【この物語は、東方project×仮面ライダーの2次創作作品です】
レプトーフィス「...。桜、か。」
度々大きな催しが開かれるという白玉楼の庭は、その要件を満たすに適した広さだ。枯山水の庭を横に眺めながら俺と幽々子は桜の木々が規則正しく生い茂るその中を手に人形を抱えながらゆっくりと歩く、その途中に幽々子が不意に口を開いた。
幽々子「ねぇ?練也くん?...あっ、ごめんなさい?彼じゃないのよね?」
レプトーフィス「佐藤練也でも、レプトーフィスワームでも好きな方で呼べばいい...。俺にとってはどちらも本名だ。」
幽々子「...彼を殺すことに興味を無くす程、貴方はこの幻想郷に魅入られている。だとするなら...貴方にもし私が先程言った状況が降りかかってきた時に...貴方はどう動くのかしら?」
桜の中、歩き進み続ける。その問答の様子を穏やかに見守る桜達の下、俺は当然というように幽々子に返した。
レプトーフィス「アリスやシャンハイの敵となるなら、それは俺の敵だ。敵は殺す。...簡単なことだ。」
幽々子「あら...それが貴方の決めたこと...。ふふ♪練也くんと同じ顔なのに雰囲気だけじゃなくて、やっぱり中身も違うわね。」
レプトーフィス「ヤツはヤツだ...、俺は、俺だ。俺という存在は唯一無二なのだからな。」
桜の中不意に足を止め、幽玄の彼方。暗い空を見上げて俺は幽々子に言う。
レプトーフィス「アリスが言っていた。俺と一緒に過ごしていたいってな。...ならばその通りに動くまでだ。...それからだ...幽々子。」
幽々子「何かしら?」
レプトーフィス「ヤツとはいずれ決着は着ける...。ヤツは俺が差し違えても...時がくれば必ず俺の手でな。...誰にも邪魔はさせん。」
幽々子「...ふふ♪...レプトーフィス...ね?覚えておくわ、その名前とその執念深さもね。」
再び歩き出す。その目線の先には、これまで見たことがない太い幹、苔むした地表に夥しい数の根を張り高く聳える1本の大きな桜と思われる大木が俺を出迎えた。桜と思われると付けたのは、その木には花の1つも咲いていなかったからだ。
幽々子「これは西行妖。貴方のようにこの幻想郷に聳える、唯一無二の桜。...そして生前の私の墓標...。」
レプトーフィス「...。」
幽々子「さあ。ここなら何も気にせずに、2人で楽しめる♪...それにこれで貴方のもっとかっこいい部分を見れるというわけね...♪」
フワッと宙に浮く幽々子の姿を俺は見つめながら、何か物騒な気配を感じながら人形を西行妖の根元へ置く。いつのまにか幽々子の側に浮かんでいた霊魂も、その人形の傍にとどまっていた。