家出騒動 序
とある国外れの荒野で、黒髪の武士と魔女が三日三晩殺し合っておりました。
武士はある国の王様から依頼を受けたのです。曰く『黒髪の魔女の暗殺を頼む』と。
そして魔女は、自身の身を守る為に魔法で対抗しています。
これだけ聞くと魔女が悪者のように思えますが、実情は違います。
この魔女———魔女名『矛盾の魔女』を拝命している彼女は、王様を殴りました。ボコ殴りにしました。自損しないよう魔力を拳に纏わせてカバーし、それはもうお付きの家臣がドン引きするまでボッコボコにしました。ついでに「何見てんだゴラァ⁉︎」という理由でお付きの家臣もボコりました。
重ねて語りますが、魔女が悪者であるというわけではありません。どちらかといえば、王様の方が悪いのです。
王様は中年と言っても差し障り無い歳になりながらも、やんちゃが過ぎる方でした。
ある日、お忍びでお気に入りの家臣2名を引き連れて日課の女漁りの為に城下町を歩いていた時です。美しい旅の魔女を見掛けました。
「おぉ、これは美しい」と一目惚れした王様は、すぐにその魔女の尻を撫でました。この王様は、まず尻を撫でることを女性とのファーストコンタクトに用いるなかなかにクソな方なのです。
旅の魔女は小柄で美しい黒髪が特徴的な大人しそうな女性です。
———
突然知らないおっさん(王様)からお尻を触られた魔女は、問答無用で拳を振るいます。魔女なのに、拳を振るいます。
鋭い右フック。返す左フック。右フック、左フック、右フック、左フック、右フック左フック右フック左フック右フック左フック———魔女は見掛けに反して中身が猛獣のような人でした。
「ぺっ」
地面に伏せる王様以下家臣2名に唾を吐きかけ、魔女は立ち去りました。
訂正します。ここまでいくと魔女は悪者です。
しかし、王様は発端が自分であるにも関わらずキレました。「尻を触るくらい挨拶みたいなもんじゃろ!」とセクハラ親父そのものの意見を掲げ、魔女を殺せと命じました。
総勢300人の軍人が魔女を殺す為に動員され、そしてその全員が出撃から30分後には顔面アザだらけで帰還しました。魔女は化け物のように腕っ節が強いのです。
ですが、これでは王様の腹の虫は治りません。
そんな時タイミング良く…もしくは悪く旅の武士が1人、その国に訪れました。刀を腰に差し、何故かウェスタンハットを被った男性です。
彼は魔法使いですら無いのに、刀一本と身一つで魔女すら圧倒する、“魔女狩り”の異名を持った掛け値なしの化け物です。しかも、聞くところによると魔女と同じ国出身のようでした。
王様はさっそく彼に依頼をしました。「黒髪の魔女の暗殺を頼む」と。
依頼を了承した武士は、隣国に逃亡する魔女を追いかけ国外れの山中で襲撃しました。
それから3日後———今に至ります。ちなみに山は3日間続く“魔女狩り”と『矛盾の魔女』の戦闘によって荒野へと変わってしまいました。
三日三晩戦い続けた2人は、どこか自分の中で相手が特別な存在に変わっていることに気付きました。
「なんだ…この胸のドキドキは……⁉︎」
疲労です。
「なんで…あの人から目が離せない……‼︎」
命のやりとりをしているので当たり前です。
「もしかして……」
「この気持ち……」
「「 ———恋っ⁉︎ 」」
違います。
三日三晩戦い続けた2人は疲労と空腹と寝不足で、ちょっぴりおかしくなっていました。
しかし、“恋”とは絶対的なものではなく相対的なもの。たとえ世間一般から見たら明らかに違くても、当人らが“恋”と言えばそれは“恋”なのです。
後に2人は語りました。「殺し合いから始まる恋もある」と。
そして2人は考えました。私達を引き合わせてくれた恋のキューピットは誰か。幸せの青い鳥はどなたか。———そう、王様です。
ならば、と。2人はお礼を言う為、王様のいるお城へ仲良く恋人繋ぎで向かいました。
「は?」
王様以下家臣一同は戦慄しました。それも当然です。
殺すよう依頼した
王様は今更になって悟りました。たぶんこの2人は関わったらやべー、と。なので、
「お主らのおかげで隣国との貿易路を開拓ができた。あちらに行けば褒賞が貰えるであろう」
とナチュラルにお隣の国へ2人を押し付けました。魔女と武士の戦闘によって荒野になってしまった山は、隣国の貿易路であると同時に難所でもあったため嘘は言っていません。
そして2人は「え、なにそれ知らない」と褒賞を拒否った隣国の王様から金銀財宝をカツアゲし、それを結婚資金にして故郷に帰り幸せに暮らしましたとさ。
「———これがパピーとマミーの馴れ初めだ」
さてさて。そんな暴虐が魔王よりも魔王な魔女と武士も丸くなり、とっても愛らしい娘を1人授かりました。
「なにそれ初耳」
「話してなかったからな」
「ていうか両親が強盗したお金で建てた家に住んでるとか聞きたくなかった……」
「まぁそう言うな。弟子たちが軟弱なせいで暇なんだ。パピーに構ってくれ」
「『2時間全力ダッシュ耐久レース。脱落者はケツ木刀』なんてやればそうなるでしょ……」
「たかが2時間程度全力で走れなくてどうする? 肺活量は大事だろう。亀を助けた後、気付かないうちに青年から老人になるまで海底で息を止め続けた心優しい漁師だっているんだぞ」
「たぶんその漁師さんが特殊だったんだね」
「ちなみにパピーもやればできる」
「あっそ」
「なんだ…パピーに冷たいじゃないか」
「洗濯物干してる時にいきなり父上がだる絡みしてきたら冷たくもなるでしょ」
「パピーと呼びなさい!」
だる……っとウンザリ顔を隠しもしない着物姿の愛らしい女の子。それは一体誰でしょう?
名前はモミジ。そう、14歳の私なんだよ。今、父親がウザくてすごく家出したい!
「ちなみに金銀財宝は借りただけだ。強盗じゃない」
「旅人が旅先でお金を借りるのは強盗と同義だと思うよ」
内弟子の1人が復活したことにより、鍛錬が再開されました。父上の方針で、内弟子は集団行動を基本としています。いくら死ぬ一歩手前まで疲れていても、1人が元気になれば強制的に全員元気にならないといけません。内弟子のみんな、ファイトー!
次のメニューは乱取り———全員が木刀で父上に殴り掛かるという単純なものですが、これは内弟子50人以上が疲れて倒れるまで続きます。できれば晩御飯までには終わってほしいな。せっかく作ったのに冷めちゃう。
攻撃の掛け声が次の瞬間には悲鳴に変わるのをBGMに、私は台所にいる母上のもとへトテトテと走りました。洗濯が終わったことの報告をしないといけないからね。
あと丁度いい時間なので、おやつも貰おうっと!
「母上〜。洗濯終わったよ〜」
「はい、ご苦労様。今ちょうどおしるこ出来たのよ」
「やった! お餅入れてもいい?」
「2個までなら」
「じゃあ2個‼︎」
「はいはい。欲張りさんね」
「母上も一緒に食べよう?」
「そうね。ちょうど仕込みも終わったことだし」
着物の上に割烹着を着た母上は、晩御飯の下拵えと私のおやつを同時進行で作ってくれてたみたい。
両手でおしるこをよそいながら、
何故か母上は魔法を両手に纏わせるというトンチキな技術を多用するので、杖は口に咥えて絶妙な舌使いで魔法を使うのです。なんでも、魔法を使うのにいちいち片手を塞ぐのはもったいないとのこと。
でも実際、こうやって魔法を使うことでお料理の効率が格段に上がってるので、そこそこ有用なのかもしれない。練習方法はさくらんぼのヘタを舌で結ぶことらしい。私も挑戦したけど、舌
「———それでね、父上がパピーって呼べってうるさいの」
「あらあら。でもマミーもマミーって呼んでほしいわ」
「えぇ〜…なんか格好悪いよぉ……」
「そうかしら? マミーって甘えてくるモミジ、可愛いと思うけど」
う〜ん……そんな事しなくても私は可愛いはずだけどなぁ。
「晩御飯のお手伝いは何かある?」
「特に無いわね。あとは煮込むだけだし、お魚も捌き終わっちゃった。強いて言えば盛り付けくらいかしら」
「そっか! じゃあ一緒にお昼寝しようよ」
「食べてすぐ寝るのは体に良くないのよ?」
「でも気持ち良いよ」
「めっちゃ分かる」
熱々のおしるこを食べながら、私達は他愛もないお喋りに花を咲かせます。
なんだかんだで私も母上も内弟子50人以上の衣食住を世話しないといけないので、こうやってゆっくり話す時間はあまりありません。それこそ寝る前とかかな。
あとは母上の護身術レッスンが終わった後のお茶会とか。でもあれは他の生徒さんもいるから、あんまり母上を独り占めできないし。
マザコン丸出しで隣の母上にもたれかかると、肩甲骨辺りまで伸ばした私の髪を一束持ち上げられた。
「髪伸びたわね。少し切ってあげようか?」
「前も言ったでしょ? 伸ばしてるから切らないよ」
「でも家事してるとき鬱陶しくない?」
「それはたまにあるかも……」
「まとめちゃえば良いのに」
「……ううん。大丈夫」
母上はまとめてないもん。だったら私もまとめない。
「綺麗な髪ね。若いって良いわぁ」
「母上は髪だけじゃなくて全部綺麗だよね」
「ふふ、お世辞が上手になったんじゃない?」
そう言って私の器に自分のお餅をポチャンと入れてくれた。やったね。
翌日。今日は週に一度の母上が開催する『うさぎと亀さんコース』———護身術の日です。
「ほら! 足運びが疎かよ! 下半身が上半身についてきてない」
「はい!」
世の中にはか弱い女性を狙う卑劣漢が普通にいます。そして狙われるのは大体女性が1人でいる時。その状況で自分を守れるのは、自分しかいないからね。
ご婦人方が参加する習い事のような印象だけど、この鍛錬の時間に限って言えば母上は私にだけ厳しい。それがどういう意味なのか分からないほど私も馬鹿じゃないけど、やっぱりもう少し優しくしてくれても……。
「余計なことは考えない!」
「痛ったぁ……!」
バシンッと。足払いで重心が崩れた瞬間、背中から床に叩きつけられた。最低限の受身は取ったけど……ぐっ、痛みで動けない…!
「倒されたらすぐに立つ!」
「うぐっ…ぐぐぐ……‼︎」
「早くしなさい!」
「うぅぅ…ひっく、…ふえぇ……」
あまりの厳しさに涙が滲みます。痛いよぉ……。
「え、ちょっ、ご、ごめんなさい! 打ちどころ悪かったかしら?」
「うえぇぇぇぇぇん‼︎痛いよぉ! もう母上なんて嫌い‼︎」
「んなっ……っ⁉︎」
“嫌い”という言葉にかつてないダメージを受ける母上。おろおろと意味もなく手を動かしながら私の顔を覗き込んできます。……チャーンス。
「せいっ!」
私は即座に魔力を右手へ集め、杖を取り出して母上の肩を狙う。
肩に攻撃を当てれば、それは顔にも当てられたという判定になります。本来は油断させて魔法の杖で目を潰す技———通称マジカル目潰しですが、母上の顔を傷つけるわけにはいかないからね。
完璧なタイミングで放った杖の突きは、パシッ。普通に人差し指と中指に挟んで止められた。
それだけに終わらず———クル。私と突き側に体を回してその勢いで杖を奪われちゃったよ⁉︎
「作戦は悪くなかったけど、もう少し泣く演技を磨いたほうが良いわね」
「ひゃ、ひゃい……」
奪われた杖を眼球スレスレで寸止めされた私は、母上の凛々しいご尊顔にキュンキュンしながら頷くしかありませんでした。
……なるほどね。私の“嫌い”という言葉にダメージを受けたのが母上の演技だったんだ。そして攻撃を誘われた。
床に転がされた上、杖を奪われた私にもはや打つ手無し。
「参りました……」
「よろしい。さぁもう一回よ。今度はマミーも杖を使う
私の手を引いて起こしながら、地味に怖いことを言いながら構える母上。怪我しないよう気を引き締めて頑張ろうっと……。
2時間の鍛錬が終わり自由参加のお茶会をマダム達と楽しんだ後、私と母上は家事にまた戻ります。
道場は私達が使っていたので、父上と内弟子たちは近くの山に行ったのですが……
「えぇ……」
洗濯籠に入れられた内弟子たちの道着を見て私は泣きたくなりました。冗談みたいに汚いんだけど。泥汚れならまだしも、血まで付いてるし。しかも乾いてる。せめて軽く水で流してよぉ……血って落ちにくいんだよ!
「お、モミジ。今日は牡丹鍋にしてくれ。さっき狩ってきたからな」
「……ねぇ、父上? この血はなんなの?」
「イノシシのだ。最近巨大なイノシシが畑を荒らしていてな。内弟子の鍛錬で山に入ったらちょうどそれがいたんで、ついでに退治してきた」
「いや、私が言いたいのはそうじゃなくてさ。どうして一瞬たりとも道着の汚れを落とそうという努力が垣間見えないのか聞いてるんだけど」
私の怒り、分かるかな? ただでさえ男の汗まみれで臭い上に、泥だらけで血まみれの道着が50人分以上だよ⁉︎これ全部私が洗うんだよ⁉︎もう焼却して新しいの買った方が絶対楽じゃん!
「そろそろ覚えて! 血は落ちにくいの⁉︎てかイノシシの血なら尚更少しは落としてよ! 男臭さと獣臭さのアンサンブルでここら一帯えげつない匂いになってるんだけど⁉︎」
「モミジ……まさかキレてるのか?」
「見れば分かるでしょ‼︎」
「ついに反抗期か」
「違うわ‼︎」
何故かしみじみとした様子で頷く父上に、私の怒りは頂点に達する。
「だあーーー‼︎もうやだ! もう私この家出てく! 家事に協力的じゃない父親なんて最悪だからね! 父上なんて大嫌い!」
「またまた〜」
「本心だよバーカ!」
「くっ……これが娘を持つ父親の宿命か」
「死ね!」
「ふっ。その程度の暴言、とっくに覚悟はしていたさ」
ダメだ……。私の言いたいこと全然理解してない。
「話は変わるが、何故イノシシを使った鍋が牡丹鍋と呼ばれるか知っているか?」
そして理解する気もない。
「……盛り付ける時に牡丹花みたいな形にするからでしょ」
「諸説あるがな‼︎」
何故かドヤ顔でいう父上に、ブチッ…! 私の中の何かが切れました。
「もう怒った! 本当に怒ったから! 家出する! 旅に出る!」
「そうか。暗くなる前に帰ってくるんだぞ」
「帰ってこないって言ってるの!」
「友達の家に泊まるのか? ……いや、それはないな。パピーは知ってる。確かお前に友達はいなかったはずだ」
「さりげなく気にしてること言うのやめてくれない⁉︎」
いないけど! 確かに私友達1人もいないけど! それを口に出して言うってデリカシーないの⁉︎
「いいもん! 野宿でもなんでもするから」
「———やめておけ」
瞬間、父上の声音が変わった。そして正面にいたはずなのに、いつの間にか私の背後に立っている。
(全然見えなかった)
……いや、違う。私は今興奮してたせいで瞬きが増えてたんだ。その瞬き1回分の間に、父上は普通に歩いて後ろへ回り込んだ。
「今の動きにすら反応できないようなお前に野宿は無理だ」
「そ、そんなのわからないじゃん」
「お前は人の悪意に鈍感過ぎる」
意味が分からない。なんで今このタイミングでそんな話になるのか。
「パピーは今、お前をわざと怒らせた。何故だか分かるか?」
「…………」
「怒らせることで、本題から目を逸らさせたんだ。今回のことで言えば、道着の汚れを落とさなかったという所だな」
「逸らさせてどうするのさ」
「うやむやにする」
いや、行動と目的の落差よ……。
「ふむ……これも良い機会か」
まさに落胆する私を見て、父上は顎に手を当てて神妙に頷いた。何が良い機会なのかは分からないけど、何かを企んでいるのは分かる。
「モミジ。お前、最近よく『旅に出たい』とか『家出する』とか言うようになったよな」
「そうね」
「何故?」
「そんなの決まってるじゃん。———嫌になったの。父上や内弟子の臭い道着を洗う毎日に嫌気が差したんだよ」
私の答えに、顔を顰める父上。あまりにもくだらない理由で呆れてるのかも。
だけど側から見たらくだらなくても、私からすれば大問題。あの臭い洗濯の山から解放されるなら、今の生活を捨てても良いと思えるくらいにはなってるよ。
「そんなに臭いか?」
「特に父上のはヤバい」
「……そうか」
あれ? 心なしか父上が煤けてる。
「ま、まぁ、理由はなんでも良い」
「じゃあ聞かないでよ」
「仮に旅に出たとしよう。お前、外でちゃんとやっていけると思うか?」
「思う」
「わお即答」
自分で言うのもアレだけど、私はいつだって自分に無限の可能性を感じています。それに、未熟ではあっても魔法使い。何か困ったことがあっても、魔法でちょちょいっと解決できるしね。
「逆に聞きたいんだけど、どうして父上はいつも私が国の外へ出ることに反対するの?」
家庭内のヒエラルキーで言えば、私の中で父上は最下位です。内弟子も含めて。
でも、一応の立場上は家長になります。つまり家庭内での問題に対する決定権は父上が握っている。娘である私は父上の許しが無ければ旅に出られません。
「理由を挙げていけばキリが無いが、一言でまとめるなら『無理だから』だな」
「そんなことないもん! 母上から習った体術があるし、魔法だって使える。過重力だけなら魔女にも迫るって言われてるんだよ!」
「———それがどうした」
「っ⁉︎」
またも父上は私の背後に回る。この……バカにして‼︎
「体術が使える。魔法が使える。過重力なら魔女にも迫る。———それが旅をする上でなんの役に立つんだ?」
「つ、強いじゃん!」
「だから、旅人が強くてなんの役に立つ?」
「自分で自分を守れる!」
「それ以外は?」
まるで邪魔な石を蹴ってどかすように、父上は私の反論を悉く潰す。でもこんなのただの意地悪じゃんか! 子どもが『なんで? なんで?』って聞いて相手を黙らせるのと変わらないよ!
……でも、私はそれ以上の言葉を紡げない。悔しいけど思いつかないんだ。
「結局お前は嫌なことから逃げたいだけだ。それ自体は人間なら仕方ないことだが、逃げ場くらい考えろ」
言われっぱなしで私の目には涙が浮かびます。でも、泣くもんか…!
「だったら! どうしたら旅に出るの認めてくれるんだよ!」
「ふむ……」
顎に手を当てて父上は少し考える仕草。3秒ほどでまとまったのか、ポンと手を打ちました。
「1週間後、決闘しよう。審判役はマミーに任せる。どちらかが参ったと言うか、マミーが勝ち負けを判断したら終わりだ」
「……私が父上に勝ったら旅に行くの許してくれる?」
「あぁ」
「本当‼︎」
「本当だ。パピーは嘘つかない」
だったら……やってやる! 拳を握って意気込む私に、重ねて父上はあっさりと言う。
「もしお前が負けたら、2度と旅に出たいなんて戯言はほざくな。これは最初で最後のチャンスだ。心して臨め」
「わかった。絶対に勝つ」
ふっ、と笑う父上。でもそれは明らかに嘲笑だった。勝てるわけが無いと決めつけてるね。
「あと1つ」
「なにさ」
「パピーと呼びなさい」
うっせぇわ。
はい、いかがでしたか?モミジちゃんの性格は基本的にパピ上譲りです。
できればもう少しマミ上に関しても掘り下げて良かったかもしれませんね。
あまり俺TUEEE系の無双主人公は好みじゃないのですが、親がバカ強いのは大好きなので両親はこんな感じになりました。
魔女を圧倒する剣士と肉弾戦特化の魔女。そりゃあ娘も脳筋になりますよ。
ps.16巻もやっぱり最高でした。反抗期の娘、良き!