東方 外来人物語   作:佐藤練也

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東方 外来人物語

この後すぐ。


第177話

濃霧の中を、1人の男が死んだ目を前に見据える。その男が両手で優しく抱くようにして携えていたのは、1人の美しい小さな少女の人形であった。

 

 

レプトーフィス「...霧か。」

 

 

黒いタキシードを着こなす天然パーマの男は、その手に抱える眠ったように動かない人形を落とすことなく静かに道を踏み締める。男はとある外来人に擬態した、地球外生物。全体の呼称をワームと呼ぶ種族、その中の"レプトーフィスワーム"と呼ばれる個体名を持つ者だ。

 

 

レプトーフィス「...霧が晴れてきたか。」

 

 

道を閉ざすように立ち込めた霧が晴れ、その遥か向こうには長い整備された斜面の上へと続く石段が見える。左右に均等に配置された石灯籠には、幻想的な紫に発光する灯りが灯され今いる位置からでも確認出来る。あれを登り切った先に、目的地がある。

 

 

 

レプトーフィス「(...。何をやっているというのだ、俺は...。)」

 

 

 

ここに至る迄の経緯を振り返る。オリジナルを殺すために、まずアリス達との親睦を深めそこを足がかりに幻想郷全土に捜索網を広げ、佐藤練也を殺害するつもりだったが...。同族や魔法使いとの戦いや吸血鬼との出会いを経て、俺は今こうして何を血迷ったか人形に失った魂を再び吹き込ませるために冥界へ来ている。元の目的とはかけ離れた場と行為、俺はこの世界で色々な影響を受け過ぎていた。

 

 

 

レプトーフィス「(俺の中でヤツの殺害処理は確かに宿命の筈...だが...。)」

 

 

 

その瞬間頭をよぎるのはアリスやシャンハイの顔、そして今自分が抱える人形の眠ったような表情。...それが自然とそのアクションを抑制していた。

 

 

 

レプトーフィス「...俺もヤキが回ったか。」

 

 

 

そのまま冥界へと、その足をレプトーフィスは進めて行くのであった。

 

その頃...白玉楼の縁側。

 

妖夢「はぁ...もう食材を切らしてしまいましたか。では暗くならないうちにまた買い出しに行かないと...。」

 

幽々子「妖夢〜。買い出しに行くのもそうだけれど、お茶の準備もしておいて頂戴〜?」

 

縁側である霊魂に向かい微笑みを向けていた幽々子は、妖夢にいつも通りの要求に次ぐ要求、妖夢もそれをいつもの事だと淡々と手際よく処理していく。トンと置かれた湯呑みが2人分、縁側で湯気を立てるその横である来客を待つ幽々子。

 

 

 

幽々子「どんな人かしら...ちょっと会うの楽しみねぇ〜。人形使いの居候...ね。」

 

 

ある霊魂を1つ。手のひらに乗せながら、西行寺幽々子は優雅に会合の時を待つ。

ーーーーーーーー

 

 

練也「強刃『バスターランス』!!!」

 

 

 

ぬえ「正体不明『義心の平安UFO襲来』!!!」

 

 

 

ぬえが多数のUFOを空間に出現させて、そこから数多の緑色のレーザーが放たれ、それが自分へと迫る。そこからやや遅れて俺も瑞穂疾風を肩に振りかぶり二段階の衝撃波のブーストを経て、ぬえへとその穂先をぶっ放す。幻想郷の美しい夜空に響く轟音と、それと同時に発生した爆発。衝撃が、幻想郷を駆け抜けた。...槍を放ったその後、身体から槍が放たれた瞬間にぬえの緑色のビームが俺の身体へと命中。焼けた鉄の塊を押し当てられたその例えに相応しいような、そんな激痛が腹部を中心に身体中へ広がっていく。

 

 

 

練也「がああああああああああっ!!??!」

 

 

ジュウウウウウウウウゥゥウウゥゥ....!!!

 

 

焦げ付く、自分の狩衣と皮膚が色を変化させていき、痛みが自分の体勢を崩してそのビームに巻き込まれて吹き飛ばされ草原の上を転がり、その身を横たえた。

.

 

ぬえ「...っ!!!?」

 

 

 

一方のぬえも、その身に槍により生じた凄まじい圧と、その穂先の末端を身に受けた。頬を掠めた刃は地面を抉り、地面に亀裂を生じさせた。ぬえの頬からは、赤い血が肌を伝い地に滴る。それを手で拭ってから、吹き飛ばされた練也の方を見ながら呟いた。

 

 

 

ぬえ「...背伸びしやがって。」

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