きゅっきゅふきふき☆きらぴかりん♪ ハイスクールD×D異聞~外宇宙文明を添えて   作:グレン×グレン

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 さて、ちょっとヘビー寄りな話になります。


第一章 其の十二  人間、いろいろな過去を背負っている者は数多い(吸血鬼含む)

 

 コカビエルをどうにかした後、堕天使側の対応はよくわからないことになっていたというべきだろう。

 

 白龍皇はさっさと残っていたコカビエルやフリード・セルゼンを回収してとっとと帰還。

 

 龍華姉さんや麗華姉さんは、ゼルマンと一緒に駒王学園の破損の修復を手伝った後に返っていった。

 

 その後、堕天使側はコカビエルを地獄の最下層であるコキュートスに永久冷凍刑にして封印。まあこれで当面は大丈夫だろう。

 

 そして堕天使総督アザゼルから謝罪文が各勢力に送らており、その中で三大勢力の会談を開きたいという旨もあったそうだ。

 

 もとから俺たちが召集される可能性はあったが、さすがに現場の連中を全員呼び出すような真似はすまい。アメリアは主の死でショックだろうし、珊瑚にその手の業務は無理だから俺が呼ばれるとは思ったんだが―

 

 ……どうも、ジュリエット部隊第三班は全員参加になりそうだ。

 

 天使長ミカエル様もくる中、信仰心の強さから情緒不安定になりかねないイリナと、自ら「現状で自分がいるのは危険」と行方を消しやがったハイゲイトの変わりッて側面もあるんだろう。

 

 ソーナ・シトリー眷属もソーナ・シトリー及び女王の新羅椿姫が参加するそうだ。堕天使側も白龍皇とローズ・セイバーは全員参加らしい。

 

 可能な限りコカビエルと直接かち合って主の死を知った者たちを集める感じだな。

 

 ………まあ、だからこそ必要なことをするほかないわけで―

 

 

 

 

 

 

 

 

「………うぅ、やっぱりかなり心配をかけてましたか」

 

 そうへこむアメリアを引っ張り出し、外食をすることにした。

 

 まああれだ、日本じゃ飲酒可能年齢が二十歳以上だから酒は飲めないけど、何かしらの形で騒げば少しは気が晴れるだろう。

 

「まあ、アメリアは真面目だからガスの抜き方が下手だしな。あまりアレなようなら俺がフォローするから、気にせず豪快に発散しとけ」

 

 俺がそう言ってアメリアにはっぱをかけていると、なぜは珊瑚が目を輝かせた。

 

「………ん! いっぱい食べる」

 

「おまえは抑えろ。今回行くのは食べ放題の店じゃないからな?」

 

 そう言いながら、俺たちは駒王町の外に行って、それなりに高い店に行く。

 

 高い店といってもマナーにうるさそうなところではなく、やけ食いとかに向いてそうな中華料理店だ。

 

 リアス・グレモリーのスライディング土下座を頼み、そして「アメリアがだめだと会談で問題が発生しそう」と見抜かれたことで、予約及び割引券の調達をしてもらった。

 

 まあ割引券なんてあるんだから、それなりにどうにかなるって感じだろう。主に珊瑚当たりの不安は考慮してもらっているはずだ。

 

 だからまあ、俺はその辺を気にして駅まで付くとそのまま改札に行こうとして―

 

「……まさか、君は錬一君か!?」

 

 ―ちょうど出てきた男の人に、目を見開かれて驚かれた。

 

 ………こ、この人はぁ!?

 

「龍城兄さん!? うわ、六年ぶりぐらいのはずなのに全然変わってない!」

 

 麻生田龍城(おうだ たつき)。龍華姉さんと年の離れたお兄さんだ。もう三十歳ぐらいになる。

 

 南米に行く前には結婚予定とは聞いていたが、都会に出てたのか。

 

「……()()()から一応の連絡は受けていたよ。今日は仕事が早く終わったから、ふとこのあたりだと思ってちょっと降りていたんだ」

 

 龍華姉さん、やっぱり伝えてたのか。

 

 しっかしあいつって、龍華姉さんのことだよな?

 

 もっと仲がいい兄妹のはずなんだが、なんか扱いがぞんざいになってるな。

 

「あ~。なんか後々お世話かけると思います。あ、良ければ一緒に行きます? ちょっと外食するんですけど」

 

 ちょっときまづかったが、つもり話もあるから俺は誘ってみた。

 

 ……その時、気まずそうに視線をそらしたのがよくわかった。

 

「いや、俺も妻と子供がいるんでな。あまりいきなりの外食は心配をかけるから、今日は遠慮するよ」

 

 ………まあ、死んだと思った子供が、暗部組織なんて物騒なところに所属してるんだ。気にもなるだろう。

 

 俺はそう思いつつ、それとなくあれからのことも聞きたかったので、約束だけは交わそうと思った。

 

 龍華姉さんともいろいろ話したいことはあるし、いい機会だ。

 

「じゃあ、今度面倒ごとが片付いたら会いに行きます。龍華姉さんとも一緒の食事でも―」

 

「すまない」

 

 そう、なんか急に声のトーンを落としながら、龍城兄さんは顔をそむける。

 

「いま、龍華とは会えない……というか、会うときっと、君も気分を悪くすることになると思う」

 

 ………ああ、なるほど。

 

「なんであんな所にいると思ってはいましたが、やっぱ訳ありということですか」

 

 俺もまあ、それなりに酸いも甘いも経験している。

 

 暗部なんだから、きれいごとばかり言えない時だって多い。だからまあ、それなりに悲劇的なことや胸糞悪いことも知っている。

 

 教会側が不正を行っていたり、借金とかでいつの間にかシスターが薬中になってたりま。一部の性格の悪い悪魔が詐欺一歩手前の手法で強引に転生悪魔ってのもある。堕天使がらみでも、戦力にしているはぐれ悪魔祓いは問題があることが多いから、そういうえぐいことがあったりもする。

 

 龍華姉さんも、いろいろあったってことだろうな。

 

「……すまない。俺の口から直接言えることじゃないけど、龍華にも問いたださないでやってくれ」

 

 龍城兄さんは、そういうと背を向いた。

 

 これ以上言うとぽろっと漏らすかもしれないとか、そんな感じだろう。

 

 嫌いになったわけじゃないけど、それでも会いたいと思えないって感じだな、これは。

 

「連絡先は龍華から、まだあってない前提で聞いてくれないか? 今の住所とかを送ってくれたら、あの後引き取ったものを送るよ。遺品とかは倉庫にしまってるし、実は貯金関係も大丈夫だから」

 

「……ええ。ありがとうございます」

 

 ………六年か。

 

 人が変わるには十分すぎる。それが望む望まないにかかわらず、少しは変わらないといけない時間だ。

 

 まして年月があるなら、なおさらって感じでもあるんだよなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜、詳細な会談の日時が来た。

 

 龍華姉さんも出席するはずだ。

 

 俺はその時、平然を装えるんだろうか………。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、引きこもりの女装男子を社会復帰させたいんだけど、どうすりゃいい?」

 

「意味が分からねえよ。人がせっかくリクエストにこたえたってのに、何言ってんだおまえ」

 

 俺はそう言って、兵藤にチーズケーキをふるまった。

 

 会談前の会議でリアス・グレモリーたちはいなかったが、なぜかリクエストで注文の数も増えたので、こうして来たってわけだ。

 

 というより、なんで俺に聞く。

 

「そいつは親せきの人間とか?」

 

「いや? 部長の眷属悪魔の一人で、ハーフヴァンパイアのギャスパーってやつなんだ」

 

 なおさらなんで俺に聞く。

 

「なあ。俺がどこの勢力に所属してるか忘れたか? 教会だぞ、きょーうーかーいー!」

 

「だからだよ。教会はヴァンパイアとも戦ってるんだろ? だったら何か知ってるかと思ってさぁ」

 

 こいつ、なれ合ってはいるが俺たちは本来敵同士なんだけどな。

 

 というよりだな。

 

「基本教会が相手するのは、カーミラとかツェペシュとかの命令で攻撃してくる珍しいケースと、追放されてヤンチャしてるアグレッシブな奴ら限定でな。引きこもりのハーフヴァンパイアとか、初耳だぞ」

 

「ああ。しかも女装で……めっちゃ似合う」

 

 どこかすすけてるように見えるのは、女装男子だと知らされる前に見て妄想でもしてたんだろう。

 

 まあ、俺も人並みの性欲はあるから、ちょっと同情する。

 

 まあいい。当面の宿を手配してもらった借りを返すようなものか。

 

「で? そもそも何がどうなってるんだ? 一から話せ」

 

 で、聞いた話なんだが結構大変な話ではある。

 

 まずそのハーフヴァンパイアは、ギャスパー・ヴラディ。ヴラディ家っていうと結構吸血鬼業界では名門だったはずだ。いいとこの坊ちゃんだな。

 

 で、そのいいとこの坊ちゃんはハーフゆえか神器が宿っていた。

 

 停止世界の邪眼(フォービドゥン・バロール・ビュー)。視認した対象の時間を停止させる、俺のお袋と同じく目に関する神器だ。ケルト神話の神である、見た相手を問答無用で殺せるという邪眼をもったバロールという神にあやかっている。

 

 だがしかし、ギャスパーはそれをうまく使いこなすことができなかったそうだ。

 

 ハーフとはいえ吸血鬼でありながら、神器が宿った挙句に使いこなせない。

 

 これもまた、聖書の神の死の弊害か。ハーフどころか人間ベースの転生悪魔の子供に宿ることもあるといわれてるし、バグだとしたら盛大にひどいな。

 

 まあそれはともかく、神器を使いこなせず盛大に停止沙汰をやらかしていたわけだ。さらに吸血鬼は悪魔以上に血統主義が運びっている。扱いに困るハーフなんて嫌われて当然だろうし、そのまま追放されてヴァンパイアハンターに襲われ、そこをリアス・グレモリーに拾われた。

 

 しかし悪魔になっても神器は使いこなせず、上層部も危険視して基本は封印。しかし最近活躍が目覚ましいことから「今なら大丈夫かもしれない」として、封印が解放。

 

 しかし対人恐怖症かつ引きこもりとかしており、何とかして復帰させようと周りが努力するも、イッセーのお得意様という人がいい契約者で鳴らそうとしたら、男の娘萌えで暴走され、ショックで引きこもったと。

 

「どうもギャスパー、森沢さんが怖かったんじゃなくて、停止させちゃったことの方がショックみたいでさぁ」

 

 と、イッセーはギャスパーとやらがこもっているドアの前で座り込みをしながら、そう説明する。

 

「森沢さんも怒ってないから、そこまで気にしなくてもいいと思うだけど」

 

「それは物差しの使い方が間違ってるな」

 

 俺なりにアドバイスするなら、やっぱこうなるな。

 

「いいかイッセー。人間……お前はもう悪魔だし、ギャスパーは吸血鬼でもあるけど、とりあえずその辺まとめて人として定義するぞ?」

 

 ややこしい当たりをちょっと前置きして、本題だ。

 

「人っていうのは社会を構成する限り、物差しを複数本使い分ける必要がある。メートルを図るメジャーで重さをはかることができないように、評価の仕方や基準を一つだけにしては社会で生きていくことは不可能に近いからだ」

 

「………もうちょっとわかりやすく」

 

 ふむ。難しいか。

 

 これもまた物差しの違いってやつだな。ならイッセーにわかりやすそうな単位というか比較の仕方は何だろうか。

 

 あ、いいのがあった。

 

「……彼女がいてもエロ本を読みたくなるようなものだと考えろ」

 

「なるほど! 現実で〇辱があったら胸糞悪いし殴りたくなるけど、エロ本で凌〇があっても普通に置かずにできるって感じか」

 

 よし。とりあえず大体分かったようだ。

 

 で、話を進めよう。

 

「そのギャスパーって奴からすれば、人に迷惑をかけること自体嫌いみたいだし、戦闘が好きってわけでもなさそうな印象がある。なら、停止世界の邪眼の力はあいつにとってメリットがないうえ、制御が難しくて暴発するなら有害でしかない」

 

 ま、この神器は積極的に戦闘とかをする手合いでないと、悪行じゃない有効活用はそうないだろう。

 

 冷静に考えれば、逃げる犯人を追いかける時とか、救急車で出血が激しいけが人を運んでいる時の延命処置とかには使えそうだが、こういうのは真剣に考えないと分かりづらい。

 

 まして荒事とかにかかわりたがる手合いではなさそうだし、そういう意味では必要性を感じることはまずないだろう。

 

「余計な重荷のせいで人に迷惑をかけている。これで責任感が強かったり自罰的な傾向ならなおさら精神的に苦痛だろう」

 

 俺はここまで言ってから、ちょっと切って続ける。

 

「かといって「俺が迷惑してるのに俺のせいにするんじゃねえ!」とか言って切れる他罰的なタイプだと、瞬間的に凶行に走りかねない。ギャスパーの性格がいいか悪いかは、それこそTPOや個人の価値観で物差しが変わるから、一概にどうこう言う問題じゃないな」

 

「む、難しい問題になってきたな。俺は頭がこんがらがりそうなんだけど」

 

 ま、こいつはそういう細かいところに目が行くタイプじゃなさそうだ。

 

 体当たりで問題にぶつかったり、つらい時に一緒にいてほっとさせるタイプ。問題解決のための策を考えたり、説得とかで意識を切り替えさせるタイプではない。

 

 ま、本来こういうのはカウンセラーとかセラピストの仕事だし、素人の高校生が困るのも当然か。

 

 とはいえ、できることがないわけでもない。

 

「……こういう時は物差しを取り換えるのが一番だろう。悪事以外の形で「この神器があればこんなメリットがある」という指摘をしてみるとかどうだ?」

 

「というと?」

 

 イッセーが首をかしげるので、俺はもう少しかみ砕いてみる。

 

「要は「こんな神器を持ってる自分は疫病神だ」みたいなところがあるからな。「こんな自分の神器でもこんないいことに使える」とか思わせるってわけだ」

 

 ま、実際それで一瞬でどうこうなるとは思えないがな。

 

 こういうのはゆっくりじっくり腰を据えるのが基本で、すぐに完全回復とかできる類じゃない。

 

 それにまあ、問題がないでもない。

 

「ま、内容次第じゃ「そんなことしたくないのにしろっていうのか!」的なことになるかもしれない。だからもう少し人となりを知って、そいつにあったもので活用方法を考えるべきで―」

 

「………いや、それなら問題ない」

 

 ………なんか、盛大に嫌な予感がする。

 

「ギャスパー! 疫病神なんてとんでもない! お前の神器はお前にとってもとっても素晴らしい神様の祝福なんだぜ!」

 

 俺、止めた方がいいような気が―

 

「だって女の子を停止させれば、スカートの中をのぞき放題だし胸も触り放題だ! 男としてこんな素晴らしい力があるって素晴らしいだr―」

 

「悪事以外つったろうが!」

 

 遠慮なく蒼穹天の剛腕を出すと、フィンブレードを刃を立てないように全部イッセーにたたきつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ただし、これが意外と受けたのか話は進んだらしい。木場祐斗が来てから猥談になりかけたので帰ったが、少しは好転したらしい。

 

 物差しは人によって違う。俺からすれば頭痛物のあの妄言も、ギャスパーからすれば呪いのような神器を前向きにとらえることができる明るさって風に見えたんだろう。

 

 まあ、面倒もは良くてまっすぐな好漢だ。あれで持てるタイプではあるんだろうな。

 

 ……覗きの常習犯でなければモテただろうに。なんてもったいない奴―

 

 

 

 

 

 

 

 ―いや、あいつ何度も菓子を届けに行った時の様子から見て、リアス・グレモリーとアーシア・アルジェントからの好感度高かったな。姫島朱乃も割と好意を隠してなかったし。

 

「……割れ鍋に綴じ蓋って、ああいうのを言うのかもな」

 

 俺はそんなことを、帰り道にぽつりとつぶやいた。

 




 終盤で一気にイッセーがギャグにもっていきましたwww









 物差しというたとえは錬一の口癖同然に扱っていこうかと思っております。なんていうか、わかりやすいキャラ付けにできますしね。

 口調の書き分けには限度がある以上、キャラをかき分けるにおいてスタンスの明確な区別というものは結構使えると思います。こと主人公という一番重要なファクターにおいては、明確に何かしらのとっかかりがあるかどうかって、印象の与え方を変えますしね。

 自作品でいうなら、ケイオスワールドの兵夜は転生してしまったが故の孤独感とかが原因で、絶大なイッセー信者とかしつつ、魔術師の血筋もあっての妙な割り切りっぷりとかを入れることができたので、この辺かなり特徴的にできた気がします。

 ロンギヌス・イレギュラーズにおいては「英雄」というポイントにクローズアップしているので、そのあたりのスタンスの違いなどでかなり書き分けができました。

 ちなみにこの作品も、ロンギヌス・イレギュラーズほどではありませんが「英雄」という観点にちょっと深入りしてみる感じでもあります。そういう意味では英雄派にもフォーカスが当たる可能性もあります。
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