きゅっきゅふきふき☆きらぴかりん♪ ハイスクールD×D異聞~外宇宙文明を添えて   作:グレン×グレン

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さて、盛大な激戦の火ぶたが切って落とされようとしております!


第一章 其の十八 錬一「最強格がカバーしてくれるだろうけど、意識がある状態でいると精神的にきついし、いい加減外の連中も相手しないといけないし、怖かった」

 正直俺は寒気すら感じている。

 

 世界の趨勢を左右しかねない、三大勢力のトップ会談。

 

 それに関して盛大なテロをぶちかました挙句、見たこともない怪人とでもいうべき連中を送り込んだ謎の勢力。

 

 その心当たりを三大勢力のお偉方は、それぞれ持っていると来たもんだ。

 

 なんという過去の流れだと、「それ全部同じ組織」ってオチとかありそうだな。

 

 ……笑えねぇ。俺もう疲れてるのかもしれない。

 

「……よしよし」

 

「ああ、ありがとな」

 

 なんとなく俺の疲労を察したのか、できることをしようと頭をなでてくれる珊瑚に、感謝の涙が出そうになった。

 

 そんな中、アザゼル総督は自分に意識を集めるように、パンと両手を叩いて鳴らした。

 

「んじゃ、核心に近いっぽい俺は最後に話すぜ。まずはサーゼクスが言ってみろよ」

 

「……悪魔の契約関連などでどうしても裏社会などの情報も入ってくるのだが、そこで懸念すべき情報がここ十年足らずで急増している。それも、近年では決して無視できない領域でだ」

 

 というと?

 

「えっとね。日本だと戦後にヤミ米っていう政府未認可のお米がたくさん流通したってことがあったでしょ? そんな感じで闇地下資源がすごい勢いで世界中に流通してるのよねん」

 

 繋げたセラフォルーさまの発言に、俺は耳を疑った。

 

 ……ヤミ米とかは日本人として授業で聞いたことあるけど、闇地下資源ってなんだよ。

 

「例えば石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料。または鉄や金、更に各種レアメタルといった金属資源。これら各種資源が世界中の裏社会で大量に流通しており、金銭に換算すれば昨年度は総額一千億ドルに及ぶほど流通されており、こちらが把握していないものを含めれば更にあるだろう。」

 

 すいません、そこそこの国の年間国家予算クラスの金なんですけど、それ。他しかギリシャとかアルゼンチンの年間国家予算がもうちょっと上ぐらいじゃなかったっけか?

 

 俺が軽く引いていると、サーゼクス様の言葉に更にセラフォルーさまが続く。

 

「それだけじゃないの。ここ数年間世界中で中の下ぐらいの質の麻薬も流通してるのよん。……昨年度は確認しただけでも三百億ドルは流通を確認してるのよね」

 

 すいません。それちょっと尋常じゃない大事件なんですけど。

 

「基本的にアヘンとかのケシ系列や、コカインにマリファナとかの植物由来のばかりが数年間で急激に増えてるでしょ? 悪魔の契約がらみでちょっとした報復とかが起きたんだけど、どうも売人を異能をあまり使わずに洗脳して「どこで調達したか」を意識させない形で大量に麻薬を売りつけてる業者がいるみたいなの」

 

「あの、洗脳とかって異能なしでもできるんですか?」

 

 とんでもないことを暴露するセラフォルーさまに、イッセーが戸惑い気味に手を上げる。

 

 ん~、そこは俺も気になったんだが。

 

 と、そこでアザゼル総督があっさりと頷いている。

 

「簡単だ。例えばだがな、イッセー」

 

 と、そこでイッセーを呼びつけて―

 

「俺と一緒にラーメンとうどん、食べるならどっちだ?」

 

「へ? ら、ラーメン……いや、うどんも捨てがたいけど……」

 

 と、イッセーがちょっと戸惑いながら考えた瞬間―

 

「―と、こんな風に「最初に何を食べるかの二択」を提示するだけで、それ以外のメニューの選択やそもそもいかないという選択肢を思い浮かばせ難くすることができる。洗脳とはちょっと違うが、ダブルバインドっていう詐欺だけじゃなく普通の営業や男女関係でも使える、れっきとした心理学的テクニックだ」

 

 ―見事に引っかかっていることに、俺たちは今更気づいた。

 

「他にも無茶ぶりをする前に更に盛大な無茶ぶりをして断らせることで、感覚をマヒさせたり「二度も断るのは……」と思わせる「ドア・イン・ザ・フェイス」ってのもある。逆に最初にめっちゃ簡単な要求をして、連続で少しずつ要求難易度を上げると了承されやすくなる「フット・イン・ザ・ドア」ってのもある。全部異能なんて必要ないが、相手の思考を誘導できるれっきとした手段だな」

 

「最後のはよく知ってる! 日本でもトップクラスの名作調教系エロゲーで主人公がやってた!」

 

「おい未成年。お前何やってんだ」

 

 俺はイッセーの後頭部を張り倒したかったが、ぐっと堪えてツッコミでとどめる。

 

 それに対してうんうんと頷き「あれは出来が良かった」とか言いながら、総督は俺たちを見渡した。

 

「まあ他にも色々なテクニックが存在するが、そういうのを組み合わせながら時間を変えれば、異能や薬物抜きでも相手の施行を固定化させることはできる。つまり麻薬をばらまいている連中は、交渉術を主体に異能を補佐に回すことで、感知されづらい形で強固に洗脳された連中を作るってことだな」

 

 おお~。

 

 いや、話がそれてるそれてる。

 

「私たちが察知しているのはその類だ。ミカエル、あなたは?」

 

「こちらはもっと直接的な危険物ですね。錬一と珊瑚は心当たりがあることです」

 

「……というと?」

 

「……ない……です?」

 

 珊瑚と共に首を傾げるが、ミカエル様は小さく首を横に振った。

 

「ハイゲイトたちの抑え役を頼む前の任務ですよ。あの時、服のようなものを着こませたエグゾールと戦ったでしょう? あれなんですが、どうも世界中のテクニカルエグゾール用に画一化された強化装備として出回っているようなのです」

 

「……本当ですか?」

 

 画一化ってことは、あれ工業生産されてたのかよ!?

 

 俺があっけにとられていると、ミカエル様は頭痛がしてきたのか額に手を当ててため息をつく。

 

「歩兵用の防弾チョッキなどに使われる、ケブラー繊維という物があるのですが、エグゾールに通気性などの着心地は必要ないことをいいことに、とにかく分厚くしつつ関節部にプロテクターを組み込んだ、対物ライフルの直撃すら一発はしのげる特注品。工場生産されているとしか思えない均一化されたそれらが、世界中のテロ組織に流通されているようなのです」

 

 な、なんかとんでもないことになってきてるな、おい。

 

 しかもミカエル様の話はまだ終わりではないようだ。

 

「更に、AK-47の木造部分を先進国クラス技術力がなければ量産出来ない特殊強化樹脂に変更し、人体工学を研究した形状に変化させた突撃銃、低空飛行状態なら先進国のジェット戦闘機すら打ち落とせるような歩兵携行型ミサイル、可能な限り軽量で、突撃銃や分隊支援火器程度なら防ぐことができる、テクニカル強化用の改良キットなど、多種多様な装備がテロリストに安価で供給されています。これに関しても流通網の巨大さから異形がらみとみて、和平が結び終えられたあとで相談するつもりでした」

 

「……なかなか面白いモンを作ってる連中だな。じゃ、最後は俺だ」

 

 と、ちょっと面白くなってきた感じの顔でアザゼル総督が告げる。

 

「俺に関しては確実に異形(こっち)側だ。五年前ぐらいに聖十字架の持ち主がいたはぐれ魔法使いの組織や、この国の五大宗家のはぐれものと一緒に、神の子を見張る者(うち)のマッドサイエンティストが十段飛ばしの神器研究を勝手にかましたことがあってな。その後の追跡調査で、質の悪い組織が誕生したことまでは掴んでいる」

 

「なにを? 日本征服?」

 

 珊瑚がそんなこと言うが、ちょっとここ最近のテロ祭りを知っていると笑えないぞ。

 

 しかも最悪なことに、アザゼル総督は肩をすくめた。

 

 あ、これ間違いない。もっと酷いヤツだ。

 

「世界全土を破壊と混沌って感じだな。今代の聖十字架使いは直接参加はまだしてないが、新規候補を含めた神滅具使いが複数いるみたいだ。おそらくそいつらが今回のテロの首謀者だよ」

 

 まじか。

 

 きっと物差しとかもメモリや単位がどうかしてる感じなんだろうな。しかもこの感じだと、どう考えても世界的なテロ組織になっている可能性がある。

 

 ミカエル様やセラフォルー様も、険しい顔になっている。

 

 サーゼクス様も少しだけ目を閉じると、まっすぐにアザゼル総督を見た。

 

「……組織の名前と、首謀者は?」

 

「組織の名前は禍の団(カオス・ブリゲート)。首謀者はこの世界の2トップ、その赤くない方さ」

 

 ……………。

 

 冗談、だろ。

 

 この世界の2トップ。それってつまり―

 

「龍神、かよ」

 

 俺は、思わず声を絞り出していた。

 

 この世界における問答無用の最強存在。各神話体系の主神や戦神といった最強クラスであろうと、一対一では勝ち目などあるはずがないレベルの存在。たった一人で一神話体系を滅ぼしかねない、圧倒的な力の塊。

 

 それが龍神。そして赤い方ってのは、黙示録に記されしドラゴン、赤龍神帝グレートレッド。

 

 そっちじゃないってことは、無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)と称される―

 

『―――ええ。オーフィスこそが禍の団(カオス・ブリゲート)のトップです』

 

 そんな、聞いたことの無い声が響き渡った。

 

 敵襲か? くそ、焦れて出てきたってことか!?

 

「……く、彼女が首謀者か! グレイフィア、急いでリアスとイッセー君を飛ばすんだ!」

 

「お兄様!?」

 

「え、ちょ、どういうことですか―」

 

「説明している時間はありません! お嬢様、ご武運を―!」

 

 大慌てしたサーゼクス様とグレイフィアさんが、強引にリアス・グレモリーとイッセーを飛ばす。

 

 同時にセラフォルー様がパトリシアをカバーするように割って入る。

 

 そして、転移用の魔方陣が展開された。

 

 ってちょっとまて、これは―

 

「初代レヴィアタンの魔方陣だと!?」

 

 ―ついさっき、飴細工用に写真で確認した、レヴィアタンの本家本元の紋章じゃねえか。

 

 ってことは、下手人は―

 

「……初めての者もいるので、あえて名乗りましょう。私はカテレア・レヴィアタン。正当たるレヴィアタンの末裔です」

 

 うわ、まじかよ。

 

 旧四大魔王の末裔とか、冗談抜きで厄介極まりない化け物じゃねえか……っ!

 

 そんな奴の登場に、誰もが警戒している。

 

 そしてそんな中、サーゼクス様とセラフォルーさまが一歩前に出る。

 

「カテレア・レヴィアタン。一応聞いておこう、何が目的だ」

 

「カテレアちゃん! どうしてこんな……っ」

 

 その二人の詰問に、カテレア・レヴィアタンは盛大な殺気と共に冷笑を浮かべる。

 

「目的など決まっています。あなた方とは違い、神と魔王がいない世界において新たな秩序を気づくこと……そして、正当なるレヴィアタンの末裔である私から、レヴィアタンの座を奪ったあなたを殺すことですよ、セラフォルー!」

 

 その本気度が誰にでも分かる殺意の視線に、直接向けられているのわけでもないのに俺は寒気を感じた。

 

 こいつ。低めに見積もってもコカビエルでもてこずりそうな化け物だな。

 

 だが、流石にここにいる首脳陣全員を相手どれるほどではないはず。なら、何か伏せ札があるからこその自信か?

 

 俺がそう思ったとき、俺の隣で足音が響く。

 

 ちらりと視線を逸らせば、震える手が静まっていく光景を見た。

 

「……お、愚かな。そのような世迷言を言う為にこの場に来たのか、本流!」

 

 一瞬だけ怯えたように見えたパトリシアが、しかし真っ向からカテレアを睨み付ける。

 

 それに対し、カテレアは不快気な表情を隠しもしない。

 

「……偉大なるレヴィアタンの血を引きながら、天界にしっぽを振る不良品が。レヴィアタンの名を貶める庶子を遺したのは、母や初代レヴィアタンの失敗ですね」

 

「正当後継者がその体たらく、では、もはやレヴィアタンの血は汚れ切っているようだな。貴様は、魔王レヴィアタンとして冥界を統一できる器ではないようだ。……最も、妾ができるかと言われれば否というがな」

 

「正当たるレヴィアタンの末裔が魔王の器でない? 少なくとも、私もあなたもシトリー如きの女よりは資格があるでしょう?」

 

「は、はっ! 現四大魔王の足元にも及ばぬ力しかない者が、魔王の後継者など片腹痛し。慈しむべき民草の未来も考えず、力で押さえつけることもできぬ者がよく吠える!」

 

「ミカエルにしっぽを振り、下民の地を引いたお前ほどではない。セラフォルーの前に貴方を血祭りにあげましょうか」

 

「……っ! よかろう、血族の狼藉から命に代えてでも民を守るのも、王族としての務めだろうて!」

 

 気圧されながらも、パトリシアはカテレアに啖呵を切り、そして臨戦態勢をとる。

 

 ……へぇ。ビビってるようだが、その上で立ち向かうことを選べるなら、勇気があるじゃないか。

 

 なるほどな。ミカエル様がパトリシアを連れてきたのは、彼女が和平から始まる三大勢力の未来に貢献できると思ったからだな。

 

 なら―

 

「セラフォルーの前に、あなたという汚れた血族を滅ぼすことが先決で―」

 

「―悪いがそうはいかないな」

 

 俺はカテレアの言葉に割って入りながら、パトリシアを庇う為に前に出る。

 

 蒼穹天の剛腕(ストラトスルーラー・ボルト)は既に展開。流石にこのトップ集団を殺すつもりで来た奴が相手なら、コカビエルより弱めに見えても何かしらの伏せ札はあるだろうしな。

 

 そして割って入られて機嫌最悪のカテレアに、俺ははっきり告げる。

 

「初対面の相手にこういうのもなんだが、あえて言おう。……あんた、指導者に向いてなさそうだな」

 

「………三流の挑発ですが、どうやら死にたいということだけは良く分かりました。セラフォルーの前に貴方を殺して差し上げましょう」

 

 俺とカテレアは睨み合う。

 

 ……コカビエルでも警戒必須なレベルで、総合的にはコカビエルより下に見える、しかしコカビエルをどうにかできる切り札はあるだろう女。

 

 最初(ハナ)から一対一で倒す気はないが、さてどう立ち回るか。

 

「オーフィスの力を象徴とする新世界。私たちがなす新たな秩序を見ることなく、無様に命を落とすがいいでしょう!」

 

 大仰に言ってくれるな、何か言い返すべきなんだが、何を言えば―

 

「……ブフォッ!?」

 

 ………後ろで、総督が盛大に噴出した。

 

 空気が重い。

 

 具体的には「おまえ、殺されるぞ?」的な感じだ。殺意の矛先が総督に向いたし。

 

「今、私はジョークなど語ったつもりはないのですが」

 

「いやいや、三下の小物がくたばる前に油断ぶっこいてほざくセリフじゃねえか。自覚のあるなし関係なく笑えるっての」

 

 うわぁ、遠慮なく言ってやがる。

 

 俺、下がった方がいいような気がする。

 

 直接敵視されてるならいざ知らず、魔王の闘いなんて巻き込まれるのは勘弁だ。

 

 なので、俺は珊瑚にハンドサインをしつつ、パトリシアを抱き寄せる。

 

「ひゃぁ!? ななななにがどうなってるですぅ!?」

 

「じゃ、俺たちは外の連中をぶちのめしてきますんで、あとは頂点たちでごゆっくり……あ、アメリアや姉さんたちどうしよう」

 

「え、あ、それはこちらで守ります。ただ外の人たちを削っていただけると助かるのですが」

 

「了解……です。じゃ、いこっか」

 

「え、いや待て待て、ミカエル様たちを置いていくわけには……持ち上げられた!?」

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ。これどう考えても重心的におかしな持ち方をしてるけど!?」

 

 ミカエル様からのOKももらったので、珊瑚も納得して近くの木場とゼノヴィアをつかんで先に飛び出した。

 

「じゃ、カテレアは総督にお任せして、私は若い子の面倒を見ておくわね? 麗華と龍華はお願いしまぁす」

 

 そしてゼルマンさんもカバーの為か飛び出して、俺もそれに続く。

 

「ふにゃああああああ……はっ! わ、妾を抱き寄せるとは、これはお誘いを受けてくれるということでよいのか!?」

 

「状況考えてくれ。できればすぐにでも戦闘態勢に入ってくれると助かる!」

 

 俺はパニック気味なパトリシアをあしらうと、そのまま外に飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 盛大に大爆発がぶちかまされてるが、アメリアや姉さんたちは………ミカエル様達いるし、大丈夫だろ。

 

 どちらにしても頂点格の戦いに、今の俺達では足手まといだ。俺たちがやるべきことは、外側でうっとおしい敵を削ることだろう。

 

 頂上存在同士の激突。アニメとかなら燃える展開だけど、当事者の視点だと最悪だな。具体的にいうと命の危険的な意味で。

 




 本作において、オリジナル的勢力は資金的にも技術力的にも絶大です。まあ本文の通りですが。あと三大勢力が確認していない料も含めて、昨年度の奴らの稼いだ金は二千億ドル強という裏設定があります。

 あとプロローグのエグゾールの格好が伏線だったと思っている者はまずいなかっただろう。ふふふ、伏線をしっかり張っておいたぜ。

 そして大きな戦いが始まります。

 こっから戦いはさらに加速していきますので、ぜひご期待ください!
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