東方 外来人物語   作:佐藤練也

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(ザビーが竹林をマスクドフォームの姿で歩いて。)



東方外来人物語、この後すぐ


第112話

霖之助「...!蛮奇....キミは、何を付けているんだ...?」

 

赤蛮奇「何って、頭だけど?」

 

霖之助「真面目に質問しているんだ、答えてくれ。」

 

赤蛮奇「?」

 

 

尚も頭を傾げる赤蛮奇。彼女は頭と身体を分離させることが出来る妖怪で、元々は飛頭蛮と呼ばれる大陸から来た妖怪だ。顔を両手で掴み、僕の前に差し出してくる。だから頭自体じゃなくそこについている虫っぽい何かはなんなのかと聞いているんだ。実際僕がその蜂を手に取ってみせ、それを蛮奇に見せようとしたがそれは出来なかった。その蜂が飛び始め、それが捕まえようとした僕の手をスルリと逃れたからだ。

 

 

赤蛮奇「あっ、蜂?霖之助さんが言っていたのは、これ?」

 

霖之助「ああそうさ。」

 

リグル「この蜂...!ボクにこのブレスレットを渡した蜂だよ!」

 

 

僕が蜂を目で追う中、リグルは蜂を指差して言った。どうやらこの蜂がブレスレットを運び彼女に託したらしい。それも僕が目で追っている途中で分かったことだが、この蜂の用途を知りたいとメガネを外して見たりもしたが、意味がわからなくて困惑してしまった。

 

 

"蝶のように舞い、蜂のように刺す"

 

 

何の話だと思いながら、僕は再びメガネをかけてリグルに言った。

 

 

霖之助「どうやらその蜂に危険はないようだ。心配しなくていい。」

 

赤蛮奇「いつのまに付いていたのかしら...。うーん、まあいいわ。」

 

霖之助「どうやらあの形状から察するに、リグルの付けているブレスレットにちょうどはまるようになっているんだろう。」

 

リグル「えー、ホント?そうかな、虫がブレスレットに収まることってある?ホタルのボクから言わせればナンセンスだね。」

 

霖之助「事実それっぽい形はしているんだが...、まあ今の段階で無理に捕まえようとする必要もないだろう。その時になってみないと何ともね。」

 

 

--------

 

 

阿求「この場合...どう書けば良いんでしょう...。」

 

 

私、稗田阿求はある方のお名前を幻想郷縁記に書き記そうとしているところ、ある問題が浮上しました。怪物...。ワームが擬態した、佐藤練也さんの名前を、如何にするかという問題です。名前は自身の存在を示す大切なものですが、幻想郷縁記に関しては殊更に、それが現れます。その本人の行いだけではなく、名前の要素も含めたものが、流れるように刻まれる。そういうものなんです。

 

 

アリス「名前ね...。」

 

妹紅「佐藤練也(擬)とかじゃなく?」

 

アリス「ちょっと、妹紅!それじゃあ彼が偽物みたいじゃない!」

 

にとり「芸もないしねえ...。」

 

妹紅「偽物だろ?実際化け物が、練也に擬態した姿なんだから。第一じゃあ、にとり。お前は何か良い名前思いついたのか?」

 

アリス「貴女達が如何に偽物と言おうと、私の中では彼は彼よ。」

 

 

 

擬態練也「もういい。」

 

 

 

擬態練也さんが発した一言で、場が鎮まりました。そしてゆっくりと喋り始め、その口調は穏やかです。

 

 

擬態練也「シャンハイが嫌がっている...。静かにしてやれ。」

 

 

そう言う擬態練也さんの上着の内側には、シャンハイ人形が気まずそうに隠れていました。

 

 

擬態練也「レプトーフィスワーム。...それが俺の名前だ。」




【飯縄神社】

幽香「ここね、外来人の家は。(インターホンを軽く押し。)」

(某マートの入店の時のヤツが流れ。)

練也「はーい...。(ガラガラー、玄関の扉をゆっくり開けて。)」

幽香「ごきげんよう、外来人の方?」

練也「はい。...初めまして、佐藤練也と言います。あのー?どちら様ですか?」

幽香「あら?外来人ならば幻想郷の知識を豊富に蓄えていると、スキマ妖怪から聞いたのだけれど?」

練也「あー...。...思い出した!太陽の畑の向日葵マスター!」

幽香「その向日葵マスターが正しい呼び名かわからないけど、そう。その通り、私は太陽の畑に住む妖怪...。風見幽香よ。貴方がどのような人間か、確かめに来たわ。」

練也「確かめに?俺を?」

幽香「ええ...。(薄く微笑みながら。)」
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