きゅっきゅふきふき☆きらぴかりん♪ ハイスクールD×D異聞~外宇宙文明を添えて   作:グレン×グレン

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 どうもー。活動報告でも書きましたが、ファンタジア・リビルドに手を出したことでそっちにリソースが向いたり新しいアイディアが浮かんだりで、いろいろと面倒なことになりそうなグレンです。


 一応活動報告でその辺のっけてるので、ぜひご一読いただけると嬉しいです!


第二章 其の二  ……涙溢れる味との再会

 

 まあそんなこんなで、兵藤一誠の家は改築という概念に喧嘩を売る、豪邸へと進化した。

 

 周辺の土地は、三大勢力が合同で資金や代替の土地や建物を確保することで平和的に対応に成功。敷地面積は十倍以上に大拡張。更に四階建ての本館、左右の三階建ての別館、繋がっている地下三階という、文字通り破格の建物になっている。

 

 ちなみに本来なら敷地面積を少し減らして地上六階・地下三階にする予定だったそうだ。しかし三大勢力合同で動いた結果、建築関係に明るいものが「日照権」を指摘し、横に広げる方向になった。

 

 各種異能技術がふんだんに使われた結果、至近距離で水爆が爆発しようと決定的打撃を受けない頑丈さを保有。衝撃波で倒れることも無いよう、地面部分まで考慮して強化されており、それを応用して万が一に備えた地下シェルターを更に下に作っている為、そこは市民に開放されるように完成している。

 

 ちなみに、リフォーム前にある程度要望に応えてくれるということで、俺は「自室に趣味のスペースと自主トレ後のシャワーが欲しい」と要望。シャワー型のユニットバスとキッチンスペースが組み込まれている。冷蔵庫も備え付けだけでなく小型を一つ持ち込んで、朝起きた時ようにゼリー飲料などを設置。起きて飲んでちょっと趣味の本を読み、覚醒してから三十分基礎トレをして、シャワー浴びるついでに身だしなみができる。

 

 ゼルマンさんの方も見たが、ガチの洗面所につけるような洗面台や、ガラス張りの一人用バスルームを設置してやがった。オネェはその辺共同生活だと大変だろうけど、気を使ってくれたのだろう。……一応直属の上司だし、あとで温泉の下でも差し入れしてあげよう。

 

 まあそんなこんなで、俺たちはこうして合流したわけだ。

 

 アメリア達は麗華姉さんたちが迎えに行き、夕食時に合流する予定だ。俺も俺で、色々忙しかったんで、昼は食べてから来た。

 

 ……折角金持ちが金出している家で世話になるんだ。本当なら堕天使側に配属されてから解禁するつもりだった肉食を、今日から解禁することにして色々と我慢してた。

 

 リアス部長にもその辺は伝えており、この時期にあった日本食にしてくれるらしい。

 

 ああ、実に楽しみだ。

 

 ま、それはともかく

 

「……で、家がいきなりでかくなってた感想は?」

 

「度肝を抜かれることに慣れてきた自分が怖い」

 

 どうもイッセーの奴、寝てる間に改築されるとは思ってなかったようだ。

 

 まあ、異形はその辺がフリーダムなところがある。だから困惑するのも仕方がないだろう。

 

 俺はその辺を同乗しつつ、本館の方のキッチンにある菓子作り器具のテストもかねて作った、ホールケーキを取り分けながら話に参加する。

 

 ちなみにゼルマンさんは、イッセーのご両親と一緒にお茶を飲みに行っている。

 

 まだ事情を話してないから、その辺りも気を使っているのだろう。なんでもゼルマンさん、表向きはリアス部長が派遣した家事手伝い用の家令ということになっている。

 

 燕尾服とかはムードを考えてあまり着ない感じだそうだ。一応オーダーメイドで作ってもらったそうだが、駒王町で着ることはまずないだろう。

 

 ………俺は、ふとイッセーと目を見合わせる。

 

「メイド服をオーダーメイドしてなくてよかったと思うのは、俺が失礼なんだろうか?」

 

「俺に聞くなよ。言っちゃなんだけど、常連さんのおかげでその辺に耐性あるからさぁ」

 

 どんな常連だよ。

 

 ま、そんな感じでだべりながらケーキを食べていると、話が夏休みの予定に突入する。

 

 そして、リアス部長の言葉を聞いたイッセーが、フォークを取り落とした。

 

「………冥界に、帰る!?」

 

 なんで絶望ムードなんだ。

 

 そりゃ夏休みなんだから、故郷に帰省する程度してもおかしくないだろうに。

 

 お前は何で今生の別れみたいな表情を浮かべている。

 

 俺があきれていると、部長もその辺は同意見なのか苦笑していた。

 

「何を勘違いしているのよ。貴方も眷属なんだから、私と一緒に冥界に行くのよ?」

 

「……よかった!」

 

 本気で勘違いしていたらしい。

 

 というより、付き合いがまだまだ浅い俺でもわかるぐらい気に入られているのに、なんでそんな心配をするのやら。

 

 俺はこっちに顔見世に来ていた木場に、ちらりと視線を向けると、視線でイッセーを示す。

 

 木場もそれに苦笑すると、首を横に振った。

 

 おいおいマジか。もしかしてあいつ、鈍感なのか?

 

 散々ハーレム作りたいとか言っているくせに、何を寝ぼけてるんだ、あいつ?

 

「……マジでか。あいつ、あんなあからさまな据え膳に気づいてないのか?」

 

「みたいなんだよ。アーシアさんや朱乃さんたちも苦労しそうだね」

 

「……イッセー先輩、なんであんなに分かり易いのに気づかないんでしょう」

 

 男三人で軽く引いていると、リアス部長が話を戻しに来た。

 

「今年は若手悪魔で会合とかもあるから、眷属は全員冥界に帰省よ。その過程でこの家に住むメンバーは、ほぼ全員が冥界で合宿になる予定ね」

 

「というと?」

 

 俺がその辺りを聞くと、リアス部長は軽く苦笑する。

 

「ゼルマンは、念の為にお義父様たちの護衛を兼ねてくれるのよ。あんなことが遭ったばかりだし、一人ぐらいついていた方がいいでしょうって」

 

「「……あ~」」

 

 その辺りも気を使ってくれているのか。

 

 なんという気づかいの紳士。冥界から帰る前に、しっかりお土産を買っておかないと。

 

 俺たちがそう思っていた時―

 

「―んじゃ、俺もそれに便乗して冥界に行かせてもらうぜ」

 

「へ?」

 

 イッセーがそう声を上げたとき、ようやく気付いた。

 

 い、いつの間にいたアザゼル先生!?

 

「アザゼル? い、いつからいたの?」

 

「ちょっと前から来てたぞ? 普通に入っただけだってのに、修行不足だな」

 

 いや、普通に入ってくるなら誰でも分かるようでなければおかしいと思う。

 

 絶対からかい半分でこっちの実力を見に来ただろ。にゃろうめ。

 

 俺が半目で見てきていると、先生はにやりと笑ってくる。

 

「ま、出発そのものは明日だがな。その後、リアスたちは若手悪魔で会合だったか?」

 

「ええ。大王バアルと大公アガレス、そして現魔王を輩出した四家の次期当主が、代理一人を含めて全員歳が近いのよ」

 

 リアス部長がそう言うが、なるほどねぇ。

 

 悪魔ってのは桁違いに長命だが、出生率はかなり低い。だからこそ絶対数が少ないし絶滅危惧種から中々脱せていない。

 

 そんな中で、元七十二柱、それも本家、更には首脳陣側の家の次期当主が、ほぼ同年代。

 

 常識的に考えても、かなり珍しい事態だろう。

 

 代理ってのが気になるが、まあ俺は堕天使勢力側に籍を置いているから深入りしない。和平を結んだといってもその直後だし、そのあたりは遠慮するべきだろう。

 

「その上で、ひと月ぐらい後でお披露目のパーティ。それまでは冥界に滞在するんだろ?」

 

「そういうこと。いい機会だし、脅威や将来的なレーティングゲームに備えて特訓もする予定よ」

 

 なるほどな。で、俺もそれに参加するんだろう。

 

 一応同僚じみているから、置いてかれるのもそれはそれだ。肩を並べる以上、俺たちもグレモリー眷属と同等規模の戦闘能力を求められる。それ抜きでも戦闘要員として、鍛錬は義務であり仕事だ。

 

 将来的に、神や魔王と渡り合える敵と相対することになるだろう。仮にも神滅具候補を持っている身としては、一対一でも勝負にはならないとな。

 

「いいぜ。麗華や龍華の鍛え直しもあるし、俺が特別にコーチしてやろう。特に神器持ちに関しては、研究の最先端を担う神の子を見張る者(グリゴリ)としてアドバイスできるところは多いと思うぜ?」

 

 まあ確かに。

 

 餅は餅屋と言うしな。神器研究を徹底的にやっていた神の子を見張る者なら、何かしらの改善点を見出すことはできるだろう。

 

 俺としても、できることなら早いうちに禁手になっておきたい。

 

 出ないと、おそらくホロウには勝てないだろう。

 

 決意がある。数多くの技術が習得できる環境がある。そして改造手術すらして肉体を強化している。

 

 あいつは成長において心技体を完備している。それに対抗するには、最大のアドバンテージともいえる神滅具を生かさなくて話にならない。

 

 恵まれた才能がある。それを使うことを決意している。そして、転属したところは神器研究の最前線だ。

 

 相手が心技体を揃えて成長し、こっちも心技体を揃えられるのなら、こっちも揃えないといけないだろう。

 

 ……どうも因縁をつけられている気がするし、なら俺が相手をする必要は十分あるからな。

 

 さて、気合を入れないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その夜、俺はついに肉食を解禁する。

 

 そして今日食べるのは、なんとウナギ。

 

 思えば浮浪児時代は、質の悪いのものばかり食べていた。教会に拾われてからも製品を旨とする上に国家の情勢も貧乏よりだった。とどめに内陸国で難民になったので、海の魚なんて食べる機会がなかった。

 

 プルガトリオ機関に入ってからは、信仰心が薄い分をフォローする為、必要のない動物の殺害も禁じていた為、自切されたトカゲの肉以外は一切食べなかった。

 

 そう、つまり数えて六年ぶりの本格的な魚肉だ。

 

 海洋国家日本の出身として………涙が出てきそうだ!

 

「……どうしたの麗華? なんか、首傾げてるけど」

 

「いえ、何か大事なことを忘れてるような」

 

 と、珊瑚が首を傾げるぐらい、麗華姉さんが首を傾げている。

 

 特に問題のあるウナギとは思えない。というより、リアス・グレモリーというお嬢様がいる状況下で、劣悪なウナギなどありえない。

 

 俺は知っている。この地の三大勢力スタッフがこっそりと動いて、近場のスーパーで偽装食品などがないか潜入工作をしていることを。

 

 その過程で俺が倒したアラヤル絡みの連中が働いていたこともあり、だからこそ俺が動くことになったからな。

 

 だから、このウナギは正真正銘国産ウナギ。国産のウナギが俺の肉食解禁の第一弾。

 

 ふふふ。日本人として、ちょっと本気で頬が緩む。

 

 日本人メンバーは、誰もが目の色を少し変えている。

 

 龍華姉さんも、ハーフであるアメリアもだ。

 

 高級国産ウナギ……万歳!

 

「そういえば、アメリアはハーフらしいけどウナギも行けるの?」

 

「はい。正直贅沢品は教会暗部として自粛していたので、思わず天に謝罪の祈りをしてしまいたくなります」

 

「そこまでの贅沢品か。既に悪魔である私も祈るべきだな、アーシアもするべきだろう」

 

「はい! 主よ、贅沢品を食べる私たちをお許しください」

 

 テンションが上がっている教会組に、俺はちょっと苦笑したくなる。

 

 だがそれ以上に、俺はウナギから目が離せなかった。

 

 そして同じように、小猫がウナギをガン見している。

 

 というより、なんか審美眼的な感じなオーラが漂っている。

 

「……このウナギ、炭火で焼いてますね」

 

「あらぁわかっちゃう小猫ちゃん? 炭火焼き用のグリルを物置に入れておいたのだけど、初っ端から使って焼いてみたわぁん」

 

「いやぁ、ゼルマンさんは炭火焼きもできるんですか! だったらわらもできますか? 実は釣りが趣味なんで、サンマの一本釣りとか興味があるんですよ」

 

「もぉお父さんったら! あまりゼルマンさんに迷惑かけないの!」

 

 と、ゼルマンさんやイッセーの両親も会話に花が咲いている。

 

「部長! 俺、部長と一緒に暮らしていて初めてウナギ食べます!」

 

「そうねイッセー。私もイッセーと暮らし始めてウナギを食べるのは初めてだわ。今日はウナギ記念日と名付けようかしら?」

 

「あらあら。部長もイッセーくんも、ウナギそのものを食べたことは何でもあるでしょう? 少しテンションがおかしくなってますわよ」

 

 バカップルは適度にスルーした方がいいですよ、朱乃先輩。

 

 ま、それはともかく。

 

 うな重にお吸い物、そして漬物とお浸し。

 

 栄養バランスまでしっかり考えられたこの晩御飯。ちなみにデザートに俺は水ようかんを作ってみた。

 

 ふふふ。いろんな意味で楽しみだとも。

 

「「「「「「「「「「「「「「いただきます」」」」」」」」」」」」」」

 

 みんなで食事の挨拶をして、そして俺はうな重を橋で一口分取り分ける。

 

 ああ、口元が緩む。

 

 高級国産ウナギ。俺の肉食解禁日にこれとは、日本人冥利とはこのことか。

 

 では、一口―

 

「……ってしまった! 錬一ストップ!?」

 

 ―食べた瞬間に、麗華姉さんの声が飛ぶ。

 

 誰もが麗華姉さんに度肝を抜かれるが、俺はそんなことを気にする余裕がなかった。

 

「え、何ですか!? 錬一はウナギアレルギーとか!?」

 

「いやアメリア!? ウナギアレルギーなんて聞いたことないぞ!?」

 

「いえイッセー君、アレルギーは原理上あらゆるもので発症しる可能性はありますわ。……ですがそれなら本人が警戒するのでは?」

 

「……副菜にアレルギーがあるのでは?」

 

 アメリアやイッセーや朱乃先輩や小猫が何か言っているが、俺はそれを意識することができなかった。

 

 フラッシュバック。そう形容する他ない状態に、俺は陥っている。

 

 ああ、ウナギ。

 

 そう……ウナギだ。

 

 ウナギ……ああ、ウナギ……。

 

「えっと……その……ね? 実は……」

 

 思い出す。ああ、思い出した。

 

 麗華姉さんがすごく言いづらそうにする中、俺はポロリと涙を流した。

 

 そして、我慢できず全力でかっ込み始めた。

 

 我慢できるか、我慢できるわけがない。

 

 ああ、なんてったって……。

 

「……南米行く前に最後に食べたの、空港で食べたウナ重特盛なのよ」

 

「「「「「「「「「「「「あ………」」」」」」」」」」」」

 

 ああ、なんか思い出す。

 

 あの時は、大変なことになるとは思ってたし、退官するのは映像を見るよりはるかに上だとも思ってたけど、あのタイミングで大惨事になるなんて想定外だったからなぁ。

 

 やばい。なんていうか、こう……。

 

「………お替りが食べたい」

 

「三十分待ってなさい。ウナギ買うところからだから」

 

「食べていいよ。お替りを何杯も食べていいよ」

 

「もう思う存分食べちゃって! おばさんもたくさんお米炊いとくから!」

 

 ゼルマンさんと兵藤夫妻が完全に乗り気になってるけど、今回はお言葉に甘えさせてもらおう。

 

 ちょっと失礼なことを言っているとは思うけれど、ここまで本気のご厚意を無碍にするべきではないし、何より思う存分食べたいと本気でお思う。

 

 結果として、ボロボロ涙をこぼしながら特上ウナ重を五杯もお替りするという、俺史上前例のない出来事が勃発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、腹痛で半日寝込むというちょっと情けない落ちがついたが。

 

 高級食品を馬鹿食いするという二重の意味で六年ぶりなことをした為、胃が受け付けなかったらしい。

 

 思い出補正で限界を超えれるなどというほど、現実は甘くなかったようだ。

 




 ……数年ぶりに食べた魚肉の味が、母親と最後に食べた魚肉の味だったので、涙が止まらない錬一の話でした。

 まあこの辺はオリジナリティがそこどまりでしたが、兵藤邸宅の改装パターンの変更などでいろいろと変化球が入っております。

 そして次の話では、イッセー達がいないところで大人もやることやってるといった感じですね。そのあたりで疑問符も浮かんでいたロキやハーデスが三大勢力を擁護した理由も明かされる予定です。
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