【この物語は、東方project×仮面ライダーの2次創作作品です。】
妖夢「どうぞ...。」
茶の湯を幽々子様と練也さんに酷似した来客の方に振る舞う中で、やはり彼は改めて練也さんではないと確信出来た。絶えず友好的とは言えない不穏な雰囲気...この静かな佇まいの中にあの死んだ魚のような目は生気を感じる感じない以上に不気味なもの...。そして研いだ刃のように冴えた洞察力...。私がほんの僅か口を動かした、少しの所作を起こすまでもなく、問いを掛けるまでもなく答えを口にする...練也さんじゃなければ...果たして人間かも怪しくなってきた...。
幽々子「ありがとう、妖夢♪もう大丈夫よ。席を外しておいてちょうだい。」
妖夢「はい。では、私は夕飯の買い出しに行って参ります。幽々子様。」
幽々子「ええ。よろしくおねがい♪」
物腰穏やかに妖夢へ告げ、去り行く彼女を見送る幽々子。ただその場には、舞い散る桜の花弁が舞う幻想的な光景が静かな時の中で広がっていた。お茶を啜る幽々子に構わずレプトーフィスワームは、手にしたアリスの人形をまだ手から離さずにいた。
幽々子「ごめんなさいね、あの子。妖夢ちゃんと言って私の世話役の子なんだけど、必要以上に怖がっちゃってるみたいで...。気にしないでちょうだい。」
レプトーフィス「構わん...。俺の目的は別にある。」
幽々子「えぇ。知ってるわ。アリスのお人形ちゃんの魂を迎えに来た...そうでしょう?」
前々から来ることは予測していたということか...。話に聞いたがこの女は亡霊の姫君という、それを感じさせない温和な立ち回り。表情筋も決して強張ることがなく、終始マイペースを貫き通すタイプの者だ。その気になれば全ての生殺与奪はこの女の力で決まってしまうと、紅魔館の大図書館...パチュリーからも聞いたことがある。
幽々子「貴方もすごく変わった経歴を歩んできているのね...宇宙から来たんですって?すごいじゃない♪」
レプトーフィス「...空から降ることなどこの世界の奴等も簡単に出来る。現に空を飛び回るヤツはゴロゴロ転がっている。」
幽々子「あら、素直になるべきよ?今のは褒めたのに...。」
レプトーフィス...。たしか、練也くんに擬態している怪人...いえ、地球外知的生命体...ワームとかいう化け物だったかしらね。前回の異変で隕石と一緒に落ちて来たっていう...。話では全滅させたとは紫から聞いてはいた。紫がそう言っているのだから、彼は...本来ワームの中にあるはずの在り方からズレ...この世界の住人として生きていくことを決めている、....のかしら?だけどそうよね。ワームとして生きていくなら、こうして穏やかに話してもいない、面と向かって話すことも無かっただろうし...。
幽々子「それに。人形ちゃん1人を助ける為に、紅魔館から冥界にまでわざわざやってくるんですもの、少なくともそこは褒めるべきでしょう?こんな心優しい怪物さんなら、ね♪」
レプトーフィス「...。」