アリス邸の前における戦いにおいて、自身の邪魔となるワームを排除した俺であったが、脅威を排除したのはいいとして、問題はこれからどうやって行動をするか、といういことである。
クロックアップが解除され、擬態が解除された脱皮後の姿を魔法使いのアリス・マーガトロイドに見られてしまっては、利用する間もなく敵対視され攻撃をされてしまう可能性がある。
先程倒した化け物と同じ存在が、突然自分の前に居るのだから。
???「.....。」
アリス「あっ....、貴方も、さっきの怪物と同じ種族だったの....?!その姿は.....。」
変貌した姿でありながら、俺だと見破る辺り....。なるほど、超常の力を行使するだけの御仁ではあるようだ。
魔法使いと言うこのアリスの言葉は戯言には聞こえない上、この人形共の挙動から、真っ先に俺へ攻撃してくる雰囲気でもないようだ。
この著しい変化を見ても、少し驚くぐらいの胆力を持ち合わせている....、いや、余裕が十分にあると言うべきか。
紫色の刺々しい容姿のワーム....。レプトーフィスワームの容姿のまま、俺は彼女たちに近寄るが、敵意はいまだに見せない。
レプトーフィスワーム「.....どうした?攻撃しないのか?俺はさっきの奴と同じ存在だぞ?」
アリス「なら、貴方は何故さっきの怪物と同じように私を襲わないのかしら?」
レプトーフィスワーム「.....さあな....。ただ、俺はさっきのヤツはとりあえず気に入らなかったから殺した。.....お前たちは、差し障りない存在ゆえ攻撃を加えなかった....。簡単なことだ。」
アリス「...そう。.....とりあえず、助けてくれて礼を言うわ。ありがとう....。何が起こったのか、いまいちよくわからなかったけれど....。」
レプトーフィスワーム「....。」
上海人形「シャンハーイ♪」
ワームの姿だというのに関わらず、この可愛らしい人形。上海人形は、再び俺の頭の上に柔らかい感触を伝えながら腰を下ろした....。
....こうなれば人間態に戻るほかあるまい。擬態した佐藤練也の身体へと、その身体を変貌させたならば先程同様、天然パーマの頭髪を弄ぶ可愛らしい少女像の完成である。
上海人形「シャンハーイ♪」
擬態練也「.....。」
アリス「.....。」
私、アリス・マーガトロイドは今は自分でも信じられない状況に直面している。
第一にわかったことは、今上海と戯れている彼は先程私達によって倒された化け物と、同一の種族だと言うこと。
そうなら、仲間の手助けをする為に私に先程の眼に見えない攻撃を行なって私や上海諸共始末できた筈....。
それどころか、彼は私や上海に加勢しそのよくわからない能力を使って、怪物を倒した....。上海に至っては戦う以前の態度と全く変わらない様子で、彼と戯れているし.....。.....彼の目的を、どうやら知る必要があるわね....。私は攻撃を受けて動かなくなった一体の人形をゆっくりとその手に、優しく身体に寄せるようにして持つ。
???「おーい、アリスーッ!!」
アリス「魔理沙?」
空から聞こえる一人のききなれた少女の声が、私の耳に届く。
白と黒の色合いが特徴の衣装に頭に被った黒の尖がり帽子、箒にまたがりこちらにゆっくりと飛行して近付いてくるその姿はまさに魔法使いの典型的な姿。
その少女、霧雨魔理沙が私と練也の近くに降り立つ。
魔理沙「大丈夫か?!ついさっきお前の家に着くって時に爆発が見えたから、てっきり何かあったのかと...。」
アリス「見ての通り、私や上海や蓬莱は無事よ....、この子は、残念だったけど....。」
魔理沙「....おい、アイツは誰だ?見るからに怪しいぜ....!」
アリス「.....ああ、彼?......彼は.....。」