きゅっきゅふきふき☆きらぴかりん♪ ハイスクールD×D異聞~外宇宙文明を添えて 作:グレン×グレン
そんでもってそのまま急いで移動するべく、俺たちは機関の移動用ヘリを使って駒王町に一番近い教会側の施設に転移。そのまま駒王町に移動している。
今回の俺たちの任務はミカエル様によるちょっと正規の手順を越えたやりくりで、すでに墓守達正規の追撃部隊は駒王町についてから少し経っているらしい。
相手が悪魔であいつらは若手だということも考えると、高圧的かつ挑発的な態度でひと悶着起きかねないし、これは急いだほうがいいと思う。
「……それで、どうするの?
「まあそこは「ミカエル様勅命」を盾にするしかないだろうな。どうする、アメリア?」
珊瑚と俺が今後の対策とかを考えているが、アメリアは一人静かに考え込んでいた。
言っちゃなんだが、基本作戦内容は俺とアメリアが考えて珊瑚は素直に従う方が基本だ。珊瑚も全く考えないわけじゃないが、深く物事を考えるより信頼できる相手に任せるタイプだから、今回のようなパターンは珍しい。
それもアメリアがなぜか考え中だからだ。
どういうこった?
「ミカエル様は、戦争継続を望まない旨をセラフの意思と仰られていました」
「「で?」」
ミカエル様はセラフだから、当然のいい方じゃね?
特に俺も珊瑚も違和感を感じなかったので、正直首をひねる。
だけどアメリアは、なぜか頭が痛そうな表情で、更に告げた。
「なぜ、主の意思と言わなかったのでしょう?」
………ん?
言われてみれば確かにそうだ。
天使は基本として神に仕えるものであり、そこは明確な縦社会だ。軍隊なんて目じゃないぐらい、一神教において神の意志は重要とされている。
なら戦争継続をセラフが望まなかろうと、それが主の意向でないなら、口にすることは避けるべきことなきもする。
そして主の意向がセラフと同じなら、
何かがおかしい気がする。
「………どういうこと?」
珊瑚も同じように首をひねる中、アメリアはなんか顔色が悪かった。
「信徒以上に信仰心が強いといえる熾天使の方々が無意識レベルで主をないがしろにするとは思えないので、言い間違いとは考えにくいです。そして虚言の類が好まれない天界や教会において、事情を知る者たちとの会話で下手な虚言を言うことは避けるべき。つまり、
アメリアはなんかどんどん顔色を悪くして言っていたが、やがて首を振ると自分の頬を叩いて気を取り直した。
「……情報が少なすぎますし、今考えると足元を見落としそうです。あとにしましょう」
まあ確かに。
まずはコカビエルなわけなんだよなぁ。
しかし、魔王の妹二人がいて、コカビエルが潜伏していて、タカ派の悪魔払いがいる環境。
……地味に最悪の事態な気がしてきたぞぉ。
そんなこんなで駒王町の駒王学園。
中等部や大学部もある学園の高等部。そこに魔王の妹二人がいるとのことだ。
現レヴィアタンの妹は生徒会長。駒王町を担当している現ルシファーの妹は、オカルト研究部とやらを作って部長になってるとか。
そんでもって、双方ともに眷属は生徒会メンバー及びオカルト研究部部員で固定となってる。
さて、それでどうしたものか。
とりあえず、プルガトリオ機関が「礼服や喪服の変わりになるから」と用意してくれたどこにでもありそうな高校の学生服風の衣服に身を包んで、俺たちは構内に入ると―
「お、おい! なんだあの両手に花の野郎は!」
「金髪女子に小麦色女子だと? しかも顔つきから見て、日系か!」
「ハーフだとぉ!? くそぉ! イッセーの野郎がアーシアちゃんとホームステイしてるだけでも恨めしいってのに、なんでなんだこん畜生!」
………すげえ嫉妬の目で見られてる。
「アメリア。早く移動しないと俺が学生に殺されそうなんだが」
「今インターフォンで生徒会の方に連絡しています。錬一なら戦車ぐらいどうにかできるんですから大丈夫でしょう」
嫉妬の炎は別なんだよ、アメリア。
こういうのはカタログスペックとかで測ってはいけないから。使うべき物差しが違うから。
嫉妬の炎で神器に目覚めて、そのまま自爆同然の禁手化とかされたらさすがにまずいから。
「高校……学食……じゅるり」
「おい珊瑚。俺が命の危険を感じてる時に食い意地をはるな」
「それ以前に校外の人間が学食を食べるのは無理でしょう? とりあえず話をしたら喫茶店でケーキでも買いますから、我慢してください」
高校から連想するのが学食って、どうなんだよ珊瑚。
「あの身長高い子、腹ペコ属性だとぉ!?」
「しかも白髪とか属性盛りすぎじゃねえか、なんて羨ましい………っ」
血涙流してるんだけど。
本気で殺されそうなんだが、俺!?
「………モてない変態共が悪いな」
と、そこでため息をつきながら現れる男子高校生。
ふむ。感覚的に転生悪魔だなこれは。
「どうも。生徒会長のソーナ様の眷属、
と、警戒の色を見せながら、匙と名乗った高校生が俺たちをちょっと一瞥する。
そんでもってアメリアと珊瑚を二度見する。
最後に俺に視線を向けてきた。っていうかジト目だ。
「……リア充め」
オイコラボソッと怨念を吐くな。
「お前後ろの野郎二人を笑えないぞ」
むっつりスケベと見た。
まあ、そんなことはどうでもいいな。
一応敵勢力なんだから、嫌われるは当然だしな。
むしろ下手に仲良くなると、いろんなものが鈍って面倒なことになりそうだし、敵意を向けられるぐらいでちょうどいいか。
さて、それはともかく。
「……申し訳ありません。我々はセラフのミカエル様の勅令で、タカ派の抑え役として派遣されたものです。……先に派遣されている者たちのところまで案内していただけないでしょうか?」
「……まじで? もうグレモリー先輩と話し合ってるんだけど?」
あれマジで? それまずくね?
「申し訳ありません。時間がないので走っていきます。どこにいるかわかりますか?」
「え、あっちの雑木林の中にある旧校舎―」
「走りますよ!」
ちょっとアメリアぁ!?
あっちゃ~。結構嫌な予感に引っ張られてるな。普段よりちょっと考えなしになってる。
「ったく! 珊瑚、追いかけるぞ!」
「ん!」
俺も珊瑚を連れて、一気にアメリアを追いかけて走り出した。
「ってちょっと待てって! 案内役を置いてくか普通―」
「……あらぁん? もう悪魔クンがいるなんて、ちょっと驚きねぇ」
「………え゛」
「……気づかれてたの? その割には警戒されてない気がしたし、コカビエルが持ってるのより最新型のステルス装備なんだけど」
「そうじゃなくて、教会か天界の人の出迎えじゃない?」
「あらそうだったのぉ? だとしたら僥倖かしらぁん?」
「………ぎゃぁあああああああああ!!!」
慌てて入ってみれば、なんかもう一触即発なんだけどぉ!?
俺の目の前に剣を突き付けた青髪の女と、なんか真っ向から立ちはだかってる茶髪の男がいるんですけどぉ!?
ついでに言うと、悪魔側の金髪の男がすごいさっきを青髪及び茶髪の女に向けてるんだけどぉ!?
おい、これマジで一戦交えそうな展開じゃねえか!
「……信徒ゼノヴィア! 理由は存じませんが聖剣を下ろしてください! ここは悪魔の勢力圏内で、私たちはそこでの戦闘を了承してもらう立場であることを忘れないでください!」
アメリアが声を荒げ、青髪の女から茶髪の男をかばうように割って入る。
あ、資料に書かれていた写真を思い出した。青髪の女が切り姫ゼノヴィアだ。
たぶん茶髪のツインテールが相方の紫藤イリナだな。
そんでもって、悪魔側に鋭い視線を向けてるのは
「……教会暗部のプルガトリオ機関の者か。悪魔にしたでに出るのが信徒のすることなのか?」
「今回は悪魔と一線を交えないようにするよう、上からも通達が下っているはずです。どんな理由があるかは知れませんが、勢力圏内で堕天使との殺し合いの黙認を要請されたあげく、眷属が殺されそうになれば悪魔側は真っ先にこちらを排除しますよ」
アメリアとゼノヴィアがにらむ会う中、俺はため息をつきながら、とりあえず比較的冷静そうな赤髪の女に視線を向ける。
「……あんたがリアス・グレモリーか? とりあえず、先に来てた連中が失礼なことを言ったみたいなんで、そこは失礼」
「ええそうね。それどころか、いきなり私のかわいいアーシアを殺そうだなんて、さすがに失礼じゃないのかしら?」
一応かなり怒っているようだな。
っていうか、これはどういう状況だよ。
「……なんでただでさえイラつかせる要求しておきながら、悪魔を殺そうとしてるんだよ、オタクらは」
俺が半目でゼノヴィアをにらむと、イリナらしき茶髪はきょとんとしながら首をかしげる。
「いえ、魔女から悪魔になったそこのアーシア・アルジェントが、まだ信仰を持ってるってゼノヴィアが言ってね? それで「信仰を捨てきれない」って言ってたから、ゼノヴィアが慈悲の一撃を与えようとしたのよ」
「……また面倒なことに」
頭痛が、頭痛がしてきた。
いや、教会としては自殺を禁じているから、なら介錯をって考えになるのはわかるけどな?
その相手が上級悪魔の眷属悪魔って時点で、その上級悪魔とガチバトルになるのが前提だろうが。
危なかった。俺たちが来てなければ本気で殺し合いになっていたかもしれん。
俺は頭をがりがりと書くと、ジト目をゼノヴィアに向ける。
「なあ切り姫さんよぉ。俺たちはこれから堕天使最強格のコカビエルと遣り合う予定で、しかも奴さんはエクスカリバーを四本強奪してる。堕天使勢力ってことを考えると、エクスカリバーの使い手の当てもあるって考えるべきだ」
「ああ。だからこそ、勝率四割弱を五割強に変えるべく、バチカンは
切り姫がそういうが、あいにく少し違うんだよ。
「悪いが。俺たちは同時にあんたらの首輪を任されてるんだよ」
「……はい?」
と、そこで紫藤イリナが首をかしげるが、アメリアがため息をついた。
「ミカエル様はあなた方が必要以上に高圧的な態度に出たことで、悪魔側との三つ巴の戦いの火ぶたを切るのではないかと懸念されていたのです。まさに的中している以上、場合によっては私たちはリアス・グレモリーの側に回るのでそのつもりで」
「……信仰を持つものが悪魔のしもべになるという、塗炭の苦しみを味わうことを見過ごせと?」
アメリアとゼノヴィアがにらみ合うが、そこで小さな音が響いた。
「……悪魔をほめるのは不本意だが、この紅茶の香りは素晴らしい。味には疎いが、いい茶葉といい腕がなければ、こうはいかないだろう」
そう言いながら、カップを置いて立ち上がる男は、
俺たちの視線を集めながら、そして立ち上がる男は俺たち全員を見渡した。
「いきなり勢力圏内で好き勝手させろといったあげく、配下に手を出そうとしたら敵意を向けるのは当然だな。そこは認めるとも」
そう前置きして、然し墓守は苦笑を浮かべる。
「だが悪魔に堕ちながら信仰を持つというのは苦痛以外の何物でもないだろう? キリスト教圏は自殺を最大級の禁忌とするがゆえに、慈悲の一撃を持って介錯することを必要悪とする価値観があるのだ。納得せずとも理解できずとも、そういうものだと知っておいてくれると助かるね」
「………勝手な都合で魔女扱いしときながら、殺すのが善意だとでもいうのかよ?」
相当苛立ってるっぽい悪魔に対して、墓守は余裕に
だが、余裕に見えても油断はない。
力は抜いているが隙は見えない。さらに力の抜き具合はすぐに入れることができる絶妙な塩梅で、何かあるならそくざに飛び退る程度のことはできる感じだ。
さすがはタカ派側の最強戦力。伊達じゃねえな。
「聖女とは信徒のあこがれの的だよ。そんな聖女のいる場所に、のうのうと悪魔が入ってきただけでも問題だろうし、それを悔い改めさせたわけでもないのに癒してしまったのは大問題さ」
そうさらりと言い切った墓守は、少し考えこむとポンと手を打った。
「世俗には詳しくないけど、こういえばわかるだろうか? 清純派を謳っているアイドルが、実は集団で淫行にふけっているなんて話があったとする。清純派であるからこそ
「………むぐぐ……」
オイ言い負かされてるぞ。
お前そこはもうちょっとがんばれよ。
俺が思わず悪魔のほうを応援していると、更に墓守は告げる。
「それにただの下僕悪魔風情が主と戦うなんて不遜も甚だしい。こちらとしては望むところだが、信徒の多くを激高させかねないその発言、厭戦派の現魔王派からも批判されかねないと思うけどね?」
「そこまでにしていただけませんか?」
嫌味まで行ってくる墓守に対して、アメリアが非難の目を向ける。
「今回の行動は横暴を要求している側がとっていいものではありません。信仰に生きる者として、これ以上強行するなら
「な!? 悪魔を相手に信徒が譲れというのか!?」
ゼノヴィアが歯をむくが、アメリアはため息をついて向き直る。
「信徒とか悪魔とかの言葉で惑わされないように。これは最低限の礼節の問題ですから、味方によっては教会の品位を下げる行動だといっておきましょう」
「いやいや。そんなことで下がる品位なんかに価値はないと思うけどね」
余計なことを言うなよ墓守。
俺とアメリアがジト目を向けるが、その時墓守はポンと手を打った。
「ならアーシア・アルジェント。君はどうなのかな?」
……そう来るかー。
今まで話の主題だけど話に入ってこなかったアーシア・アルジェントに、墓守はにこやかな微笑を浮かべたまま尋ねる。
「信仰を捨てれぬ悪魔という苦しみから解放する、慈悲の刃を受け入れるか。その苦しみを抱えながらも信仰のために生きる、彼女ら教会暗部組織「プルガトリオ機関」の一員になるか」
そしてちらりとリアス・グレモリーを見て―
「もし後者を選ぶのなら、僕はそれをリアス・グレモリーたちが妨害するのなら滅ぼしてでも助けよう」
はっきりと言いやがった。
そんでもってまずいな。
プルガトリオ機関の仕様上、そういう流れになったら協力しないってのは問題行動になりかねない。少なくとも、俺たちがリアス・グレモリーを助けることは無理だろう。
これ、返答次第でややこしいことになるぞ。
俺はちらりとアーシア・アルジェントに視線を向け―
「……いいえ」
寂しげに微笑みながら、アーシア・アルジェントは首を横に振った。
「信仰は捨てられません。今でも何かあればすぐに主に祈ってしまいます。ですが戻りたいわけじゃないんです」
そう、彼女ははっきりといった。
「部長さんたちオカルト研究部の皆さんとの生活は大切ですし、今はイッセーさん達が一緒にいてくださいますから」
その言葉に、信徒側が少し不快な表情を浮かべる。
ま、信仰に生きる者からすれば、仮にも聖女になったものが信仰より悪魔と一緒にいる方が大切とかいうのはイラつき案件だよな。
これで一気に戦闘になったらまずいんだが。
「なら、慈悲を向ける必要もないか。ゼノヴィア、ここはこちらが引こう」
「……いいの? あの、今のは信徒としてちょっと無視できない発言だと思うけど―」
紫藤イリナがなんか臨戦態勢に入りかけてるが、墓守はそれを手で制す。
「信仰の敵足る悪魔が信徒にとって不快なものなのは当たり前のことだ。個人的にはまずこの地を穢す悪魔を滅ぼしたいけれど、枢機卿の意志を無視するのなら、相応の理由が必要だよ」
そう言いながら、笑みを消した墓守はアーシアをまっすぐ見つめる。
そこには温かみがない、絶対零度の冷たさが浮かんでいる。
「汚らわしい悪魔が信仰を穢すのは当然。そんな当たり前のことは指示を無視する理由にはならない。彼女を聖女として祀り上げた者たちは、真剣に悔い改めてもらいたいものだ」
「……散々祈ったアーシアに何もしなかった神様はどうなんだよ?」
悪魔の男がそういうが、墓守はあきれの視線を向ける。
「祈りとは主のためにする物だろう? 己のために祈る者が、正義と試練の神たる主の恩恵である神器を持つことこそ問題だよ」
そういうと、墓守ははっきりと告げる。
「主とはすなわち正義の根幹を示すものであり、天使とはその指標だ。その在り方を捨てた堕天使は滅ぼされても文句を言う資格はないし、神器という主の寵愛を受けながら、信仰の道を進まないことはその時点で問題だろう。君も神器を持っているようだし、ある意味で問題児だ」
それは真っ向からの敵対宣言。
「主の加護そのものを穢す教敵よ。相対する時が来たら覚悟してもらおう。我が名は
………そうなんだよなぁ。
この男、エクスカリバーで有名なアーサー王ゆかりの家系、ペンドラゴン家の分家出身なんだよなぁ。
「悔い改めぬ教敵全てを、主の代行として裁くものだ」
教会側の視点を価値観を考慮すると、アーシアを殺そうとしたのにもそれなりの筋というが理由はある。
そのためこの点でイッセーを非難するアンチが出てくることがある。
ついでに言うと、ここが嫌いだからって反論もさせずにDisったあげく、本来グレモリー眷属で負けるレベルのエクスカリバー使いというネームド級を一蹴してぎゃふんといわせる展開も好きじゃない。
しかし、相手の勢力圏内で「ちょっと別の敵と殺し合いになるけど黙ってみてろ」なんて言われればストレスMAXなのは同然で、挙句の果てに相手の部下を殺そうとすれば、もはや一触即発を通り越して宣戦布告も同様だろうに。その辺まで考えてないからアンチは苦手です。
まあそんなわけなので、主人公が教会側なのでフォローはしつつも止める形になりました。自分の作品は基本的にこの辺の流れは統一するつもりです。
まあ実際アーシアの追放は、信徒の心情とかを考えると仕方ない側面はありますからね。以前常連さんが感想で「第二次大戦中に倒産しかけているアメリカの会社に、日本人が資金援助して助ける」とか言った感じの例えをしましたが、まさにそんな感じではある。
だからまあ、あまり過剰にこの点を教会に対する批判にする流れも好みではないんですよねぇ。
そして墓守の本名判明。エクスカリバー編に出てくることもあり、ペンドラゴン家の分家という設定にしました。
ちなみにハイゲイトとはイギリスの墓地の名前です。分にしるさないレベルの脳内設定ですが、「メメントモリ」じみた理由でつけられた感じですね。異名の理由の一つでもあります。