東方外来人物語、この後すぐ!
竹林に響く音の種類にはいろいろなものがある。耳にいいものから、耳障りなものまで。笹の葉同士が擦れ合う音の間を、飛び交う鳥のさえずり。蚊の羽音に、何かの気配に合わせて動く得体の知れない音....、不特定多数の要素が絡む音。それらが交差するどこまでも長く永遠に続くように思える、先の見えない竹林が織りなす大自然のオーケスオラは日中、月下、その両方において絶えることはない。
だが、今回はたまにある騒ぎ、....、最近はいつものことだろうか。それが起こっている様子である。
どこからか爆発音が響けば、竹が根元から、あるいは茎の途中から音と共に宙を舞い弾け飛ぶ。炸裂音やそれに伴う舞い散った土塊やそのかけらがパラパラと地面に落ちる音、弾けて折れて舞い上がった竹の残骸が地面に落ちる音の中に、何かを発する音も聞こえる。
その発する音というのは、とある者が発する弾幕である。そしてその弾幕の放たれている先には....。
練也「妹紅っ!!!」
神主の佐藤練也が、竹林の案内人、藤原妹紅の放つ弾幕から必死に駆け、または転げながら....。
練也「くっそぁっ!!!!」
自らの”吹き飛ばす程度の能力”を駆使しつつ、彼女の弾幕を辛くも防いでいたのだ。自らの腕を前に思いっきり振り薙ぐことによって扇状に衝撃波を発生、飛来する火の弾幕を薙ぎ消し、または明後日の方向に飛散させて直撃を免れてはいる。だがこのままでは防戦一方、衝撃波は出せても彼にはまだ、妹紅や他の幻想郷の住人達のように”弾幕”を出せずにいた。
妹紅「ただの技だけ出せるようになって、すべてどうにかなると思ったら大間違いだっ!!」
竹林全体に火の粉を飛び散らせる勢いで、妹紅は自身の背中から大きな炎の翼を展開すると同時に、その翼を1回羽ばたかせると、そこから宙を舞う羽のごとく軌道で夥しい数の弾幕が練也に向かい降り注がれる。更にそれだけではない、その羽をもう1度力強く羽ばたかせることで弾幕に速度が増し、突き刺しにくる槍の雨のような勢い、そして炎を伴って襲い来るのだから、大きな”灼熱の壁”が練也を飲み込もうとする。
練也「ぐあああああっ!!!!??」
熱い。すさまじく、熱い。熱の塊に取り込まれたような、そんな熱さ。腕一本の出力では足りない、体すべての出力を放って一気に消し飛ばすしかない。両腕を、体の前にて素早くクロスさせてから大きく熱さによる激痛をまとめて吹き飛ばす気概を持って、体の奥底に躍動するエネルギーを裂帛の気合に乗せて、短く発声。クロスした腕を左右に振るように開くと同時に”見えない壁”を放った。
練也「だっ!!!!!!」
あたりを包んでいた煉獄の炎は、見えない壁に圧され靡いたと思うが間もなく一挙に薙ぎ消された。
練也「やったっ....!!!....?!!!」
だが。新たな弾幕が続けざまに放たれてくる。そう、弾幕は戦いをしている間にも絶え間なく浴びせられ続けるのだ。