東方外来人物語、この後すぐ。
練也「あー、食った食った...まさか山であんな贅沢させてもらえるなんて....。」
妖怪の山で静葉ちゃん、穣子ちゃんと別れた後、俺は帰路に就いていた。滝行だけで半日以上の時間を使ってしまった。普通ならば午前中には滝行は終わり、神社に帰って個人鍛錬や受け持った物件のお祓いなどをやったりするのだが、今日はもう何から何まで省略したい気分になってしまった。滝行やっぱり身体に悪いんかな、...だけどやった後は不思議と清々しい気分になるんだよなあ。そう考えながら人里のメインストリートから傍道に逸れ、雑木林を抜け、自分の神社へ入った時に何か大きな物体が目に飛び込んできた。
練也「なんだあれ...?」
境内に入り、石畳の上を歩いてその物体の近くに向かう。四角形のコンテナが幌(ほろ)に覆われ、その上にロープで頑丈に幾重も重ねて固定されている。さらには空から降ってきたことを容易に想像出来るが、パラシュートが近くに広がっていた。一体何が入っているんだろう...、気になって仕方がない。とりあえずロープを解かないことには始まらない。
練也「ぜぇ、ぜぇ....手間取らせやがって...!」
時間はかかってしまったが、なんとか幌まで剥がせた。このコンテナを開ければ中身が見れる...、見るからに頑丈そうなコンテナだ。一体何が入っているんだろう...そう思いながらコンテナに手を触れた時だ。コンテナからいきなり作動音が響くと共に水蒸気を排出するプシューッという音に合わせて、コンテナが白煙を吹く。さらにはコンテナの上部が蓋みたいに開き始め、そこから徐々に上から折り畳まれる形で中身が露わになっていく。まるでSF映画のマシーンでも見ているかのようだった。なんだ、アレは....。当初は煙に覆われてよく見えなかったが、その全容が明らかになってきた。
練也「...バイク?......!」
俺は目を見開いた。何故ならそこには、絶対生きているうちに目にしないものが、悠然と佇んでいたからだ。
練也「カブトエクステンダー...!」
そう。そこには、仮面ライダーカブトが使うことで知られるカブトエクステンダーが、赤いボディーをその場に露わにしたのだ。
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リグル「結局具体的なことなんて、わかんなかったなあ。霖之助さん、なんかわけのわからないこと言っていたし。」
なんだよ蝶のように舞い、蜂のように刺すって。どちらかしかできないよ、虫だって便利に出来てないんだしさ。もういいや、今日は帰って....、...って、うわぁっ!?なんか弾幕が飛んできた、危ない!!全くどこの誰だい、弾幕をいきなり撃ってくるなんて!ボクはその弾幕が飛んできた方を見た。
???「ちぇっ、外しちゃったわね。」
???「へたくそー。」
???「そー言わずに、次やれば当たるわよ。」
リグル「....誰かと思えば、三妖精のサニーにルナにスターじゃないか。いきなり何をするんだ!」
ボクは弾幕戦に備えて、臨戦態勢を整える。次攻撃してきた、もしくはされる前にでも必ず対抗処置は出来る格好だ。それにこの近くには迂闊に手を出せないところとかが一杯ある.....、....あれ?三妖精の様子が、まるで恐ろしいものを見るような目付きに変わったぞ?なんだ、今更ボクら虫の凄さを認識したのか。ちょっと遅いけど謝れば許してあげよう。
サニー「りっ、リグル...。」
ルナ「うしろ、うしろ。」
スター「い.....悪戯しすぎたかも......。」
リグル「後ろって...。」
ボクが後ろを振り向くと、そこには....。
幽香「......。」
この世で最も恐るべき草花を愛する妖怪のビッグネームが、無言の笑顔で佇んでいた。
【太陽の畑】
練也「ん"ん"ん"んーーー。」
リグル「どうしたのさ、神主さん。いきなり変な声出して。」
練也「言葉にできないほどの力が身体に伝わってくる、なんなんだこの力は...!」
リグル「なんなのさ、ホントにどうしたの?(頬をペシペシ叩き。)」
練也「ん"ん"ん"ん"ん"。」
リグル「だめだこりゃ。」
幽香「あらあら、どうしたのかしら?(日傘を差して2人の下に歩み寄って。)」
リグル「か、風見幽香さん...?」
幽香「おはよう、リグル。ようこそ太陽の畑へ。...そこな外来人の神主さんは...多分ここの花達の元気をもらい過ぎたせいね。」
リグル「ええっ?そうなんですか?!」
幽香「ええ。人間はあらゆるものの影響を受け易い生き物よ、だから馬鹿正直な人間ほど、ああなってしまう。」
リグル「嫌だなあ。」
練也「ん"っ!」