きゅっきゅふきふき☆きらぴかりん♪ ハイスクールD×D異聞~外宇宙文明を添えて 作:グレン×グレン
三大勢力による初の会談。
まあその時点で分かると思うけど、とてもとてもとても警戒の色が濃い会談だ。
なにせ千年以上敵対し続けてきたわけで、そんな勢力の初の会談なわけで、誰もが互いを警戒しているといってもいい。
もちろんそんなわけなので、どの勢力もかなりの戦力を警護に送ることになるだろう。悪魔側なら最上級悪魔を眷属事送ることは間違いない。
そして面倒なことに、開催場所の日本全体がぴりついた状況になってきた。
なにせニュースでは先週のことを「惨劇の一週間」と呼称するレベルで、どのニュースでも一日一回はその手の話でもちきりになっているからだ。
そんなことになった理由は極めて明快。
………一週間の間に千件近い爆破テロが行われたからだ。
世界において日本は非常に安全な国だ。世界平和度指数というイギリスのエコノミスト紙が数値化したものにおいて、日本は危険度が高い順で166位中155位。2018年代における殺人発生率の国別ランキングにおいては、多い順で156位中154位。万引きなどの悪さにおいてはともかく、凶悪事件において日本は世界でも有数の安全国家なわけだ。
そんな日本で爆破テロが一週間に千件近く。前代未聞というほかない。
世界的にニュースになっているレベルであり、日本警察は血眼になって犯人を捜したいが、組織的な犯行としか思えない割に犯行声明の被害者の共通点もわからない。というより、爆弾の残骸も発見できないというイレギュラー。
なら異形が関わっているのかとも思われたが、これも分からない。
というより、爆発による被害者に異形関係者はほぼゼロと言ってもよく、知人に関係者がいた手合いもごく僅か。いたとしても共通の知人どころか精力的な繋がりもばらばらで、これだけの規模でやらかしているのに動機が全く分からない。
そもそも爆破テロと認定された要因も、爆発の規模がほぼ同一で、更に目撃者の証言や付近の映像を映したカメラの映像から多目的ミサイルが使用された可能性が高いとされているからだ。
異形がその気になるのなら、それこそ真剣に魔法を鍛えればそれでいい。ミサイルなんて大規模な獲物を携行するなんて阿呆な真似をする必要はないし、コストパフォーマンス的にもどうかと思える。
なので、下手人たちが異形側なのか人間側なのかも不明。そもそもなんで日本で発生しているのかも不明。分からないことだらけなわけである。
しかも人口密集地では当然数が多く、東京都では100件を超えたし、人口が少ないところでも片手が埋まるぐらいに起きている。
その所為で精神的にストレスが溜まって心を病んだ者も数多いらしく、本気で恐ろしいレベルでやばい感じだ。具体的に言うと心療内科とかがパンク状態で、過労で倒れる騒ぎにすらなっているとか。
そして当然だが、三大勢力は非常に警戒している。
なにせもうすぐ会談をするって時に、世界でも有数の凶悪犯罪発生率の低さを誇る、それも会談を行う国で未曽有の連続テロだ。
紛争地帯でも起きないレベルのテロの数に、警戒心がピリピリしているのも無理はない。
おかげで三大勢力はどこも警備の増員を決定。主にはぐれ含む悪魔祓いや保有している神器使い、更に悪魔側も契約している魔法使いを利用して信用できる人員を派遣して外周部を警戒させている。更にその外周部には、自衛隊や五代宗家が目を光らせている始末。
既に先行派遣された人員が駒王町に気すぎた所為で、リアス・グレモリーとソーナ・シトリーは眷属含めて仕事が増えすぎて疲れているとか。しかも所属勢力が違う連中が喧嘩したりで更に仕事が増え、駒王町の市役所や日本政府が三大勢力の各部署に苦情を入れたという話もある。
まあそういうわけで、当然のことながらどの勢力もピリピリしてるというわけで―
「……一つ聞いてもいいですか? ……もう一つ一つ追加しますけど、ご婦人でいいですかね?」
「グレイフィアとお呼びください。今の私はサーゼクス・ルシファー様に使える一介のメイドです」
きっぱりという
「もう一つ追加で。……めんどくさい人って言われません?」
「そういう性分ですので。貴方こそ、サーゼクス様はもちろん、ミカエル様にも太鼓判を押されながら、態々メイドから反対意見を聞き出せないか試みるのはいかがなものかと」
内容を読まれた上にカウンターをかまされたよ。
まあ確かに。ミカエル様はもちろんサーゼクス・ルシファーもOKを出し、堕天使側も「龍華と麗華が二人そろって味の心配はしても毒を入れる奴だと思ってないからな。なら構わねえよ!」とか通達が来てる。
そして戦争を止める為の闘いをしたと言ってもいい俺が、メンタル的な立ち位置で安全だという判断も間違ってない。
いや、だけどね?
「……普通、教会暗部の人間がお茶菓子用意するのをOKするって、悪魔的にどうなんですか?」
「ですから、万が一にも毒が入れられないように私が監視しているのです。形だけとはいえ、形式を整えている方が人の良心を信じるより安心できるものは多いのですから」
そうグレイフィア・ルキフグスは言ってくるんだけど、ちょっと待とうか。
どちらかというとお茶の下準備に意識向けてるよね、あんた。
いや、言い分は正論だと思う。善意を信じる手合いからすれば面倒だが、世の中そういうのを取り繕って不意打ちぶちかましてくる奴はいるから、形式的に監視を置くのは間違ってはいない。こういうニトログリセリンを敷き詰めた環境なら尚更だ。
詐欺において被害者に迂闊なところがあったとして、余程被害者があくどいことをして恨みを買ってない限りは加害者が全面的に悪い。これは事実だ。
しかしどれだけ被害者に悪意を向けられる非がなかろうと、あまりのもあからさまに怪しい話を何の警戒もせずホイホイ乗っかる手抜かりは、どちらが悪いかとは別の形で責められるべきだ。悪いのは被害者ではないのは明白だが、流石にこれは警戒しろという例はちゃんと存在する。
その辺りは物差しが明確に違う。ごっちゃにする連中は改めるべきだが、ごっちゃにしていないのなら被害者もそこは反省するべきだろう。
だからグレイフィア・ルキフグスの行動は別に間違ってない。善意を信じる側が悪意を疑う側に配慮している。これはむしろ角が立たない良い行動だ。
問題は、これまで盛大に敵対してきた三大勢力、それも敵対していた側の暗部にもてなしの菓子を任せるという、善意を信じるにしても信じすぎじゃねぇかとかいうレベルの行動をとっているのが、他でもないトップ陣だということだ。
……能力面をどうこう言えるほど知っているわけではないが、人格面で政治家に向いてなさすぎる。なんていうか「政治家にならない方が、人生幸せだしエンジョイできただろうに、ストレスとか溜まってるんだろうなぁ」と同情したくなる。
それが三大勢力のトップ全員。これは話がスムーズに進みそうな気までしてきたぞ。
「……なんかこれ、一波乱起きるとしたら
「そうですね。イッセー様や朱乃様が言うにはミカエル様は和平を考慮しているそうですし、サーゼクス様やセラフォルー様もその方向性です。気になるのは堕天使側ですが、態々コカビエルの討伐部隊を送っている以上、可能性は薄いでしょう」
俺が上層部の平和っぷりに呆れ半分関心半分でぼやくと、グレイフィアにそんなことを言われる。
さて、そろそろリンゴを切るか。
「リンゴの種類はどういったものでしょうか? ……アップルパイはリンゴの種類で砂糖の量とか考えないといけないんで」
「存じております。今回は冥界産では混乱を招くと思い、日本の青森から直接紅玉を買ってきております」
「そりゃ良かった。先日それで作ったばかりですから、味については保証できそうです」
気が利いてるなぁ。
いや、リンゴって品種によっては調理すると一気に味や雰囲気が変わるのも多いからな。
さて、これならアップルパイは失敗することはないだろう。
………この調子なら時間余るな。
「貴賓用には飴細工でも作ろう。グレイフィアさん、サーゼクス・ルシファー用にはルシファーの紋章かグレモリーの紋章のどちらがいいですかね」
「一人一人変えるのですか。芸が細かいですね」
感心されるけど、まあこれぐらいはね。
「おかげで粘土細工もそこそこ得意です。……外科医の息子な所為か手先の器用さには自信があるんで」
小遣い稼ぎに銀細工でも手を出してみるかなどとも思ったこともある。
そんなことを思ってたが、どうやらグレイフィアさんの感心した方向は違うらしい。
「いえ、食べる為に作っている者が、そういう方向まで考慮するとは思ってなかったもので」
ああ、そっちか。
ま、食べるのが好きで作ってるならそうだよな。
飴細工は食べるのめんどくさいし。
ただ―――
「……浮浪児時代のまともな飯が食えるが理想論な生活を思い出すので、ちょっとひと手間加えて見た目も綺麗にできるのなら、手間を加える主義なんです」
態々トカゲ肉も合い挽きサラミにしているのは、そういう理由だ。
……食えるのなら食うことを拒否るわけにはいかないのがあの生活。アメリアが本当に一生懸命頑張ってくれたから比較的ましだったけど、それでも他の浮浪児たちの面倒も見ることも考えると、かなりきつい食事事情だったのは事実だ。
ほんと、ああいう国だと浮浪児とか害獣同然だからな。身なり汚いし生きる為に手段を選べないから色々やらかすし、学もないし。
本当に、大変だった……。
「ほんと、見た目もいい食事って心がほっこりしますよねぇ……」
「……大変だったのね」
地が出てますよ、グレイフィアさん。
そして、俺はアップルパイを作ってから、駒王学園高等部の会議室に入る。
既に相応の調度品に入れ替えた会議室には、ほぼ全員が集結していた……というか、俺が最後だ。
まず堕天使側。堕天使総督アザゼルが席に座り、後ろで白龍皇と思われる銀髪の少年が壁にもたれかかり、ゼルマンさんを真ん中にする形で、麗華姉さんと龍華姉さんがこっちに軽く微笑んでいる。
次は悪魔側。リアス・グレモリー眷属が俺の知っている顔全員椅子に座っていて、隣側にソーナ・シトリーとその女王が着席。更にテーブル側にはサーゼクス・ルシファーとセラフォルー・レヴィアタンが座っている。
そして俺は最低限の準備をしたうえで、天界・教会側に移動する。
行方知れずになったハイゲイトはもちろん、聖書の神の死を知らずに済んだイリナもいない。着席しているミカエル様の横には、誰か知らないがフードを被った少女と思われる女が一人。
俺は静かにその後ろ側に立っているアメリアと珊瑚とな時一に向かうと、とりあえず一言。
「珊瑚。会議がひと段落するまではアップルパイは我慢な? ちゃんと人数分作ったから。おまえの分はミニホールにしたから」
「ん。……ごきゅり」
既に食べるモードに意識が向きすぎだろ。
ちなみに珊瑚と塔城小猫の分は、よく食べる子たちでなんか見てて気分もよくなるので、小さめだが1ホール丸ごと作った。
逆にトップ陣の方々には飴細工だ。魔王二人にはグレイフィアさんのアドバイスに従ってグレモリーとシトリーの紋章にし、ミカエル様には十字架型で、アザゼル総督にはいいアイディアがなかったのでなんとなく六芒星の魔法陣にした。
「あ、あはは……。その、すいません緊張感がない子で」
アメリアは苦笑しながら周囲に余るけど、全員そこまで気にしてなかった。
「ほ~? そんなに食い意地が張るってことは、味に期待して良さそうだな。……その神滅具候補の坊主の料理の腕は。にしちゃぁ、そこのお姉ちゃんズは味の評価があまりなかったんだが」
と、アザゼル総督は後ろの姉さんたちにそう振るが、姉さんたちはまあ当然だが、首を傾げる。
「……あれ? 確か錬一って、「きちんと使い方ができるまでは危険物禁止」って感じで、料理も外食とか総菜中心で調理器具とは触ったことなかったはずじゃ?」
「龍華、それ正解よ。錬一はその辺素直だから、私がちょっと「じゃ、うちで料理勉強する?」っていっても「やくそくだからだめー!」って断ってた」
「……ぐふぉっ!?」
姉さんたちによる不意打ちの俺の過去話に、盛大な気恥ずかしさがダメージになった。
だって、約束したし、理由も筋が通ってたし、それなら断る方が問題だし。
それはそれとして恥ずかしい気分だ。やばい、顔を隠したい。
「……そういえば、洗濯とかはできてたけど、料理はあまりしてなかった」
珊瑚、浮浪児時代の過去話までやるのはやめてほしい。
「お菓子の腕は保証します。まあ、普通の料理になると並み程度なんですけどね」
アメリアも乗っかるな!
「……憐れむべきか嫉妬するべきか。あんな可愛い女の子や綺麗なお姉さんがいっぱい……うごご」
「あらもぉ~! 自分のことは穴上げにしてでも嫉妬しちゃうその感じ、男の子の青春って感じだわ~」
ゼルマンはイッセーを止めてくれ! 空気が色々と酷いから!!
真面目な話、これ会議ちゃんと始まるのか!?
実は菓子作りの上では教会入りしてから急上昇している錬一。ほかの料理はまあ家庭科の授業を受けただけよりはマシレベルですが、浮浪児時代を思い返したくないので形を整える能力は十分あります。トカゲサラミも手製……というより作る奴が他にいないです。
それはともかく大混乱の前兆でしかないし、いきなりフラグ回収される超大規模連続テロに見舞われる日本。
テロの実態的な内容もそれを行った理由も、その結果として行われる混乱もろくでもないです。というより、やった連中がとんでもなくろくでもない連中なので、ろくなことになるわけがないといっておきましょう。
さて、今回の魔改造原作キャラは、いったい誰だ!
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