幽々子の優雅かつ強力な一撃を身体に受けたダークカブトは、弾幕の渦巻く壁の中へ放り出されたかのように見えた。その渦の中、弾幕に数発被弾しながらも腰にあるクロックアップボタンを押すことにより、辛くもその状況から脱出したのである。
〈CLOCK UP〉
宙をところ狭しと漂う蝶の群れの中に佇むダークカブト。カブトクナイを逆手に密集する弾幕を、その刃の下次々と破壊して行く。続いてクナイを放り、両腕より収納されたドールワイヤーに殺人音波を流動させた状態で旋風を描く様に身体を一回転。殺人音波を帯びた鋼製のドールワイヤーに触れた蝶の弾幕は弾ける様にして粉塵となり消滅していく。
〈CLOCK OVER〉
弾幕がひしめき合って違い行き交っていた空間は、その残り香とも言うべきものか。弾幕だったモノと思われる粒子が空気の中、漂っている中に幽々子とダークカブトは佇んでいるという状況が作られていた。
ダークカブト「幻想郷とは...美しくも侮れん世界だ...。」
幽々子「宇宙の存在から見ても...この世界が美しいと思うのね...。益々嬉しくて元気になっちゃうわ♪」
ダークカブト「まだやる気か?」
可愛い顔して好戦的な態度をとる...というより純粋にこの場の雰囲気を楽しんでいる様子の幽々子をダークカブトはただ黙って何をするでもなく見つめる。しかしそんな幽々子だが、表情がどこかものたりなげな風に見える。ダークカブトは尚も黙って幽々子を見つめていた。
幽々子「お腹、減っちゃったわぁ〜...。一旦御屋敷に戻りましょっ♪弾幕、楽しかったわ!」
元気にはにかむ様子をダークカブトに見せる幽々子。それを呼び止めるダークカブトの声もどこ吹く風、しかしまだやり残したことがあるというように西行妖へと歩み寄っていく。ダークカブトも静かに足音を立てながらその場へ赴く。
ダークカブト「どういうつもりだ...。」
幽々子「へっ?こういうつもりよ?だって、ここで決着をつけようとなんて思ってやってないもの。気が早すぎよ、レプトーフィス?」
そこで幽々子は徐にしゃがみ、人形を優しく両手で抱き抱えてから宙に滞空する1つの魂に向かい語りかけた。
幽々子「さあ。貴女の帰るべき場所へ帰りなさい...。大丈夫、このカッコいいお兄さんが守ってくれるから安心よっ♪」
ダークカブト「......。」
幽々子の言葉に促され、魂は人形へと帰っていく。それを認めた直後に、ゆっくりと人形は目を見開きダークカブトの複眼をジーッと見つめるのだった。
次回、東方外来人物語!