ライダーベルトよりダークカブトゼクターを外し、執事の姿を露わにした擬態佐藤練也ことレプトーフィスワーム。すっかり幻想郷の地に足を付いた佇まいはその表情からも伺えるよう、すっかり順応している。その彼の前腕に腰を下ろすようにして、一体の小さな可愛らしい人形...。アリスが持つ人形のうちの一体が、寄り添っていた。今は幽々子に促され白玉楼の縁側をゆっくりと歩いている。
幽々子「やっぱり、だんまりなのね?」
レプトーフィス「...無駄に喋ることもないだろう。」
幽々子「本当に面白い程に真逆ねぇ〜、もっと興味ありげに彼は話をしてくれるのだけれど...。」
ちょっと不服そうにしながら歩く幽々子。幽々子が言うレプトーフィスと比較する人物、それは紛れもなく佐藤練也だ。大きなお世話だと言いたげにするでもなく、手にした人形にも庭の景色を見せるようゆったりとした余裕ある調子は崩すことはない。その表情は相変わらず死んだ魚の目のそれだ。
レプトーフィス「俺は宇宙から来た存在だ...。宇宙の中でその性質の差異など些細なことだ。」
幽々子「ふふ、拗ねちゃったかしら?」
レプトーフィス「あんなヤツと比較されたところで何も思わん...。」
幽々子「ふぅ〜ん?...ふぅ〜ん?」
彼の相変わらずな無表情を貫く様子にも、ようやくこれが彼自身なのだと納得する幽々子は一室の襖を開けた。畳が綺麗に敷かれた十二畳程の和室に通され、そこには既に茶をもてなす用意がされていた。おそらく今買い出しに行っている妖夢が行く前に段取りしたのだろう。すぐに楽しめるように急須に茶が満たされ、茶菓子も数多くが品よく漆の器に並べられていた。
幽々子「流石妖夢ちゃんね♪ちょっと量は少ないけど...おもてなしはこれくらいがちょうどいいわぁ♪」
レプトーフィス「.....。」
品よく並べられた茶菓子の数々、その側を見れば山のように積まれた菓子の品々。これくらいはペロリと完食してしまうのか、この亡霊は。そう思いながら座敷へ幽々子に誘われ入るレプトーフィス。
幽々子「やっぱり戦って疲れた後はこの甘いお菓子よねぇ。さあ、妖夢ちゃんが帰ってくるのとどっちが先か競走よ!」
レプトーフィス「今度はフードファイトでも始める気か....。」
冷静にツッコミを入れるレプトーフィス。彼もコーヒーに砂糖をふんだんに使う大の甘党だが、茶菓子の山。これを前にすればやはり胃にも意識は行くのだろう、これからは食の戦いの時間のようだ。しかしこれだけのものを、弾幕ごっこが終わるまでのあのわずかな間のみで準備して出たというのだからやはりあの庭師はただの庭師ではないと思った。
次回、東方外来人物語