東方外来人物語、この後すぐ。
コンコンコンッとノックをする音と共に、僕の安らかな時間を崩す者がまた現れたのかという気持ちが芽生えた。この1人で本を読んでいられる時間が至福だというのに、騒がしい連中が来てもみろ。ボクのフラストレーションは秒でメーター限界値を振り切ってしまうぞ、いや嘘じゃない本当の話だ。つい最近も魔理沙が八卦炉の修理を僕に依頼してきた以前から、彼女は来る日も来る日も手に着く物は手当たり次第に取って行ってはそのままという有様。借りると言っておきながら返す気がないのは、まさに盗人のそれだ。そもそもそういうメカニック的な仕事はにとりが適任な気がするが?まったく、これは地獄の閻魔大王に頼んで戒めてもらうしか....。
リグル「霖之助さーーん!」
霖之助「うわっ、なんだびっくりするじゃないか。いきなり耳下で叫ばないでくれ。」
リグル「だって、ボクがノックをしても反応がないし。入ってみてもずっと本と睨めっこ、ボクが耳下で叫ばなきゃ反応なんてしなかったじゃないか、店内で何回も呼んだっていうのに。」
霖之助「そうか、それはすまなかったね。どうにも歳を取ると物思いに耽ってしまうことが多くて...。」
リグル「にしても、あんなに反応しないなんて。ボク嫌われたのかと思ったよ。...まあいいや。」
そう言って、リグルは本台に移る為に改めて僕に手に握っている物を見せてきた。何やら、金属で出来たブレスレットのようだが...。メガネを外して隅々まで見てみる。
霖之助「ふむ...。」
リグル「何かわかる?」
霖之助「ブレスレットではあるが、普通のブレスレットじゃあない。何かを、はめ込むことの出来る溝があるだろう?」
リグル「うん...。この溝が?」
霖之助「先程から見て通してわかったことだが、...このブレスレットはただの装飾品ではないということ。戦うための道具、という風に僕は情報を得た。」
リグル「戦う為の?弾幕ごっことかで?」
霖之助「さあね。そこまで具体的には情報は得られなかった...。ただ最後に気になる一文が脳裏に刻まれたんだ。」
リグル「何それ!」
ボクは机から身を乗り出し、霖之助さんに詰め寄りながら聞いた。
霖之助「"可能性は未知数。"とね。」
リグル「...可能性....?」
その時、香霖堂の扉が勢い良く開かれた。そこにはただ1人、佇む人か妖怪の影。それは見覚えがある影、見知った者の姿だった。
赤蛮奇「おはよう、霖之助さん。」
リグル「無駄に壮大な登場...。」
霖之助「やあ。」
これはもう、僕の安らかな時間は当分はきそうにないか...。そう諦めの考えを頭に浮かべた、その時。僕の目に何かが映った。赤蛮奇、彼女が頭に何かを乗せている。機械的ではあるが、れっきとした虫の形。それが頭にくっついていたのだ。
にとり「(黙々と何か作業に没頭するにとり。ハイテクな何かをいじっているようだ。)」
擬態練也「おい、何をしている...。」
にとり「あっ...!?ねえ!もう、話かけないでって言ったじゃんか!ホラ、チューニングミスっちゃったあ...(見るからに項垂れてテンション駄々下がりに坂を転がるような格好になる河童。)」
魔理沙「何いじっているんだ、にとり。私の八卦炉も良かったら今度見てくれよ。香霖のヤツがイジるとどうにも火力が足りなくてさ。」
にとり「悪いけど八卦炉なら後にしてくんない?今は"こっち"で忙しいから!(再び作業に取り掛かる青ツナギ河童。)」
擬態練也「....。にとり。(手にダークカブトゼクターを掴み。)」
にとり「ッ...!(怒りマークが何個か出来て。)」
擬態練也「コイツも弄れるのか?」
にとり「....だ、まっ、て、て...!!」
魔理沙「神経を使う作業みたいだな、そっとしとこうぜ。」
擬態練也「...次回も見てくれ...。」
アリス「違うわ、練也。こういう時はもっと元気よく言わなきゃだめよ。...こほんっ....、またみてね☆(キャピッ」