きゅっきゅふきふき☆きらぴかりん♪ ハイスクールD×D異聞~外宇宙文明を添えて 作:グレン×グレン
さぁ、答えは―
ホロウ・ネオコロンブス。
なんというか、コロンブスっていうと……あれだよなぁ?
「あの、アメリカ大陸に到達したとかいうコロンブス?」
「ええ。英雄派は禍の団の派閥の一つで、神滅具保有者や英雄の末裔が何人も在籍しているの。そのせいか主要メンバーは英雄の名を名乗るのが基本だから……合わせた魂の名前ってことで」
つまり偽名と。
いや、それにしてもコロンブスって……。
「なあ、なんでコロンブスを選んだんだ? 血縁者?」
なんていうか、その……なぁ?
俺はどういったものかと思ったんだが、それに対してホロウは片手をひらひらと振る。
それでも隙が見えないんだが、厄介な相手もいたもんだな。
「心配しなくても知ってるわよ。英雄という存在の光と闇を徹底的に体現する英雄もそうはいないわ。世界的な知名度込みで、英雄派というテロ組織の一因にぴったりだ思わない?」
……なるほどな。
知ってて名乗ってるのか。なら英雄派ってのもまともな組織じゃなさそうだ。
クリストファー・コロンブス。アメリカ大陸に到達した男の名前だ。
最初に到達した者は違うとか色々あるが、アメリカ大陸到達関連でまず真っ先に名前が挙がるのはこの男だ。
だが、この男の闇はその光り輝く知名度に比例して非常に濃い。
現地人の大量虐殺や奴隷としての売買をぶちかます。これそのものはのちの世でいうコンキスタドールのそれと同様だが、この男はあまりにもやりすぎた。
当時のキリスト教徒にあらずんば人にあらずと言ってもいい価値観のヨーロッパで、神父にそのやり口を告発されたという話もある。
当時のヨーロッパでそんなやり方で告発されるほどやらかすとか、はっきり言ってとんでもないなんてレベルじゃない。
それを知ったうえで自分のあやかり元とする。一言で言っていいか?
「……正気かよ」
「正気よ。それどころか素晴らしいと言ってもいいわ」
ホロウは不敵に微笑みながら、自慢げな雰囲気すら纏っている。
「己の栄光の為に、どれだけ命を奪おうとかまわないというその在り方。本人がどういうつもりだったのかはともかく、私が目指したい在り方にはとても近いの」
そう言いながら、ホロウは静かに戦意をたぎらせる。
「私は十把一絡げの屑共を糧に、一騎当千の英雄になりたい。一万の数で二万のことをするより、たった一人で千人分の何かを成し遂げたいのよ」
「……なるほどねぇ。まあ、そういうのが一番分かり易いのは戦場だな」
忌々しいがその通りだ。
何分、社会というものは集団で動くことが多い。その為たった一人の個人の活躍を分かり易く見つけることは意外と難しいだろう。そういう風に分かり易く見れるのは、集団を動かすという形で発揮されやすい。
戦闘系なら尚更だ。格闘技の試合というものは、こと一対一が原則として行われている。悪魔社会のレーティングゲームも、眷属悪魔を率いる上級悪魔同士の戦いだから、20人足らずの少数舞台での戦いになるからな。
必然、十把一絡げを一蹴する一騎当千を体現するには、戦場という形が一番分かり易い。
そして異形社会の闘いなら、そういうことができるものは決してありえないことでもない。
現実の人間の戦いでは、十人がかりで包囲殲滅すれば大抵の連中は死ぬ。逆に十人以上を一蹴するには文明の利器が必要不可欠。どっかの漫画でも「一騎当千の戦士はいないが、一騎当千の弓兵は実在する」とか言ってたしな。
まあだから、圧倒的な個人による無双を現実にするには、どうあがいても異形の戦争が必要不可欠。真剣に考慮すれば、確かにそうなるだろう。
………一言で言おう。
「あんた、たった一つの自分だけの物差しで世界を図るなよ」
俺は、そう言わずにはいられなかった。
なぜか、俺は宣告ではなく説得がしたくてたまらなかった。
「物差しは正しく使え。個人個人で物差しは微妙に違うし、たった一つの単位で世界のすべてを測れるわけでも測っていいわけでもない」
俺は、俺の持論をホロウにぶつける。
なんでだろうか。なんでかわからない。
俺は、なんで俺がこんなことを反論ではなく説得という形で、一度会っただけの女に言ってるかがわからない。
「そんなあり方で生きていけるわけがない。それは、人の生きれるあり方じゃないんだぞ?」
なぜか胸が締め付けられる。
彼女の在り方を、彼女という存在を、見ているだけで胸が痛い。
いったい、なんで―
「……不思議ね」
―そう、ホロウは返答した。
寂しげな、愛しげな、そして不思議気な、そんな感情が、俺には感じられた。
「だからこそ、私はこういうべきね」
そして、苦笑を返すとともに―
「いくつもの物差しを使い分けてまで、十把一絡げの連中に合わせて生きていく。そんな貴方が可哀想で見てられないわ」
―その返答に、俺は二の句が継げなくなった。
いったいなんだ?
なんなんだ、この感情は―
「―だから」
そして気づいた時、彼女は俺の目の前にいた。
しかも拳を握り締めていて、それは放たれる寸前だった。
迎撃してる余裕がない!? が、ガードは間に合うか!
「……生きて苦しませたくないと、思ってしまうのよね!」
そしてガードを半分ぶち抜かれ、俺は盛大に吹っ飛ばされた。
イッセーSide
うぉおおおお!? な、なんだぁ!?
ギャスパーを助けてリングを取り付けて、これでギャスパーの安全は確保。それどころかギャスパーも気合を入れて、何とか停止の力も解除できそうだ。
なのでその勢いでみんなを助けに行こうとしたら、何かがいきなり墜落してきた。
それも盛大にぶつかった衝撃で、クレーターまでできてやがる。隕石でも落ちたのかよ。
と、思ったら誰か這い上がってきた。
なんかぴんぴんしてそうな動きだな。え、なに? もしかしてこれ、敵とか?
「……アザゼル!? 貴方、なんでこんなところに!?」
と、リアス部長が相手の正体に気づいた。
あ、マジでアザゼルだ。
……なんで墜落してるんだよ!?
「あ、アザゼル!? なんでこんなところに……ぶっ飛ばされてるんだ?」
「お、サーゼクスの妹にイッセーか。いやぁ、ちょっと首謀者のカテレア・レヴィアタンが切り札使ってきたうえ、身内が裏切ってきやがってなぁ」
かてれあ……れヴぃあたん?
そいつはよくわからないけど、部長がなんか驚いてるから大物なのかも。
って身内が裏切りかよ!?
クソッタレ! いったい誰が―
「悪いなアザゼル。まあ、見てのとおりということさ」
って、ヴァーリ!?
間違いない。あの白い鎧はヴァーリだ。
寄りにもよって、神滅具持ちの白龍皇が裏切者だってのかよ!?
「どういうつもりだ、ヴァーリ!」
「私も聞きたいわね。テロの一因になるのなら、コカビエルが戦争を再開させるのを止める理由もないと思うのだけれど」
俺と部長にそう言われて、ヴァーリは軽く肩をすくめる。
野郎……余裕だってのか!?
「簡単だよ。俺はコカビエルを連れ帰っているときにオーフィスにスカウトされたんだ。強者との戦いに飢える俺にとって、「アースガルズと戦ってみないか?」なんて震える誘いは断れない。戦争を嫌うアザゼルのもとにいるなら、なおさらさ」
な、なんて奴だ。
戦争を終わらせる和平会談に参加しておきながら、戦争がしたいからテロリストになるとか無茶苦茶だ。
この野郎……っ。コカビエルを止めに来てくれたから大丈夫かと思ったら、コカビエルのことを馬鹿にできないような野郎じゃねえか。
アザゼルは結構平気そうだけど、そんな平然としないでくれないかな。
「なあヴァーリ。俺は、お前に「戦争の原因にはなるな」っていったはずなんだがな」
「関係ないね。俺は戦えればそれでいい」
ヴァーリはそうきっぱり言うと、兜を消して余裕の表情まで浮かべやがる。
「それに、俺としては強者との戦いは必須条件さ。俺より強い奴がいないつまらない世界なら死ねばそれでいいが、俺より強い奴がいるのなら戦う方法を探るのは当然さ」
な、なんて奴だ。なんて奴だ!
自分より強い奴と戦えないなら死んだほうがましだってのかよ。なんでそんな考えになるのか、俺にはさっぱり理解できない。
俺は強い奴と戦うより、おっぱいにもまれたりかわいい子に囲まれる方がいい。っていうかなんでわざわざ命がけの闘いなんてしなけりゃならないんだよ。
こいつと俺とは分かり合えない気がする。ドン引きだ。
「野郎……っ! じゃあ何か、お前は対を成す赤龍帝の俺とも戦いたいってのか!?」
勘弁してほしいけどマジであり得る。
だって俺、赤龍帝だし。ドライグの話だと、二天龍は神器に封じられてからも毎度毎度激突してたらしいし。年齢が同じぐらいだから、多分ヴァーリは他の赤龍帝と戦ったことがなさそうだし。
だけどヴァーリの奴、俺のことをすっげえ冷めた目で見てきやがった。
「……正直に言えば、さっさと死んで次の赤龍帝になってくれた方が楽しめるんじゃないかとは思うね」
マジでひどい!
どうせ俺は歴代でも才能ない方だよ。下手したら最も才能がないよ!
それでも一生懸命頑張って生きてるんだ! ハーレム王になりたいんだよ、この野郎!!
「まったく。彼の危険性を知っておきながら、のうのうと保護していた貴方の失態ですよ、アザゼル」
と、今度は色っぽいお姉さんがやってきた。
おお! 女悪魔のイメージにぴったりな人だ。悪魔の羽もあるし、これぞ女悪魔って感じだ。
俺が思わず鼻の下を伸ばしていると、その女の人はすごく馬鹿にした目を向けてきた。
「この下品な男が今代の赤龍帝ですか。ヴァーリ、殺すのかしら?」
「正直迷っている。俺はあまり食指が動かないし、俺のルシファーとしての長いせいで、最初に倒す赤龍帝がこれっていうのはどうかとも思っているんだ」
「ぼろっかすだなおい! ……ってちょっと待て、ルシファー!?」
俺は思わず目をひん剥いた。
さらりと言ってたけど、魔王ルシファーとか言ってないか!?
部長もそれに気づいたのか、ヴァーリを二度見している。
「……アザゼル、どういうこと!? ヴァーリがルシファーって……どういうことなの!?」
「……あ~。一応会談でいうつもりだったんだが、ミカエルがレヴィアタン連れてきたり、テロされたりでいうタイミングがなくってなぁ」
アザゼルはそう言うと、少しだけ真剣さを増した顔つきになった。
「ああそうだ。ヴァーリはルシファーだよ。正しくはルシファーのひ孫で、母親が人間だから神器を持てて、しかも神滅具っていうスペシャル中のスペシャルだよ」
「……嘘でしょ」
部長が愕然となって、ヴァーリを震えながら見る。
そりゃそうだよ。
神滅具って神や魔王すら殺せるって話なんだろ? ルシファーって魔王の一角なんだろ? で、ヴァーリはどっちもなんだろ?
ありかよそんなの。チートすぎるだろ。
俺たちが愕然としていると、色っぽい姉ちゃんが含み笑いを浮かべる。
多分こいつがカテレア・レヴィアタンだよな。
「正直に言えば混じり物というのは不満です。ですが、偽りのルシファーよりは肩を並べるだけの価値はあるでしょう」
そう言いながら、カテレアは全身からオーラを放ちながら、こっちに敵意も向けてくる。
アザゼルは立ち上がりながら、そんなカテレアに興味深げな表情を浮かべてきた。
「……で、そのパワーアップがオーフィスからの贈り物ってか? いい感じにそそのかしただけあって、それなりの恩恵は受けてるようだな」
「ええ。オーフィスにはあくまで象徴として立っていただきますが、それでもその力は助かるというものです。この力があれば、我々は三大勢力だけでなく他の神話体系すら統べれるでしょう。
彼ら? ユートピア?
なんか気になることは多いけど、そんなことよりどうやってここを潜り抜けるかだ。
どうする? どうすれば―
「……大丈夫です、イッセー先輩」
そこに、ギャスパーが震えながらもそんなことを言ってくる。
振り返ってみれば、ビビりながらもこっちに親指を立ててきてくれた。
「停止の力は解除しました。そろそろ解ける人も出てきます!!」
お、おっしゃぁ!
そう思ったとき、周囲からカテレアやヴァーリに殺気がぶつけられてくる。
おお! 見るからに強そうな悪魔や天使に堕天使が、俺たちを守るようにカテレアとヴァーリを包囲してきてくれたぜ!!
「……これは困りましたね。ヴァーリからの情報を使って有利に立ち回るつもりでしたが、英雄派の者たちももっと連れてくるべきでしたか」
「あの術式をもう解くとはね。結構強力な術をかけられていたはずだし、アザゼルのリングだけでできることじゃない」
眉をしまえるカテレアとは違って、ヴァーリはなんか嬉しそうだ。
しかもそのまま、ヴァーリは部長の方に顔を向けてくる。
「いい眷属だ。きっと強くなるだろうから、大事に育てるといいさ。そこの赤龍帝とは違ってね」
「……ええ。イッセーもギャスパーも、私の大切な眷属だもの。いつか必ずあなたにも届くわ」
部長ぅうううう!
俺がなんか馬鹿にされてるのに対して、俺のこともさらりとほめてくれるなんて!
俺はなんて最高の主を持ったんだ。これは頑張って強くならないと男じゃないぜ。
何より、俺はハーレム王になりたいんだからな。部長に胸を張れる
「くっくっく。こりゃ俺もやられっぱなしじゃだめだな、ああ」
そう言いながら、アザゼルはコートのポケットをごそごそと探っている。
「……しっかし
「人には過ぎた力でしょうに。我々の新たな秩序においては、不必要というほかありません」
そういやそうに言ってくるカテレアに、アザゼルは歯をむいて笑う。
あ、これ喧嘩売るタイプの表情だ。
「だったらお前は生かしちゃおけねえなぁ。ようやく和平を結んでいろんな勢力の技術も調べられるってのに、それを台無しにするやつは……消えてなくなってもらわなくちゃぁな!!」
そういうなり、アザゼルはなんか小さな短剣を取り出した。
ヴァーリもそれは知らないのか、けげんな表情を浮かべてやがる。
「なんだそれは? 神器研究でそんなものは見たことがなかったが」
「そりゃそうだ。こいつは俺やシェムハザ達一部の連中しか知らねえ秘奥の秘。神滅具に喧嘩すら売れる人工
そういうなり、アザゼルの手にある短剣が光り輝く。
そして、アザゼルの全身に黄金の鎧が展開された。
ってなんだありゃぁ!? 感覚的には俺が至った疑似禁手の鎧に近いけど―
『どういうことだ、アザゼル。そのオーラ、ファーブニルのそれを感じるんだが?』
ど、ドライグがわざわざ聞くようなレベルなのかよ。
カテレアもヴァーリも目を見開いて驚いてる。っていうか周囲の人たちも、リアス部長も含めてめっちゃ注目してるし。
そんでもってアザゼルも、めっちゃ自慢なのかちょっと得意げだ。
「これが疑似禁手、
「……龍王を封印した、禁手にもなれる人工神器!? それだけの力を持ちながら、なぜ今の世界のままでいることを望むというのですか!」
カテレアはそう大声を上げるけど、アザゼルは「ハッ!」と鼻で笑う。
「そりゃ今の世界が気に入ってるからだよ。ほら、文句があるならかかってきな! なんならこっちからきてやろうか?」
「……いいでしょう、ならば……っ!」
カテレアはオーラを高めるけど、どう見ても今のアザゼルの方がオーラの質が高い。
そしてアザゼルは光の槍を展開すると、逆に向こうから仕掛けにいった。
「遅いぜカテレアぁ!」
早い! あ、これアザゼルの勝ちじゃ―
「――もう一つの切り札を使いましょう」
―そう思った瞬間、アザゼルの槍が受け止められて、カテレアのオーラも増大化した。
しかも、アザゼルの槍を受け止めたのはカテレアの手でも足でも結界でもない。
カテレアの腰あたりを鎧が包んで、そこから生えて先っぽが剣みたいになった尻尾が、アザゼルの攻撃を受け止めてた。
「っ! 馬鹿な、この出力は
「注意力が散漫ですよ?」
その瞬間、地面が急に盛り上がった。
俺たちが立っているところが陥没して、それと同時にカテレアとアザゼルの真下の土が、剣みたいな形状になって盛り上がる。
アザゼルはそれに反応して光の槍をとっさに放つ。一発一発が俺が戦った堕天使の中でもトップクラスのそれだ。
だけど、光の槍はそれをあっさりと弾き飛ばして―
「……まあ、
―カテレアがそういう中、アザゼルの右腕が切り飛ばされた。
「この神滅具候補、
な、ななな……なんだそりゃぁああああああ!?
カテレアでした! 残念、一番選択者が少なかったぁ!
いやぁ、まさかカテレアが一番低いとは正直思ってませんでした。
グレンさんは基本として「オリ主の分だけ敵を強化」ですし、カテレアは「ロンギヌス・イレギュラーズ」で邪龍戦役までもつれ込み魔王化状態のヴァーリすら追い込んだ魔改造しやすいキャラクター。魔改造の必要性が薄いヴァーリやイッセーは当然として、アザゼルという原作でフルボッコにしやがった怨敵をボコるという、割と面白そうな天界なのに、ギャスパーと同じ立った一つというのは実にびっくり。
まあこの魔改造の方式には裏がありますけどね! それについてはまだまだ時間がかかるのだ!
さて、そして停止も解けて三大勢力が本腰を入れて迎撃できるようになったこの状態。
………カウンターのテコ入れがないなんて、さすがに思ってないですよね?