WHITE ALBUM2 〜噛み合わない恋の物語〜 作:シキト4910
というわけで記念に投稿します!(明日もテストがありますが………w
「……………軽音楽同好会………?なんであたしがそんなものに入らなきゃいけないんだ?」
まあかずさちゃんが言ってることは当然の疑問だろう。
急に勧誘してくるなんて思ってもみなかっただろうし。
っていうかかずさちゃんの性格的に人前に出て演奏するなんて死んでも嫌だろうし。
……あ、そう思ったらかずさちゃんが入ってくれる可能性ってないじゃん!
「それは冬馬のピアノが上手いからだ。絶対学園祭で演奏したら盛り上がる!」
「なんであたしがそんな公開羞恥プレイみたいなこと…………っと、その前に一つ聞いてもいい?……結果は変わらないと思うけど」
「ああ、いいけど」
「………そ、その……、秋斗は入ってるのか…………?」
ここでなんで僕のことを!?
何のつもりなんだかずさちゃん!?というかそれ聞いてどうするつもりなんだ!
………うん、わかんないから話を先に進めてしまおう。
「僕?……僕は軽音楽同好会には入部してないよ。色々事情があるからね」
「そっか……ま、とにかくあたしはそんなものには入らない。………お金、ここに置いておくから。あたしは帰る」
「じゃあね、かずさちゃん、また学校で」
かずさちゃんはお金を置いて帰ってしまった。
………勧誘は失敗、か。
でもまだ望みがないってわけじゃなさそうだ。
かずさちゃん、なんだかんだ言って春希のこと好きみたいだし。友達としてか異性としてかは分からないけど。
「じゃあ春希、僕も帰るね。………それと、諦めないでね、かずさちゃんのこと。色んな意味で」
そう言って僕もお金を置いて店から出る。
そうだ、今日のことあの子に報告しなきゃ。
そして携帯を取り出して電話をかける。画面に表示されている名前は『小木曽雪菜』。
「あ、雪菜ちゃん?僕だけど、実は軽音楽同好会にピアノは………へ?知ってた?それで明日会いに行って勧誘してくる?……いいよそんなの。春希の役目なんだから。……個人的に会って話がしたい?………そこまで言うならいいけど……うん、じゃあまた明日」
はあ、変なところで強情なんだから、あの子は。
………ったく、明日か。かずさちゃんも災難だね。
雪菜ちゃんの本当の顔を見てびっくりしたりしてね。
「さあ家帰って風呂入って寝よう」
でもちょっとだけ、ちょっとだけだけど………
まださっき感じた言いようのない気持ち悪さが胸に渦巻いていたーーーーー
そのころグッディーズでは
「あいつ……どこまで気づいてるんだ?」
「お待たせしました〜なめらかプリン5つです」
「うおっ!………あいつまだ頼んでたのかよ!?……ってか置き方が雑だな。……まったくこの店は………」
この時春希は自分が将来この店で働くことになろうとは、夢にも思っていなかったーー
ーーーーーーーーーーーーーー
雪菜side
〈次の日〉
「ねえ、あなたが冬馬かずささん、………だよね?」
「そういうあんたは…………小木曽雪菜?」
私は今、昨日秋斗くんに伝えたとおり、冬馬さんとお話しするためにここに来ている。
そして北原くんにある程度の事情は聞いた。
冬馬さんに一度ギターを教えてもらったっていうことも。
「わたしのこと知っててくれたんだ、嬉しいな」
「そりゃあんたは学園のアイドルだし………で、あたしに何か用?」
やっぱり敵わないな。さらさらの黒髪のロングヘアー。
……わたしはこれ以上伸ばすと癖っ毛になっちゃうのに。
………そして極めつけは………はあ。本当に敵わないなあ。
「……なに?人の体ジロジロ見て。……何か話があるんじゃないの?」
「あ、そうだった。ねえ、立ち話もなんだから、どこかお店に入らない?」
「あたしは別にいいけど………大体何の話をするの?」
「それは………着いてからのお楽しみだよ。さあ、行こっ」
こうでも言わないと、きっと冬馬さんは話を聞こうとしてくれないから。
それに昨日言ったようにわたしが個人的に話したいこともあるし。
そういうわけでわたしたちは近くのファストフード店へ入った。
「うわあ、冬馬さんそんなに食べるんだ……」
「ああ、これは夕飯替わりだから」
「でも………やっぱりサラダとかも頼んだ方が良いよ」
「はあ………あいつの周りはこんなのばっかりか」
いいなあ、冬馬さん、あんなに食べてもこのスタイルだなんて!
……わたしはいちいち食事に気を使うのにな………
「それで、そろそろ本題に入ってくれない?」
「わたしさ、軽音楽同好会に入ったんだ」
「そっか、それは良かったな」
「まあ、学園祭だけの一度きりのユニットなんだけどね」
「ふぅん、そっか」
冬馬さんは興味が無いように呟く。でもそういう反応は予想済み。
そしてわたしがこれからどうすればいいのかも、予想済み。
「冬馬さんも入ってくれないかな?」
「はあ……あの馬鹿に頼みこまれた?」
「北原くんはそんなことしないよ。人に頼った方がいいって分かってるのに自分でやろうとしちゃうタイプ。もちろん秋斗くんもね」
「………え?秋斗……?あいつは軽音楽同好会には入ってないって………」
「あれ?彼から聞いてないの?秋斗くんは軽音楽同好会には入れないけどライブには参加して歌ってくれるって」
「そんなこと昨日は一度も………と、とにかくあたしは入らない。入る理由もないしね」
「本当にそうかなあ」
「さっきから癪に障るな。あんた学校では猫被ってる?」
わたしが猫被ってるんじゃない。周りの人が勝手に「お嬢様」の小木曽雪菜で見るからそう思うだけ。
って今はわたしの話じゃない。北原くんから話を聞いて、わたしがどうしても気になったことがある。
「だって冬馬さん、隣の教室でギターを弾いてるのが北原くんだって知ってたから一緒に弾いたんだよね?」
「っ!?」
「それと秋斗くん。何かあなたとは特別な関係があるみたい。………ねえ冬馬さん。あなたはどっちが好きなの?………それとも」
「っ!…………帰る」
そう言って冬馬さんはわたしから逃げるように店から出る。
「ねえ、これから時間ある?良かったらこれからカラオケでも」
「断る。一人で永遠に歌われても場がもたない」
「あはは……知ってたんだ」
「……北原から聞いた」
「そっか。……じゃあ冬馬さん、また近い内に」
そうわたしは一方的に言って冬馬さんと別れる。
「これからどうしようかな………あ、そうだ家へ招待しよう!………みんな週末空いてるかな?」
わたしの話したいことは終わった。
あとは冬馬さんを軽音楽同好会へ迎え入れるだけ。
「さっ、これから色々頑張らないとね………」
そう決意してわたしは家へと帰った。
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