きゅっきゅふきふき☆きらぴかりん♪ ハイスクールD×D異聞~外宇宙文明を添えて   作:グレン×グレン

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と、いうわけで再び視点は結界内に。








いろんな意味で頭の痛くなる展開が出てきます。原作的にも本作的にも。


第一章 其の二十四 狂いきった慈悲と憤怒

 

 アザゼルSide

 

 

 

 

 

 

 

 ったく。まさか新兵器のお披露目で追いつめられるとは、悪党扱いされやすい堕天使の親玉として合格点なのかねぇ?

 

 つーか、何百年も前から生きてる純血悪魔のカテレアが、寄りにもよって新規神滅具候補を宿してるだと?

 

 どう考えても移植したんだろうが、それにしちゃぁ強すぎる。

 

 神器の移植はハイリスクハイリターンだ。移植しても適合できず使いこなせないのは序の口。使える使えないに限らず、本来の能力が圧迫される可能性もある。下手すりゃ神器が毒になって、悪影響を及ぼすことだって、本来の保有者でも起きるケースがあるから当然ある。

 

 にも関わらず、カテレアはとりあえず十分なレベルで黒曜岩の剣尾(グランドロード・イーヴィル)を使えている。

 

 ミカエルが戦闘中に補足説明してくれたあれの能力は大きく分けて二つ。地殻を再形成して操る異能と、地殻変動のエネルギーを吸収して己を強化する能力だ。

 

 地殻再形成はかなり面倒な能力だ。物体の結びつきも強化するのか、俺が本気で光の槍を放っても完全破壊にてこずるレベル。カテレアはレヴィアタン家(自分)の特性を生かして龍にしているが、魔力と地殻変動のエネルギーを利用して、最上級悪魔クラスの砲撃をいくつも連発してやがる。

 

 事故強化においてもかなりやばい。カテレアの今の戦闘能力は、魔王クラスどころか武闘派の神クラス。アスラ神族でも一対一で勝てる奴は少ないだろうレベルだ。

 

 ぶっちゃけた話、もしセラフォルーが一対一でカテレアに挑んでたら、間違いなく殺されていただろうな。それだけの性能を奴は手にしやがった。

 

 だが、三対一なら話は別だ。

 

 俺が腕一本切り落とされたことを踏まえても、魔王2,8人分ってところだろうな。それに対して、今のカテレアの性能は魔王二人分が精々ってところだろう。

 

 更に数で上回っているのが尚更有利だ。数的有利は単純な質の差よりも大きくなることがある。同時に対処しなければいけない数が多いってのはそれだけで大変で、何度かやりあった仲だからある程度は連携が取れる。特に俺は元々天使だから、少しはミカエルと息を合わせられるしな。

 

 だが、カテレアの奴は中々しのいでやがる。

 

「セラフォルー……っ! 例え私が死のうとも、貴方だけは道連れにしなければ、クルゼレイ達に合わせる顔がありません……っ!」

 

「か、カテレアちゃん強い! こんなに強くなっただなんて……っ」

 

「慎重に行きましょう。サーゼクスが外を片付けるまで持てば、確実に勝てるでしょうから」

 

 セラフォルーを上手くカバーするミカエルの言う通りと言いたいが、少し不安だな。

 

 今回の作戦、旧魔王血族の高いプライドもあることから、作戦の指揮は確かにカテレアだろう。そこは間違いない。

 

 だが、それは最強戦力がカテレアだということを証明しない。

 

 最悪、後詰に同格が一人いたとしても驚かねえ。ああ、その可能性は十分にあるだろう。

 

 サーゼクス一人だと、こっちが決着をつけるより手間取りそうだな。下手したら深手を負う可能性もあるだろう。

 

 ……目の前のカテレアの強化っぷりに、二人はまだそこまで思い至ってないようだ。ま、あえて行って隙を作る必要もない。

 

 それより、こっちはこっちで対応しなけりゃなんだが―

 

「……ふははははははっ! いいだろう、ならば俺も本気の一端を見せてやるさ!」

 

 っと、ヴァーリの奴、何かテンションが上がってるな。

 

 全員の視線がそっちに行ったんで俺も見てみりゃ、どうやらイッセーの奴、疑似禁手に到達したみたいだな。

 

 しかも右腕だけ白くなってやがる。何をしでかしたのかは分からねえが、白龍皇の力でも宿したのか? こっちが研究している反転(リバース)に近い原理かねぇ?

 

 だが、その所為でヴァーリも興が乗ったようだな。あの技を使うとは、本気モードに入ってきてるようだな。

 

 肝心のイッセーの奴はどうも分かってねえみたいだな。流石に説明しないとまずいが、どんな説明が分かりやすいかねぇ。

 

 俺は少し考えて、ちょっと面白い言い回しを思いついた。

 

 ああ、カテレアとかには挑発になるし、和平会談の場でリアス・グレモリーと子作りって話に乗っかるならあいつには分かり易いだろ。

 

 と、いうわけで―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ分かり安く言うと。そいつのその技を放っておいたら、リアス・グレモリーの乳房が半分になっちまうぞー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ふざけんじゃねえぞ、ヴァァアアアアリィイイイイイイイイイ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここまで化けるとは俺も想定外だ。

 

 こいつどんだけおっぱい好きなんだよ。全然色ごとに興味向けてないヴァーリと対照的すぎじゃねえか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 錬一Side

 

 

 

 

 

 

 

 

「麻生田流の格上と本気の殺し合いができるだなんて、ついているというべきかしらね!」

 

「そもそもどこで習得したのか、倒した後で吐かせるからね!」

 

 ホロウと龍華姉さんが真っ向から激戦をしている間、俺たちは俺たちで苦戦していた。

 

 敵は一人、タッセール・リベーンとかいう男。

 

 俺を復讐者にする為に俺以外を殺すとか言ってきたが、いったい何なんだこの野郎は。

 

 面識もないし恨まれる覚えもない。何より態々復讐者にする理由が分からない。

 

 しかもしてあげようとか言う、善意の行動っぽいノリなのも気になる。

 

 冗談抜きで何を考えてやがる?

 

 そして何より―

 

「砕け散るがいい!」

 

「だからさせるか!」

 

 放たれる砲撃を、俺はフィンブレードで撃ち落とす。

 

 徹頭徹尾俺に対しては牽制にとどめ、アメリア達を狙ってくるタッセールは、姿が怪物のそれになっている。

 

 映像で見たその怪物に似通っているその姿は、まるで戦車を人型に変えたような姿だ。

 

 ついでに変化する前に、サファイアみたいな大きな球体を構えたうえ、『タンク』とか聞こえてきたのも少し気になる。

 

 おそらく文字通りタンク―それも戦車―の力でも宿しているんだろうが、それにしても頑丈すぎる。

 

 戦車は確かに強力だが、無敵の兵器ってわけじゃない。

 

 装甲の厚みは場所によって大きく変わるし、比較的薄い上面装甲なら30mm弾で十分ぶち抜ける。タンクキラーと名高いA-10攻撃機も30mmガトリングガンで戦車ぶち抜いているからな。

 

 にも関わらずこの頑丈さ。タッセール自身が強いにしても、何かがおかしい。

 

 むしろ戦車という存在に対する、軍事知識がそんなになり連中のイメージを忠実に再現してるかのような頑丈さ。攻撃の連射速度もゲームみたいな感じだ。

 

 とにかく厄介だってことはよく分かった。

 

 だから―

 

「真正面から叩き潰す!」

 

 現実問題、俺が真っ向勝負に持ち込むのが一番有効だろう。

 

 この男はどうやら俺を殺すつもりがない。なら、俺を殺さないとまずい状況に追い込むまでは有効だ。

 

 どの辺りまでがボーダーラインかが分からないのは危険だが、意図的に殺そうとしている者を積極的に善瑛にするのは問題だろう。

 

 だから―

 

「姉さんたちは龍華姉さんを頼む! それが終わってから全員で叩き潰すべきだ!」

 

「錬一……ああもう! あなたは本当に、重要な時は自己保全よりクレバーな判断をしたがりますよねぇ!」

 

 アメリアに怒られるが、こればっかりは仕方がない。

 

 なにせ、今は重要な戦いと言ってもいい。

 

 普段の日常なら、まあ俺もしたいことがある時はちょっとぐらいそっちを優先したくもなる。

 

 状況次第では負けてもいい闘いなら、やばくなる前に撤退するという判断もあるだろう。

 

 だが、世の中には「自分自身のことを優先してはいけない戦い」が存在する。

 

 三大勢力の命運がかかり、更には強大なテロ組織が初陣を飾っているこの場合がそれだ。断じて個人の都合を優先するべきじゃない。

 

 だから、何故か後ろ髪が引かれるがホロウは優先的に叩き潰してもらう。それまで優先殺傷対象じゃない俺が時間を稼いで、全員でリーベンをぶちのめすのが最適解だ。

 

 やるべきことをやらなければいけない時、やりたいことを優先してはいけないだろう。やるべきことをできるのなら尚更で、俺はそういう立場にいる。

 

 ただでさえ、信仰心の強さが重要な所属要素であるプルガトリオ機関にないも同じ信仰心で所属しているんだ。そんな我が儘を通してまでアメリアと一緒にいる以上、有事に俺が私情を優先していい道理はない。

 

 ああ、だからこそ、やるべきことをやる為にできることをする。

 

「態々人を復讐鬼に仕立て上げようとか、趣味が悪いな、おっさん!」

 

 こういう時、会話というのは中々いい方法だ。

 

 相手が乗っかってくれるという前提条件が必須だが、情報をある程度は引き出すことができる。

 

 個人情報や価値観も、そいつを相手にするなら行動パターンや行動規範を知るのに有効な可能性がある。まあ第二ラウンドがある時ぐらいでしか役に立たないだろうが、俺以外の……カウンセリングだったかスカウティングだったか忘れたが、そういう個人の性質を情報から推測する手合いがいるなら、その場でも役に立つだろう。

 

 一応念の為に、ICレコーダーもスイッチを入れている。これで何とかやりようはあるはずだ。

 

「俺のどこがそんなに嫌いかは分からないが、そんなに嫌いならさっさと殺した方がストレスが溜まる可能性は低いんじゃないか? 復讐鬼になんてなりたくないし、そっちの方がこっちも嬉しいんだが!?」

 

 割と本気でいかれているから、俺もそれぐらいは言っていいだろう。

 

 これで激昂してくれれば儲けものなんだが、さてどうなる?

 

「何を言っている? むしろ逆だ」

 

 なんか変なことを言ってきたぞ、こいつ。

 

「私も復讐に生きていた経験があるからよく分かる。憎悪とは汚泥、それも糞尿交じりのヘドロとかの類だ」

 

 そう語るリーベンは、どこか過去を見ているような雰囲気だった。

 

 この様子だと、適当ぶっこいて隙を作るとかって感じじゃないな。本当の話か?

 

「人を苦しむところを見るのが大好きな男。異能の技術をどこからか知り、戦車の砲撃程度ならあっさり防げるその男は、私の家族を苦しめて殺し、そして私を生涯に分けてそのショックで苦しめる為に生かしていた」

 

 その言葉には真実味があった。

 

「十年間だ。十年間殺せるように体を鍛え、様々な知識を集め、神器の覚醒という偶然がなければ、復讐を果たすことはできなかった」

 

 そこには、奪われた者が持つ苦しみが確かにあった。

 

「其の十年間はつらく苦しく、楽しみなど考えなかった。はたから見ても、苦痛としか言いようのない人生だっただろう」

 

 そこには、復讐というものに対する負の側面を、強く理解したものだけが持つだろう、痛みというべきものがあった。

 

 俺はそこに真っ当な人間が持つ悲しみを垣間見た。

 

 だからこそ。

 

「……だからこそ、その汚泥と苦痛による錬磨期間と、その汚泥を注ぎ落す復讐の達成感は至高の極み。我が人生を輝く至宝へと変えてくれた、運命の祝福だと断言できる。彼に対する感謝であふれかえったとも」

 

 ……その盛大な明後日の方向への、変動なんて生ぬるい超光速移動に、俺は一瞬頭が真っ白になった。

 

 え?

 

 は?

 

 へ?

 

 いや、何言ってんだおまえ。

 

 そこは「復讐の虚しさ」とか「復讐に生きようということが誤り」とか言うところだろう。

 

 いや、復讐を果たしたことですっきりするのはいい。聖人君子でもないなら嫌な奴がざまぁな展開になることですっきりするのはおかしくない。人間なんて美醜混ざり合ってるんだし、まあそこはあるだろうとは言えるんだけどな?

 

 ……なんでそれで「復讐に生きた人生は素晴らしい」になるんだよ。

 

 いや、まあ復讐劇が題材になる物語って結構ある……な。全部知ってるわけでもないけど、復讐をしっかり成し遂げて新たな人生を得たり、復讐の過程で得た絆で未来を掴むことはある。

 

 でも復讐対象に「復讐する為の努力と達成感を与えてくれてありがとう」なんて、普通は思わないだろう。

 

 俺がドン引きが十週ぐらい回った関心すら覚え始めている中、リーベンはまるで人生最高の瞬間を語っているかのような幸せそうな表情を浮かべる。

 

 いや、これはそんなもんじゃない。

 

「だからこそ、もっと多くの人たちに、強い輝きになりえる原石に、この喜びとそれを高め彩る準備期間を与えてあげたい。私の人生はその為にあり、だからこそ楽土創生軍(ユートピア・クリエターズ)の仲間たちの存在はありがたい」

 

 これは、誰かに施しを与えれ喜べる、一種の聖人のそれだ。

 

 人の幸せを見ると自分も幸せになる。

 

 自分の幸せな気分を誰かにも感じてほしい。

 

 自分の幸せを自分だけのものしない。それを誰かにも分け与えることができ、何よりそれを自分の幸せにできる。

 

 自分が喜ぶ道具として誰かを使うのではない。

 

 誰かの幸せの為に自分を道具にするのでもない。

 

 誰かの幸せと自分の幸せを両立できる、まさにヒーローとでもいうべき幸せの成り方ができる男。

 

「だから、君も幸せになってくれ。ちゃんと後で、君と一緒に幸せになれる復讐者(なかま)がいるから。決して一人では達成できない、絆の勝利は私の復讐(幸せ)以上だから。そのより良い幸せを継承されることが、光り輝くユートピア(未来)こそ、天上楽土(ユートピア)の本質なのだから」

 

 そんなあり方を魂から体現できる、そんな素晴らしいあり方を。

 

「だから、君を復讐者にしてあげたいんだ! 君を幸せにしてあげたいから!」

 

 ―こんな悍ましい形にできる、この男から目が離せない。

 

 恐怖も忌避感も極まりすぎて、一周どころか百週回って感動すらしそうになる。

 

 そのあってはいけない同様を、意地でも消そうと歯を食いしばり―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の! 部長の! みんなのおっぱいを、半減にしようとかマジぶち殺してやるぅぁあぁあああああああっ!?」

 

「がっはぁああああああああ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんかわけのわからないことが起きた。

 

 そういえば、乗り気になっている要求内容に「金を払うから」とか付加価値を加えると、急にモチベーションが下がるっていうことがあるらしい。

 

 やる気満々なところに水を差すって、インパクトがでかいって話だ。どんでん返しとかそういう手法の効果を示す一例だ。

 

 まあ、なんでそんなことをふと思ったのかというとだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっぱいは素晴らしいのに! それを半分にする技なんて開発するな! 小猫ちゃん達貧乳を苦しむ子の気持ちを考えろ! 本当に転生できないぐらい魂ごと消滅させてやるぞ、この野郎がぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 このどんでん返しは効果覿面過ぎだ。おかげで一気に動揺が冷めたよ。

 

 いや、お礼は絶対言いたくないんだけどな。

 




 数の差で優勢になっている対カテレア戦の裏側で、原作主人公と本作主人公が別の意味で狂気に直面するお話でした。


 イッセーに関しては自分が狂気の体現をぶちかましていますが、まあこれは原作の通り。はたから見たらドン引きものなのは言うまでもないので残当です。



 しかし別の意味でドン引きする錬一。

 正真正銘の善意で「復讐の達成とそこに至る過程は素晴らしいから、自分以上に最高の復讐劇をさせるために、見所がある奴の大事なものを殺して復讐者にしてあげよう」という理由。しかもそれが本当に人を幸せにすると『経験論』で信じ切り、それが成し遂げられる瞬間に自分も幸せな気分になれる。そんな男がリーベンです。

 まあ控えめに言って頭トンチキです。

 ちなみにこいつはぶっ飛び度高めですが、楽土創生軍においては「高いレベル」程度の稀少度でしかありません。ただし強さは除く。

 そしてもう少しで、このトンチキ集団の基本理念などの説明会になります。そしてトンチキによる迷惑もでかくなります。
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