殿は拙者と別れる時に抱き締めるようになったでござるよ。
拙者のこと大好きじゃん。拙者も大好きだけど。さらにはイレイナ殿への想いも同じ。もはや別の意味で相思相愛でござるな。
「またどこかで会いましょ?今度は3人で遊びたいな」
「拙者も同じ気持ちでござる。アヴィリア殿は?」
「わ、わたしもなのです……!」
「それじゃあ決まりね!」
それを合図に、拙者とアヴィリア殿はアムネシア殿から離れる。
きっと今、一緒に行こうと言えば2人は着いて来てくれるでござろう。逆に、2人からそう言われてしまえば拙者もついて行く。
だからこそ、言わないでござる。拙者は旅人。そして2人も今は旅人。
旅人同士の再会は、旅の中でなければカッコつかないでござろう?
そしてほうきに2人乗りした姉妹は、拙者の行きたいところとは別の方角に飛んで行ったでござるよ。
その姿が見えなくなるまで見送り続け、完全に見えなくなったところで拙者も鞘に腰掛ける。
「姉妹って良いなぁ……」
一人っ子ならではの羨望を口にしながら、拙者もまた、旅の続きを始めるでござる。
イレイナ殿から貰った日記帳の空白も———あとわずか。
はい、いかがでしたか?アヴィリアさんにレクチャーすると見せかけて、ちゃっかり欲望を満たすモミジちゃんでした。
人形屋の店主?あれはオマケです(真顔)
人形屋の店主の敗因は、モミジちゃんがあまりにも脳筋ゴリラだったから。魔法も剣術も効かないならドロップキックするのがモミジちゃんです。
アニメ8話で魔女2人にあっさり捕まった彼女は、魔女対策を万全に施していました。魔女への対策は、すなわち魔法使い全体への対策になります。魔導士も魔女見習いも言ってしまえば魔女の下位互換ですからね。
実を言うと普通に戦えば、エリートとはいえただの魔法使いであるアヴィリアさんと、刀ぶんぶん丸魔法使いのモミジちゃんには負けなかったわけです。
鳥籠の魔法に関しては、アニメでも原作でもあのようにして捕まったので、捕まるくらいなら最初から入ってればいいじゃんと考えました。引き篭もりでもあるらしいので、わりと彼女に合ったものかと。