きゅっきゅふきふき☆きらぴかりん♪ ハイスクールD×D異聞~外宇宙文明を添えて   作:グレン×グレン

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はい、なんというか注目したくなる題名ですよね。









まあ、今回は本当にちょっとしたことではあるんですけどね。


第一章 其の十三 運命との出会い

 

 そんなこんなであと数日。

 

 そしたら駒王学園の高等部で会談が起きる。

 

 何がどうなるかはわからないが、ミカエル様は「セラフには戦争継続の意思はない」とおっしゃられていた。

 

 サーゼクス・ルシファーも平和主義なようで、戦争を起こしたいと願ってはいなかった。

 

 そして堕天使側も、ゼルマンや姉さんたちの反応から見て戦争を再開させようという発想はなさそうだ。

 

 これは、和平が結ばれる可能性は十分にあるな。

 

 最も、だからこそ余計なことをするバカが出てくる可能性は大きいだろう。

 

 堕天使側はコカビエルが盛大にぶっ飛ばされてるから比較的ましだろうが、教会側は天使が悪魔と和平なんて信仰に揺らぎが生じるレベルで混乱するだろうな。悪魔側は戦争継続派を内乱の末に追放してるとか言ってたし、もしかして一番安全か?

 

 ま、そこはともかく。

 

「……今日はリンゴが安かったからな。砂糖も結構手に入ったし、アップルパイでも作るか」

 

 そう独り言を呟きながら、俺はねぐらにしているマンションの扉を開き―

 

「れれれ錬一!? ちょうどいいところにもてなし。お茶請けを!?」

 

「お菓子! お菓子! 一緒にお菓子!」

 

 なんだ?

 

 アメリアが滅茶苦茶慌てていて、珊瑚も何故かちょっとテンションが上がっている。

 

 あと少し待て。珊瑚の手にあるワッフルはなんだ?

 

 俺は買った覚えがないんだが。

 

 そんなことを思ったその時、ドアが開いているリビングからひょっこり顔を出したのは―

 

「ああ、戻ってきましたか。入れ違いにならなくてよかったです」

 

「ミカエル様ぁあああああああ!?」

 

 なんでいるんですかぁ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「申し訳ありません。来るという情報が届いていれば、それなりのもてなしを用意したのですが……こんなものが限界で」

 

「……まさか日本のマンションでスフレニーヌを食べれるとは思いませんでした。というより、十分すぎるもてなしですが?」

 

 慌てて作ったスフレリーヌ(泡立てた卵を甘く仕上げたデザート版オムレツ)に切ったリンゴを添えて出した俺に、ミカエル様は苦笑を返す。

 

 いや、これぐらいはしないと精神的に死にます。

 

 時間さえあればアップルパイも完成していたというのに……迂闊!

 

 俺が内心で拳を握り締めている中、気を取り直したアメリアが、緊張で震える手を握りながら、まっすぐにミカエル様を見つめる。

 

「こんなところに来ていただきありがたいですが、何故と伺ってよろしいでしょう……珊瑚、待って、ちょっとだけ待って」

 

「……じゅるり」

 

 しまった!

 

 スフレリーヌなんてあまり作らないから、珊瑚の意識が完全にスフレリーヌに!

 

 ど、どうすればいい!? 今から作るか!?

 

 と思ったら、何時の間にかミカエル様は綺麗に四等分にしていた。

 

「こちらも時間がないので手身近に済ませますし、みんなで分けて食べましょう」

 

「やった! ありがと……です」

 

 神か。いや、熾天使だった。

 

 とりあえず珊瑚を落ち着かせることに成功しながら、俺たちは紅茶を入れて話を聞くことにする。

 

「ここに来たのは用事のついででもあります。三大勢力が手を取って迎撃した二天龍が新たに三大勢力の共闘に携わってくれましたので。ゲン担ぎとして今代の赤龍帝の強化用にアスカロンを送ったのですよ」

 

「……また凄い事をしますね。アスカロンと言えば、聖人筆頭格の聖ゲオルギウスが持つ、龍殺しの聖剣ではないですか」

 

 アメリアの言うとおりだな。

 

 また豪胆というか、恐ろしいというか。

 

 ドラゴンが龍殺しを持ってるとか、それだけでツッコミどころが多いぞ。まして悪魔が聖剣ってのも。

 

 というか、リアス・グレモリーは悪魔なのに、手元のデュランダルとアスカロンを置いていることになるのか。

 

 ……聖人の聖剣を持つ悪魔か。堕天使でも従えてたら、三大勢力が和平を結んだ時に象徴になりそうだな。

 

 俺が軽く頬を引きつらせていると、ミカエル様はスフレリーヌを食べ終え、ナプキンで口元を軽くふいた。

 

「……ごちそうさまでした。それと、本題に入りましょう」

 

 っ!?

 

 本題! やっぱりあるのか!

 

 思わず身構える俺とアメリアの前で―

 

「―この度は申し訳ありませんでした」

 

 ―頭を下げたぁ!?

 

「あわわわわわ!? みみみミカエル様!? 一信徒、それも暗部相手に熾天使が頭を下げるなどもってのほかですよ!?」

 

 アメリアが今までにないぐらいのレベルで慌てている。こんなの浮浪児時代でもなかったぞ!

 

 でも納得だな。当然だよな。

 

「いえ。可能な限り知るべき人数を最小限にしなければいけないとはいえ、コカビエルが戦争再開すらあり得る事態を起こしている時点で、こちら側の士気を一気に崩壊させかねない主の死を告げる可能性は考慮するべきでした。申し訳ありません」

 

 あ~。そういうことかぁ。

 

 俺たちを直接指名して送り出した身として、追放一歩手前の今の状況に心を痛めてたと。

 

「……安心してください。プルガトリオ機関の中には主の死を知っている者もいくらかいます。プルガトリオ機関そのものを厭っているものは枢機卿にもおりますが、主の死が原因であなた方が立場を失う可能性は………低いです」

 

「あるにはあるんですね」

 

 俺は思わず突っ込んだ。

 

 そこはもっと元気が出るような返事が欲しかったよ、マジで。

 

「いえ。もとより奇跡の子でありながら堕天使になり下がっているのです。今まで暗部としてでも信仰の為に力を尽くせたこと、感謝ことあれ恨むことなどありません」

 

 アメリアはそう言うが、やはり少し悲しそうだ。

 

「あの、アメリアは悪くない……です!」

 

 珊瑚はそう言うが、アメリア自身が手でそれを制す。

 

 静かに苦笑しながら、首を横に振った。

 

「駄目ですよ。これ以上の迷惑をミカエル様にかけては」

 

「……確約できないことは申し訳ありません。それでも可能な限り善処できる落としどころを作ることは、命に代えてもここで誓います」

 

「ミカエル様。主が亡き後天界と信徒を導かねばならぬ貴方様が、このようなことに命を賭けてはいけませんよ」

 

 ミカエル様をそうなだめながら、アメリアは少しだけ元気を見せた。

 

「そのお言葉と気持ちだけでも十分すぎるほど嬉しいです。例えどのような処分が施されようと、可能な限り信仰の為にこの力を尽くさせていただきます」

 

 ………あ~。

 

 まったく、ほんと……。

 

 世の中はままならないものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのあと、何となくアメリアをそっとしておきたくて散歩しながら、俺は上を見上げてため息をついた。

 

 こと政治の世界ってのはそういうものだと、何となくだが分かってる。

 

 善人だから味方になってくれるわけでもないし、善人であっても切り捨てる必要だってある。理想だけの手合いでは国をまとめ上げることなんてできないし、かといって理想が皆無でも人を引き付けることはできない。100パーセントかつ生粋の善人などごく僅かで、程度はともかく悪や堕落を持ってい生きている大多数の一般大衆が大抵の国民なんだから当然だ。

 

 白河の清きに魚も棲みかねて、もとの濁りの田沼恋しき。

 

 善良さと正義を徹底しても、必ず大多数の人間はそれに辟易する。腐敗だらけの国とかなら歓迎されるだろうが、そんなものは夏の体育を終えた後にクーラーをガンガン聞かせるようなものだ。

 

 絶対にすぐに寒くなりすぎるし、一部の先が読める手合いからは反対意見も出る。ま、それでも最初はごり押しされるんだけどな。

 

 だからまあ、ミカエル様には俺たちに気を使いすぎないでほしいものだ。

 

 あの人は一生懸命頑張っているし、これが原因で失脚して、ろくでもない奴に権利が渡ったら目も当てられない。

 

 ああそうさ。俺だってあれぐらい綺麗で善良ものだらけの世界に憧れることはある。同時にそんな世界で何年も生きていられるとは思えない。

 

 ……こういう矛盾を受け入れなきゃ、世界で生きていくなんてできっこない。

 

 そうさ、したいことととすべきこととやれることは違う。そしてその上で最も考慮するべきは、すべきことを中心に折り合いをつけることで―

 

「……あ、ちょっといいかしら?」

 

 ―いきなり声をかけられて、俺はふと振り返る。

 

 そこにいたのは、銀色の髪をした凛々しい女性。

 

 年齢は俺と同じぐらいな気がするけど、そのたたずまいや雰囲気が、もっと大人の印象を与えている。

 

「えっと……何ですか?」

 

 道でも尋ねられたのだろうか。

 

 俺も土地勘とかないから、正直ちょっと困るんだけど……。

 

「……疲れない?」

 

 その質問に、俺はまるで心の裏側を覗き見られたような気がした。

 

 そして彼女の目から目が離せない。

 

 ……この感覚は、いったいなんだ?

 

 そう思ったその時、何故かはっとした表情になったその女が、少し頬を恥ずかしげに染めながら視線をそらした。

 

「……言い間違えたわ。実は今疲れてて、どこか座って休めるような場所を知らない? そこそこお金はあるから、喫茶店とかでもいいんだけど」

 

「え……あ、ああ!!」

 

 勘違いじゃねえかぁ!

 

 やばい! 俺は今、壮絶に恥ずかしいことをしでかした!!

 

 何かしゃべってたら、大恥かいてるところだった。

 

「そっちの道を一分ぐらい歩くとコンビニがある。イートインもあるし外にベンチもあるから!」

 

「そ、そうね。ええ、ありがとう……あとごめんなさい」

 

 もしかして、こちらの内心察してるのか!?

 

 こ、これはあれだ。急いで帰ろう!

 

 マンションの下の自販機で、カフェオレ飲んで時間つぶそう。アイスでいいな、赤くなってる顔が冷めるだろ!!

 

 まったく。ライトノベルの主人公がメインヒロインと会う展開じゃないんだから、落ち着けよ俺は。

 

 そう思いながら、俺は踵を返してそそくさと離れようとして―

 

「……あ、これ持って行って!」

 

 その声とともに、何かが投げつけられる。

 

 ふんわり頬り投げるつもりだったんだろうが、アンダースローだが結構な勢いがついてた。

 

 体つきもしっかりしてるし、これはあれだな。スポーツとか武道とかやってるな。それも一般社会レベルならそこそこの腕前だ。

 

 スキがないようでいて、俺たちレベルならつける状態だ。免許皆伝とか全国大会の常連とかではない感じだな、うん。

 

 で、俺はそれを難なく受け止めたわけだが―

 

「お礼に挙げるわ。間食代にはなるでしょうね」

 

 そう言って、彼女は今度こそ去っていく。

 

 俺はそれをなんとなく見つめて、やっぱりなんか気恥ずかしかったからそそくさと移動。

 

 500mぐらい競歩級の速さで歩いてから、手で掴んだものを確認する。

 

 ………なんだこれ。

 

「ガチの貨幣っぽいけど、日本円じゃないよな?」

 

 何だろう、このナポレオンとAKシリーズみたいな刻印が彫られた硬貨。

 

 数字は100とか刻まれてるけど、これ、外国の貨幣だよな。

 

「……いや、日本語ペラペラだし日本円も持ってるだろ」

 

 気恥ずかしいから戻って追いかける選択肢をそれで誤魔化して、俺はゆっくりとマンションに戻ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、間違えて母国(うち)の貨幣をあげてしまったわ。変なことを言って少しパニックを起こしていたようね」

 

「……あれが、蒼穹天の剛腕(ストラトスルーラー・ボルト)の持ち主、ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……他人の気がしないとは、こういうことを言うのかしら」

 

 

 

 

 

 

 

 そう、これこそが我らが運命。

 

 まるでロミオとジュリエットのように、敵として相対する運命を背負った恋物語。

 

 鮮血に彩られるこのラブストーリーは、決して悲劇ではありえない。

 




 本当に出会っただけですが、彼女が錬一の運命です。具体的には極晃星とかになりそうな感じ。ある意味で彼女がメインヒロインです。

 まあその辺に関してはあえて深く語りません。

 その辺に関しては、ストーリーを進めていけばおのずと分かるようにするのが一番でしょうしね。
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