魔理沙「.....んで、お前がアリスと上海達の危機を救ったってわけか。」
アリス「そうよ...。」
人間態に姿を戻してから突如として飛来してきた、いかにも魔法使いの風体のこの勝気な女は自らの名前を、霧雨魔理沙と名乗った。
アリスの家の中にて3人してティータイム。上海人形が頭の上に陣取っていること、魔法の森の瘴気は人体に影響が出ないこと、今のところ彼女等は俺の行動に差し障り無いこと......。
この場所は森の中にあり、瘴気により隔てられている故に、人目にはまずつかない。
身を隠しながら情報を収集する、拠点として利用するには最適と言っていいだろう。
擬態練也「俺の目的の為、邪魔な奴を消し去っただけだ.....。礼を言われるほどのことはしていない。」
魔理沙「素直じゃないやつだな!そこはどういたしましてと答えるところだぜ?」
擬態練也「さあな....。....。」
上海人形「シャンハーイ。」
相変わらず頭髪を弄ぶ上海人形をそのままに、手早く自己紹介を済ませる。
擬態練也「佐藤練也...。ただの、人間だ....。」
アリス「.....そう。私はアリス・マーガトロイド。七色の人形使いよ。」
魔理沙「私は、霧雨魔理沙。普通の魔法使いだぜ。....練也だったか?1つ聞くぜ?」
擬態練也「何だ....?」
魔理沙「私は魔法が使えると言った点以外は、お前と変わらない、ごく普通の人間だ。だから私は、魔法の森は中を通らずに、そこに置いてある箒を使ってここに来ているんだ。....お前はどうやってここ迄来た?」
擬態練也「.....。聞いたところで、お前に有益な情報などは無い....。」
魔理沙「ほざけっ!さっきの爆発は、アリスを助けたと見せかけるためにお前が仕組んだハッタリじゃないのか!いくらお人好しのアリスでも、そこまで....!」
アリス「魔理沙!」
私は語気を強め、練也に言葉で詰め寄る魔理沙を制した。素性がわからないとはいえ、それはそれ、これはこれ。
少なくとも私は彼の力が無くては、先程の戦いでもっと多くの人形達を失い、自らの命も危うかった筈....。
魔理沙はその場に居なかったからわからなかったかもしれないけれど、彼もおそらくあの怪物と同じ能力を使って、戦ってくれたに違いないわ。
魔理沙「アリス!いくら外来人を何回か匿っているお前だからって、今回のは本当に危ないかもしれないんだぜ?!直ぐ近く...!いや!自分が爆発の真っただ中に居たにもかかわらず、悠々と立っていられる普通の人間なんて、どこにいるんだよ!」
アリス「それなら心配いらないわ。私も彼も、この場に互いがいることで、少なくとも私はだけど....。嫌悪感と言うか、そういうものは一切感じないもの...。」
魔理沙「つまり、こいつに宿を提供しても良いってんだな、他の外来人みたいに!」
アリス「ええ。それに、御覧なさい?上海を。」
魔理沙「....ああ。」
練也の頭には、にこやかな表情を浮かべた上海人形が居座っている。なんとも楽しげであるし、私は彼女がこんなに笑顔になれるなら彼を居座らせてもいいと考えていた。
擬態練也「.....。家事なら...ある程度はこなせるが...。」
アリス「....ふふ、頼めるかしら?」
魔理沙「.....ちぇっ、わかったよ。ただ、私がその都度状況を確認しに来るからな!変なことしたら承知しないぞ!」
なんやらこうだ、ああだこうだで、彼と私の魔法の森でな共同生活が、今日から始まったのでした。