東方 外来人物語   作:佐藤練也

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東方 外来人物語

この後すぐ


第175話

月下に交わる2つの槍は、熾烈な剣戟を交わし合う。金属同士が強い力を以てぶつかり合っている、決して生半可なパワーではないと思わせる衝撃音が辺りに木魂して、夜の草原に繁茂する草々の上を忙しなく動き回りそして互いに槍を突き出し合うのは、1人の人間と、1人の妖怪であった。

 

 

練也「でやあああああぁああっ!!!」

 

 

一旦距離をとり再び詰め、そこから渾身の刺突。十文字の刃がぬえを捉えんと迫るがそれを僅かに身を逸らすことで回避する、その彼の穂先に三叉の槍を絡め一時的に槍を取り回し出来なくしてしまう。ギリギリギリィ、金属同士が擦れ合う音が響いて互いの視線が交錯する。

 

 

練也「.....!」

 

ぬえ「この世界は弾幕だけじゃないというのも、お前の知っての通り。だが人間にしちゃ筋がいい...外来人なら尚更。...だけどな。」

 

 

ぬえがからめていた三叉槍を一瞬手を離した隙を見逃すまいと、それを払い除けようとしたところを逆に突かれる。俺が振り払おうとしたぬえの槍を抜け、俺の槍は虚空を撫でたにとどまり俺は完全な隙を作ってしまった。そこへ間髪入れずに蹴りを1発喰らい、数歩後退る。

 

 

ぬえ「耳目も利くようだが、それが仇になったな?」

 

 

練也「まだまだっ!!」

 

 

 

再び駆け出していくその身に瑞穂疾風を携え、上段の構えからすぐさま刺突を見舞って、上から振り下ろし。更に横薙ぎを連続して身体を回転させる動きに合わせて、ぬえに対して繰り出す。攻撃の手は決して緩めない。まだまだ体力にも余裕はある、それにぬえはまだ槍しか使っていない。弾幕は一切使ってない上、まだ動きに余裕が見られた。

 

 

ぬえ「お前の話は色々なところで聞き及んでいる。時に迷いの竹林では案内人やウサギ達との稽古で力の出し方を学び、そしてその今振るう立派な槍、槍術は魂魄妖夢との太刀合からその伸び代を見せ始めた。そしてそこでスペルカード...更には...。」

 

 

練也「ちぃ!」

 

 

 

気のせいか。ぬえのシルエットが不鮮明になり始めたように見えた。なんというか、文字化けやモザイクが自身の視界にかかったかのような現象が俺に起きた。これも、彼女の能力なのか?

 

 

 

ぬえ「穂先が明後日向いてるぞ!」

 

 

練也「くああああああああああああああああ!!!!」

 

 

 

なんだっ!...優曇華の狂気に似た力か。これが...正体不明の妖怪の力なのか!?

 

 

ぬえ「出してみなよ!"見えない波"ってヤツをさ!」

 

 

 

不意にぬえの能力と思われる作用が消え、前上方より振り下ろされるぬえの三叉槍。それが俺の脳天を貫かんと迫る、それを認識した直後。

 

 

っっっっどっっっっ!!!!

 

 

 

一瞬、空気が震えた。自らの周りの大気が、脈動を起こすように跳ねたかのような空気の流れの変化をぬえは感じとり、三叉槍はそれに触れピリピリと小刻みに震えた。その後、練也の周りを囲んでいた空気は内側から何か弾け飛んだように急激な乱れと動きを起こし、彼の身から放たれたであろう"白い幕"が、迫る三叉槍とぬえを吹き飛ばした。

 

 

 

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!!!!

 

 

 

ぬえ「ぐあっ(なんだいまの、すごい激力に、つんざくような音は...?!)」

 

 

 

 




【紅魔館】

レミリア「レプトーフィスは、冥界へ向かうようね?」

美鈴「大丈夫ですかね?人形に入っていた魂を、また人形にいれて持ち帰ってくるなんて...。」

咲夜「それを言って止めようとしても、止まることはないでしょう。彼はそういう生き物よ。」

パチュリー「さすがメイド長、見事な観察眼ね。」

咲夜「あれほどクセの強さを持つ存在ですから、彼は...。だけど、少し時間はかかるかもしれませんね。」

フラン「そうかなぁ?魂ってどうやって持って帰ってくるの?」

れんな「話を聴いて中々飛躍した内容...ではないという事実に、私もやっぱり幻想郷の住人になったんだなぁってつくづく思わされますねぇ〜。」

レミリア「この幻想郷に凝り固まった常識は、存在しない。そうでしょう?」
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