人里の自警団との接触から、今回の騒動に関することで事情徴収を受けるという流れになった俺と、それに付き添い助け船を出すことになった文。
そこであった2人の女性は、まさにあの藤原妹紅と上白沢慧音であった。
里の自警団から経由して会う形の有力人物とくれば、まあピンときたが。
手厚い尋問でも受けるのかと思い、少々こわばりつつも平静を装う俺に、慧音さんは優しく話を掛けてくれた。
慧音「済まないな、急に慌ただしく連れ立ってしまって。」
練也「いえ....、ただ、物騒な雰囲気は伝わってきましたよ....。....あの神社のことで、俺から言わせてもらいたいことがあります。」
文「私もこの場をお借りして、彼が有害な人間では無いという証言をさせていただきます。」
妹紅「ああ。この際わかる部分を言ってもらった方が助かるってもんさ。.....いや、まずは名乗るとしよう。」
改まって自己紹介を促す妹紅を他所に、何やら文はフラッシュオフの状態でシャッターを切り始めている。
それに介せず、淡々と進められるやり取りを見るに幻想郷とは融通が利く部分が外界に比べて多いのだろうか。
というか彼女が思いのほかフレンドリーなのは、接しやすく緊張も解れて助かるし大いに助かっているのだがフォローそっちのけで写真を撮っているのは如何なものか...。
妹紅「藤原妹紅。」
慧音「私は、上白沢慧音という。」
文「あっ、私はもう自己紹介済みですので~(カシャッ」
練也「佐藤練也です。...じゃあ、詳しいことをこれから話します。」
今更だが、今俺達の居る場所について説明がなかったな。言葉足らずはどうやら相変わらずらしい...。
今は、寺子屋の応接室にて慧音さん、妹紅、文の3人に、俺の話を聞いてもらっている。俺が外界から来た人間だと言うこと、そして自分は妖怪の山で天狗に保護(一時拘留?)されたこと。その道中に、危険な目に合ったことも全て伝えた。
慧音「.....そうか。妖怪の山で起こったあの爆炎は.....。」
妹紅「アンタの身に着けた力が、原因てわけね。」
練也「てことは....。...人里からも見えていたんですか、あの爆発が...。」
文「確かに規模も大きい、何やら色鮮やかな炎でしたし、より一層目立ってしまったのでしょう。私も丁度、その時救援に向かっている時でしたので...。」
ふむ....。どうやら、今朝の爆炎の原因は彼の力により引き起こされたもの.....。ならば、その危険な目に遭った後のことだが.....。先程の話の中であった、怪物.....。ワームだったか.....。それの存在については、一体どうなっているのか....。....私達も気を付けなければならないようだ。もしかすると.....、昨日の隕石と何か関係があるのかもしれない.....。
妹紅「っで、白狼天狗の嬢ちゃんは気の毒なことだが、怪物はぶち殺したってことでいいんだよな?」
練也「....はい。この目で、しっかり見ました。俺の蹴りが当たってから、アイツは膝から崩れるようにしてその場で爆発.....。」
妹紅「天狗の証言もある...。白狼天狗を助けたとあっては、どうやらこの幻想郷の敵でもないみたいだが.....。」
慧音「そう毛を立てるように言うな、妹紅。彼も戦いを終えてここ迄足を運んで来た身だ。」
妹紅「....わかってるよ。」
この事情徴収を受けて、再び釈放となった俺であった。
ふぃー....。疲れたぜ....、素に戻ると、地の文までも気の抜けたような内容になってしまうな....。ん?いや、何でもない。こっちの話だ.....。
人里の関連する主要人物、まあ全員と言ったわけではないが、もともと住んでいる住民達からの信頼が厚いこの2人と話し合ったわけだし、とりあえず今日は一緒にこの世界へ飛んで来た神社に戻って、1日経ってから色々と考えよう.....。
色々とあり過ぎて疲れちゃったよ.....。
慧音「あの神社が住処なのであれば、自警団は不要だな....。妹紅、皆には解散してもらってくれ。これは異変ではあるが、私達に害が及ぶことはなさそうだ。」
妹紅「ああ。....。」
俺が身に寄せるようにして立てかけてあった双頭の槍を、2人の後に続き手に持って神社へ戻ろうとした時。...妹紅が俺を不意に呼び止めた。
畳から立ち上がる時より....。いや、人里で会った時から既に彼女からの視線を感じてはいたが、一体なんだろうか?
妹紅「おい。練也。」
練也「?」
妹紅「なかなか、立派な獲物だな?....」
練也「.....そうか。」
妹紅「......また会おう。すぐにな。」