第120話
にとり「さてさて、まず何からみよっかなぁ。」
練也「すげぇ....本当にハイテクだ....!」
俺は驚いていた。幻想郷には文明こそ存在するものの、そのレベルは文明開花当時に留まると外界では聞いていた。しかし今目の前にて行使されているのは、明らかにオーバーテクノロジーのそれだったのだ。
にとりがバックパックの中から端末を取り出し、それを起動させるとその机上にHUDが立体映像にて表示される。
にとり「えーっと...、これだ。」
空間に映し出されたHUDを横にスクロールさせて、あるページを表示。それをタップするとカブトエクステンダーの全体像が映し出された。
にとり「さあ。練也。これから説明も含めた機能のチェックをやっていくよ〜。」
練也「うん...よろしく、お願いします...!」
にとり「うん、よろしい!....っと、まずは...。」
早速HUDの表示に目を向けて、まずにとりが触れたのは"POWER ON"のスイッチ。そこをタップすることで、静まり返っていたカブトエクステンダーから景気良くエンジンの音が鳴り響く。
練也「(えっ、エクステンダーって遠隔でエンジン点くの?!)」
にとり「にひひ、顔に出てるがまだ驚くのは早いよ〜?コイツは元々からハイテクだけど、更にアタシの力でハイテクにしちゃったから♪」
えーっと...。と次の項目を選ぶにとり。様々なモードがある中から"アーマードモード"をタップすると、カブトエクステンダーはその姿を変え、複雑な駆動を経て人型ロボットのような形状へと変形した。にとりが"解除"をタップすると、エクステンダーは元のバイク形態へと復旧する。
練也「.....なっ、....なんじゃこりゃ....。」
にとり「どうやら、そいつには元々別の機構が備わっていたらしいんだけど復旧困難でね。それと、バイクの方にもHUDを載せてみたんだ。見てみてよ。」
練也「(まさにハイテクだ...。)...すげえ。スマホみたいにスクロールして他のモードを選べるようになってる。」
にとり「アタシにかかれば幻想郷の外だろうが中だろうが、なんでもござれさ。」
HUDには現在の細部に渡る状態の掲示、外気の状態、生命反応等が表示されており、まさにSFの世界の産物そのものだった。河童が何においても順応出来ると言われる所以は、まさにここにあったのだと痛感する。
にとり「あとは...まあ普通に乗って楽しんだり?それか身に危険が迫った時や抜き差しならなくなった時にでも、色々試してみて!さて...他にもモードはあるけど...。」
【人里】
慧音「ふぅ、異変も起こらず人里も平和なものだ。(茶を啜り。)」
チルノ「はーなーせぇーっ!ここはアタイの席だあー!?(擬態練也の頭の上でシャンハイと戯れる。)」
シャンハイ「シャンハーイッ!!(割とキレ気味のシャンハイ。チルノに自らのポジションを取られまいとしている。)」
擬態練也「.......。(頭からなんか血が滴るが、表情には出さないでゆっくりと歩きながら。)」
慧音「おや、練也...。ではないな、...レプトーフィスじゃないか。...お前の頭の上はいつみても騒がしいな?」
擬態練也「生き物というものは、環境に適応した者が勝利する。この程度で適応出来ないのは弱者の範疇だ。(なおも血を滴らせ。)」
慧音「うむ。しかし自分の体調管理も怠るようでは強者に君臨することは出来ん。今のお前はただ痩せ我慢をしているだけ、それは強さとは言わないんじゃないのか?ワームとは少し弱みを見せたくらいで窮地に追いやられる、そんな小さな生命体だったのか?(諭すように。)」
擬態練也「余計な世話だ。俺を見ていろ。」
チルノ「だからー!アタイの席ー!(氷の大剣を作り。)」
シャンハイ「シャンハーイッ!!(レプトーフィスワームの影響で使えるようになった殺人音波を手に収束して。)」
どがーんっ!
(擬態練也の頭の上で炸裂して、力無く前のめりに倒れる擬態練也。)