永琳「てゐ?優曇華?どう?準備はいいかしら?」
てゐ「こっちはOKだよ!」
優曇華「私も、今終わりました。」
厨房で簡単な薬膳を拵えてから、手に持った丸薬をすり潰し粉にしたものをかける。これで完全に回復する筈ね、彼の容態も...。優曇華とてゐにここは任せて、私は別のことをしに行きましょうか...彼のことだからこれから打ち身や火傷も多くすることだし薬を多めに用意しないといけないわね...。今は妹紅が付きっきりで看病をしてくれているし。...そう言えば、姫様は今どこにいるのかしら?妹紅と一緒だなんてことはないんでしょうけど...。
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輝夜「っと...ここね。」
私は今、とある神社の境内にいる。...たしかここで合っているわよね、人里の外れにある外来人が住むとされる神社...。...今は、誰かいるかしら。練也は今ウチで看病しているのだからいない筈だし...。そう思いながらも、私は社殿の傍に佇む母屋と思われる家屋に向かおうとする私の目に、見慣れた姿が映った。
輝夜「あら?...。」
慧音「おや、輝夜じゃないか。珍しいな。1人で外を飛んで回るなんて。」
輝夜「飛び回るほど忙しなく動いちゃいないし、私だって1人で何かしらする時だってあるわ。」
慧音「ところでどうしたんだ、お前が練也の屋敷に用事なんて...。何か頼まれごとでもしたのか?」
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馬之介「...さて、だ。」
???「馬之介。どうだった、佐藤練也は。」
俺の側に寛ぎながら本を読む男が1人、ゆったりとしながら話を始めた。名を佐野田正忠(さのだただまさ)、弓術に長ける自警団の中でも重宝されている人材だ。俺とは所謂竹馬の友という間柄、練也ともたまに会話を交えるくらいに交友は行われている...コイツも、中々の手練れというか、常識に囚われないヤツで。人妖共に、友人が多い。そんなヤツだが、いつもは大体こうして静かな様子で自分の時間を満喫している。
馬之介「居留守かとも思ったが、やっぱり留守らしい。あんな立派な家、錠をかけずに不在にするとは。いつか盗人にやられてしまうだろうな。」
忠正「そうか...。...だが、...不思議なものだ。今はこうしている間に、練也の屋敷に誰かが盗人に入れる気がしない。不思議とそう思ってしまうな。」
馬之介「...どうして?」
忠正「...さあな。アイツの人徳にも、よるところ...ってところか。外来人なりに、この世界で徳を積んでいるに違いないのだろう...。」
そう言いながら忠正は、また新たに本の栞を1つ隣のページへ移して静かに本を閉じた。
忠正「天邪鬼も、おそらく...あそこに盗みに入ろうものなら大目に遭うだろうな...。」