この後すぐ
咲夜「....。」
魔理沙とレプトーフィスの戦闘の経過を見守る咲夜。彼女は頭の中で、フランに相対しているれんなの動向を案じていた。フランの力は強力だ。もし1人で対応出来そうになかったらヴワル図書館まで誘導するよう伝えてあるが、はたして....。
咲夜「(最近は妹様もストレスが顕著に溜まりつつある。れんなにはそのなだめ役を押し付けてしまう形にはなってしまったけど...。)」
私の目の前で八卦炉を2つ使った大技を準備する魔理沙と、整然と佇む変身したレプトーフィスが両手を静かに広げる形に体勢をとり、身体に電流を走らせる。身体のラインに沿って虹色に光る魔理沙の容姿、そして箒の両端に据えられた2つの八卦炉。両手から青白い電流を内蔵されたドールワイヤーを伝い増幅した殺人音波、そして頭頂部のホーンに収束した黄色い電流が今か今かと刻を待つ。
魔理沙「恋符『ギガ・スパーク』!!!』
咲夜「!?」
アリス「やっぱり新技!?」
レプトーフィスへ向けていた方の八卦炉にてマスタースパークのエネルギーを球状に凝縮したエネルギーボールを発生、それに対して箒を出来る限り長く持ち、身体全体を使い渾身のフルスイングをそれに対して繰り出す。無論、そのフルスイングの芯の部分にはもう1つの八卦炉の絶大なエネルギーが込められていた。つまり....
パチュリー「濃縮したマスタースパーク、2つ分のエネルギーを持った...。」
美鈴「えっぐい爆発力を持ったボールっ....!」
大妖精「ダブルスパークの...上位互換てことですか?!」
アリス「練也!」
向かってくる虹色の塊。それに怯む様子は、ない。黄色い複眼のその奥には相変わらず死んだ目がそれを見据えるのみ...。しかし今の彼の心は、再び負けまいぞという静かな闘志が消えることなき炎となり立ち続けている。胸部に集束した殺人音波に対して頭頂部に達したタキオン粒子が急速に下降、胸部にて合流した2つの力が束となる。そこから一挙に勢いつけて右下肢末端にそのエネルギーを集結。
ダークカブト「....ライダーキック....!!」
〈RIDER KICK〉
放たれた魔理沙から放たれたギガ・スパークとレプトーフィスが放ったドールワイヤーを経て増幅した殺人音波にタキオン粒子を重ねたライダーキックが干渉。障壁が形成され、その衝撃はパチュリーの防護壁に守られているギャラリーがいるところにも及んだ。
ダークカブト「.....!!!」
魔理沙「いけえええええぇぇえええ!!!!」
キックの体勢を作ったままギガ・スパークとタメを張るレプトーフィス。ただでさえ強力なマスタースパークを凝縮、さらにその2つ分のエネルギーを持った技。それを迎え撃つライダーキック。タキオン粒子はその粒子に触れる者が原子レベルから崩壊を引き起こす、しかしそれを巻き返すレベルの魔力の塊がレプトーフィスの眼前に頑として立ちはだかる。殺人音波により威力の増大が図られてはいるが、それに引けを感じないギガ・スパークの威力。
アリス「.....!(練也...!!)」
彼の名前を強く心から念じ、私は自身の両手を深く胸の前で祈るように組む。目を閉じて祈った、彼の勝利を。そして、彼の無事を。...その想いが通じているかはわからない。だけど、自然にそうしなきゃ...こうしなきゃ彼が無事じゃないような気がしたから...。その作用が働いたとは思わない。だけどそれは、実際私の前で起こっていた。同じように祈るような体勢になっていたシャンハイの身体から、青白い...。練也の操る殺人音波と似たような色合いの、そのオーラが魔理沙の放ったギガ・スパークと拮抗している練也の身体に運ばれてそれを徐々に帯びていく。
ダークカブト「....(この力は...この感じはなんだ...。)」
先程までの押され気味な感覚は消え、考える余裕すら出来たレプトーフィス。ふとその形を成さないものの動線を複眼越しに辿っていけば、その瞳はアリスとシャンハイへと向けられていた。
魔理沙「....!!?な、なんだとぉぉお!!?」
レミリア「....まさに愛の力というところかしら?」
再びダークカブトは魔理沙へ顔を向け、拮抗した力の障壁に変化が起きたことを認めた。レプトーフィスの放ったライダーキックのパワーが優勢に傾きだし、ギガ・スパークの勢いが衰え始めた。いよいよその拮抗が解かれ、魔理沙が放った絶大な威力のギガ・スパークはサッカーボールの如く蹴り返される。猛烈な勢いで迫る自身が放ったギガ・スパーク.....。それに対し、魔理沙は尚も抗う。
魔理沙「"恋符『マスタースパーク』"!!!」
18番の技を力を注ぎ込み撃ち出した、しかしそれは迫る。もう迎撃は無理か。そう考えていた魔理沙のその眼前に新たな状況の変化が起こる。いきなり迫り来るギガ・スパークの横腹を突くように火柱のような閃光がそれを飲み込む。
魔理沙「ぐおぉっ!!?」
それにたまらず吹き飛ばされる魔理沙。その彼女の眼前には、レミリアの妹の吸血鬼。フランドール・スカーレットが宙を舞い楽しげにはしゃぎ飛び回る。更にそれを追って新人メイド、発音れんなもその場に踊り出る。