きゅっきゅふきふき☆きらぴかりん♪ ハイスクールD×D異聞~外宇宙文明を添えて   作:グレン×グレン

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はーい! そんなこんなで第一章もどんどんヒートアップしてきました。


そしてついに、この作品の禍の団編のラスボスが登場します。






……え、早い?

いえいえ、かなり初期から大ボスが顔出しするのも珍しくないでしょう。幸いハイスクールD×D、主人公たちより強い味方が別口でバトルすることもよくありますし?

何より、こういうタイミングで出てこないという選択肢がないキャラ造形ですし。


第一章 其の二十三 進化の輝きを見せる者

 

 

 祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 な、なんだ彼らは!?

 

 こちら側の猛反撃を前に、少しでもずれれば死ぬようなぎりぎりの回避や、瀕死の重傷と引き換えのカウンターを叩き込んでくるのはまだ序の口。

 

 致命傷になった仲間たちが自分から促し、笑顔を浮かべあいながら爆弾ととして投擲する。

 

 切断された腕を近くにいた仲間が打撃武器として使い、それを最初から読んでいるとしか思えない動きで、さらなる追撃を放つ。

 

 果ては自爆した者たちは最初から武器として託すために、人工骨格を埋めている始末。

 

 一番恐ろしいのは、それを全員が笑顔で納得して誇らしげに戦っていることだ。

 

 ……狂っている。気がふれているといっていい。

 

「あれが、君たちの仲間だというのか!」

 

「ああそうだ! ま、正規構成員の八割程度で、俺たちは二割の比較的ましな方だがよぉ!」

 

 シュベルトの反撃をかわしつつ、僕は戦慄しながらも距離をとる。

 

 これはまずい。明らかに流れは向こうが支配している。

 

 当然だろう。こんな狂気の戦士たちが、卓越した連携と洗練された技術を持って、大部隊でこちらを襲っているのだ。

 

 気おされない方がどうかしている。こんなもの、正論や根性で威圧をはねのけれる方がおかしいのだ。

 

「ま、だからこそやばい実験とかも楽なんだけどねぇ。それなりに合わせ解けば、僕らみたいなのし上がろうって連中には都合がいい組織だし」

 

「全くだねぇ。聖剣因子もありとあらゆるところから数万人分集めてるし、バルパーのおかげでエクスカリバーの量産準備も秒読み段階ってのは最高だよ! 金も資材もある上に、手段を択ばないってところが都合がいいさね!」

 

 シックルズとシャミールもそう吠えながら、しかし少しずつだけどこちらに対する攻撃を弱めている。

 

 僕たちが推しているというわけではない。相手が自分から守りに力を割り振っているんだ。

 

「……逃げる気?」

 

「まあね。僕らはあいつらほど頭のねじが外れてないし、自爆祭りは精神衛生上悪いからさ」

 

 小猫ちゃんにシックルズがそう答えながら、いつの間にか増産していた蜂を新たに追加する。

 

 うすうす予想はしていたけど、非常用に余力を残していたというわけか。

 

 昔から一歩引いた視点で立ち回っていたからね。撤退準備をするなら彼が適任だとは思っていた。

 

 そして、シャミールもそれを了承済みなのか、聖剣から光の銃に獲物を持ち帰ると、僕たちに向かって斉射する。

 

「んじゃ。あたしらは外の連中を何人か狩って帰るよ! こいつらすでに現役の上級悪魔眷属より上だし、狩るのは仕立て直してからで十分さね!」

 

「わかったぜ姉御ぉ! んじゃ、今度会った時は殺してやるぜぇ!」

 

 射撃をうまく利用して、シュベルトは素早く後退する。

 

 やはり逃げる気か。

 

「逃がしませんわ!」

 

 朱乃さんが素早く雷撃を放つけど、その雷撃に蜂がぶつかっていく。

 

 そして蜂が破裂した瞬間、盛大に煙幕が巻き起こる。

 

 くっ! やはり撤退のための仕込みはしていたか。

 

 それも肌にピリピリとくるこの感覚、銀粉を仕込んでいるのか?

 

「ゼノヴィア、風の聖魔剣で吹き飛ばすから、あいつらを逃がさないように―」

 

「……じゃ、だめ押し」

 

 僕の声をさえぎるようにシックルズの声が聞こえたその直後、盛大に煙幕が爆発する。

 

 ……粉塵爆発!?

 

 小麦粉とかで起きるとは知っていたけど、煙幕でも可能なのか!?

 

 いや、粉末状の火薬を仕込んでいた可能性はある。金属粉末もマグネシウムとかが使えるだろうし、そのあたりまで入念に準備してたというわけか。

 

 粉塵爆発の影響で、軽い酸欠になってしまった。

 

 これでは追撃は不可能だ。むしろ流れ弾を食らわないように、警戒して守りを固めておかないと。

 

「……アーシア、無事か!?」

 

「は、はい! 皆さんもこちらに、回復します!」

 

 比較的距離を開けていたゼノヴィアとアーシアさんは大丈夫なようだ。

 

 今はゼノヴィアが周囲を警戒しながら、アーシアさんが一足先に朱乃さんを回復している。

 

「……僕たちも、いったん合流しよう」

 

「そうですね。……あの、祐斗先輩」

 

 小猫ちゃんは僕に気づかわしげな視線を向けてくる。

 

 うん、言いたいことはなんとなくわかるよ。

 

 腐っても、同じ聖剣計画の被験者だ。ある意味で運命共同体だったのだから、思うところがあるのだと思っていいんだろう。

 

 小猫ちゃんだってそうだ。彼女も唯一といっていい肉親との間に、深い亀裂がある。

 

 だからきっと、捨てきれない肉親の情と強い嫌悪感がないまぜになっているんだろう。

 

 うん。その気遣いはとてもうれしい。

 

 だけど、大丈夫さ。

 

「僕は、リアス・グレモリー部長の騎士(ナイト)で、小猫ちゃんたちの仲間だよ。答えはこれで、十分かな?」

 

「……はい、そうでした」

 

 ああ、大丈夫だ。

 

 絆を結んだ同志たちの想いは、僕の聖魔剣に宿っている。

 

 大切な今の絆は、ここにいる仲間たちと結んでいる。

 

 だから大丈夫、戦えるさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この状況の打開において、サーゼクス・ルシファーは速やかな判断を下した。

 

 現状の大部隊をもってしても追い込まれている理由は、わかりやすい。

 

 未知の存在、理解しがたき存在に対する威圧感だ。

 

 こういうものは気合と根性で押し切れないものだ。というより、そういうことができる方が少数派なのはどこの世界も同じだ。

 

 そんなものは、悪魔という種族のかじ取りをしていればいやでもわかる。

 

 ゆえに、サーゼクスは外側の敵をまず制圧することを選択した。

 

 今の段階でも趨勢はこちら側であり、防御結界のカバーに入ってくれている者もいる。おかげでセラフォルー達を支援に行かせることもできており、結界の維持はグレイフィアに任せることができた。

 

 だが、内部においては明確に敵の勢力が趨勢を傾けている。

 

 これを傾けるには、外側の味方を一気に投入して京劇の形をとるのが一番だ。数の差が一気に広がれば敵の士気にも少しは影響が出るだろうし、味方の士気は明確に変わるだろう。何より戦術的にも戦略的にも有利になる。

 

 ゆえに、サーゼクスは消滅の魔力を多数球体として展開し―

 

「そんなつまらない流れはよしてもらおうか!」

 

 ―その言葉とともに、魔力が霧散する。

 

 とっさに自身の魔力を増大化させると同時に、サーゼクスは新たな敵を察知する。

 

 聖なるオーラが自分の周囲を包み込み、魔力そのものを霧散する効果まで付加されている。

 

 その空域を作り出すのは、広い範囲で自分を囲む、十二の大剣。

 

 そして、自分を見下ろす位置で一人の男が立っていた。

 

 三十前後の、しっかりとした体格の男。決して痩せているというわけではなく、しかし肉が付きすぎているというわけでもない。割とがっちりとしている……という表現が適切だろう。

 

 何より特徴的なのは、その目だ。

 

 ギラギラと光っている、などという表現では生ぬるいほどに、その眼には意思の輝きが秘められている。

 

 その強さは星や太陽という言葉では表しきれない。まるで恒星が寿命を迎えて爆発したかのような強い光が、常に持続しているといわんばかりの、思わず水戸えてしまうほど強い意志を感じる瞳だった。

 

 そしてそれは、あまりにも危険な感覚を覚えるものだった。

 

 たとえるならばまさに恒星の爆発だろう。

 

 宇宙には、原爆の爆発など比べ物にならない規模の放射線があふれている。それは基本的に恒星が輝く理由である、核融合のそれによるものだ。

 

 この男の目はまさにそれだ。あまりにも強く輝くがゆえに人々の目を焼き、その放射能で多くの被害を生み出し、死の光だ。

 

 十中八九的である以上、倒せるなら倒さねばならない。

 

 そう理解しながらも、だからこそサーゼクスは、まず言葉を持って相対する。

 

「……君も禍の団(カオス・ブリゲート)の一員か。そして、私の消滅を消したのはその神器かね?」

 

 情報を収集する必要は絶対だ。何より、魔王級の力を込めた魔力をあっさり消した力は、何としても情報を収集しなければならない。

 

 それゆえの言葉に対し、男は素直にうなづいた。

 

「その通り。俺こそが、今回の作戦で最も人員を派遣した組織、アラヤルの基本技術を産み出し、そして神器を増やした者」

 

 其の前置きとともに、男の周囲に大拳が集う。

 

 それを油断なく構えながら、男は宣言した。

 

「神滅具となりえる十二神将が至るは造化三神(ホロスコープス・デミウルゴス)の創り手、楽土創生軍(ユートピア・クリエイターズ)が盟主、エボリュート・ザ・グリッター!」

 

 その力強い言葉とともに、男は右手で何かを拭くような動作をする。

 

 そして、それと同時に一息をすい、目を見開いた。

 

「シャーイニング!」

 

「……ああ、なるほど」

 

 サーゼクスは一瞬あっけにとられたが、すぐにどういうことかを理解する。

 

 どうやら、今の動きと掛け声は楽土創生軍(ユートピア・クリエイターズ)の敬礼に近いらしい。

 

 ナチスドイツが手を前に突き出して「ハイル・ヒトラー」というのと同じだろう。そもそも敬礼というのは組織によって形式が異なるので、この辺については問題がない。

 

 と、いうよりも。

 

 其の明らかに厨二病こじらせた名前は、まさか自分でつけたのか、とか。

 

 神器を増やしたとはどういうことだ、とか。

 

 そもそも自分の神器を神滅具になりえるというのは、外れた場合恥ずかしくて死ぬんじゃないか、とか。

 

 いろいろ突っ込みたいことに比べれば、まだかわいいものだ。

 

 そして何より、今優先するべきことはそこではない。

 

「……アラヤル、と言ったか。それは今この町で行動している戦力のことかね」

 

「その通り! 厳密にいえば、あれは輝こうという気概すらない屑石を、せめて光をもたらす燃料とするべく作り出した、ストライカーアラヤルだ。ゆえに、性能は据え置きで数だけは多くなるよう設計している」

 

「なるほど。確かにその通りだ」

 

 ストライカーという名称と、その動き。サーゼクスはストライカー装甲戦闘車両という兵器があることを思い出した。

 

 確かに、車両状態になっての機動力、本体の戦闘能力、そして兵員を出して使役する能力。映像から見て、ストライカー装甲戦闘車両のできることを再現しているといってもいい。

 

 ただ、少しだけ気になった。

 

「ストライカー装甲戦闘車両はさまざまなバリエーションがあると聞く。なぜそれらを利用しない」

 

 サーゼクスは現魔王。いわば国家元首に近い立場だ。必然的に他国に対する情報もある程度は頭に入れる義務がある。

 

 さらに悪魔は人間との交流と契約が基本活動。必然として魔王ともなれば人間社会に対する見識が必要で、大国アメリカについての知識は相応になければならない。そのアメリカ合衆国の主要兵器でもあるストライカー装甲戦闘車両に対する知識は、素人以上軍事マニア以下といったところだ。

 

 そしてストライカー装甲戦闘車両は、同系統の車両を利用した部隊だけで構成されるストライカー旅団構想とやらの中核。そのため、機械化歩兵部隊以外の部隊にも系列車が使われている。

 

 今活動しているアラヤルは兵員輸送車仕様。確か偵察・火力支援・自走迫撃砲・通信指揮など、さまざまな種類が存在したはずだ。

 

 そういったものが見当たらないのは、少しだけ違和感がある。

 

 それに対して、エボリュートは静かに首を横に振った。

 

「それは仕方がない。アラヤルは普遍的無意識から抽出したイメージを封じ込めた力。世間一般レベルの認識と実用能力を踏まえると、そういったバリエーションに対する対応能力は持たせられなかった。……だが、逆もまた然り」

 

 その言葉とともに、エボリュートはサーゼクスに不敵な笑みを浮かべる。

 

「聖書の神が人にもたらす奇跡は聖なるものである。そういう数十億の人類の漠然とした思い込み(イメージ)ゆえに、俺は悪魔の力を自動的に削減する聖なるオーラを力として保有している。これは本来この神器にはない力だが、「聖書の神が人に与える加護」という漠然としたイメージを利用すれば簡単にできる初歩中の初歩の応用技だ!」

 

「つまり、その神器の力は……っ!」

 

 サーゼクスは、すでに相手の危険性を痛感することができた。

 

 彼の発言が正しければ、あの神器の危険性はある意味でそこが知れず、同時に恐ろしいまでに危険なものである。

 

 もしこの推測が正しければ、禍の団、少なくとも楽土創生軍(ユートピア・クリエイターズ)にとって人材発掘においてどの組織でも勝てない圧倒的なアドバンテージがある。

 

 可及的速やかに無力化せねば、三大勢力が数で圧殺されることすらあり得る。捕縛などという生ぬるいことは断じて言えず、抹殺を即断するべき状況だ。

 

「なぜだ? 自分が姿を見せ、更に己の力を語る危険性が理解できないのか?」

 

 サーゼクスもさすがに聞きたくなるほどの事態といってもいい。

 

 この男をどうにかするのは急務以外の何物でもなく、同時にこれは明確なチャンスだ。

 

 三大勢力の中核を殲滅する最大の好機とはいえ、自陣営の莫大な戦力向上が台無しになりかねない行動はあまりにもリスクが高い。

 

 自分が言えることではないが、彼の能力を考えればそのリスクは比較にもならないほどあちらの方が高いのだ。

 

 その懸念に対し、エボリュートは不思議そうに小首をかしげる。

 

 そこにはどこか幼児を思わせる純真さと、老害を思わせる淀みが併せ持たれていた。

 

「何を言う。この禍の団(カオス・ブリゲート)の初陣ともいえるこの大一番! 光り輝くこの舞台に、己を輝かせずして、楽土創生軍の盟主が名乗れるものか!」

 

 何の迷いのなく、はっきりそう告げる。

 

 そこには意思があった。

 

 そこには決意があった。

 

 そこには信念があった。

 

 そしてそこには、世界を敵に回してでも、世界の方が間違っていると断じることができる、一つの答えがあった。

 

 それを感じたからこそ、サーゼクスは力を向けることをいとわない。

 

 禍の団の首魁たる無限(オーフィス)すら超える、無塵の脅威こそがこの男だと、もはや確信すら抱いたから。

 

「いいだろう。私は君を、悪魔の、冥界の、三大勢力の……いや」

 

 そのような言葉では足りないだろう。

 

 だからこそ、あえてこの言葉で彼を定義づけよう。

 

「世界の敵と判断する」

 

「いや、世界の光を何より尊ぶ、三千世界を輝かせる光の守り人であると覚えておけ!」

 

 今この場において、文字通りの頂点同士の激闘が開始された。

 

 

 

 




 ついに本格登場、楽土創生軍の盟主ことエボリュート・ザ・グリッター。

 この中二センスあふれる明らかな偽名っぽいネーム。こんなところまでシルヴァリオ要素入れなくてもというツッコミはまあ、出てきてもおかしくないでしょう。

 この男、Light風に言うなら「甘粕とファブニルを足して気合信仰と人類全体に対する信頼を八割がた削った男」とでもいうべき男です。

 Lightでピンとこない風に言うなら「邪悪なアンパンマン」と「悪い松岡修造」をたして「迷惑なレベルの根性論や人類の善性に対する信頼」をごっそり削った
ような男です。




 なのでまあ、サーゼクスやばいです。なにせこいつとの最終決戦は「D×Dの二天龍」に「同格状態の錬一とホロウ」が「真っ向から挑む」形にする予定です。ついでに言うとその傍ら「ほかの神滅具保有者及びチームD×D」を「余技で足止め」する漢字にする予定です。

 これまでのグレンさん作品で出てきたボス格もたいがいやばい連中ですが、こいつもたいがいやばいです。まあかつての作品に見劣りするボスなどだれが見たいのかともいえますけどね。

 まあそんな奴なので、目的とする天上楽土もあれ過ぎる世界ですね。なんというか字面はLightにわかる人でいうなら「極楽浄土の方がまだましな気がする」とでも言いましょうか。まあ、それはあと数話ぐらいで説明できるので、ここではこれ以上は控えておきます。
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